【ベン・ケイ1キル】

デッキの概要

 《重装武者−ベン・ケイ》と、大量の装備魔法カードを用いて1ターンキルを目的とするデッキ
 ただし、1ターンキルと言っても、最初の1ターンで勝負を決する方の1キルではないので注意。(初手次第では後攻1キルは不可能ではない)
 普段は出番が少ない装備魔法も、このデッキに関しては大活躍である。

《重装武者−ベン・ケイ/Armed Samurai - Ben Kei》
効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻 500/守 800
このカードは通常の攻撃に加えて、このカードに装備された装備カードの数だけ、
1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。

デッキ構築に関して

 この1ターンキルの主軸は《重装武者−ベン・ケイ》《魔導師の力》《流星の弓−シール》である。
 《重装武者−ベン・ケイ》《魔導師の力》《流星の弓−シール》攻撃力+1000以上の装備魔法(または攻撃力+500の装備魔法と、魔法&罠カードゾーンに置けるカード1枚)が揃えば、攻撃力2000以上×4のダイレクトアタック1ターンキルになるのだ。
 《流星の弓−シール》を装備すれば、伏せモンスター《冥府の使者ゴーズ》《オネスト》などを恐れることなく安全に攻撃を通すことができるのが頼もしい。
 貫通効果を付与する《ビッグバン・シュート》もあるが、《ライトロード・ハンター ライコウ》などの採用率も高めであり安定しない場合がある。

 幸いにも今のところキーパーツには現在(10/03/01)時点で制限カード《増援》以外含まれておらず、ほとんどの3枚積みが可能。
 さらに《重装武者−ベン・ケイ》《増援》サーチすることができ、《魔導師の力》《流星の弓−シール》は、《名工 虎鉄》《アームズ・ホール》サーチする事ができる。
 回転力を上げるカードとして、《成金ゴブリン》や、《無謀な欲張り》も良いだろう。《エア・サーキュレーター》《打ち出の小槌》なら、手札にダブった《重装武者−ベン・ケイ》や不要なカードを戻すことができる。
 3ターン待つことになるが、万能サーチカード《封印の黄金櫃》も欲しい。
 特殊召喚に依存しないデッキなので、《強欲で謙虚な壺》も役に立つ。

 《魔導師の力》は3枚積み確定、《流星の弓−シール》も3枚欲しい。
 後者はサーチカードに合わせて枚数を減らしていく。
 その性質上、魔法&罠カードゾーン装備魔法で埋め尽くされるか、がら空きのどちらかなので、《王宮のお触れ》《冥府の使者ゴーズ》を入れるのがいいだろう。
 さらに、1ターンキルまで大量の手札を温存するので《トラゴエディア》シナジーがある。
 手札5枚で攻撃力3000は馬鹿にできず、キーパーツを揃えるまでの戦力として戦線を維持してくれるだろう。
 また《重装武者−ベン・ケイ》が苦手とする《王虎ワンフー》破壊できるというのはポイントが高い。
 体制を立て直すための《重装武者−ベン・ケイ》《メタモルポット》サーチできる《クリッター》も採用する価値がある。

 《魔導師の力》《流星の弓−シール》以外の装備魔法は以下のものがオススメ。
 攻撃力1000アップの《デーモンの斧》《凶暴化の仮面》、ノーガードのため攻撃力1900アップが期待できる《進化する人類》
 重ねがけのできない《進化する人類》以外は3枚ずつ積んでも問題ない。
 次点として、装備魔法の枚数を増やすため《団結の力》《融合武器ムラサメブレード》も良い。

 また、このデッキ相手除去および攻撃妨害系の罠に、極めて弱いという性質がある。
 《大嵐》《ハリケーン》はもちろんのこと《サイクロン》《魔導戦士 ブレイカー》も合わせて、伏せ除去を徹底しておきたい。
 もしくは《神の宣告》《王宮のお触れ》で、罠そのものを無効化してしまう手もある。

 プレイングが常にワンパターンでマンネリ化してしまうので、ネタカードとも呼ばれる《折れ竹光》《黄金色の竹光》を採用するのもまた一興。
 装備魔法サーチカードを増やせば《折れ竹光》は1枚でも十分に持ってくる事が可能であり、攻撃回数も増えて《魔導師の力》にも数えられる《折れ竹光》は、まったくの無駄カードではなくなる。
 上手く回す事ができれば《強欲な壺》の3枚積み状態であり、《魔法石の採掘》と組み合わせれば高速に手札を交換する事もでき、デッキを高速で回転させる要素となりえる。

