「ビートダウン」と「ロック」という相反するデッキタイプを混合させたデッキ。
相手の攻撃を封じつつ、ビートダウンを行う。
デッキ構築難易度が高く、プレイヤーの腕が重要になる。
デッキ名は「二つのデッキタイプを併せ持つ」事から、「50:50(fifty-fifty)」から取られている。
【ロックバーン】や【ビートバーン】等の呼称に準じるならば【ビートロック】、あるいは【ロックビート】とでもいうべきか。
成立当時は【スタンダード】を始めとして、「攻撃用のカードと、防御&ロック用のカード」というカード単位による分業意識が強かったがために、一つのコンセプトとして成立していた。
その後のカードパワーのインフレに伴い、強固な戦線と相手への強い掣肘力を自然に発揮できるテーマデッキが増加し、【フィフティ・フィフティ】という表現や習俗は事実上形骸化している。
ロックカードは《光の護封剣》や《光の護封壁》等の例外を除き、自分のモンスターにも影響を及ぼす。
自分のモンスターも動けなければ、ジリ貧になってしまう。
よって、それらの永続カードをフィールドから離れさせるか、それらの効果を受けないモンスターで攻めることになる。
以下にはそれを可能にするデッキ構築を、戦術を踏まえつつ紹介する。
もちろん、いくつかのタイプを複合しても構わない。
手段としては破壊、バウンス、墓地へ送るの3つが考えられる。
《嵐》でフィールドを一掃したり、《非常食》で墓地へ送るといい。
《オオアリクイクイアリ》は永続カードを墓地へ送るだけでなく伏せ除去を兼ねて戦える。
また、永続罠に限れば《神炎皇ウリア》、永続魔法に限れば《降雷皇ハモン》が墓地へ送るのに一役買ってくれる。
《海竜−ダイダロス》や《破壊竜ガンドラ》のリセット効果を使えば、直接攻撃を狙える。
バウンスの場合は再利用可能なため、破壊等よりもアドバンテージを失いにくいのが特徴である。
そちらの構築は【セルフ・バウンス】を参照。
《平和の使者》や《レベル制限B地区》を軸にした場合、魔法カードの効果を受けないモンスターはメインアタッカーになる。
中でも《ホルスの黒炎竜 LV6》はモンスター除去にも強く、強力無比なアタッカーとなる。
《レベル制限B地区》や《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》を軸にした場合はレベル3以下のモンスターが活躍する。
《スカラベの大群》や《イナゴの軍勢》、《デス・ラクーダ》といったサイクル・リバース効果モンスターはアドバンテージを取れる。
《ワイトキング》や《サクリファイス》、《カオス・ネクロマンサー》の専用デッキや【ローレベル】をこのタイプにすることがある。
また、ダイレクトアタッカーを使った擬似【ロックバーン】にすることも考えられる。
《逆巻く炎の精霊》や《因幡之白兎》で壁となるモンスターを無視してビートダウンするのである。
レベル4が軸の【伝説の都 アトランティス】はモンスターの力を落とさずに戦うことができる。
《水陸両用バグロス Mk−3》や《サブマリンロイド》はロックをすり抜けつつ、直接攻撃によって戦闘ダメージを与えてくれる。
また、レベルが総じて低く、直接攻撃で効果を発動させるエレキとも相性が良い。
《平和の使者》を軸にした場合は攻撃力1500未満のモンスターが活躍する。
《番兵ゴーレム》・《ガーディアン・スタチュー》といったサイクル・リバース効果モンスターはアドバンテージを取ってくれる。
《神禽王アレクトール》ならロックパーツの効果を無効化することで、自分のターンの間だけロックを解除して攻撃するという芸当が可能。
相手ターンにはロックが復活する上、このモンスター自体の能力も悪くない。
《霞の谷のファルコン》も、《光の護封剣》のロックを外し、さらに再利用することができる。
しかし《平和の使者》などの、このモンスターにもロックが掛かるカードの影響下ではそもそもの攻撃宣言ができない。
ゆえにそのようなロックパーツをバウンスすることができない点には注意。
他のカードを使用せず、自壊する永続ロックカードを使用する。
代表的なカードは《悪夢の鉄檻》や《平和の使者》である。
安定性は上がるものの、拘束力が低いのが難点。
《ビッグホーン・マンモス》等は、モンスター効果でのロックを可能にする。
破壊やバウンス等に頼らず、《月の書》等で裏側表示にすることでもロックを解除できる。
《サウザンド・アイズ・サクリファイス》の効果でロックを仕掛ける、【フィフティ・フィフティ】でも最もメジャーなタイプ。
ロックを仕掛け、《スカラベの大群》や《オオアリクイクイアリ》等で除去を行い、ダメージを与える。
手札を揃えたところで《竜の血族》でフィールドの3体をドラゴン族に変化させ、《ヴィクトリー・ドラゴン》の直接攻撃を通しマッチキルを狙う。
永続罠で相手のモンスターをロックし、《神炎皇ウリア》の力を解放すると共に解除を行い、一気に殴り倒すデッキ。
類似カードの《オオアリクイクイアリ》が活躍することもある。
自分だけ《魔力の枷》を無効にして戦うタイプ。
《神禽王アレクトール》もロックカードとは相性が良い。
《伝説の都 アトランティス》によりレベル3へと変化した下級アタッカーを用いるデッキ。
《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》や《レベル制限B地区》の影から一方的に攻撃することを基本戦術とする。
《グリズリーマザー》から特殊召喚するモンスター群が豊富であり、柔軟性の高さも十分。
【アビス・コントロール】や【氷結界】もこのタイプに準じている。
自分のターンだけ、ロックを解除して攻撃するタイプで詳細は【エーリアン】参照。