エクシーズ召喚自体は召喚のために特定のカードを必要とせず、レベルさえ揃えることができればあらゆるデッキで使用できる特殊召喚方法である。
しかし、素材のレベルとランクが同じでなければならない都合上、「ランク4を出すのに適したレベル4モンスター」と、「ランク3を出すのに適したレベル3モンスター」は全く別物である。
よって、扱うエクシーズモンスターによってメインデッキのモンスターの内容は大幅に変化し、一概に「エクシーズ召喚デッキとはこういったモンスターを使う」と表現しにくい。
そこでこのページでは、「ランク4エクシーズモンスターを使用するデッキで有用なカード」に絞って、相性のよいカードを幅広く紹介する。
エクシーズ素材はフィールドに出す必要がある都合上、下級モンスターである方が好ましい。
その中でもレベル4は最も数の多いレベルであり、更に下級モンスターの中では最も攻守のステータスに恵まれたレベルでもある。
またエクシーズモンスターの中でもランク4モンスターは最も種類が多く、汎用性の高いモンスターや攻撃性能の高いモンスターも多い。
このため、ランク4は数あるランクの中でもトップクラスに扱いやすいランクとなっている。
より安定したエクシーズ召喚を狙うため、特殊召喚効果を持つモンスターを中心に採用する。
こちらのエクシーズ召喚に対し除去カードを撃たれると大幅にアドバンテージを失ってしまうため、魔法・罠除去の効果を持つモンスターを採用するのも良い。
ランク4はエクシーズモンスターの質・量ともに極めて恵まれたランクである。
エクシーズ素材の縛りがなく、モンスター2体でエクシーズ召喚できるものだけで50種類以上が存在し、アタッカー・除去・制圧要員まで幅広くカバーしている。
これらをエクシーズモンスターに任せられるため、メインデッキはほぼ展開要員だけに絞った構築が行いやすい。
ランク4に限らず、エクシーズモンスターに重ねてエクシーズ召喚できるカードやRUMの存在からランク5以上のモンスターを採用する場合もある。
―縛りあり
エクシーズモンスターを複数並べる場合、自分フィールドへのリンクマーカーを2つ以上持つリンクモンスターも必要となる。
エクストラモンスターゾーンを空ける手段としては一定期間だけ除外するという手もあるが、エクシーズモンスターを除外するとエクシーズ素材を失ってしまうため、あまり優先される手段ではない。
特別必須カードと言えるような魔法・罠カードはほとんど存在しない。
汎用性の高いカードを採用しつつ、採用したモンスターとの連携が取れるようなカードを入れていくことになる。
例としては《フォトン・スラッシャー》を始めとした戦士族が多い構築の場合は《増援》等の戦士族サポートを入れる、といったような採用の形が挙げられる。
エクシーズモンスターを主軸として扱うため、《ジェネレーション・フォース》及びサーチ先であるエクシーズカードの採用が視野に入る。
その中でも蘇生カードとして《エクシーズ・リボーン》の採用が考えられる。
通常の蘇生カードではエクシーズモンスターを蘇生してもエクシーズ素材が無いため効果を発動・適用できない場合があるが、《エクシーズ・リボーン》ならば自身がエクシーズ素材となるためその問題をカバーできる。
《ジェネレーション・フォース》に非対応ながらエクシーズモンスターやエクシーズ素材に関するカードは多く、デッキコンセプトや好みに合わせて採用するのもいい。
ただしそれらは必然的にエクシーズモンスターが不在の際にはほぼ使えないため、事故要員となることは覚悟しておきたい。
エクシーズモンスターを扱うためRUMの採用も候補に挙がる。
詳しくは後述。
特にカテゴリや属性・種族等にこだわらず、とにかく「汎用性があってエクシーズ素材にしやすいレベル4」を登載した一種のグッドスタッフデッキ。
「レベルが揃わない」という事故が起きなくなるため、エクシーズ召喚の安定性は非常に高い。
デッキコンセプトは極めてシンプルだが、レベル4モンスターとランク4エクシーズモンスターは共に層が極めて厚いため、これだけで十分にデザイナーズデッキに匹敵するデッキが成り立ってしまう。
構築は上記したランク4素材向けのカードを、扱いやすいものから搭載するだけ。
概ね《ファイヤー・ハンド》&《アイス・ハンド》を戦線維持の軸とし、「手札から特殊召喚」系カードを混合するのが安定性が高い。
戦術についてもシンプルである。
状況に応じてエクシーズモンスターを使い分けながらビートダウンを行っていく。
