【ランク4】

概要

 ランク4は、エクシーズモンスターの持つランクの1つであり、レベルモンスターエクシーズ素材としてエクシーズ召喚を行う。
 ランク4のエクシーズ召喚に特化したデッキを組むこともできるし、幅広いランクや複数の召喚法を使用するデッキが選択肢の1つとしてランク4を使う事も多い。
 このページでは、特化デッキ・選択肢の1つとして使うデッキを問わず、「ランクエクシーズモンスターを使用するデッキで有用なカード」を幅広く紹介する。

 エクシーズ素材フィールドに出す必要がある都合上、下級モンスターである方が好ましい。
 その中でもレベル4は最も数の多いレベルであり、更に下級モンスターの中では最も攻守のステータスに恵まれたレベルでもある。
 またエクシーズモンスターの中でもランクモンスターは最も種類が多く、汎用性の高いモンスター攻撃性能の高いモンスターも多い。
 このため、ランク4は数あるランクの中でもトップクラスに扱いやすいランクとなっている。

デッキ構築に際して

 エクシーズ召喚デッキ全般の共通事項は【エクシーズ召喚】を参照。

エクシーズ素材用のモンスターについて

 【エクシーズ召喚】のページにもある通り、安定したエクシーズ召喚を狙うならば、特殊召喚効果を持つモンスターを採用する事が望ましい。
 召喚権が余る場合はアドバンテージを稼げる効果を持つレベルモンスターを採用してもよいだろう。
 ランク4は対モンスター性能は非常に高いので、どちらかといえば魔法・罠除去要員を搭載すると良い。

主な汎用ランク4エクシーズモンスター

 ランク4はエクシーズモンスターの質・量ともに極めて恵まれたランクである。
 エクシーズ素材縛りがなく、モンスター2体でエクシーズ召喚できるものだけで50種類以上が存在し、アタッカー除去制圧要員まで幅広くカバーしている。
 これらをエクシーズモンスターに任せられるため、メインデッキはほぼ展開要員だけに絞った構築が行いやすい。
 ランク4に限らず、エクシーズモンスターに重ねてエクシーズ召喚できるカードRUMの存在からランク5以上のモンスターを採用する場合もある。

 以下、特に指定のない場合は「レベルモンスター×2」でエクシーズ召喚できるモンスターである。

縛りあり

エクシーズ素材3体

リンクモンスターについて

 エクシーズモンスターを複数並べる場合、自分フィールドへのリンクマーカーを2つ以上持つリンクモンスターも必要となる。
 詳細は【エクシーズ召喚】のリンクモンスターの項を参照。

 エクストラモンスターゾーンを空ける手段としては一定期間だけ除外するという手もあるが、エクシーズモンスター除外するとエクシーズ素材を失ってしまうため、あまり優先される手段ではない。

魔法・罠カードについて

 【エクシーズ召喚】にもある通り、エクシーズ召喚デッキとして特別必須カードと言えるような魔法・罠カードはほとんど存在しない。
 汎用性の高いカードを採用しつつ、採用したモンスターとの連携が取れるようなカードを入れていくことになる。
 例としては《フォトン・スラッシャー》を始めとした戦士族が多い構築の場合は《増援》等の戦士族サポートを入れる、といったような採用の形が挙げられる。

 特にエクシーズ召喚に特化したデッキであれば、エクシーズモンスターを強化するRUMの採用も候補に挙がる。
 特に《RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース》ランク4専用であり、このランクの特権と言うべきカードである。
 詳しくはRUM軸で後述する。

デッキの種類

【4軸エクシーズ

 特にカテゴリ属性種族等にこだわらず、とにかく「汎用性があってエクシーズ素材にしやすいレベル4」を登載した一種のグッドスタッフデッキ
 「レベルが揃わない」という事故が起きなくなるため、エクシーズ召喚の安定性は非常に高い。
 デッキコンセプトは極めてシンプルだが、レベルモンスターランクエクシーズモンスターは共に層が極めて厚いため、これだけで十分にデザイナーズデッキに匹敵するデッキが成り立ってしまう。

