豊富なカウンター罠を用いて、相手の戦術を崩すことを目的とするコントロールデッキ。
元々Magic: the Gatheringで使われていたデッキ名で、遊戯王OCGにおいては唯一の「純正コントロールデッキ」である。
パーミッションとは「許可」の意で、カードを使うたび「解決していいですか?」「チェーンしますか?」などと許可を求めなければならないというところから。
上手く回ると面白いぐらい相手が何もできないが、上手く回らないと面白いぐらい自分が何もできない。
現環境でよく使われるデッキの構成やそのプレイング、カードの効果などをしっかりと把握し、対戦相手のカードやプレイングから速やかにデッキ構成を割り出し、的確な対処ができるようになろう。
カウンター罠が中心のデッキ構成になるが、カウンター罠は何かしらのコストを要求するカードが非常に多く、純粋な1:1交換が可能なカードが少ない。
更に伏せカードが増えるため、どうしても手札はあっと言う間に尽きるために、潤沢なドロー加速が最大のハードルとなる。
ドロー加速効果を持つ《デス・ラクーダ》や《豊穣のアルテミス》が無い限り、戦線維持は非常に困難。
まず、ドロー加速要員として《豊穣のアルテミス》、加えて《デス・ラクーダ》は多いほうがいいだろう。
また、リリースが用意できるのであれば、ドロー効果を持つ《天空騎士パーシアス》や、妥協召喚により《人造人間−サイコ・ショッカー》対策となる《光神機−桜火》も非常に有効。
魔法をほとんど使わないデッキなので、光属性・天使族をリリースして召喚することで全ての魔法を無効化する《天魔神 インヴィシル》とも相性がよい。
このカードを採用する場合、戦闘回避にはカウンター罠ではなく《異次元の境界線》を使い、場・手札を整えてから魔法無効化することでペースを掌握するのが一般的である。
《王宮のお触れ》により相手の罠だけを無効化し、《マジック・ドレイン》をノーコストの確定カウンターに変化させる《The splendid VENUS》も非常に強力である。
セットされたカードへの対抗策として《スカラベの大群》や《イナゴの軍勢》を採用したい。
また、手札コストは厳しいが、《スナイプストーカー》を除去にあてるのもいいだろう。
これらのカード以外では、ダメージ源、兼壁として《マシュマロン》も有効。
罠カードをサルベージする《闇の仮面》を採用してもいいかもしれない。
魔法カードは不要、と言うより投入スペースが無いのが現実。
必要なカウンター罠を手札に加えるためのドロー強化カードは流石に必須だったが、他に採用すべきカードは少ない。
かつての優秀なドローソース《強欲な壺》《天使の施し》は現在ではいずれも禁止カードとなっており、代わりに《貪欲な壺》が使われることもあるが稀である。
他に起用の可能性があるのはメタカードである《王宮のお触れ》を破壊できる《サイクロン》、《人造人間−サイコ・ショッカー》を破壊できる《地砕き》程度。
伏せカードを多用するので《大嵐》との相性は最悪である。
『《強欲な壺》(時代によっては《天使の施し》)のみという特化型を選択するのも十分選択肢の内』と書かれたことからも、本当に特殊な構築のデッキであるのが実感できる。
デッキの中軸を成すカウンター罠の中では、最大の汎用性を誇る《神の宣告》は必須。
その他に相手を妨害する手段として以下のものをメインに使っていく。
また、《魔宮の賄賂》もカウンター罠としては最上級の汎用性を持つ。入れておいて損はないだろう。
相手にモンスターを並べさせないための《キックバック》や《畳返し》も重要。
ドローやサーチを潰す《強烈なはたき落とし》、蘇生等を阻害する《ヒーローズルール2》も十分に採用圏内だろう。
また、上記のとおり採用するモンスターは能力値が低めのため《攻撃の無力化》もスロットに余裕があれば入れたい。
通常罠は、《聖なるバリア−ミラーフォース−》が入るかもしれない程度。ほぼ全ての攻撃を回避する必要があるので《次元幽閉》では守りきれない。
