【レスキューシンクロ】

デッキの概要

 《レスキューキャット》《召喚僧サモンプリースト》による高速リクルートシンクロ素材を用意するシンクロ召喚デッキ(ギミック)。
 【猫シンクロ】、【シンクロキャット】とも呼ばれる。

 シンクロ召喚が登場した頃から存在したデッキジャンルであり、その強力な展開力で一時代を築いた。
 10/09/01《レスキューキャット》禁止カードに指定され、現在構築は不可能となっている。

《レスキューキャット/Rescue Cat》
効果モンスター(禁止カード)
星4/地属性/獣族/攻 300/守 100
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地に送る事で、
デッキからレベル3以下の獣族モンスター2体をフィールド上に特殊召喚する。
この方法で特殊召喚されたモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。
《召喚僧サモンプリースト/Summoner Monk》
効果モンスター(準制限カード)
星4/闇属性/魔法使い族/攻 800/守1600
このカードはリリースできない。
このカードは召喚・反転召喚に成功した時、守備表示になる。
1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てる事で、
自分のデッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、
そのターン攻撃する事ができない。

デッキ構築に際して

モンスターカードについて

 上記のキーカードと、それらでリクルートする獣族モンスターを除けば、必須カードはない。
 その為、残された枠は比較的自由にモンスターを採用できる。

魔法・罠カードについて

 《召喚僧サモンプリースト》を使用する以上、魔法カードの割合を多くしたい。
 もしも腐っても、《召喚僧サモンプリースト》コストにできる。

デッキの派生

【猫姫】

 《ローンファイア・ブロッサム》《椿姫ティタニアル》を採用し墓地肥やしを高速化させたデッキタイプ。
 【姫猫】と呼ばれる事も多く、どちらが主流かはコミュニティによるが、どちらでも通じるだろう。

 序盤から《貪欲な壺》によって手札増強ができるのが強み。
 《椿姫ティタニアル》効果によって《ナチュル・ビースト》や、《王宮の弾圧》と言ったキーカードを守る事も可能である。
 《椿姫ティタニアル》攻撃力も十分高いのでシンクロ召喚までのアタッカーとしても使用できる。
 《ロードポイズン》《王宮の弾圧》に邪魔される事なく《椿姫ティタニアル》特殊召喚する事ができる。
 レベル4なので《召喚僧サモンプリースト》で呼ぶ事ができ、《強制転移》等で相手送りつけ殴り《椿姫ティタニアル》に繋ぐ、といった芸当も可能なので1〜2枚投入しておくのも悪くない。

 だが通常の【レスキューシンクロ】には無かった弱点として、最上級モンスター積む事による手札事故が起きる可能性がある。
 また、《ローンファイア・ブロッサム》を初手で2枚以上引いてしまうという事もある。
 《サンダー・ブレイク》《ライトニング・ボルテックス》のような手札コストタイプのカードで凌いだり、いざとなれば《キラー・トマト》特殊召喚できるように、タイプを応用する必要がある。
 《サンダー・ブレイク》は後述する《砂塵の大竜巻》のような使い方もできるため、是非採用を検討したいカードである。

【ビーバーシンクロ】

 《デーモン・ビーバー》《レスキューキャット》からリクルートできる事に着目したデッキタイプ。
 《デーモン・ビーバー》デーモンの名前を冠しているため、《堕落》によるコントロール奪取が可能であり、《レスキューキャット》チューナーとともに呼び出せばシンクロ召喚に活用する事もできる。
 また、《デーモン・ビーバー》通常モンスターである事を利用して《戦線復活の代償》を投入すれば、《レスキューキャット》《召喚僧サモンプリースト》、場合によってはチューナーシンクロモンスター蘇生できる。
 《デーモン・ビーバー》《レスキューキャット》属性を共有するので、《巨大ネズミ》によるサポートを共有し、《地霊術−「鉄」》《デーモン・ビーバー》リリースしてしまえば《レスキューキャット》の複数回使い回しも可能。同じ様な理由で、《バビロン》《オオカミ》《シルバー・フォング》などを1体だけ仕込んでおくのも良い。
 更に、《戦線復活の代償》《堕落》は共に装備魔法であるため、《召喚僧サモンプリースト》コストとして働き、《アームズ・ホール》によるサポートを共有する。
 これらの点からこのデッキを【武装猫】と呼ぶ場合もある。
 《アームズ・ホール》自体も《召喚僧サモンプリースト》コストとして働く点も見逃せない。
 必須カードの《デーモン・ビーバー》絶版なので少々入手に苦労するが、それ以外に必要なカードが比較的低レアリティなのもポイントである。

