このデッキは調整中事項を多量に含み、事務局に問い合わせても日によって回答が異なるほど、ルール上の存在自体も不安定である。
このためデュエルで用いると、対戦相手やジャッジを著しく困惑させる可能性がある。
《ポールポジション》適用中には、無限ループとなってしまうような行為ができないことを利用し、召喚行為その他自体をロックするデッキ。
主に召喚が制限されることからロックとパーミッションの両方を兼ね備えたデッキと言える。
《ポールポジション》 永続罠 フィールド上に表側表示で存在する、 攻撃力が一番高いモンスターは魔法の効果を受けない。 「ポールポジション」がフィールド上に存在しなくなった時、 フィールド上に表側表示で存在する攻撃力が一番高いモンスターを破壊する。
例えば、フィールドに《デーモンの斧》を装備した自分の《バードマン》と自分の《ポールポジション》のみが存在するとする。
(《ポールポジション》により、《デーモンの斧》は無効化され《バードマン》の攻撃力は1800である。)
この場合、無限ループが発生してしまうため攻撃力1801以上2800以下のモンスターは召喚・反転召喚・特殊召喚ができなくなってしまう。
(無限ループや《ポールポジション》も参照のこと)
このように無限ループを発生させる行為は禁止されているので、そもそも《サファイアドラゴン》を召喚すること自体ができない、というわけである。
《ポールポジション》の存在が前提となるので、これらをサーチする《不幸を告げる黒猫》・《封印の黄金櫃》の採用が検討される。
ただし、モンスターの構成次第では【メタビート】のように戦う事も可能であるため、安定性を考慮して採用を見送る事も考えられる。
比較的デメリットの小さい《強欲で謙虚な壺》や《成金ゴブリン》はどのような構成にせよ役立つ。
また無限ループを発生させるにはフィールドに残るタイプの魔法カードによる強化が必要である。
最も扱いやすいのは、《ポールポジション》と自身で最低1000の強化値を得られる《魔導師の力》。
カウンター罠なども併用する事になるため、これ以上の数値を得る事は容易であり、同時にロック範囲も広まる。
このほかモンスターの数次第で高い数値を得られる《団結の力》や、《トリック・デーモン》でサーチできる《デーモンの斧》が候補に上がる。
勝利手段の一つとして《終焉のカウントダウン》を採用する場合、《巨大化》の採用も検討できる。
また強化値は低めだが、耐性をもつ《オレイカルコスの結界》も比較的扱いやすい。
種族を揃えるならば《一族の結束》も利用できるか。
装備魔法をメインにする場合は、《アームズ・ホール》によるサーチ・サルベージが有効だが、通常召喚不可のデメリットに注意。
《ポールポジション》によるロックはモンスターの先出しを前提としているためである。
この場合は特殊召喚能力を持つものと併用するなどの工夫が必要か。
またモンスターの選択も重要。
ロック可能な範囲は、モンスターの攻撃力+1〜魔法カードによる強化値までの範囲となる。
そのため、モンスターの攻撃力以下のものや、強化後の数値以上のモンスターに関しては無抵抗であり、ロックが瓦解する恐れがある。
特に高攻撃力のものに関しては相手にそのまま耐性が移行してしまい、モンスターと装備魔法を失う可能性もあるため非常に危険。
低攻撃力のものでも、効果による除去や高攻撃力モンスターの展開に利用される可能性がある。
よってメタを読んだ上での攻撃力選定や、モンスター側の効果によるロック補強が課題となる。
以下は候補となるモンスターの一例。
等が代表例となる。
直接的なシナジーはないが、カウンター罠を併用する場合は《豊穣のアルテミス》や《智天使ハーヴェスト》なども候補。
《団結の力》を利用する場合は、《スケープ・ゴート》などの大量のモンスターを特殊召喚するものと併せることで、広範囲をロックの影響下に収める事ができる。
《アームズ・ホール》との同時使用や、ロック範囲の縮小といった問題はあるが、《幻銃士》や《創造の代行者 ヴィーナス》でも似たような動きが取れる。
《ポールポジション》がない場合でも、そのままビートダウンできる点も魅力と言える。
なお、相手はモンスターをセットすることが可能であるが、《聖なる輝き》を発動することでこれを防ぐことも可能。
他のモンスターと並べる必要はあるが《逆ギレパンダ》・《N・フレア・スカラベ》でもカード展開に制限をかける事ができる。
ロック形成時に相手フィールド上にモンスターが存在していると処理する必要性も生じる。
《ライトニング・ボルテックス》等の魔法カードの場合は、相手が《ポールポジション》による耐性を得る可能性を考慮するといささか危険である。
できれば《強制脱出装置》などの罠カードや、モンスター効果で除去したい。
ロック完成後も【コスモロック】に比べると強度には不安が残る。
《ポールポジション》を《砂塵の大竜巻》で破壊される、対象モンスターを《サンダー・ブレイク》で破壊されるなどで拘束はあっさり瓦解する。
よって各カードを守る必要があり、その役目をカウンター罠に依存することになる。
カウンター範囲の広い《神の宣告》・《魔宮の賄賂》が代表格となるだろう。
魔法カードは《ポールポジション》による耐性、モンスター効果はロックである程度止められる。
そのため、《盗賊の七つ道具》で罠カードを集中して対処する事も考えられる。
魔法・罠除去には最も弱いため、《王家の呪い》・《アヌビスの呪い》・《封魔の呪印》などの採用も検討する。
