《重装武者−ベン・ケイ》と、大量の装備魔法カードを用いて1ターンキルを目的とするデッキ。
ただし、1ターンキルと言っても、最初の1ターンで勝負を決する方の1キルではないので注意。(初手次第では後攻1キルは不可能ではない)
普段は出番が少ない装備魔法も、このデッキに関しては大活躍である。
《重装武者−ベン・ケイ/Armed Samurai - Ben Kei》 効果モンスター 星4/闇属性/戦士族/攻 500/守 800 このカードは通常の攻撃に加えて、このカードに装備された装備カードの数だけ、 1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。
この1ターンキルの主軸は《重装武者−ベン・ケイ》の追加攻撃能力と《魔導師の力》の爆発力である。
単純に見ても《重装武者−ベン・ケイ》と《魔導師の力》×2と魔法&罠カードゾーンに伏せカードが揃えば、攻撃力3500で3回攻撃となる。
これは相手フィールド上に表側攻撃表示の攻撃力2500以下のモンスターが1体いる状態なら1ターンキルに持ち込めるという事だ。
この他に《デーモンの斧》×3で攻撃力3500で4回攻撃、《魔導師の力》と《デーモンの斧》×2で攻撃力4000で4回攻撃などで達成できる。
《流星の弓−シール》を装備すれば、伏せモンスターや《冥府の使者ゴーズ》、《オネスト》などを恐れることなく安全に攻撃を通すことができるのが頼もしい。
《重装武者−ベン・ケイ》・《魔導師の力》・《流星の弓−シール》・攻撃力+1000以上の装備魔法、
(または攻撃力+500の装備魔法と、魔法&罠カードゾーンに置けるカード1枚)が揃えば、攻撃力2000以上×4のダイレクトアタックで1ターンキルになる。
貫通効果を付与する《ビッグバン・シュート》もあるが、《ライトロード・ハンター ライコウ》などの採用率も高めであり安定しない場合がある。
幸いにも今のところキーパーツには現在(10/09/01)時点で制限カードが《増援》以外含まれておらず、ほとんどの3枚積みが可能。
さらに《重装武者−ベン・ケイ》は《増援》でサーチすることができ、《魔導師の力》と《流星の弓−シール》は、《名工 虎鉄》や《アームズ・ホール》でサーチする事ができる。
回転力を上げるカードとして、《成金ゴブリン》や、《無謀な欲張り》も良いだろう。《エア・サーキュレーター》や《打ち出の小槌》なら、手札にダブった《重装武者−ベン・ケイ》や不要なカードを戻すことができる。
3ターン待つことになるが、万能サーチカード《封印の黄金櫃》も欲しい。特殊召喚に依存しないデッキなので、《強欲で謙虚な壺》も役に立つ。
その性質上、魔法&罠カードゾーンは装備魔法で埋め尽くされるか、がら空きのどちらかなので、《王宮のお触れ》や《冥府の使者ゴーズ》を入れるのがいいだろう。
さらに、1ターンキルまで大量の手札を温存するので《トラゴエディア》とシナジーがある。
手札5枚で攻撃力3000は馬鹿にできず、キーパーツを揃えるまでの戦力として戦線を維持してくれるだろう。
また《重装武者−ベン・ケイ》が苦手とする《王虎ワンフー》を破壊できるというのはポイントが高い。
体制を立て直すための《重装武者−ベン・ケイ》と《メタモルポット》をサーチできる《クリッター》も採用する価値がある。
しかし《キラー・トマト》は不要。《魔導師の力》や《流星の弓−シール》のサーチをすると、【ベン・ケイ1キル】である事は容易にばれる。
こうなると受動的な《キラー・トマト》は、攻撃してもらえなくなり自爆特攻してもバトルフェイズが終わった状態で《重装武者−ベン・ケイ》をさらす事になり危険である。
仮にセットした《キラー・トマト》を攻撃してくれて《重装武者−ベン・ケイ》を特殊召喚出来たとしても、相手のメインフェイズ2で除去される危険がある。
