【リクルーター】

 「戦闘破壊によって墓地に送られた?時」を発動条件とするリクルーターを利用したデッキ
 古くは各属性専用のリクルーターを中心としたデッキは「(属性の頭文字)ウィニー」とも呼ばれた。

※ウィニーとは、「Magic;The Gathering」のデッキタイプの一つで、小型のモンスターを大量に採用したデッキ。

共通の利点

特殊召喚によるフィールドの維持

 このデッキの最大の特徴はフィールドにモンスターが残りやすくなるために、防御力が高くなることである。
 また、多くのリクルーターが他の種類のモンスター特殊召喚できるため、戦略の幅が広がるメリットも持つ。
 場持ちの良さからリリースを必要とする、「」と相性が良い。→【リクル帝】

墓地を肥やす

 モンスターがフィールドに残りながら、墓地モンスターを溜めることができるので墓地利用カードとの相性も良い。
 特にリクルーターの再利用に使える《貪欲な壺》《転生の予言》との相性は抜群で、必須カードといってもいい存在である。

コントロール転移の利用

 コントロールを変更するカードに滅法強く、自分からコントロール転移系カードで相手コントロールを移してもいい。
 移したリクルーター戦闘破壊すれば、特殊召喚効果を発動して、連続攻撃によるラッシュを狙える。
 コントロール交換《強制転移》コントロール転移《死のマジック・ボックス》は採用の価値がある。

戦闘補助の無力化

 リクルーター戦闘破壊に強く、同時に戦闘補助となる攻守増減カードや表示形式変更カードにも強い。
 これらは良く使われる速攻魔法に強いということであり、多くの環境において活躍できる事を意味している。
 

共通の弱点

攻撃面の貧弱さ

 総じて防御面は優秀なのだが攻撃面は少々劣るため、持久戦に陥りやすい。

《サイバー・ドラゴン》

 フィールドにモンスターが居る機会が多いため、《サイバー・ドラゴン》召喚を許しやすいのも難点の一つ。
 採用しているモンスター群では打撃力に欠け、対処がしづらく苦しい思いをするだろう。

破壊した墓地に送った?時に効果発動するモンスター

 《冥界の魔王 ハ・デス》には効果を無効にされ、《ハイドロゲドン》には大量展開を許してしまう。

全体攻撃能力モンスター

 《阿修羅》には攻撃力1700未満のモンスターを連続攻撃されてしまう。
 《魂を削る死霊》《マシュマロン》で止めても、手痛いダメージを受ける。

墓地に送らせないカード

 墓地に送られた?時に効果発動するため、《閃光の追放者》《光の追放者》《次元の裂け目》《マクロコスモス》に弱い。
 墓地に頼りきりなデッキであるため、墓地の利用を対策されるともはや手も足も出ない。
 特に「ENEMY OF JUSTICE」で登場した、モンスターを片っ端から除外するカードに対して非常に弱い。
 対抗策らしい対抗策といえば「先手を取って殴りきる」ぐらいしかないのが現状。

 《マクロコスモス》には《王宮のお触れ》で対抗できるため2戦目以降の対処は難しくない。
 しかし、《次元の裂け目》に対しては《砂塵の大竜巻》《氷帝メビウス》等を起用するなどするべき。
 《閃光の追放者》《エンド・オブ・アヌビス》に対しては、迅速な除去を心がけよう。
 こちらは守備力が低いので《エネミーコントローラー》《月の書》などで対処しよう。

特殊召喚の封印

 《虚無魔人》《虚無の統括者》《異星の最終戦士》のように特殊召喚を封印するカードに弱い。

戦闘をしないデッキ

 このデッキリクルーターを大量に採用しているため、まず手札事故が起きない構造となっている。
 しかし、戦闘をまるでおこなわない【ロックバーン】等を相手にすると、非常に不利な状況に追い込まれる。

 例えば、《波動キャノン》を発動された場合。
 リクルーターが戦闘で破壊されないためにデッキの持ち味を生かせない
 → 早く破壊できるカードを引かないと負けてしまう
 → 引くカードがリクルーターばかり
 → 《波動キャノン》で8000ダメージを受けて敗北
 …と言うことにもなりかねない。

デッキのカスタマイズ

《王宮のお触れ》採用型

 罠カードさえ防いでしまえば、後は魔法カードモンスター除去によってしか潰されることがない。
 戦闘に強いために、罠カードに頼らずともにフィールドにモンスターを保持できる。
 《収縮》《突進》を使えば、攻撃力で勝るモンスターにも対応し戦闘で破壊も狙える。

