DUEL TERMINALで登場した、ラヴァルモンスターを使用するビートダウンデッキ。
墓地に関する効果を持つモンスターが多く、それらを生かした展開からのビートダウンが基本戦略となるため、デッキ構築とプレイングの両面で墓地リソースを的確にコントロールする能力が求められる。
大量展開につながる《真炎の爆発》の存在から、決まった時の威力は凄まじい。
誕生から暫くは中々実力が上がらなかったが、次第にカードプールが充実していったことで、2011年の秋以降は時折トーナメント上位に食いこむほどに成長を遂げた。
反面、被メタ要素が豊富でやや安定性に欠けるところもあるため、プレイヤーにはこれをいかに克服していくかという戦略観が求められる。
《ラヴァル炎火山の侍女/Laval Volcano Handmaiden》 チューナー(効果モンスター) 星1/炎属性/炎族/攻 100/守 200 (1):このカードが墓地へ送られた時、 自分の墓地に「ラヴァル炎火山の侍女」以外の「ラヴァル」モンスターが存在する場合に発動できる。 デッキから「ラヴァル」モンスター1体を墓地へ送る。
《ラヴァルバル・サラマンダー/Lavalval Salamander》 シンクロ・効果モンスター 星7/炎属性/ドラゴン族/攻2600/守 200 チューナー+チューナー以外の炎属性モンスター1体以上 このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。 (1):このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。 自分はデッキから2枚ドローし、その後手札から炎属性モンスターを含むカード2枚を墓地へ送る。 手札に炎属性モンスターが無い場合、手札を全て公開し、デッキに戻す。 (2):1ターンに1度、自分の墓地から炎属性モンスター1体を除外して発動できる。 自分フィールドの「ラヴァル」モンスターの数まで相手フィールドの表側表示モンスターを選んで裏側守備表示にする。
《真炎の爆発/Rekindling》 通常魔法 (1):自分の墓地から守備力200の炎属性モンスターを可能な限り特殊召喚する。 この効果で特殊召喚したモンスターは、このターンのエンドフェイズに除外される。
《炎熱伝導場/Molten Conduction Field》 通常魔法 (1):デッキから「ラヴァル」モンスター2体を墓地へ送る。
ラヴァルは守備力200の炎属性モンスターを比較的多く擁するため、《真炎の爆発》等も活用しやすい。
そのため、似たような立場のモンスターであれば、守備力200のモンスターを優先して採用するのがいいだろう。
―その他のモンスター
―焔聖騎士
《ラヴァル炎樹海の妖女》の全体強化、除外からの《ラヴァル・キャノン》による帰還と、ラヴァルの名を冠する事自体がメリットとなっている。
ラヴァルは全体的にステータスが低いため、序盤から積極的にフィールドに出していきたい。
―その他のカード
【ラヴァル】は墓地肥やしを起点とするデッキではあるが、墓地肥やしの代名詞であるライトロードや《カードガンナー》といったカードの投入は危険である。
【ラヴァル】は「特定のモンスターを墓地へ送り、《真炎の爆発》で一気に決める」デッキであり、《真炎の爆発》が墓地へ送られてしまうと展開が止まってしまう可能性も高くなる。
投入するとしても《魔導雑貨商人》等、被害が少ないものを選択したい。
《炎熱伝導場》で墓地を肥やし、《真炎の爆発》からシンクロモンスターを大量展開するのが、現在の【ラヴァル】の基本戦術である。
そのため、何としてでも《炎熱伝導場》と《真炎の爆発》の2枚を手札に加えておかなければならない。
前述した《カードカー・D》や《強欲で謙虚な壺》等のドローソースをフル活用しよう。
特に《封印の黄金櫃》はピンポイントのサーチ、《ラヴァル・キャノン》とのコンボの使い分けが要求される。
これらのサーチと並行して汎用除去や《ラヴァル炎湖畔の淑女》等、《真炎の爆発》を確実に決めるためのカードも揃えておきたい。
《炎熱伝導場》で墓地を肥やすことは同時にデッキ圧縮にもなるため、キーカードを揃える確率を少しでも上げるためになるべく早く使用したい。
また、《炎熱伝導場》が手札にない場合でも《ラヴァルバル・ドラグーン》がその役目を果たすことも覚えておくといいだろう。
カードがそろえば、いよいよ《真炎の爆発》からモンスターを大量展開する。
下級モンスターだけでは1ターンキルに届かないので、シンクロ召喚やエクシーズ召喚やリンク召喚をメインとする。
墓地を肥やす行為は、必ずこの連続シンクロ召喚・エクシーズ召喚・リンク召喚につながるように計算して行いたい。
また、仕留めそこなって相手に反転攻勢に出られると危険なため、《真炎の爆発》を使用したターン内に可能な限り確実に決着をつけられるよう万全の態勢を整えておこう。
この過程でラヴァルが除外されれば《ラヴァル・キャノン》の出番になる。
《ラヴァル炎湖畔の淑女》の再利用、戦線の維持、《真炎の爆発》の発動後の追撃など大いに活用したい。
《TG ストライカー》・《TG ワーウルフ》・《TG ラッシュ・ライノ》を組み込み、より広範囲のシンクロ・エクシーズ召喚を狙う。
例えば、《ラヴァル炎湖畔の淑女》の効果で《ラヴァル炎湖畔の淑女》とレベル4以下のラヴァルモンスターを除外し、その後《ラヴァル・キャノン》で《ラヴァル炎湖畔の淑女》を帰還させる。