エクシーズモンスターの効果で相手モンスターを除去し、そのまま攻撃に移るという形を意識して動きたい。
《キングレムリン》等のサーチ手段があるものの、手札消費は荒い方のデッキであるため、あまり長期戦は向かない。
確実にダメージを与え短期決戦で勝負を決めにいく。
以下のように、種族や戦術面で軸を持つ【4軸エクシーズ】を作る事もできる。
《フォトン・スラッシャー》や《ゴブリンドバーグ》等と種族サポートを共有するため、メインデッキやエクストラデッキのモンスターを戦士族で固めたデッキ。
《機甲忍者ブレード・ハート》や《H−C エクスカリバー》を無理なく採用できるようになる。
《エヴォルカイザー・ラギア》・《エヴォルカイザー・ドルカ》をエクシーズ召喚することに特化させたデッキ。
《ハイドロゲドン》や《ジュラック・グアイバ》といった相手モンスターの戦闘破壊をトリガーとするリクルーターの存在から、戦闘に関するサポートカードも重要視される。
レベル4モンスターだけでなく《ベビケラサウルス》等展開補助のカードも採用候補に上がる。
また、恐竜族通常モンスターを採用して後述の【レスキューラビット】の形式を取る場合もある。
レベル4の機械族モンスター2体を揃えれば《ギアギガント X》をエクシーズ召喚でき、そのまま《ブリキンギョ》のサーチが可能な点が魅力。
機械族に統一することで《ゴールド・ガジェット》・《シルバー・ガジェット》による手札からの展開も可能になっている。
また攻撃力500以下の機械族モンスターを複数採用し《機械複製術》とのコンボに繋げれば、素材3つを必要とするエクシーズモンスターも扱いやすくなる。
ランク4を扱いやすい機械族デッキの代表として【ガジェット】が挙げられる。
常にガジェットをサーチし続けられるため安定したレベル4モンスターの供給ができ、エクシーズ素材にすることで低攻撃力を晒さずに済む。
その他【ガジェット】についての詳細は当該ページを参照。
ランク4モンスターを出しつつ、RUMによってランク5以上のエクシーズモンスターも扱っていくタイプのデッキ。
《鳥銃士カステル》等、効果は強力だが攻撃力が心許ないモンスターを高打点のアタッカーへと変えることができる。
ただし、エクシーズモンスターが存在しなければ使用できないRUMを採用するため、手札事故の危険性は上がる。
採用されるRUMの例として以下のようなものが挙げられる。
【ランク4】系デッキの蘇生手段の一つである《カメンレオン》がチューナーであることを利用し、シンクロ召喚を組み込んだデッキ。
《フォトン・スラッシャー》等守備力0のモンスターを使って《キングレムリン》をエクシーズ召喚、エクシーズ素材となった守備力0のモンスターをコストに《カメンレオン》をサーチし、《カメンレオン》を召喚してコストで墓地へ送られた守備力0のモンスターを蘇生する、という流れを基本とする。
モンスターがレベル4で固まる都合上、シンクロ召喚先はほぼレベル8になる。
仮にエクストラデッキのシンクロモンスターが尽きても《カメンレオン》自体はエクシーズ素材に使用できるため、それほど多くのシンクロモンスターを採用する必要は無い。
環境やデッキに採用した他のカードとの連携など考え、相性の良いシンクロモンスターを数体選ぶ形になる。
《レスキューラビット》及び通常モンスターを軸とした【ランク4】デッキ。
詳細は当該ページを参照。
《バハムート・シャーク》を軸とした【水属性】系の【ランク4】デッキ。
詳細は当該ページを参照。
ヴェルズを軸としたデッキ。
高レベルモンスターの特殊召喚を封じる《ヴェルズ・オピオン》が強力で、シンクロ召喚主体のデッキを一時は環境から追い払った。
詳細は当該ページを参照。
《No.39 希望皇ホープ》を軸としたデッキ。
《エクシーズ・チェンジ・タクティクス》によるドロー能力が最大の武器。
詳細は当該ページを参照。
光天使を軸としたデッキ。
少ない消費で3体エクシーズを可能とし、出張パーツとしての評価も高かった。
詳細は当該ページを参照。
素材となるモンスターを特殊召喚する場面が多く、エクシーズ召喚を行うことが前提の戦術が基本となるため、当然ながら特殊召喚メタに弱い。
《ゴブリンドバーグ》や《ブリキンギョ》といった攻撃力1500以下のモンスターも展開の中心として活躍するため、《魔のデッキ破壊ウイルス》も警戒しておくべき存在である。
その他エクストラデッキを活用するデッキと弱点が多く被るため、基本的なメタカードを意識して対策を練りたい。
現環境ではエクストラデッキに余裕がない場合も多く、ランク4のみを採用した構築になることも考えられる。
