【カオス】、極言すれば《混沌帝龍 −終焉の使者−》や《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》が全盛だった頃のデッキ分類の一種。
上記の二枚に頼らないビートダウンのことであり、形式としては「混沌を制す者」が出る前の【スタンダード】の流れを受け継いでいる。
また、デッキ名称は「No Chaos」、すなわち「カオスモンスターに頼らず、それらに対抗する」という意味を込めて名付けられた。
デッキ構築におけるメリットは「カオス」モンスターを投入しないため、光・闇以外の属性の強力カードを多用することが可能だったこと。
特に地には《D.D.アサイラント》等の除外モンスターや《怒れる類人猿》等のパワーアタッカーがおり、攻撃力では上だった。
しかし、カオスモンスターのような強力なフィニッシャーが存在しない事から、爆発力では遅れをとった。
【カオス】に対してはカオスモンスターが出てくる前に殴り倒すか、カオスモンスターを封じるギミックが必要だった。
また、大流行した【変異カオス】に対して【ノーカオス】で勝ち進むには、《スケープ・ゴート》を「対策」する他なかった。
《王宮の弾圧》を採用した【ノーカオス】は【弾圧ノーカオス】、更に《王虎ワンフー》を投入したデッキは【弾圧ワンフー》と呼ばれた。
混沌を制す者発売により【スタンダード】は【ノーカオス】と【カオス】に派生した。
しかし、《混沌帝龍 −終焉の使者−》《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》6枚体制の時はデッキに差がありすぎた。
《苦渋の選択》でこれらを確実にサーチするなど、凶悪さに対抗するのは困難だった。
《混沌帝龍 −終焉の使者−》が制限カードになり、《霊滅術師 カイクウ》等で対策していくことになる。
《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》が制限カードになり、【ノーカオス】との差は小さくなる。
《D.D.アサイラント》が登場したことにより、【次元斬】等が生まれることになる。
環境のパワー化に合わせて【ミーネ・ウイルス】が登場した。
【カオス】も【ウイルスカオス】となって対抗した。
《混沌帝龍 −終焉の使者−》が禁止カードになる。
《死のデッキ破壊ウイルス》が制限カードになり、《霊滅術師 カイクウ》等の墓地封じが再び使いやすくなった。
《ネフティスの鳳凰神》や《ゴブリンのやりくり上手》等が流行する。
《異次元の女戦士》が制限カードになり【次元斬】が消滅。
《スケープ・ゴート》と《突然変異》の台頭に【弾圧ワンフー】が出現。
《王宮の弾圧》入りの【除去ガジェット】や【アビス・コントロール】もある意味で【ノーカオス】の一種として扱われた。
その後《月読命》を入れて完成した【変異カオス】が猛威を振るう。
終盤には《サイバー・ツイン・ドラゴン》《サイバー・エンド・ドラゴン》が登場し、【ターボカオス】?が出現。
永続罠である《王宮の弾圧》は《ハリケーン》等で無力化されるために、採用されなくなる。
後の【ノーカオス】は【変異カオス】から《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》を抜いたようなものであった。
最後の砦として主流デッキとして残ったのは【除去ガジェット】だけであった。
特殊召喚を多用する【変異カオス】の特徴を逆手に取り、【変異カオス】対策として生み出されたメタデッキ。
《王虎ワンフー》《王宮の弾圧》で狙ったカードは《サウザンド・アイズ・サクリファイス》と《スケープ・ゴート》であった。
《王虎ワンフー/King Tiger Wanghu》 効果モンスター 星4/地属性/獣族/攻1700/守1000 このカードが表側表示でフィールド上に存在する限り、 召喚・特殊召喚した攻撃力1400以下のモンスターを破壊する。
《王宮の弾圧/Royal Oppression》 永続罠 800ライフポイントを払う。 モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む 効果を無効にし、そのカードを 破壊する。 この効果は相手プレイヤーも使用する事ができる。
採用されるモンスターは攻撃力が高く効果も優秀な地属性モンスターが中心となる。
これは【変異カオス】で採用されるモンスターの攻撃力がそれほど高くないため、モンスターの殴り合いにおいて有利に立つためである。
アタッカーとして、通常召喚扱いの半上級モンスター《疾風の暗黒騎士ガイア》が採用されることもあった。
また、《サウザンド・アイズ・サクリファイス》対策として《地砕き》や《炸裂装甲》を3枚積んで膠着状態を回避していた。
理論上は【変異カオス】だらけの環境にフィットしたよいデッキであったが使用者の数は少なかった。
それは、同時期に台頭して来た【除去ガジェット】に耐性がなかったことが原因の一つである。
《王宮の弾圧》の対象が少なく、豊富な除去で《王虎ワンフー》を破壊される等キーカードが腐りやすいため、相性の悪い相手だった。
2005年の選考会でも、大きな成果を出す事ができず、ベスト4に食い込み知名度を上げた【除去ガジェット】とは対照的だった。
【弾圧ワンフー】とともに【変異カオス】封じるために生まれたメタデッキ。
【アビス・コントロール】に《王宮の弾圧》を入れることにより相手の大量展開を徹底的に封じる。
《アビス・ソルジャー/Abyss Soldier》 効果モンスター 星4/水属性/水族/攻1800/守1300 水属性モンスター1体を手札から墓地に捨てる。 フィールド上のカード1枚を持ち主の手札に戻す。 この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用することが出来る。
《キラー・スネーク/Sinister Serpent》 効果モンスター(禁止カード) 星1/水属性/爬虫類族/攻 300/守 250 自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在している場合、 このカードを手札に戻すことができる。
《王宮の弾圧/Royal Oppression》 永続罠 800ライフポイントを払う。 モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む 効果を無効にし、そのカードを 破壊する。 この効果は相手プレイヤーも使用する事ができる。
《キラー・スネーク》のおかげで《アビス・ソルジャー》のバウンス能力を自在に使い、《サウザンド・アイズ・サクリファイス》を対策した。
《王宮の弾圧》を自分の手札に戻して、こちらだけ特殊召喚をするなんてことも一応できた。
《キラー・スネーク》をサーチするために《おろかな埋葬》もよく採用された。
―「カオス」モンスター。
「カオス」の名を冠し、闇属性と光属性のモンスターを墓地から除外する事で特殊召喚できる効果モンスター。