 もともと守備的で長期戦に強いデッキ構築のため、《次元幽閉》《万能地雷グレイモヤ》のような防御に回す罠がなくても戦線を維持することが容易であり、《王宮のお触れ》との相性はかなり良いと言える。

 モンスターが居るタイミングが多いため、除去罠よりも、攻撃力が変動する速攻魔法の方が相性が良い。
 特に《突進》は攻撃力1400のリクルーターと相性が良く、《サイバー・ドラゴン》と相殺した上でデッキから任意にモンスターを選択、連続攻撃に繋げることが可能。

 いわゆる【お触れビート】としては、攻守ともに安定した形と言えるだろう。

《門前払い》採用型

 この【リクルーター】デッキの比率がどうしてもモンスターに偏りがちである。
 そのため除去カードが引けないことが多々ある。
 この状況を打開する為に《門前払い》を採用するのである。
 こちらのリクルーターよりステータスが高い攻撃対象表示形式に関係なく(一時的にではあるが)除去できる。
 この場合、直接攻撃に成功したリクルーター達は手札に戻ってしまうので後のフォローが必要である。

デッキの派生

【リクルーターHERO】

 【リクルーター】+【E・HERO】
 主に《巨大ネズミ》《グリズリーマザー》をメインに扱ったデッキである。
 相手攻撃リクルート効果により《E・HERO フォレストマン》《E・HERO オーシャン》を出すことで、自分ターンサルベージ効果を最大限に生かすことができる。
 《E・HERO オーシャン》墓地HEROを回収し、《E・HERO フォレストマン》《融合》を回収することで融合召喚を積極的に狙えるのがこのデッキの強み。
 《巨大ネズミ》《E・HERO ガイア》《グリズリーマザー》《E・HERO アブソルートZero》融合素材になってくれるので倍美味しい。
 もちろん《ミラクル・フュージョン》《未来融合−フューチャー・フュージョン》も普通に投入可能なので、融合モンスターが何体もフィールドに出揃う状況も十分に可能である。
 融合召喚を多様するため《E・HERO ガイア》《E・HERO アブソルートZero》だけでは足りなくなる可能性も僅かながらに存在するが、その時には《E・HERO ジ・アース》が活躍してくれるだろう。
 普通の【E・HERO】では事故要因になりやすい《融合回収》も、このデッキでは3枚積みも可能なほどの強力カードに化ける。

【リクルーターカオス】

 【リクルーター】+【カオス】
 《見習い魔術師》から《聖なる魔術師》リクルートすることで《カオス・ソーサラー》を出しやすくしたデッキ
 《キラー・トマト》《シャインエンジェル》《見習い魔術師》より優先順位は落ちるがサポートになる。
 現在は上記のような運用こそできないものの、闇属性では優秀なチューナーである《ゾンビキャリア》《BF−疾風のゲイル》《ダーク・アームド・ドラゴン》を始めとするダークモンスター、光属性では《ライオウ》《オネスト》《ブルーサンダーT45》などの存在によりまだまだ活躍できるデッキである。
 ただしコアキメイルモンスターがまともに刺さってしまうことは避けられない。

【リクルーター天魔神】

 【リクルーター】+【天魔神】。
 【リクルーターカオス】と同系列のデッキであり、《強制転移》などのギミックはほぼそのまま取り入れられる。
 とは言っても、《キラー・トマト》悪魔族ではないので、《天魔神 ノーレラス》はやや出しづらい。
 一方、《シャインエンジェル》《コーリング・ノヴァ》は共に天使族なので、《天魔神 エンライズ》は活躍する。
 また、汎用性は低いが、《ジャイアントウィルス》闇属性悪魔族リクルーターである。

【リクルーター闇】

 【リクルーター】+【闇属性】《キラー・トマト》を軸にしたタイプ。
 《魂を削る死霊》《首領・ザルーグ》と言ったハンデスモンスターを採用した【トマハン】が有名。
 《ニュードリュア》《仮面魔道士》《暗黒のミミック LV3》モンスター破壊ドロー系も豊富。
 《黒き森のウィッチ》《クリッター》の存在から昔から強力なデッキとして使われた。

【リクルーター昆虫】

 【リクルーター】+【昆虫族】《デビルドーザー》特殊召喚が最大の肝。
 《共鳴虫》では、自身の他に《ドラゴンフライ》アルティメット・インセクト特殊召喚したい。
 《代打バッター》《ゴキポン》の活躍も期待できる。
 詳しくは【昆虫族】を参照。

