*【フィフティ・フィフティ】 [#t5fc8546]
 呼び名が長いので「フィフ」と略されることが多い。~
 [[【ビートバーン】]][[【カウンタービート】]]と並ぶ「ハーフ」ビートの一つ。~
 「[[ビートダウン]]」と「[[ロック]]」という相反する[[デッキ]]タイプの構成カードを両方採用した[[デッキ]]。~
 両方の要素を持つその形式から「50:50(fifty-fifty)」と名づけられた。~
 この[[デッキ]]の戦い方は二つに区分され、現在ではどちらも許容するようになっている。~
*【フィフティ・フィフティ】 [#top]

 一つは[[ロック]]を仕掛け、[[ロック]]カードを[[バウンス]]・[[破壊]]して殴りかかるタイプ。~
 その中にも、数ターン後に大[[ダメージ]]を叩き込むタイプと定期的にダメージを与えるタイプが存在する。~
 前者は[[《海竜−ダイダロス》]]を使った[[【水属性】]]、[[《デビル・フランケン》]][[《幻想召喚師》]]入りの[[【変異カオス】]]が代表である。~
 一般的に構築される[[【神炎皇ウリア】]]はこちらのタイプである。~
 ちなみに、このデッキの創始者は[[《混沌帝龍 −終焉の使者−》]]の効果を最大限に生かすために【フィフティ・フィフティ】を作ったと言う逸話もある。~
 後者は[[【アビス・コントロール】]]や[[【Vドラコントロール】]]が代表である。~
#contents

 もう一つは[[ロック]]をすり抜ける[[モンスター]]で攻撃や直接攻撃を仕掛けるタイプである。~
 キーカードは[[《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》]]や[[《平和の使者》]]などなどの攻撃力やレベルによって規制されるカードである。~
 [[【ローレベル】]]や[[《伝説の都 アトランティス》]]を使用した[[【水属性】]]、[[ダイレクトアタッカー]]を使った擬似[[バーン]][[デッキ]]が代表である。~
 このタイプでは[[《ホルスの黒炎竜 LV6》]]や[[《E・HERO ワイルドマン》]]が切り札として活躍することがある。~
**[[デッキ]]の概要 [#abstract]
 「[[ビートダウン]]」と「[[ロック]]」という相反する[[デッキ]]タイプを混合させた[[デッキ]]。~
 [[相手]]の[[攻撃]]を封じつつ、[[ビートダウン]]を行う。~
 [[デッキ]]構築難易度が高く、[[プレイヤー]]の腕が重要になる。~

 なお、[[《光の護封剣》]]や[[《光の護封壁》]]などなどで相手だけ[[ロック]]する場合も[[【フィフティ・フィフティ】]]と呼んで差し支えない。~
 [[デッキ]]名は「二つのデッキタイプを併せ持つ」事から、「50:50(fifty-fifty)」から取られている。~
 [[【ロックバーン】]]や[[【ビートバーン】]]等の呼称に準じるならば【ビートロック】、あるいは【ロックビート】とでもいうべきか。~

**基本戦術 [#b8908c12]
 [[手札事故]]の時は「[[ロック]]」、通常時には「[[ビートダウン]]」というように、状況に応じて戦い方を変えられる柔軟性が魅力。~
 [[《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》]]や[[《レベル制限B地区》]]等で身を守り、[[《ハリケーン》]]や[[《非常食》]]でこれらの[[ロック]]パーツを解除して攻撃する、というのが基本戦術となる。~
 成立当時は[[【スタンダード】]]を始めとして、「攻撃用の[[カード]]と、防御&[[ロック]]用の[[カード]]」という[[カード]]単位による分業意識が強かったがために、一つのコンセプトとして成立していた。~
 その後の[[カード]]パワーのインフレに伴い、強固な戦線と[[相手]]への強い掣肘力を自然に発揮できる[[テーマデッキ]]が増加し、【フィフティ・フィフティ】という表現や習俗は事実上形骸化している。~