その場合《妖怪のいたずら》や《デビリアン・ソング》と言ったレベル変動系カードが強く刺さる。
リンクモンスターを出す場合にはあまり影響が出ないため、もし使われた場合を想定しある程度戦闘もこなせるリンクモンスターを採用しておくと良い。
マスタールール2の移行と共にエクシーズ召喚が登場。
登場初期はエクシーズモンスター自体の数が乏しかったものの、レベル4モンスター2体を並べれば出せるという手軽さから、ランク4のエクシーズモンスター自体は多くのデッキに採用されていた。
PHOTON SHOCKWAVEにて登場した《レスキューラビット》によって手札消費1枚でエクシーズ召喚が可能となり、同パックで登場した《エヴォルカイザー・ラギア》と共に環境に大きな影響を与えた。
この時誕生した【レスキューラビット】こそランク4モンスターを主軸としたデッキの先駆けとも言える。
その後も《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》、《ラヴァルバル・チェイン》など、環境に影響を与える強力な効果を持ったランク4モンスターの存在により、ランク4が出せる構築自体の価値が上がって行った。
RETURN OF THE DUELISTにて登場した《H−C エクスカリバー》を搭載し、ランク4のエクシーズ召喚に特化した【アライブHERO】が登場する。
また同パックで登場した《ギアギガント X》により【ガジェット】の回転力が上がり、《ブリキンギョ》と共に安定したランク4モンスターの召喚を可能とした。
ABYSS RISINGにて《ガガガガンマン》が登場。
俗に「ガンマンライン」と呼ばれる残りライフの指標が作られる。
この頃にはほとんどのデッキでランク4が採用されていたこともあり、残りライフに対する意識が大きく変わった瞬間とも言える。
この頃になり《No.101 S・H・Ark Knight》や《励輝士 ヴェルズビュート》といった、素材に縛りがなく強力な除去効果を持つモンスターも登場し始め、ランク4モンスターを出せる構築という重要さはさらに上昇したと言える。
ランク4の扱いやすさとアドバンテージの獲得のしやすさを兼ね備えた【テラナイト】が環境に姿を現し始める。
さらにクロスオーバー・ソウルズで《星守の騎士 プトレマイオス》が登場し、《セイクリッド・プレアデス》や《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》+《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》といった強力なモンスターに繋がることから多くのデッキに採用される。
15/10/01に禁止カードに指定されるまで、ランク4モンスターの中で特に高い採用率を誇った。
また《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》の登場により、《No.39 希望皇ホープ》が出せるデッキ(ランク4が出せるデッキ)であれば簡単に高打点のモンスターを用意できる環境となる。
クラッシュ・オブ・リベリオンから登場したEmは高い展開力から注目を浴び、後にカテゴリ内のカードの増加や相性の良いカードが増えたことで環境トップへ。
大量のエクシーズモンスターを安定して扱うことのできる【EMEm】の強さは凄まじく、主要カードが規制されるまでの間、環境は【EMEm】一色と化した。
《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》が16/01/01にて禁止カードに指定される。
続けて《ラヴァルバル・チェイン》が16/04/01に禁止カードに指定され、これら2枚を利用したデッキは大幅に弱体化した。
その後環境に姿を現したのは、モンスター1体からエクシーズ召喚が可能という独自の動きを持つ【十二獣】である。
その安定性と制圧力から一挙に環境トップまで登り詰めただけでなく、出張性能の高さとしても目を見張るものがあり、多くのデッキが【十二獣】のギミックを取り入れた。
新マスタールールへの移行により、エクシーズモンスターを複数並べることが難しくなった。
これによりエクシーズモンスターを大量に扱うデッキは大打撃を受け、大幅な弱体化を余儀なくされた。
第9期に活躍していた【十二獣】も17/04/01及び17/07/01にて大幅な規制を受け、全盛期ほどの勢いは失ってしまっている。