 構築は上記したランク4素材向けのカードを、扱いやすいものから搭載するだけ。
 概ね《ファイヤー・ハンド》《アイス・ハンド》を戦線維持の軸とし、「手札から特殊召喚」系カードを混合するのが安定性が高い。

 戦術についてもシンプルである。
 状況に応じてエクシーズモンスターを使い分けながらビートダウンを行っていく。
 エクシーズモンスター効果相手モンスター除去し、そのまま攻撃に移るという形を意識して動きたい。
 《キングレムリン》等のサーチ手段があるものの、手札消費は荒い方のデッキであるため、あまり長期戦は向かない。
 確実にダメージを与え短期決戦で勝負を決めにいく。

 以下のように、種族や戦術面で軸を持つ【4軸エクシーズ】を作る事もできる。

戦士族

 《フォトン・スラッシャー》《ゴブリンドバーグ》等と種族サポートを共有するため、メインデッキエクストラデッキモンスター戦士族で固めたデッキ
 《機甲忍者ブレード・ハート》《H−C エクスカリバー》を無理なく採用できるようになる。

恐竜族

 《エヴォルカイザー・ラギア》《エヴォルカイザー・ドルカ》エクシーズ召喚することに特化させたデッキ
 《ハイドロゲドン》《ジュラック・グアイバ》といった相手モンスター戦闘破壊トリガーとするリクルーターの存在から、戦闘に関するサポートカードも重要視される。
 レベルモンスターだけでなく《ベビケラサウルス》等展開補助のカードも採用候補に上がる。
 また、恐竜族通常モンスターを採用して後述の【レスキューラビット】の形式を取る場合もある。

機械族

 レベル4の機械族モンスター2体を揃えれば《ギアギガント X》エクシーズ召喚でき、そのまま《ブリキンギョ》サーチが可能な点が魅力。
 機械族に統一することで《ゴールド・ガジェット》《シルバー・ガジェット》による手札からの展開も可能になっている。
 また攻撃力500以下の機械族モンスターを複数採用し《機械複製術》とのコンボに繋げれば、素材3つを必要とするエクシーズモンスターも扱いやすくなる。

 ランク4を扱いやすい機械族デッキの代表として【ガジェット】が挙げられる。
 常にガジェットサーチし続けられるため安定したレベルモンスターの供給ができ、エクシーズ素材にすることで低攻撃力を晒さずに済む。
 その他【ガジェット】についての詳細は当該ページを参照。

RUM

 ランクモンスターを出しつつ、RUMによってランク5以上のエクシーズモンスターも扱っていくタイプのデッキ
 《鳥銃士カステル》等、効果は強力だが攻撃力が心許ないモンスターを高打点のアタッカーへと変えることができる。
 ただし、エクシーズモンスターが存在しなければ使用できないRUMを採用するため、手札事故の危険性は上がる。
 採用されるRUMの例として以下のようなものが挙げられる。

シンクロ召喚併用型

 【ランク4】系デッキ蘇生手段の一つである《カメンレオン》チューナーであることを利用し、シンクロ召喚を組み込んだデッキ
 《フォトン・スラッシャー》守備力0のモンスターを使って《キングレムリン》エクシーズ召喚エクシーズ素材となった守備力0のモンスターコスト《カメンレオン》サーチし、《カメンレオン》召喚してコスト墓地へ送られた守備力0のモンスター蘇生する、という流れを基本とする。
 モンスターレベル4で固まる都合上、シンクロ召喚先はほぼレベル8になる。
 仮にエクストラデッキシンクロモンスターが尽きても《カメンレオン》自体はエクシーズ素材に使用できるため、それほど多くのシンクロモンスターを採用する必要は無い。
 環境デッキに採用した他のカードとの連携など考え、相性の良いシンクロモンスターを数体選ぶ形になる。