 また、「[[ロック]]している間に優位に立つ」手段を備えておくべき。~
 具体的には[[ロック]]継続したままライフを削ることができる[[《ステルスバード》]][[《サブマリンロイド》]]、[[ロック]]をすり抜ける[[《不意打ち又佐》]]等の[[ロック]]していない状態でもある程度生き残れる[[モンスター]]が採用される。~
 他には、脆いものの[[ドロー]]を永続的に加速させてくれる[[《デス・ラクーダ》]]の採用も非常に有効となる。~

**この[[デッキ]]の弱点 [#u2d56bcc]
 上手く使うことができれば、相手によって戦い方を変える変幻自在な[[デッキ]]となり、[[メタ]]を外す事も可能。~
 ただし微妙なバランスが要求され、相当創意工夫しないとどっちつかずの中途半端な[[デッキ]]となってしまう。~
**[[デッキ]]構築に際して [#introduction]
 [[ロック]][[カード]]は[[《光の護封剣》]]や[[《光の護封壁》]]等の例外を除き、[[自分]]の[[モンスター]]にも影響を及ぼす。~
 [[自分]]の[[モンスター]]も動けなければ、ジリ貧になってしまう。~
 よって、それらの[[永続カード]]を[[フィールド]]から[[離れさせる>離れる]]か、それらの[[効果を受けない]][[モンスター]]で攻めることになる。~

 弱点は安定性・速攻性に欠ける点。~
 場を[[コントロール]]できずジリ貧となり苦しむ場合が多い。~
 このデッキは、言い方を変えると『[[コントロール]]に特化した[[ビートダウン]]』であり、攻撃性には欠ける場合が多い。~
 [[ビートダウン]]要員には可能な限りステータスの高く、優秀な[[効果]]を持つものを採用したい。~
 以下にはそれを可能にする[[デッキ]]構築を、戦術を踏まえつつ紹介する。~
 もちろん、いくつかのタイプを複合しても構わない。~

 また、[[ロック]]パーツ等を投入しているため、カード消費の面でも比較的苦しい思いをする。~
***他の[[カード]]で[[永続カード]]を[[フィールド]]から離れさせるタイプ [#ContinuousCard]
 手段としては[[破壊]]、[[バウンス]]、[[墓地へ送る]]の3つが考えられる。~
 [[《嵐》]]で[[フィールド]]を一掃したり、[[《非常食》]]で[[墓地へ送る]]といい。~
 [[《オオアリクイクイアリ》]]は[[永続カード]]を[[墓地へ送る]]だけでなく[[伏せ除去]]を兼ねて戦える。~

**この[[デッキ]]の派生 [#tff70bb3]
***[[【変異カオス】]] [#zaabe4b9]
 【フィフティ・フィフティ】の戦術を使用する[[デッキ]]では[[【変異カオス】]]が最も有名。~
 通常時は完全な「[[ビートダウン]]」として機能し、[[《サウザンド・アイズ・サクリファイス》]]の[[効果]]で[[ロック]]を仕掛ける。~
 また、[[永続罠]]に限れば[[《神炎皇ウリア》]]、[[永続魔法]]に限れば[[《降雷皇ハモン》]]が[[墓地へ送る]]のに一役買ってくれる。~
 [[《海竜−ダイダロス》]]や[[《破壊竜ガンドラ》]]の[[リセット]][[効果]]を使えば、[[直接攻撃]]を狙える。

 核を成していた[[《サウザンド・アイズ・サクリファイス》]]と[[《月読命》]]は現在では[[禁止カード]]に指定されている。~
 その他にも、[[《月の書》]]や[[《突然変異》]]、[[《スケープ・ゴート》]]等、多くの[[キーカード]]が制限化された。~
 当時の環境でどれほど猛威を奮っていたかが伺われる。~
 [[バウンス]]の場合は再利用可能なため、[[破壊]]等よりも[[アドバンテージ]]を失いにくいのが特徴である。~
 そちらの構築は[[【セルフ・バウンス】]]を参照。~

***[[【水属性】]] [#v394b7bc]
 [[《伝説の都 アトランティス》]]により[[レベル]]3へと変化した[[下級]][[アタッカー]]を用いる[[デッキ]]。~
 [[《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》]]や[[《レベル制限B地区》]]の影から殴りかかることを基本戦術とする。~