手札消費を減らすためにコストをライフコストに偏らせる作戦も考えられる。
この場合《デス・ラクーダ》のような不安定なドローブーストは不採用。
《神の宣告》《盗賊の七つ道具》《我が身を盾に》が主要なカードとなる。
強力な攻撃力や効果を持つモンスターを召喚し、これを守りながら戦うというコンセプトは変わらないが、手札消費を減らす分、多彩な防御と除去を可能とする。
一方でライフコストで賄うと言うことは、カウンター失敗を絶対許さない半ば背水の陣となることも多いので、そのタイミングは非常にシビアになる。
必ず防がなければならないものとして、『罠封じ』『魔法・罠破壊』は言うに及ばず、ダメージ計算や戦術を狂わせる《停戦協定》やかつての《破壊輪》あたりも致命傷となるので特に注意せねばならない。
『絶対に発動させてはいけないカード』…すなわち、「マストカウンター」の見極めが重要。
当然ながら《人造人間−サイコ・ショッカー》や《王宮のお触れ》等の『罠封じ』、《大嵐》や《氷帝メビウス》等の多くの伏せカードを破壊する効果を持つカードはその最たるもの。
それらに対応できるカードが無かった場合は、間違いなく致命傷を負う。
それに加えて大切なのが、アドバンテージを取ることだ。
手札使いが荒いからこそ手札の確保が最重要であり、ドロー加速カードは可能な限り守り続ける必要がある。
手札がなければブラフさえかけられないのだから、このデッキにとって「手札確保」が如何に重要かは理解できよう。
やはり罠カードの多さから、《人造人間−サイコ・ショッカー》や《王宮のお触れ》は天敵。
確実にカウンターしたい所だが、通してしまった後のことを考えて対抗カードは温存するべき。
カウンター罠の発動から特殊召喚できる《冥王竜ヴァンダルギオン》を中心としたデッキタイプ。
阻害能力を落すことなく、打撃力を補えるため、最も優秀な【パーミッション】と呼べるだろう。
《冥王竜ヴァンダルギオン》と《豊穣のアルテミス》の属性から、《カオス・ソーサラー》も採用できる。
天使族統一型のデッキ。
《豊穣のアルテミス》によるドロー加速に加え、《裁きを下す者−ボルテニス》や《人造天使》を中心とし、《王宮のお触れ》にある程度の耐性を持った【パーミッション】である。
派生型として、《天空の聖域》、《天空聖者メルティウス》を使い、更に除去力を増強したもの。
除外ギミックを搭載し、《救済のレイヤード》を中心とした回収効果を発動させるものなどが存在する。
《緑光の宣告者》と《紫光の宣告者》を中心としたパーミッションデッキ。
多量の天使族モンスターを必要とする、最も特異な構築をしたパーミッションデッキと呼べる。
《神聖なる魂》を起用する点も特徴と言える。
モンスターレスの一点特化型パーミッションデッキ。
カウンターやライフゲインでひたすら凌ぎ、数枚の《波動キャノン》の維持、もしくは《終焉のカウントダウン》のターン経過に全てを賭ける。
打撃力は愚か、戦線維持や手札獲得にさえ注意を払っておらず、その分勝ち筋の薄さも半端ではない。
あまりにも手札が足りないため《天変地異》と《デーモンの宣告》のギミックを積むタイプまである、といえばそのすさまじさがわかるだろう。
【パーミッション】中最もすさまじい構築難易度を誇るデッキであり、勝利したとき一番格好のいいデッキである。
《ヴィクトリー・ドラゴン》によるマッチキル能力を取り込んだ、究極のパーミッション。
単体では使い物にならない《ヴィクトリー・ドラゴン》をサポートするため、安定度は無論落ちる。
恐ろしくバランスが要求されるため、普通のプレイヤーが使う分には【MCV】の方が強い。
ライフでコストを賄える、もしくはノーコストのカウンターカードで相手のモンスター除去を無効にしつつ、軽量の上級モンスターを展開し殴り倒すデッキ。
コンボデッキ風なパーミッション系列と比べると、コントロールの色が薄まりビートダウンの色が濃くなる。多くの【剣闘獣】、【メタビート】もこのタイプのデッキ構成になることが多い。