3つの形態を持ち、その全てが戦闘ダメージ反射と戦闘破壊耐性という特性を持つ《ユベル》を使用する非常にテクニカルなデッキ。
戦闘だけでなく、除去に対しても進化先を特殊召喚することで対応することができるため、下準備さえ整えば多くのビートダウンデッキに対して拘束力を発揮できる。
第1・第2・第3形態のどれを中核に据えるかで構成内容は変わってくるが、いずれの場合でも構築及びプレイングの難易度は高い。
なお、《ユベル》系統の特殊召喚効果は任意効果であり、処理がやや複雑なので、運用の際には「タイミングを逃す」の項を熟読されたし。
《ユベル/Yubel》 効果モンスター 星10/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0 このカードは戦闘では破壊されず、 このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。 フィールド上に表側攻撃表示で存在する このカードが相手モンスターに攻撃された場合、 そのダメージ計算前に攻撃モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。 また、自分のエンドフェイズ時、 このカード以外の自分フィールド上のモンスター1体をリリースするか、このカードを破壊する。 この効果以外でこのカードが破壊された時、自分の手札・デッキ・墓地から 「ユベル−Das Abscheulich Ritter」1体を特殊召喚できる。
《ユベル−Das Abscheulich Ritter/Yubel - Terror Incarnate》 効果モンスター 星11/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0 このカードは通常召喚できない。 「ユベル」の効果でのみ特殊召喚できる。 このカードは戦闘では破壊されず、 このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。 フィールド上に表側攻撃表示で存在するこのカードが相手モンスターに攻撃された場合、 そのダメージ計算前に攻撃モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。 また、自分のエンドフェイズ時、このカード以外のフィールド上のモンスターを全て破壊する。 このカードがフィールド上から離れた時、自分の手札・デッキ・墓地から 「ユベル−Das Extremer Traurig Drachen」1体を特殊召喚できる。
《ユベル−Das Extremer Traurig Drachen/Yubel - The Ultimate Nightmare》 効果モンスター 星12/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0 このカードは通常召喚できない。 「ユベル−Das Abscheulich Ritter」の効果でのみ特殊召喚できる。 このカードは戦闘では破壊されず、 このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。 フィールド上に表側攻撃表示で存在するこのカードが 相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時、 相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与え、そのモンスターを破壊する。
―《ユベル》及びその進化形態
―ユベル以外のモンスター
―シンクロモンスター
多種多様なシンクロモンスターの使い分けで柔軟な対応力を備えられるシンクロ召喚は、戦略の幅を広げる意味でも非常に有用である。
軸とする形態や使用するモンスターによって、採用候補は多岐に渡る。
デッキの形によって採用するカードは大きく変わるので、熟考を重ねられたし。
まず、《ユベル−Das Abscheulich Ritter》を素早く特殊召喚し、フィールドの制圧するのが基本のパターンとなる。
特殊召喚の方法は大きく分けて2種類ある。
- 《ユベル》を墓地へ落としてから、《リミット・リバース》等の自壊効果を持つカードで蘇生する
- 《キラー・トマト》や《ダメージ・コンデンサー》などでリクルートし、《サンダー・ブレイク》等で能動的に破壊する
どちらかと言えば前者の方が効率的なので、基本的にはそちらを選びたい。
(ただし、メタルフォーゼや《天空の虹彩》などの自分フィールドのカードを破壊してメリットを得るカードを採用している場合にはその限りではない。)
《ユベル》を墓地へ送る方法としては、《終末の騎士》《ダーク・グレファー》《おろかな埋葬》などがある。
手札に来た場合は、《サンダー・ブレイク》《ダーク・グレファー》《クイック・シンクロン》などで墓地へ送ればいい。
