《重装武者−ベン・ケイ》と、大量の装備魔法カードを用いて1ターンキルを目的とするデッキ。
初手次第では後攻1キルは不可能ではないものの、基本的に最初の1ターンで勝負を決するタイプの1キルではない。
普段は出番が少ない装備魔法も、このデッキに関しては大活躍である。
《重装武者−ベン・ケイ/Armed Samurai - Ben Kei》 効果モンスター 星4/闇属性/戦士族/攻 500/守 800 このカードは通常の攻撃に加えて、このカードに装備された装備カードの数だけ、 1度のバトルフェイズ中に攻撃する事ができる。
―装備魔法
このデッキでは複数の装備魔法を発動させて高攻撃力を得るため、多量の装備魔法を投入することになる。
しかし、《名工 虎鉄》や《アームズ・ホール》というサーチカードも存在するため、重ね掛けの意味が無いカードは無理に複数枚採用する必要はない。
―その他のカード
この1ターンキルの主軸は《重装武者−ベン・ケイ》の連続攻撃能力と装備魔法の爆発力にある。
従って、まずはサーチカードを利用して、《重装武者−ベン・ケイ》と必要な装備魔法を集めることになる。
幸いにもキーパーツの大半は無制限カードであり、3枚積みが可能。
《重装武者−ベン・ケイ》は《増援》でサーチでき、装備魔法は、《名工 虎鉄》や《アームズ・ホール》でサーチできるため、準備は比較的容易だろう。
準備が完了した後は、召喚・攻撃を妨害する危険性のある相手魔法・罠カードを処理した上で《重装武者−ベン・ケイ》を召喚、大量の装備魔法を装備して攻撃する。
相手モンスターやライフポイントにもよるが、1ターンキルが狙える装備魔法の組み合わせには以下のようなものが挙げられる。
《ビッグバン・シュート》等による貫通ダメージを狙う手もあるが、リバース効果モンスターの存在から直接攻撃に比べると安定性に欠ける。
しかし、戦闘破壊耐性を持つモンスターには有効であるため、デッキに投入しておくのもいいだろう。
また、《魔導師の力》3枚+《流星の弓−シール》+《デーモンの斧》という組み合わせの場合、攻撃力7500アップで直接攻撃が可能になる。
この場合、《重装武者−ベン・ケイ》以外のモンスターでも攻撃力8000以上となり、1ターンキルが狙える。(→【直接攻撃1キル】)
このデッキはその構成上、サイドデッキからの対策があるマッチ戦などにとても弱い特徴を持つ。
メタとして辛いのが、《バトルフェーダー》や《ゼロ・ガードナー》、《速攻のかかし》といったバトルフェイズを終了させてしまうカード。
特別な理由がないデッキでは後者2つは入り辛いが、《バトルフェーダー》が厄介。
幸いにもこのデッキではほとんど特殊召喚をしないので、《王宮の弾圧》で止めると良いだろう。
他にバトルフェイズを終了するカードでは、【終焉のカウントダウン】や【不死武士】で採用される《強制終了》が存在する。
こちらは永続罠であるため、魔法・罠除去で対処したい。
バトルフェイズを終了させてしまうカードほどではないが、攻撃を無効にするカードにも注意が必要。
準制限カードである《ネクロ・ガードナー》や、エクストラデッキに投入される《シューティング・スター・ドラゴン》・《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》・《No.39 希望皇ホープ》辺りは相手にする機会も多い。
これらの場合、1回分の攻撃を無効するだけなので、装備魔法を大量に装備し、無効効果を使い切らせるのが良いだろう。
また、《No.39 希望皇ホープ》等は《レインボー・ヴェール》でも対処できる。
戦闘を行わなければならないカードに共通する弱点として《オネスト》が存在する。
上記の《No.39 希望皇ホープ》と合わさると非常に厄介であるが、表示形式変更や《流星の弓−シール》による直接攻撃で対処できる。
汎用性が高い魔法・罠カードでは、《月の書》と《強制脱出装置》が厄介である。
装備カードを大量に付けた状態で発動されると多大なディスアドバンテージを負うことになる。
これらのカードはフリーチェーンであるため、エンドサイク等、装備魔法を発動する前に処理したい。
デッキを根本から崩すカードには、《聖なるあかり》や《ナチュル・ビースト》、《魔法族の里》などが存在する。
前者は《重装武者−ベン・ケイ》を、後者2つは装備魔法を完全に腐らせてしまう。
デッキとして見ると、【お触れホルス】・【スターダスト・ドラゴン/バスター】・【エンジェル・パーミッション】・【神光の宣告者】等は魔法カードを封じるため相性が悪い。
また、低攻撃力、サーチ多用といった特徴から、《ライオウ》や《王虎ワンフー》の入った【メタビート】に手が出せない事もある。
第4期から残っている数少ない1ターンキルデッキである。
当初は《魔導師の力》と《団結の力》に厳しい制限がかけられており、《名工 虎鉄》が重要視された。
また回転力を上げるカードも少なかったため、《稲妻の剣》や《融合武器ムラサメブレード》などで装備魔法の比重を上げる必要があった。
そのため事故が多く、ある意味【エクゾディア】のようなデッキであった。
しかし、アカデミーデュエルディスク オシリスレッドバージョンにて《アームズ・ホール》の登場し、状況が一変することになる。
良質な装備魔法を手軽に選別出来るようになり、酒を薄めるような装備魔法を無理やり投入する必要性が減ったのである。
また、《魔導師の力》は08/03/01に準制限カード、08/09/01に無制限カードとなり、《団結の力》も10/03/01に準制限カード、10/09/01に無制限カードとなっており、性能の良い装備魔法のみで構成することが容易となっている。
10/09/01に《大嵐》が禁止カード化したのは多少痛手ではあるが、《サイクロン》の制限緩和や優秀なドローソースである《強欲で謙虚な壺》の登場で、デッキの完成度は上がっている。
弱点も増えているとはいえ、防御の薄いデッキ相手ではかなりの強さを持つのは事実。
条件さえそろえばハンド・アドバンテージもボード・アドバンテージも無視しての一撃必殺であるため、流行りのデッキに勝ってしまう事もままあり十分に警戒されるデッキである。
遊戯王ONLINEでは、2011年1月14日の制限改訂で《重装武者−ベン・ケイ》と《流星の弓−シール》が無制限カードから一気に禁止カードになってしまった。
このようにシングル戦では、強力な1ターンキルデッキであるため、今後の動向が注目される。