《魔導師の力》は3枚積み確定、《流星の弓−シール》も1枚以上欲しい。後者は好みによって枚数を調整していく。
《魔導師の力》・《流星の弓−シール》以外の装備魔法は以下のものがオススメ。
攻撃力1000アップの《デーモンの斧》や《凶暴化の仮面》、ノーガードのため攻撃力1900アップが期待できる《進化する人類》。
重ねがけのできない《進化する人類》以外は3枚ずつ積んでも問題ない。
次点として、装備魔法の枚数を増やすため《団結の力》や《レプティレス・アンガー》も良い。
《団結の力》を入れる場合は、《スケープ・ゴート》とコンボを考えておきたい。
相手のエンドフェイズに《スケープ・ゴート》を発動する事で、攻撃力4000アップという、とんでもない装備魔法になる。
また、このデッキは相手の除去および攻撃妨害系の罠に、極めて弱いという性質がある。
《ハリケーン》はもちろんのこと《サイクロン》や《魔導戦士 ブレイカー》も合わせて、伏せ除去を徹底しておきたい。
もしくは《神の宣告》や《王宮のお触れ》で、罠そのものを無効化してしまう手もある。
プレイングがワンパターンでマンネリ化してしまうので、ネタカードとも呼ばれる《折れ竹光》と《黄金色の竹光》を採用するのもまた一興。
装備魔法のサーチカードを増やせば《折れ竹光》は1枚でも十分に持ってくる事が可能であり、攻撃回数も増えて《魔導師の力》にも数えられる《折れ竹光》は、まったくの無駄カードではなくなる。
上手く回す事ができれば《強欲な壺》の3枚積み状態であり、《魔法石の採掘》と組み合わせれば高速に手札を交換する事もでき、デッキを高速で回転させる要素となりえる。
邪道だが、《魔導師の力》×3と、《流星の弓−シール》と、攻撃力+1000以上の装備魔法が揃った場合、攻撃力+7500でダイレクトアタックする装備になる。
この場合、《名工 虎鉄》などのキーパーツでも攻撃力8000以上となり、1ターンキルが狙える事を覚えておきたい。
このコンボは《重装武者−ベン・ケイ》の力が登場していないので【直接攻撃1キル】と呼ぶ。
おまけでこのチャンスを狙う場合、《成金ゴブリン》で回復する1000のライフポイントがとても邪魔になってくるので抜いた方が良い。
このデッキは個性的なため、対策?やマッチ戦にとても弱い特徴を持つ。
メタとして辛いのが、《バトルフェーダー》や《ゼロ・ガードナー》や《速攻のかかし》といったバトルフェイズを終了させてしまうモンスター。
しかし特別な理由がないデッキで後者2つは入り辛い、よって《バトルフェーダー》が厄介なのだが、
幸いにもこのデッキは、ダメージステップでしか特殊召喚をしないので、《王宮の弾圧》で止めるとちょうど良いだろう。
他にバトルフェイズを終了するカードでは、【終焉のカウントダウン】・【不死武士ターボ】?ぐらいでしか見ないが、《強制終了》という永続罠もある。
《ネクロ・ガードナー》は制限カードであり、一度だけ攻撃を無効にする効果なので、装備魔法をさらに1枚つけてやれば怖くない。
《シューティング・スター・ドラゴン》や、《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》は、今のところ出しづらいので脅威ではないだろう。
汎用性が高く厄介な魔法カード・罠カードは、《月の書》と《強制脱出装置》である。
これを装備カードを大量につけた状態で受けると悲惨な事になる。この手のカードは《融合武器ムラサメブレード》では防げない。
さらに《魔導戦士 ブレイカー》でも少し防ぎにくいので、《撲滅の使徒》か《砂塵の大竜巻》を考慮すべきだろう。
前者は魔法カードで《王宮のお触れ》や《狡猾な落とし穴》の邪魔をせず、《サイクロン》のような速攻性を持ちデッキの奇襲性に馴染む。
後者は罠カードで《魔法族の里》やその他の永続カードを破壊でき、フリーチェーンのブラフになるので相互互換と言える。
