呼び名が長いので「フィフ」と略されることが多い。
【ビートバーン】【カウンタービート】と並ぶ「ハーフ」ビートの一つ。
「ビートダウン」と「ロック」という相反するデッキタイプの構成カードを両方採用したデッキ。
両方の要素を持つその形式から「50:50(fifty-fifty)」と名づけられた。
このデッキの戦い方は二つに区分され、現在ではどちらも許容するようになっている。
一つはロックを仕掛け、ロックカードをバウンス・破壊して殴りかかるタイプ。
その中にも、数ターン後に大ダメージを叩き込むタイプと定期的にダメージを与えるタイプが存在する。
前者は《海竜−ダイダロス》を使った【水属性】、《デビル・フランケン》《幻想召喚師》入りの【変異カオス】が代表である。
一般的に構築される【神炎皇ウリア】もこちらのタイプである。
ちなみに、このデッキの創始者は《混沌帝龍 −終焉の使者−》の効果を最大限に生かすために【フィフティ・フィフティ】を作ったと言う逸話もある。
後者は《キラー・スネーク》が禁止カードになる前に活躍した【アビス・コントロール】が代表である。
もう一つはロックをすり抜けるモンスターで攻撃や直接攻撃を仕掛けるタイプである。
キーカードは《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》や《平和の使者》などなどの攻撃力やレベルによって規制されるカードである。
【ローレベル】や《伝説の都 アトランティス》を使用した【水属性】、ダイレクトアタッカーを使った擬似バーンデッキが代表である。
このタイプでは《ホルスの黒炎竜 LV6》や《E・HERO ワイルドマン》が切り札・対抗策として活躍することがある。
なお、《光の護封剣》や《光の護封壁》などなどで相手だけロックする場合も【フィフティ・フィフティ】と呼んで差し支えない。
手札事故の時は「ロック」、通常時には「ビートダウン」というように、状況に応じて戦い方を変えられる柔軟性が魅力。
《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》や《レベル制限B地区》等で身を守り、《ハリケーン》や《非常食》でこれらのロックパーツを解除して攻撃する、というのが基本戦術となる。
また、「ロックしている間に優位に立つ」手段を備えておくべき。
具体的にはロック継続したままライフを削ることができる《ステルスバード》《サブマリンロイド》、ロックをすり抜ける《不意打ち又佐》等のロックしていない状態でもある程度生き残れるモンスターが採用される。
他には、脆いもののドローを永続的に加速させてくれる《デス・ラクーダ》の採用も非常に有効となる。
上手く使うことができれば、相手によって戦い方を変える変幻自在なデッキとなり、メタを外す事も可能。
ただし微妙なバランスが要求され、相当創意工夫しないとどっちつかずの中途半端なデッキとなってしまう。
弱点は安定性・速攻性に欠ける点。
場をコントロールできずジリ貧となり苦しむ場合が多い。
このデッキは、言い方を変えると『コントロールに特化したビートダウン』であり、攻撃性には欠ける場合が多い。
ビートダウン要員には可能な限りステータスの高く、優秀な効果を持つものを採用したい。
また、ロックパーツ等を投入しているため、カード消費の面でも比較的苦しい思いをする。
【フィフティ・フィフティ】の戦術を使用するデッキでは【変異カオス】が最も有名。
通常時は完全な「ビートダウン」として機能し、《サウザンド・アイズ・サクリファイス》の効果でロックを仕掛ける。
核を成していた《サウザンド・アイズ・サクリファイス》と《月読命》は現在では禁止カードに指定されている。
その他にも、《月の書》や《突然変異》、《スケープ・ゴート》等、多くのキーカードが制限化された。
当時の環境でどれほど猛威を奮っていたかが伺われる。
《伝説の都 アトランティス》によりレベル3へと変化した下級アタッカーを用いるデッキ。
《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》や《レベル制限B地区》の影から殴りかかることを基本戦術とする。
《グリズリーマザー》から特殊召喚するモンスター群が豊富であり、柔軟性の高さも十分。
更に、《海竜−ダイダロス》や《氷帝メビウス》でロックを解除しトドメを刺すタイプも存在する。
永続罠で相手のモンスターをロックし、《神炎皇ウリア》の力を解放すると共に解除を行い、一気に殴り倒すデッキ。
類似カードの《オオアリクイクイアリ》が活躍することもある。