【フルバーン】

概要

 一般的な「モンスター戦闘によるダメージ」ではなく、「カードの効果によるダメージ」で相手ライフを0にする事を目的としたバーンデッキの代表格。
 このデッキの派生種は色々とあるが、最もハイスピードに且つ安定した手段で相手ライフを削ることにかけては【フルバーン】の右に出るデッキはない。
 そういう意味ではこの【フルバーン】は、「究極の速攻デッキ」と言えよう。
 デッキの構築力とプレイングによっては、相手に一切の抵抗も許さないまま勝利してしまう事も多々ある。

 ビートダウンコントロールと違う方向性の強さであり、シングルデュエルではほぼ全てのデッキに対して有利に戦える。
 特に、速度を犠牲にして主流デッキをメタった【メタビート】系には滅法強い。
 反面、バーン専用のメタには弱いためマッチ戦ではサイドデッキから対策されやすく、そのため大会などでは十分な成績を残しにくい傾向にある。
 サイドデッキ【自爆スイッチ】のギミックを組み込むこともできるため、マッチ戦では2戦目・3戦目を引き分けに持ち込んで勝利する方法も取る事ができるだろう。

 【フルバーン】の歴史は古く、《メタモルポット》が登場したころから既に存在していたことが知られている。

理論

デッキのコンセプトについて

 デッキを全て高効率のバーンカードとサーチ・ドローカードで埋め、相手ライフを高速で削りきることに特化した特殊なデッキ構築をすることになる。

 デュエルの高速化が進む昨今、大抵のデッキで3ターンもあれば大型モンスターが襲いかかってくるので、【フルバーン】側も極力効率のいいバーンカードを採用しなければならない。
 

相手ライフ8000ポイント8000ポイント8000ポイント
デュエル開始からの自分のターン数
使える自分手札の枚数6枚7枚8枚
手札1枚あたりの必要ダメージ1334ポイント1143ポイント1000ポイント

 デュエル開始時、最初のドローフェイズも合わせて自分手札は6枚。
 つまりカード1枚につき最低1000ポイントダメージが与えられれば、手札8枚(自分ターンで数えて3ターン目)で勝利できる計算になる。
 とは言っても《ファイヤー・ソウル》《仕込みマシンガン》《悪夢の拷問部屋》《魔法の筒》など、実際は1000ポイントを大きく越えるダメージが与えられるバーンカードも多く存在するので、初手が良ければ手札6・7枚で勝利できることもザラである。
 しかし、無論これは「相手伏せ除去を受けてダメージソースを割られなかった場合」の計算であるため、実戦ではこの理論通りには行かないことに注意。
 このデッキにおいて1枚のダメージソースはそれこそ生死を分ける死活問題であり、それ故相手伏せ除去には常に警戒しておかねばならない。

デッキ構築について

 デッキ内のスロットが余ってしまうのであれば、《バトルフェーダー》《威嚇する咆哮》《ゼロ・ガードナー》等の使い捨て防御カードを採用してスロットを埋めよう。
 《八汰烏の骸》《強欲な瓶》等のドロー加速カードでスロットを埋めるという方法もあるが、如何せんそれらの殆どは1ターンのタイムラグが生じてしまう。
 これらのカードも積み過ぎは事故の元となってしまうので注意。
 相手次第では大きく時間稼ぎができる《激流葬》《聖なるバリア−ミラーフォース−》も有効。

1000以上のダメージを与えられるカード

モンスターカード

 火力となるモンスターには様々なものがあるが、デッキの採用枚数をあまり多くしすぎると手札で余り、消費しきれなくなってしまう。
 そのため最終的に投入するモンスターカードは5〜10枚ほど。ドロー加速やデッキ圧縮カードを多用するならそれ以下に絞ることが望ましい。
 下記ではカードの種類別に分けて記述する。

魔法・罠カード

 魔法・罠カードモンスターの召喚と違って1ターン発動回数に制限がない。
 そのため、【フルバーン】で実質的に相手ライフを削る火力は3/4以上をこの魔法・罠カードに頼ることになる。

デッキ圧縮ドロー加速カード

 採用することでデッキ圧縮が行えるようになるため、デッキ内の平均ダメージ量が増加するという副次的なメリットもある。
 また、ダメージソースが足りない場合はスロットを埋める役割としても機能してくれる。

モンスターカード

魔法カード

罠カード

 罠カードドローソースは性質上タイムラグが発生してしまうため、他のカードに比べて採用枚数は極力抑えるべきである。

デッキとしての特徴

 【フルバーン】は通常のビートダウンデッキ構成・戦法が根本から違うため、それによって各種の長所・短所が存在する。

利点

弱点

 一長一短あるが、それでもシングル戦であれば様々なデッキ相手に最強クラスの実力を誇るので、初戦では確実に相手の死角を突けるだろう。
 但し上記のようにメタには滅法弱いため、マッチ戦では少々結果を出しにくいかも知れない。
 それらへの対策として、サイドデッキ【自爆スイッチ】のギミックを組むのも有効。

派生デッキ

【チェーンバーン】

 チェーン数に関係するカードによって、ドローターボをしながらバーンを行う事が可能になった。
 元々は《ご隠居の猛毒薬》《仕込みマシンガン》《ファイアーダーツ》等のカードを利用しチェーンを積み上げる【フルバーン】。
 ここに《強欲な瓶》《八汰烏の骸》《無謀な欲張り》等を主体に速攻魔法罠カードを加える事で、いとも簡単にチェーン4など積み上げられるのだ。
 実際にやってみると《積み上げる幸福》《連鎖爆撃》も面白いように撃つ事ができる。

【ウォールバーン】

 高速で焼き切るために防御手段に乏しい【フルバーン】に対し、少しでも防御に重点を置いたデッキ
 【フルバーン】でも《魔法の筒》《ディメンション・ウォール》くらいは投入されることがあるが、モンスターを使うことは少ない。
 そこにとなる火力を用いて、速度を落とす代わりに防御力を上げている。

【ビートバーン】

 直接攻撃能力を持つモンスターを多く採用し、バーンと同時に戦闘ダメージも拙速して与えていくデッキ
 ビートダウンバーンの2つの要素を持つため対策カードが多くなり、必然的に構築難易度は上がるが、両者が拙速する事によって爆発力は上がる。

【連弾バーン】

 通常魔法の比率を上げて《連弾の魔術師》を採用した【フルバーン】。
 コンボカードとして《トゥーンのもくじ》《精神統一》を採用するのが特徴。
 また、《光の護封剣》《悪夢の鉄檻》を投入し【ロックバーン】にしたものも存在する。

【メテオ・プロミネンス】

 自己サルベージ効果を持つ《メテオ・プロミネンス》を主軸としたデッキ
 通常罠であるため、《ジャンク・コレクター》により再利用できる点と、《おジャマジック》《ヴォルカニック・バレット》手札コストを軽減できる点が特徴である。
 おジャマを利用するため、《凡人の施し》《闇の量産工場》《凡骨の意地》で更に手札を増やすことも容易であり、《メテオ・プロミネンス》さえ手札に来れば、通常の【フルバーン】よりさらに高速で勝利を決めることができる。

関連リンク