型によっては《ユベル》以外にも様々なカードを墓地へ送る必要があり、迅速に理想の墓地を作る事がこのデッキの必勝の型と言っても過言では無い。
その後は、その状態を維持したまま《ユベル−Das Abscheulich Ritter》と相性の良いアタッカーを召喚し、相手にダメージを与えていく。
《ユベル−Das Abscheulich Ritter》だけでは相手にダメージを与えられないので、どうやってダメージを与えるかがこのデッキの最大の課題となる。
この部分はデッキ構築も含めプレイヤーの腕の見せ所となるだろう。
《ユベル−Das Extremer Traurig Drachen》を主軸にすればこの問題は解決できるが、進化に手間がかかり除去耐性がないためプレイング難度がさらに上がってしまう。
《ユベル−Das Abscheulich Ritter》と《ネフティスの鳳凰神》のコンボを主軸に置いたデッキ。
2体が並び立つと自分のターン開始時に《大嵐》、終了時に《ブラック・ホール》が発生する事になり、毎ターンフィールドの全体除去を行える。
成立すればビートダウン系デッキのみならず、ロック系でもほとんどの行動を封じることができるだろう。
だが《D.D.クロウ》やカウンター罠など、対抗手段も皆無ではないので、並べる事に成功したら、相手が対抗カードを引く前に速やかに殴り倒してしまいたい。
制圧力の高さには目を見張る物があるが、ただでさえ多い最上級モンスターをさらに多く積まなければならなくなるため、手札事故の危険が大きいのが難点。
《ネフティスの導き手》と《終焉の焔》や《クロス・ソウル》、《黄泉ガエル》を使えば《ネフティスの鳳凰神》を1ターンで特殊召喚出来る。
《ユベル−Das Abscheulich Ritter》の全体除去があるので、《浅すぎた墓穴》も十分活用できる。
手札を消耗せず高攻撃力のモンスターを出すことができるので、【暗黒界】との相性は非常に良い。
《暗黒界の龍神 グラファ》は実質的に手札消費ゼロで出せるため、《ユベル−Das Abscheulich Ritter》によって破壊されてもそれほど痛くない。
手札を捨てるカードとして《魔轟神レイヴン》を採用すれば、上記のシンクロモンスターをシンクロ召喚することもできる。
デッキの特性上、手札交換カードを多く採用できる点もありがたい。
《アンデットワールド》で《ユベル》をアンデット族にすることで、《リミット・リバース》に加えて《生者の書−禁断の呪術−》《馬頭鬼》《地獄の門番イル・ブラッド》による蘇生が可能となる。
《ユベル》の維持コストもアンデット族の展開力の高さから容易に確保でき、何度除去してもあざ笑うかのように蘇ってくるのだから相手はたまったものではない。
進化を狙う場合も、《地獄の門番イル・ブラッド》で《魔族召喚師》と同様の使い方ができる。
アンデット族となった《ならず者傭兵部隊》を使い回す事で、形態も自由自在にコントロール可能。
《アンデット・スカル・デーモン》をシンクロ召喚すれば、《ユベル−Das Abscheulich Ritter》の全体除去で自分のモンスターだけが破壊されない状態になる。
《アンデットワールド》のアンデット族以外のアドバンス召喚を封じる効果も、苦手とする《邪帝ガイウス》《風帝ライザー》を抑え込めるので相性が良い。
自分の手札を簡単に破壊できる《炎王の孤島》を利用して《ユベル》を破壊、第二形態・第三形態を展開していくデッキ。
《炎王の孤島》と《ユベル》の2枚を手札に揃えればコンボを始動できる気軽さが最大の特徴。
そのコンボに必要な2枚も《テラ・フォーミング》や《悪夢再び》・《ダーク・バースト》に対応するため容易に揃えることができる。
また、他の利点としては《ユベル》を特殊召喚するカード・フィールドへ維持するリリース要員が必要なくなるのでデッキへの負担が減らせる。
ただし《炎王の孤島》を利用するには炎王モンスターの採用が求められるため、属性サポートが利用しにくい欠点も存在する。
採用する炎王候補としては《ユベル》を手札で破壊できる《炎王獣 ヤクシャ》や《炎王の孤島》をサーチできる《炎王獣 バロン》等が挙げられるだろう。
なお、《炎王の孤島》の持つ(1)と(2)の効果を利用すれば上記の【ネフユベル】のコンボが完成する。
相性の良いカードが多く【ネフユベル】と【炎王】の混合型も狙えるが、その場合《炎王の孤島》のデメリットを回避するバウンスカードもなるべく採用しておきたい。
最上級モンスターを主軸とし、それ以外にもコンボ向けのカードを投入していくデッキである以上、手札事故の危険は他のデッキよりは大分高く、酷い時だと何もできずにやられる状況も十分にあり得る。
とは言え、この問題は構築次第である程度改善可能なので、構築の段階から手札事故対策に腐心することが特に大切だと言える。
もし十分に機能してうまい具合に戦術が決まると並大抵のビートダウンデッキでの突破は決して簡単ではないため、採用率の高いカード対策さえちゃんとしていればマッチ一戦目の勝利はそれ程難しくないだろう。
本題はやはり、二戦目以降である。メタカードは多いので注意しておきたい。