***[[ロック]][[カード]]の影響を受けない[[モンスター]]を採用したタイプ [#Lock]
 [[《平和の使者》]]や[[《レベル制限B地区》]]を軸にした場合、[[魔法カード]]の[[効果を受けない]][[モンスター]]はメイン[[アタッカー]]になる。~
 中でも[[《ホルスの黒炎竜 LV6》]]は[[モンスター除去]]にも強く、強力無比な[[アタッカー]]となる。~

 [[《レベル制限B地区》]]や[[《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》]]を軸にした場合は[[レベル]]3以下の[[モンスター]]が活躍する。~
 [[《スカラベの大群》]]や[[《イナゴの軍勢》]]、[[《デス・ラクーダ》]]といった[[サイクル・リバース]][[効果モンスター]]は[[アドバンテージ]]を取れる。~
 [[《ワイトキング》]]や[[《サクリファイス》]]、[[《カオス・ネクロマンサー》]]の専用[[デッキ]]や[[【ローレベル】]]をこのタイプにすることがある。~

 また、[[ダイレクトアタッカー]]を使った擬似[[【ロックバーン】]]にすることも考えられる。~
 [[《逆巻く炎の精霊》]]や[[《因幡之白兎》]]で[[壁]]となる[[モンスター]]を無視して[[ビートダウン]]するのである。~
 [[レベル]]4が軸の[[【伝説の都 アトランティス】]]は[[モンスター]]の力を落とさずに戦うことができる。~
 [[《水陸両用バグロス Mk−3》]]や[[《サブマリンロイド》]]は[[ロック]]をすり抜けつつ、[[直接攻撃]]によって[[戦闘ダメージ]]を与えてくれる。~
 また、[[レベル]]が総じて低く、[[直接攻撃]]で[[効果]]を[[発動]]させる[[エレキ]]とも相性が良い。

 [[《平和の使者》]]を軸にした場合は[[攻撃力]]1500未満の[[モンスター]]が活躍する。~
 [[《番兵ゴーレム》]]・[[《ガーディアン・スタチュー》]]といった[[サイクル・リバース]][[効果モンスター]]は[[アドバンテージ]]を取ってくれる。~

 [[《神禽王アレクトール》]]なら[[ロック]]パーツの[[効果]]を[[無効]]化することで、[[自分]]の[[ターン]]の間だけ[[ロック]]を解除して[[攻撃]]するという芸当が可能。~
 [[相手]][[ターン]]には[[ロック]]が復活する上、この[[モンスター]]自体の能力も悪くない。~

 [[《霞の谷のファルコン》]]も、[[《光の護封剣》]]の[[ロック]]を外し、さらに再利用することができる。~
 しかし[[《平和の使者》]]などの、この[[モンスター]]にも[[ロック]]が掛かる[[カード]]の影響下ではそもそもの[[攻撃宣言]]ができない。~
 ゆえにそのような[[ロック]]パーツを[[バウンス]]することができない点には注意。~

***自動・任意で[[フィールド]]から[[離れる]][[永続カード]]を使用するタイプ [#Field]
 他の[[カード]]を使用せず、[[自壊]]する永続[[ロック]][[カード]]を使用する。~
 代表的な[[カード]]は[[《悪夢の鉄檻》]]や[[《平和の使者》]]である。~
 安定性は上がるものの、拘束力が低いのが難点。~

***その他 [#etc]
 [[《ビッグホーン・マンモス》]]等は、[[モンスター効果]]での[[ロック]]を可能にする。~
 [[破壊]]や[[バウンス]]等に頼らず、[[《月の書》]]等で[[裏側表示]]にすることでも[[ロック]]を解除できる。~

**この[[デッキ]]の派生 [#variation]
***[[【変異カオス】]] [#Chaos]
 [[《サウザンド・アイズ・サクリファイス》]]の[[効果]]で[[ロック]]を仕掛ける、【フィフティ・フィフティ】でも最もメジャーであったタイプ。~

-現在は[[キーカード]]の[[《突然変異》]]が[[禁止カード]]に指定されており、構築は難しい。

***[[【Vドラコントロール】]] [#VictoryDragon]
 [[ロック]]を仕掛け、[[《スカラベの大群》]]や[[《オオアリクイクイアリ》]]等で[[除去]]を行い、[[ダメージ]]を与える。~
 [[手札]]を揃えたところで[[《竜の血族》]]で[[フィールド]]の3体を[[ドラゴン族]]に変化させ、[[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]の[[直接攻撃]]を通し[[マッチキル]]を狙う。~