この帰還成功時に《TG ワーウルフ》を特殊召喚し、《ラヴァル炎湖畔の淑女》と《TG ワーウルフ》で《虚空海竜リヴァイエール》をエクシーズ召喚し効果を発動すれば、エクシーズ素材となった《ラヴァル炎湖畔の淑女》を墓地へ送りつつボード・アドバンテージを稼ぐことができる。
《TG ラッシュ・ライノ》と《TG ワーウルフ》、そして《フレムベル・ヘルドッグ》は《幻獣の角》を共用できるため、【TGフレムベル】寄りの構築にしてもよいだろう。
優秀なサポートカードを複数擁した炎王をデッキに組み入れたタイプ。
下級モンスターは《真炎の爆発》に対応しており、自壊によってアドバンテージも稼げるのでラヴァルの弱点である序盤〜中盤の不安定さをカバーしやすい。
《炎王獣 キリン》による墓地肥やし効果にも期待できる。
《真炎の爆発》に対応した《陽炎獣 サーベラス》と《陽炎獣 ヒュドラー》を組み込んだデッキ。
レベル6なので高ランクのエクシーズモンスターや召喚条件の厳しいシンクロモンスター等も出しやすくなり、強力な効果を持った《陽炎獣 バジリコック》も採用できるなど、炎王とはまた違った独自の強みがある。
ラヴァルの一部に戦士族が多いことを活かし、《焔聖騎士−リナルド》と《『焔聖剣−デュランダル』》を組み込んだデッキ。
《ラヴァル・キャノン》が容易にサーチ・サルベージできる他、《盗人の煙玉》でハンデスを行うことで《ネオフレムベル・レディ》の効果に繋げることも可能。
《No.60 刻不知のデュガレス》の効果で大型モンスターの攻撃力を倍加させて《『焔聖剣−オートクレール』》で2回攻撃を付加させて1ターンキルを狙うのも面白い。
墓地肥やしへの依存が強いため、無差別除外には当然弱い。
《サイクロン》や《砂塵の大竜巻》等の除去手段はもちろん、《ラヴァル・キャノン》等の除外を利用できるラヴァルや帰還カードで対応しよう。
【電脳堺】との相性は最悪で、《電脳堺狐−仙々》を出されば《真炎の爆発》で蘇生したモンスターが根こそぎ除外され、《真竜皇V.F.D.》で炎属性を宣言された場合はラヴァルのモンスター効果を発動できず、それ以外の属性を宣言された場合はラヴァルシンクロモンスターや《焔聖騎士−リナルド》等が出せなくなり、どう転んでもこちらの展開がほぼ停止してしまう。
リンクモンスターも全く採用しないので《逆巻く炎の宝札》が完全に腐る点も痛い。
墓地が肥えていなければ効果が発揮できないカードも多く、序盤は思うように展開できない点も注意が必要。
墓地が肥えたとしても、除外しすぎると肝心な時に発動できなくなる恐れもあるため注意すること。
また、どうしても《炎熱伝導場》と《真炎の爆発》という魔法カードに依存したデッキとなるので、魔法カードのメタにも弱い。
特に《闇のデッキ破壊ウイルス》を発動されるとこれらが根絶やしにされ、最悪何もできずに終わる可能性もある。
【闇黒世界−シャドウ・ディストピア−】の場合は上記の《真竜皇V.F.D.》同様に展開が鈍り、《闇黒の魔王ディアボロス》を出された場合はさらに対処が困難となる。
カウンター罠を適宜投入するなどの対策も必要となる。
《真炎の爆発》を封じられる《王家の眠る谷−ネクロバレー》を擁する【墓守】との相性は最悪である。
それ以外にも、墓地依存のデッキでありながらデッキ破壊にも弱く、《ニードルワーム》等で上記のキーカードが墓地へ送られると途端に厳しくなってしまう。
【デッキ破壊】でなくとも、1〜3枚のデッキ破壊を行う汎用的なモンスターは少なくないため、《月の書》等で対処できるようにしておきたい。
DUEL TERMINAL −ヴァイロン降臨!!−で登場するも、なかなか火が付かずくすぶり続ける時期が続いた。
「墓地にモンスターを溜め込み、《真炎の爆発》で大爆発」というコンセプト自体は明確だったものの、墓地肥やし役の《ラヴァル炎火山の侍女》は墓地にラヴァルが存在する時に効果で墓地へ送られる必要があり、下準備に時間が掛かったのである。
DUEL TERMINAL −星の騎士団 セイクリッド!!−で登場した《炎熱伝導場》が問題を一気に解決した。
ラヴァル2枚を墓地へ送り込む効果により、《ラヴァル炎火山の侍女》の効果を確実に発動させ、一挙に5枚のラヴァルを墓地へ送り込むという破格の墓地肥やし能力を獲得したのである。
これ以降【ラヴァル】は急速にその勢力を伸ばし、大会レベルでも通用するデッキへと生まれ変わる。
ここから【征竜】&【魔導書】の二大パワーデッキが環境を席巻するまでの1年余りが【ラヴァル】の全盛期であった。
《炎熱伝導場》を最後に、【ラヴァル】の強化は一度途絶えた。
2大キーカードである《炎熱伝導場》・《真炎の爆発》のどちらもサーチ手段がないのが大きな欠点となり、後続デッキと徐々に実力差を空けられていくようになる。
それでも《カードカー・D》・《強欲で謙虚な壺》・《エア・サーキュレーター》等を積み、ドロー強化によって《炎熱伝導場》・《真炎の爆発》を引き込むタイプは細々と結果を残し続けたが、2014年を最後にその火は絶えた。
SELECTION 10・LIGHTNING OVERDRIVEにて新規カードが登場し、強化された。
《ラヴァル・キャノン》といった戦士族・炎属性のモンスターを焔聖騎士と併用することも可能となっている。
一方で【電脳堺】や【エルドリッチ】等相性の悪いデッキが次々ど台頭しており、環境にかつてのような結果を残していない。