【ノーカオス】

デッキの概要

 【カオス】が全盛だった頃のデッキ分類の一種。
 カオスに頼らないビートダウンであり、デッキ名も「No Chaos」、「カオスモンスターに頼らず、それに対抗する」という意味で名付けられた。
 形式としては混沌を制す者発売前の【スタンダード】の流れを受け継いでいる。

デッキ構築に際して

 カオスを投入しないため、光属性闇属性に拘らず、様々な種類のカードを採用できる。
 特に地属性《D.D.アサイラント》《怒れる類人猿》は強力で、攻撃力の水準は高い。
 一方で、カオスを使わないためフィニッシャー不足に悩まされる事も多い。

 【カオス】に対してはカオスが出てくる前に殴り倒すか、カオスを封じるギミックが必要だった。
 特に【変異カオス】に対しては、《スケープ・ゴート》を対策する他なかった。
 そこで《王宮の弾圧》を採用した【弾圧ノーカオス】や、更に《王虎ワンフー》を投入したデッキは【弾圧ワンフー】が多く見られるようになる。

デッキの派生

【弾圧ワンフー】

 特殊召喚を多用する【変異カオス】への対策を重視したメタデッキ
 《王虎ワンフー》《王宮の弾圧》で、《サウザンド・アイズ・サクリファイス》《スケープ・ゴート》を徹底的に封じる。

《王虎ワンフー/King Tiger Wanghu》
効果モンスター
星4/地属性/獣族/攻1700/守1000
このカードが表側表示でフィールド上に存在する限り、
召喚・特殊召喚した攻撃力1400以下のモンスターを破壊する。
《王宮の弾圧/Royal Oppression》
永続罠
800ライフポイントを払う。
モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む
効果を無効にし、そのカードを 破壊する。
この効果は相手プレイヤーも使用する事ができる。

 全体的な構築は【地属性】に近く、【変異カオス】の低攻撃力モンスター戦闘破壊できるようハイビート軸に組まれる事が多い。
 アタッカーとして、半上級モンスターである《疾風の暗黒騎士ガイア》が採用されることもあった。
 また《サウザンド・アイズ・サクリファイス》効果による膠着状態を回避するため、《地砕き》《炸裂装甲》積む

 このように理論上は最高の【変異カオス】対策であったが、同時期に流行した【除去ガジェット】に対抗できないため、使用率は今ひとつであった。
 2005年の選考会でも大きな成果は出しておらず、ベスト4に食い込み知名度を上げた【除去ガジェット】とは対照的であった。

【弾圧アビス】

 【弾圧ワンフー】と共に、【変異カオス】封じるために生まれたメタデッキ
 【アビス・コントロール】《王宮の弾圧》を入れる事で、相手の大量展開を徹底的に封じる。

《アビス・ソルジャー/Abyss Soldier》
効果モンスター
星4/水属性/水族/攻1800/守1300
水属性モンスター1体を手札から墓地に捨てる。
フィールド上のカード1枚を持ち主の手札に戻す。
この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用することが出来る。
《キラー・スネーク/Sinister Serpent》
効果モンスター(禁止カード)
星1/水属性/爬虫類族/攻 300/守 250
自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在している場合、
このカードを手札に戻すことができる。
《王宮の弾圧/Royal Oppression》
永続罠
800ライフポイントを払う。
モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む
効果を無効にし、そのカードを 破壊する。
この効果は相手プレイヤーも使用する事ができる。

 《キラー・スネーク》《アビス・ソルジャー》バウンス能力を自在に使い、《サウザンド・アイズ・サクリファイス》を対策した。
 《王宮の弾圧》自分手札に戻して、こちらだけ特殊召喚を行う事も可能。

デッキの変遷

03/04/24〜03/07/01

 混沌を制す者発売により【スタンダード】は【ノーカオス】と【カオス】に派生した。
 しかし、《混沌帝龍 −終焉の使者−》《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》無制限カードであった時はデッキに差がありすぎた。
 《苦渋の選択》でこれらを確実にサーチするなど、凶悪さに対抗するのは困難だった。

03/07/01〜03/10/15

 《混沌帝龍 −終焉の使者−》制限カードになり、《霊滅術師 カイクウ》等で対策していくことになる。

03/10/15〜04/03/01

 《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》制限カードになり、【ノーカオス】との差は小さくなる。
 《D.D.アサイラント》が登場したことにより、【次元斬】等が生まれることになる。

04/03/01〜04/09/01

 環境のパワー化に合わせて【ミーネ・ウイルス】が登場した。
 【カオス】【ウイルスカオス】となって対抗した。

04/09/01〜05/03/01

 《混沌帝龍 −終焉の使者−》禁止カードになる。
 《死のデッキ破壊ウイルス》制限カードになり、《霊滅術師 カイクウ》等の墓地封じが再び使いやすくなった。
 《ネフティスの鳳凰神》《ゴブリンのやりくり上手》等が流行する。

05/03/01〜05/09/01

 《異次元の女戦士》制限カードになり【次元斬】が消滅。
 《スケープ・ゴート》《突然変異》の台頭に【弾圧ワンフー】が出現。
 《王宮の弾圧》入りの【除去ガジェット】【アビス・コントロール】もある意味で【ノーカオス】の一種として扱われた。
 その後《月読命》を入れて完成した【変異カオス】が猛威を振るう。
 終盤には《サイバー・ツイン・ドラゴン》《サイバー・エンド・ドラゴン》が登場し、【ターボカオス】?が出現。
 永続罠である《王宮の弾圧》《ハリケーン》等で無力化されるために、採用されなくなる。
 後の【ノーカオス】は【変異カオス】から《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》を抜いたようなものであった。
 最後の砦として主流デッキとして残ったのは【除去ガジェット】だけであった。

代表的なカード

関連リンク