また、ロックそのものは勝利手段となりえない点も注意。
無限ループが発生する場合、反転召喚はできないが裏側守備表示は許す。
そのため、単純なビートダウンだとこれを処理する際にリバース効果や戦闘破壊をトリガーとする効果などの不確定要素が入る。
また、戦闘によるリバースによって無限ループとなる際の処理は未だ調整中である。
バーンか、直接攻撃が有効だが、後者は攻撃反応罠カードにひっかかる恐れもある点に注意。
手札事故の危険性はあるが、《終焉のカウントダウン》ならばロック維持に注力するのみで良い。
またロックが成立していたとしても、裁定により《人造人間−サイコ・ショッカー》は召喚できることになっている。
これ以外にも《王宮のお触れ》には手出しができなくなる。
ただし、このとき装備魔法の効力が発揮されるため、それほど案ずることではないかもしれないが。
とにかく、ロックを最優先で完成させる。
その後はカウンター罠を利用してとにかくロックの保全を行う。
その傍らで《終焉のカウントダウン》などによる特殊勝利を狙う。
ちなみに、相手が高攻撃力モンスターを出してきた場合、かえって相手モンスターが魔法を受けなくなり、窮地に追い込まれる可能性がある。
ロック中に相手の高攻撃力モンスターの出し方としては以下の方法が存在する。
《リビングデッドの呼び声》などの蘇生罠カードならばそのカードを破壊することでそれらを破壊することが可能となる。
しかし相手が《D・D・R》を使用している場合は少々厄介なことになる。
というのも、魔法の効果を受けないため、《D・D・R》を破壊してもモンスターはフィールド上に残り続けるためである。
これらが出された場合は、《ポールポジション》自体を破壊することで、効果によりそれらを破壊できることも覚えておこう。
《BF−精鋭のゼピュロス》は、装備魔法やモンスターをバウンスする事もでき、なにかと応用性が高いので採用しておきたい。
また低攻撃力モンスターもまた召喚されてしまう恐れがある。
《N・グラン・モール》や《ならず者傭兵部隊》で装備魔法装備中のモンスターが除去されればロックは崩壊する。
これに関しては《連鎖破壊》《魔のデッキ破壊ウイルス》《王虎ワンフー》によってある程度防ぐことができる。
採用はデッキとの相談となるだろう。
《ポールポジション》と強化魔法カードが扱えれば良いので、後者を利用できるカテゴリデッキ等でもこのギミックを利用する事が可能である。
甲虫装機の効果を利用したロックを行うタイプ。
これらの装備時の効果は魔法カードの効果として扱うため、墓地からも利用できるうえにターン毎に累積させる事もできる。
《甲虫装機 ギガマンティス》は2400への書き換えを行うため、《甲虫装機 グルフ》・《甲虫装機 ホーネット》あたりに装備できれば、かなりの広範囲をロックの影響下に収められる。
また、《甲虫装機 ホーネット》の除去や、《甲虫装機 ダンセル》・《甲虫装機 センチピード》の効果等は平常通りに利用可能。
後者であれば《甲虫装機の魔剣 ゼクトキャリバー》等もサーチできる。
ほとんど【甲虫装機】の形を崩さず利用できるのが特徴であるが、注意点として《甲虫装機 ホーネット》などを装備する際に無限ループにひっかかり、自らの首をしめる恐れもある。
《BF−精鋭のゼピュロス》や《強制終了》、《孵化》から《甲虫装機 ダンセル》等に繋げられる《カード・ブレイカー》を併用して処理できるようにする事も考えられる。
《王家の眠る谷−ネクロバレー》が《不幸を告げる黒猫》の速度を上げる事ができる点と、強化魔法カードである点を利用したタイプ。
《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》などの墓地除外や蘇生による特殊召喚にメタを張る事ができる。
《王家の眠る谷−ネクロバレー》の強化値は小さいので、他の強化魔法カードと併用する事になるが、《ワンダー・ワンド》・《ワンショット・ワンド》など魔法使い族専用の装備魔法が扱えるため、各墓守と組み合わせる事である程度の汎用性を持たせる事ができる。
ただし通常の構築と異なり、《Sin スターダスト・ドラゴン》や《No.66 覇鍵甲虫マスター・キー・ビートル》などの防御用モンスターを展開しにくく、魔法・罠除去への弱さが顕著である。
モンスター召喚を防いで闘うのがこのデッキのコンセプトであり、そもそも召喚自体を行わないデッキに対しては分が悪い。
よって、【ドローゴー】・【フルバーン】には無力。
これらに関してはロックではなく、装備魔法による戦闘ダメージでの勝利を狙いやすいが、《魔法の筒》などには注意が必要。
また、《ポールポジション》を破壊されるとたちまちこのデッキは動かなくなる。
それをカウンター罠などで防ぐが、【除去ガジェット】など、除去速度がもともと速いデッキに対しても勝率は低い。
これ以外にも《人造人間−サイコ・ショッカー》・《王宮のお触れ》にも無力である。
よって【お触れホルス】が相手の場合も分が悪い。
前置きにも書いたが、このデッキに関するルールは調整中項目があまりにも多い。
「ループ発生要因となる行為はできない」という裁定も一部では出ているが、細かい点はジャッジに判定してもらう・友達内で予めルールを決めておくしかない。
なお、米国の遊戯王を生産していたUpperDeck社はこの件に関して公式に裁定を出していた。
意訳すると以下の通りである。
ただし、これは「アメリカでの」処理であり日本ではコナミの裁定に従わなければならないことは明記しておく。