 邪道だが、《魔導師の力》×3と、《流星の弓−シール》と、攻撃力+1000以上の装備魔法が揃った場合、攻撃力+7500でダイレクトアタックする装備になる。
 この場合、《名工 虎鉄》などのキーパーツでも攻撃力8000以上となり、1ターンキルが狙える事を覚えておきたい。
 このコンボ《重装武者−ベン・ケイ》が登場していないので【直接攻撃1キル】と呼ぶ。
 おまけでこのチャンスを狙う場合、《成金ゴブリン》回復する1000のライフポイントがとても邪魔になってくるので抜いた方が良い。

弱点と対策

このデッキは個性的なため、対策?マッチ戦にとても弱い特徴を持つ。

メタとして辛いのが、《バトルフェーダー》《ゼロ・ガードナー》《速攻のかかし》といったバトルフェイズを終了させてしまうモンスター
しかし特別な理由がないデッキで後者2つは入り辛い、よって《バトルフェーダー》が厄介なのだが、
幸いにもこのデッキは、ダメージステップでしか特殊召喚をしないので、《王宮の弾圧》で止めるとちょうど良いだろう。

凡庸性が高く厄介な魔法カード罠カードは、《月の書》《強制脱出装置》である。
これを装備カードを大量につけた状態で受けると悲惨な事になる。
これらは《魔導戦士 ブレイカー》などでは防ぎにくいので、《撲滅の使徒》《砂塵の大竜巻》を考慮すべきだろう。

前者は《サイクロン》のような速攻性を持ちデッキの奇襲性に馴染む。後者はフリーチェーンブラフになるので相互互換と言える。
揃ってしまえば手札アドバンテージは関係なくなるので《魔宮の賄賂》も考えられる。しかし、《魔宮の賄賂》1:1交換ではないので最終局面以外では不利になる恐れが大きい。

戦力が闇属性に偏りがちでモンスター除去カードにも乏しいため、《聖なるあかり》に完封されてしまう恐れがある。
この場合《不意打ち又佐》よりも、《隼の騎士》《コアキメイル・ベルグザーク》といった別属性連続攻撃モンスターを入れるのがいい。

いっそうの事、闇属性モンスターを全部入れ替えて、《聖なるあかり》3枚を腐らせるのも選択肢としてある。
《重装武者−ベン・ケイ》がいなくなっては本末転倒に思うが、このデッキには【装備ビート】【直接攻撃1キル】といった親戚がいるのでそれも面白い。

またその性質上魔法カードに依存するので、《ナチュル・ビースト》の存在は脅威。
特にそれを1ターンで出す【レスキューシンクロ】は致命的な天敵、マッチ戦なら高確率で狙われる。
先手で出されると、《神の宣告》《王宮の弾圧》は無力なので、《アームズ・ホール》を抜いて《マクロコスモス》を取り入れるなど、除外系のギミックを取り入れたい。

このデッキの変遷

第4期から残っている数少ない1ターンキルデッキ
当時は《魔導師の力》《団結の力》制限カード禁止カードで、《名工 虎鉄》がとても重要視された。
また回転力を上げるカードも少なかったため、《稲妻の剣》《融合武器ムラサメブレード》などで装備魔法の比重を上げる必要があった。
そのため事故が多く、ある意味【エクゾディア】のようなデッキであった。

状況を一変させたのは、2007年秋に発売された《アームズ・ホール》である。
良質な装備魔法カードを手軽に選別出来るようになり、酒を薄めるような装備魔法カードを無理やり投入する必要性が減った。
さらに翌年には《魔導師の力》準制限カードに緩和され、現在では無制限カードになり主軸を務めるまでになった。

1ターンキルでありながら、《増援》制限カード入りした以外は、今までデッキにこれといった規制のようなものはない。
弱点が増えているとはいえ、無防御なデッキにかなりの強さを持つのは事実。
条件さえそろえばハンド・アドバンテージボード・アドバンテージも無視して一撃必殺のため、
流行りのデッキに勝ってしまう事もままあり、十分に警戒されるデッキである。

最近では《強欲で謙虚な壺》の登場で安定性が強化されて、元々サーチしやすかったパーツがさらにサーチしやすくなった。
優秀な除去カード《大嵐》《ハリケーン》が引きやすくなり、《魔導師の力》を3枚持ってくる事もさほど難しくない。

弱点と相反するように強さも増えているデッキであり、今後の動向が注目される。

代表的なカード

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