揃ってしまえば手札アドバンテージは関係なくなるので《魔宮の賄賂》も考えられる。しかし、《魔宮の賄賂》は1:1交換ではないので、後が長いと不利になる恐れが大きい。
戦力が闇属性に偏りがちでモンスター除去カードにも乏しいため、《聖なるあかり》に完封されてしまう恐れがある。
この場合《不意打ち又佐》よりも、《隼の騎士》や《コアキメイル・ベルグザーク》といった別属性の連続攻撃モンスターを入れるのがいい。
いっそうの事、闇属性モンスターを全部入れ替えて、《聖なるあかり》3枚を腐らせるのも選択肢としてある。
《重装武者−ベン・ケイ》がいなくなっては本末転倒に思うが、このデッキには【装備ビート】や【直接攻撃1キル】といった親戚がいるのでそれも面白い。
《スキルドレイン》や《エフェクト・ヴェーラー》が怖いならサーチカードや手札交換を増やして【直接攻撃1キル】の形にすれば良い。
《重装武者−ベン・ケイ》、《魔導師の力》×3、《流星の弓−シール》、《デーモンの斧》でピッタリ攻撃力8000のダイレクトアタックである。
またその性質上魔法カードに依存するので、《ナチュル・ビースト》の存在は脅威。
特にそれを1ターンで出す【レスキューシンクロ】は致命的な天敵、マッチ戦なら高確率で狙われる。だったが、《レスキューキャット》が禁止カードに指定され現環境では消えさった。
先手で出されると、《神の宣告》や《王宮の弾圧》は無力なので、《アームズ・ホール》を抜いて《マクロコスモス》を取り入れるなど、除外系のギミックを取り入れたい。
採用率は低いものの、《魔法族の里》と当たった場合は、ほぼ何もできずに終わってしまう。
デッキ別では【お触れホルス】、【スターダスト・ドラゴン/バスター】、【エンジェル・パーミッション】、【神光の宣告者】がとても厄介だ。
これら魔法カードを封じるカードは増える一方なので挙げるとキリがないだろう。
魔法カード封じほどの脅威ではないが、《ライオウ》や《王虎ワンフー》に弱い事などから【メタビート】に手が出せない事もある。
第4期から残っている数少ない1ターンキルデッキである。
当時は《魔導師の力》と《団結の力》が制限カードや禁止カードで、《名工 虎鉄》がとても重要視された。
また回転力を上げるカードも少なかったため、《稲妻の剣》や《融合武器ムラサメブレード》などで装備魔法の比重を上げる必要があった。
そのため事故が多く、ある意味【エクゾディア】のようなデッキであった。
状況を一変させたのは、2007年秋に発売された《アームズ・ホール》である。
良質な装備魔法カードを手軽に選別出来るようになり、酒を薄めるような装備魔法カードを無理やり投入する必要性が減った。
さらに翌年には《魔導師の力》が準制限カードに緩和され、現在では無制限カードになり主軸を務めるまでになった。
1ターンキルでありながら、《増援》が制限カード入りした以外は、今までデッキにこれといった規制のようなものはない。
弱点が増えているとはいえ、無防御なデッキにかなりの強さを持つのは事実。
条件さえそろえばハンド・アドバンテージもボード・アドバンテージも無視して一撃必殺のため、
流行りのデッキに勝ってしまう事もままあり、十分に警戒されるデッキである。
最近では《強欲で謙虚な壺》の登場で安定性が強化されて、元々サーチしやすかったパーツがさらにサーチしやすくなった。
優秀な除去カードの《ハリケーン》が引きやすくなり、《魔導師の力》を3枚持ってくる事もさほど難しくない。
《大嵐》の禁止カード化で衰えるかと思われたが、《スターライト・ロード》の流行もあり、必須カードから揺らいでいたので、あまり痛手ではなかった。
《サイクロン》の準制限カード復帰もあり、《ハリケーン》を呼び込むか、魔法&罠カードゾーンに向けた1:1交換の戦略が主となっている。
弱点と相反するように強さも増えているデッキであり、今後の動向が注目される。