【リクルータードラゴン】

 【リクルーター】+【ドラゴン族】《龍の鏡》による《F・G・D》特殊召喚が最大の肝。
 《仮面竜》では、自身の他に《軍隊竜》《ボマー・ドラゴン》アームド・ドラゴン特殊召喚したい。
 詳しくは【ドラゴン族】を参照。

【リクルーター天使】

 【リクルーター】+【天使族】。2種類のリクルーター《オネスト》《ムドラ》による攻撃力増強がメインとなる。
 《シャインエンジェル》《コーリング・ノヴァ》はお互いをリクルートする事ができるため、安定しやすい。
 《ムドラ》は上記の2枚から特殊召喚できないが、《朱光の宣告者》などで墓地を肥やすことができるなら扱い易い。
 《ムドラ》攻撃力は下がるものの《貪欲な壺》で根こそぎリクルーターデッキに戻してやると、ドローしつつや戦闘要員として長い間場に残る事もできる。
 《オネスト》《コーリング・ノヴァ》から守備表示リクルートすれば守備力の高さを活かせる。
 天使族で統一できるのならば、《一族の結束》による強化も考慮できる。

 また、《天空の聖域》があれば、リクルーター自爆特攻によるダメージが0になる。
 しかも、《コーリング・ノヴァ》から《天空騎士パーシアス》特殊召喚できるようになるおまけつき。
 2種のリクルーターを含めて光属性が多いことを利用すれば、上記の通り《神聖なる魂》の展開も容易である。
 高めの攻撃力に加え、相手ターンの生存率も上昇する。

 《アルカナフォース0−THE FOOL》《コーリング・ノヴァ》から守備表示リクルートし、裏の効果を得られればさらに場持ちはよくなる。
 リクルーターとともに《強制転移》との相性がよく、攻撃表示のまま送りつければサンドバッグにできるが《天空の聖域》下ではダメージを与えられないので注意。

 墓地を肥やすカードとして《光神機−桜火》《天空の使者 ゼラディアス》も活躍できる。
 《光神機−桜火》アタッカー除去として、《天空の使者 ゼラディアス》《天空の聖域》を投入する場合に必ず採用したい。
 コントロール転移カードはリクルーターのみならず自壊効果を持つ《光神機−桜火》《天空の使者 ゼラディアス》とも相性がいい。
 これらは《ムドラ》攻撃力を上げるだけでなく《神聖なる魂》特殊召喚するための墓地コストにもなる。

 モンスター除去《堕天使ディザイア》《異次元の女戦士》で行えばよい。
 場持ちのよさから《堕天使ディザイア》リリースを確保するのは簡単だろう。墓地に落ちても蘇生できないので《貪欲な壺》リクルーターともどもデッキに戻せばよい。
 《異次元の女戦士》《シャインエンジェル》からリクルートでき、効果の発動後は除外されるので《一族の結束》の邪魔にもならない。

 また【ジャンク天使】《ジャンク・アタック》と用いて相手バーンダメージを与えるコンボなので、【リクルーター天使】の亜種であると考えられる。
 このデッキ1ターンキルが目的のため、《ムドラ》《神聖なる魂》は採用されにくいのも特徴。

【リクル特攻】

 リクルーターを連続で自爆特攻させることでデュエルの勝利を目指す。
 具体的には、《コーリング・ノヴァ》《シャインエンジェル》《ユーフォロイド》《UFOタートル》《仮面竜》《軍隊竜》という一連の流れがありリクルーターを連続で自爆特攻及び特殊召喚していく中で1ターンキルを目指す。
 《悪魔の調理師》相手フィールド上に送り、自分フィールド上のリクルーターを連続で自爆特攻させて自分ドローしてエクゾディアを集める【調理師エクゾ】や、相手モンスター《ジャンク・アタック》を装備させ、その装備モンスター自爆特攻を仕掛けるバーン型が存在する。
 ちなみに《巨大ネズミ》《共鳴虫》《ドラゴンフライ》《軍隊竜》と4種類のリクルーターをつなげるタイプもある。

【ガスタ】

 DUEL TERMINAL −インヴェルズの侵略!!−で登場したガスタを中心としたデッキ
 リクルートだけでなく、除去墓地も得意とする。
 詳しくは該当ページを参照。

サンプルレシピ

代表的なカード

関連リンク