【クラウンブレード】

 《Emトリック・クラウンと、《H・C サウザンド・ブレードによる2体蘇生コンボで毎ターンランク4を量産する【ランク4】デッキ
 全盛期には《ラヴァルバル・チェイン》が現役であり、パーツのどちらかを引けばコンボを始動できたため抜群の安定性を誇った。
 現在は《ブリリアント・フュージョン》《Emトリック・クラウン》融合素材として墓地へ送るギミックと、それをサーチできる捕食植物を利用することで似たような動きができる。

 グッドスタッフデッキとしての完成度も高いが、既存のカテゴリデッキにも容易にギミックを移植できたため、【○○クラブレ】と呼ばれるデッキが多数開発された。
 「手札捨てる」「デッキ墓地へ送る」「レベル4を並べる」といった要素のあるデッキとは大方親和性がある。

 Emはほとんどの場合、《Emトリック・クラウン》のみが採用される。
 また、ヒロイック側も《H・C サウザンド・ブレード》《H・C 強襲のハルベルト》の2種類または《H・C サウザンド・ブレード》のみ採用することが多い。
 その他の枠は、前述したようなレベル4の展開を補助する他カテゴリや汎用カードを用いるが、《ライオウ》を投入し、罠カードを厚めにした構築も見られる。

出張ギミックとしての【クラウンブレード】

【レスキューラビット】

 《レスキューラビット》及び通常モンスターを軸とした【ランク4】デッキ
   詳細は当該ページを参照。

【バハムート・シャーク】

 《バハムート・シャーク》を軸とした【水属性】系の【ランク4】デッキ
 詳細は当該ページを参照。

ランク4を使用するカテゴリデッキ

【アンブラル】

 アンブラルを軸としたデッキ
 詳細は当該ページを参照。

【ヴェルズ】

 ヴェルズを軸としたデッキ
 高レベルモンスター特殊召喚を封じる《ヴェルズ・オピオン》が強力で、シンクロ召喚主体のデッキを一時は環境から追い払った。
 詳細は当該ページを参照。

【Em】

 Emを軸としたデッキ
 詳細は当該ページを参照。

【希望皇ホープ】

 《No.39 希望皇ホープ》を軸としたデッキ
 《エクシーズ・チェンジ・タクティクス》によるドロー能力が最大の武器。
 詳細は当該ページを参照。

【ゴゴゴ】

 ゴゴゴを軸としたデッキ
 詳細は当該ページを参照。

【十二獣】

 十二獣を軸としたデッキ
 詳細は当該ページを参照。

【テラナイト】

 テラナイトを軸としたデッキ
 詳細は当該ページを参照。

【BK】

 BKを軸としたデッキ
 詳細は当該ページを参照。

【ヒロイック】

 ヒロイックを軸としたデッキ
 詳細は当該ページを参照。

【光天使】

 光天使を軸としたデッキ
 少ない消費で3体エクシーズを可能とし、出張パーツとしての評価も高かった。
 詳細は当該ページを参照。

【紋章獣】

 紋章獣を軸としたデッキ
 詳細は当該ページを参照。

【RR】

 RRを軸としたデッキ
 詳細は当該ページを参照。

【ガジェット】

 ガジェットを軸としたデッキ
 詳細は当該ページを参照。

弱点

 エクシーズ召喚系デッキ共通の弱点については、【エクシーズ召喚】の弱点の項を参照。

 【エクシーズ召喚】に共通のものを除けば、【ランク4】に弱点らしい弱点はないと言ってよい。
 上級モンスター主体となる高ランクデッキのように手札事故も起こりづらく、逆に低ランクデッキのように《魔のデッキ破壊ウイルス》手札を全て失うようなことも起こりづらい。
 エクシーズモンスターの質も量も充実しており、エクシーズ召喚自体を封じられた状況を除けば対処法には困らないだろう。
 強いて言えば、《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》のような「制圧効果と攻撃力を兼ね備えたエクシーズモンスター」は不在だが、些細な問題である。