-現在は[[キーカード]]が[[禁止カード]]に指定されており、構築は不可能である。~

***[[【神炎皇ウリア】]] [#Uria]
 [[永続罠]]で[[相手]]の[[モンスター]]を[[ロック]]し、[[《神炎皇ウリア》]]の力を解放すると共に解除を行い、一気に殴り倒す[[デッキ]]。~
 類似[[カード]]の[[《オオアリクイクイアリ》]]が活躍することもある。~

***[[【アレクチェイン】]] [#Alector]
 [[自分]]だけ[[《魔力の枷》]]を[[無効]]にして戦うタイプ。~
 [[《神禽王アレクトール》]]も[[ロック]][[カード]]とは相性が良い。~

***[[【水属性】]] [#WATER]
 [[《伝説の都 アトランティス》]]により[[レベル]]3へと変化した[[下級>下級モンスター]][[アタッカー]]を用いる[[デッキ]]。~
 [[《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》]]や[[《レベル制限B地区》]]の影から一方的に[[攻撃]]することを基本戦術とする。~
 [[《グリズリーマザー》]]から[[特殊召喚]]する[[モンスター]]群が豊富であり、柔軟性の高さも十分。~

 更に、[[《海竜−ダイダロス》]]や[[《氷帝メビウス》]]で[[ロック]]を解除しトドメを刺すタイプも存在する。~
 [[【アビス・コントロール】]]や[[【氷結界】]]もこのタイプに準じている。~

***[[【神炎皇ウリア】]] [#ice163ff]
[[永続罠]]で相手のモンスターを[[ロック]]し、[[《神炎皇ウリア》]]の力を解放すると共に解除を行い、一気に殴り倒すデッキ。~
類似カードの[[《オオアリクイクイアリ》]]が活躍することもある。~
-[[ストラクチャーデッキ−海竜神の怒り−]]も【フィフティ・フィフティ】型の[[【水属性】]]である。~
--第11期の[[ストラクチャーデッキ−凍獄の氷結界−]]では、[[《氷結界の照魔師》]]等[[氷結界]][[サポート>サポートカード]]が拡充されたことに伴い、[[氷結界]][[モンスター]]を主軸に据えた[[【水属性】]]型の【フィフティ・フィフティ】型としての立ち回りが可能となった。~
//照魔師・浄玻璃程度のカードパワーではロックできない

***[[【Vドラコントロール】]] [#p3c59a80]
[[ロック]]を仕掛け、[[《スカラベの大群》]]や[[《オオアリクイクイアリ》]]などなどで[[モンスター除去]]や[[伏せ除去]]を行い、ちびちびダメージを与えていく。~
手札を揃えたところで[[《竜の血族》]]でフィールドの3体を[[ドラゴン族]]に変化させて、[[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]の[[直接攻撃]]を通しマッチキルを狙うデッキ。~
***[[【エーリアン】《宇宙砦ゴルガー》軸>【エーリアン】#Golgar]] [#Alien]
 [[自分]]の[[ターン]]だけ、[[ロック]]を解除して[[攻撃]]するタイプ。~
 詳細は[[【エーリアン】]]参照。~

**代表的なカード [#bf8f987b]
***[[【スケアクロー】]] [#Scareclaw]
 [[【つまずき】]]のコンセプトを継承した、[[リンクモンスター]]による[[ビートダウン]]。~
 詳細は[[【スケアクロー】]]参照。~

**代表的なカード [#keycard]
-[[《レベル制限B地区》]]
-[[《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》]]
-[[《光の護封壁》]]
-[[《平和の使者》]]

-[[《ハリケーン》]]
-[[《非常食》]]

**関連リンク [#d3ccfb3d]
**関連リンク [#link]
-[[【変異カオス】]]
-[[【水属性】]]
-[[【神炎皇ウリア】]]

-[[【Vドラコントロール】]]

-[[【ビートバーン】]]
--[[【炎属性】]]
-[[【カウンタービート】]]
-[[【お触れホルス】]]
-[[【セルフ・バウンス】]]

-[[デッキ集]]