 リンクモンスターとの連携についてはランク3以下の方が得意である。
 《聖騎士の追想 イゾルデ》レベル4をリクルートするには相当量の装備魔法を積む必要があり、《水晶機巧−ハリファイバー》からレベル4をリクルートするには《D・スコープン》を使うほかない。
 それでも【ランク5】以上に比べれば、リンクモンスターエクシーズモンスターを並べる事は難しくないと言える。

このデッキの歴史

第7期

 マスタールール2の移行と共にエクシーズ召喚が登場。
 登場初期はエクシーズモンスター自体の数が乏しかったものの、レベルモンスター2体を並べれば出せるという手軽さから、ランク4のエクシーズモンスター自体は多くのデッキに採用されていた。

 PHOTON SHOCKWAVEにて登場した《レスキューラビット》によって手札消費1枚でエクシーズ召喚が可能となり、同パックで登場した《エヴォルカイザー・ラギア》と共に環境に大きな影響を与えた。
 この時誕生した【レスキューラビット】こそランクモンスターを主軸としたデッキの先駆けとも言える。

 その後も《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》《ラヴァルバル・チェイン》など、環境に影響を与える強力な効果を持ったランクモンスターの存在により、ランク4が出せる構築自体の価値が上がって行った。

第8期

 RETURN OF THE DUELISTにて登場した《H−C エクスカリバー》を搭載し、ランク4のエクシーズ召喚に特化した【アライブHERO】が登場する。
 また同パックで登場した《ギアギガント X》により【ガジェット】回転力が上がり、《ブリキンギョ》と共に安定したランクモンスター召喚を可能とした。

 ABYSS RISINGにて《ガガガガンマン》が登場。
 俗に「ガンマンライン」と呼ばれる残りライフの指標が作られる。
 この頃にはほとんどのデッキランク4が採用されていたこともあり、残りライフに対する意識が大きく変わった瞬間とも言える。

 この頃になり《No.101 S・H・Ark Knight》《励輝士 ヴェルズビュート》といった、素材に縛りがなく強力な除去効果を持つモンスターも登場し始め、ランクモンスターを出せる構築という重要さはさらに上昇したと言える。

第9期

 ランク4の扱いやすさとアドバンテージの獲得のしやすさを兼ね備えた【テラナイト】環境に姿を現し始める。
 さらにクロスオーバー・ソウルズ《星守の騎士 プトレマイオス》が登場し、《セイクリッド・プレアデス》《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》といった強力なモンスターに繋がることから多くのデッキに採用される。
 15/10/01禁止カードに指定されるまで、ランクモンスターの中で特に高い採用率を誇った。

 また《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》の登場により、《No.39 希望皇ホープ》が出せるデッキランク4が出せるデッキ)であれば簡単に高打点のモンスターを用意できる環境となる。

 クラッシュ・オブ・リベリオンから登場したEmは高い展開力から注目を浴び、後にカテゴリ内のカードの増加や相性の良いカードが増えたことで環境トップへ。
 大量のエクシーズモンスターを安定して扱うことのできる【EMEm】の強さは凄まじく、主要カードが規制されるまでの間、環境【EMEm】一色と化した。

 《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》16/01/01にて禁止カードに指定される。
 続けて《ラヴァルバル・チェイン》16/04/01禁止カードに指定され、これら2枚を利用したデッキは大幅に弱体化した。

 その後環境に姿を現したのは、モンスター1体からエクシーズ召喚が可能という独自の動きを持つ【十二獣】である。
 その安定性と制圧力から一挙に環境トップまで登り詰めただけでなく、出張性能の高さとしても目を見張るものがあり、多くのデッキ【十二獣】のギミックを取り入れた。
 

第10期

 新マスタールールへの移行により、エクシーズモンスターを複数並べることが難しくなった。
 これによりエクシーズモンスターを大量に扱うデッキは大打撃を受け、大幅な弱体化を余儀なくされた。

 第9期に活躍していた【十二獣】17/04/01及び17/07/01にて大幅な規制を受け、全盛期ほどの勢いは失ってしまっている。

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