【アーカナイトビート】

 《大寒波》と相性が良く、小回りの利く《アーカナイト・マジシャン》シンクロ召喚しやすくしたもの。
 性質上、《奈落の落とし穴》の効果を受けにくいモンスターが大量に組み込めるデッキタイプであるが、その分上記以外のシンクロモンスター《X−セイバー エアベルン》に矛先が向けられるので注意。
 チューナー以外の魔法使い族《召喚僧サモンプリースト》の他、《墓守の偵察者》《墓守の番兵》を採用する。
 これらは《ライオウ》等の1900ラインを止められる高い守備力に加え、優秀な効果を持つため場持ちが良く、手札に来てしまうと使いにくい《X−セイバー エアベルン》を有効に利用する事ができる。
 属性の面で《闇の誘惑》《ダーク・アームド・ドラゴン》が使いやすくなっているので、比較的安定したデッキタイプだと言える。
 リバース効果《抹殺の使徒》《精神操作》に弱いが、《月の書》との相性が良い。
 かつては《ダーク・ダイブ・ボンバー》の存在により容易に1ターンキルが行える事から人気を集めたデッキタイプであった。

 このデッキの全盛期では名称に反して《アーカナイト・マジシャン》ビートダウンするデッキでは無かったが、《マジックテンペスター》《魔轟神獣ケルベラル》の登場の後は《マジックテンペスター》効果攻撃力3000を大きく上回った《アーカナイト・マジシャン》によりビートダウンが可能になった。
 そういった意味ではこちらの形の方がこのデッキ名が相応しいと言える。
 また、この場合攻撃後に《マジックテンペスター》バーン効果によって大量のダメージ相手に与えられるのでかつての《ダーク・ダイブ・ボンバー》を彷彿させる1ターンキルも十分に狙う事が可能である。
 《魔轟神獣ケルベラル》によって強力な効果を持つ《魔轟神獣ユニコール》《魔轟神レイジオン》シンクロ召喚が可能になる点も見逃せない。

【植物猫】

 《デブリ・ドラゴン》《ダンディライオン》《スポーア》などを採用して《氷結界の龍 トリシューラ》シンクロ召喚に特化したタイプ。
 《氷結界の龍 トリシューラ》シンクロ召喚のパターンを多く持っている他、他のシンクロ召喚も狙いやすいため注目を集めている。

 またVジャンプにおいては【トリシューラビート】と紹介されていた。

このデッキの弱点

 シンクロ召喚型のデッキに共通する弱点として、やはり《フォッシル・ダイナ パキケファロ》等の特殊召喚封じが一番怖い。
 また、《次元の裂け目》《閃光の追放者》等を使われると要の《レスキューキャット》《ナチュル・ビースト》が機能しなくなる。
 幸い、大抵のモンスター《X−セイバー エアベルン》で十分戦闘破壊でき、サイドデッキ魔法・罠カードには《砂塵の大竜巻》等を採用すると良い。

 まず見ないだろうが、《召喚制限−パワーフィルター》も怖いカードの一種である。
 《召喚僧サモンプリースト》による《レスキューキャット》特殊召喚が封じられ、《レスキューキャット》による《N・ブラック・パンサー》《コアラッコ》特殊召喚ができない。
 また、【アーカナイトビート】型においては主軸の《アーカナイト・マジシャン》シンクロ召喚も封じられてしまう。
 この点の対策でも《砂塵の大竜巻》は役に立つので、罠カードを絞る事で思い切って積んでしまうのも効果的。

 他にも軸となるモンスター攻撃力が低いので《王虎ワンフー》《魔のデッキ破壊ウイルス》《連鎖除外》も厳しい。
 しかし、このデッキの一番の弱点はなんといっても手札事故である。
 《レスキューキャット》で呼ぶべきモンスター手札に来てしまった場合、単体では場持ちが期待できず、後のシンクロ召喚の幅も狭めてしまう。
 この事から、これらのモンスターの採用は最小限に止めたい。

このデッキの歴史

08/03/01

 シンクロ召喚が登場した後、その爆発力から大流行した。
 当時は《早すぎた埋葬》が現役だったため、《氷結界の龍 ブリューナク》を利用して何度も《レスキューキャット》蘇生し、デッキ内の《X−セイバー エアベルン》を1ターンですべて召喚する事も可能だった。

 2008年度日本代表最終選考会では、《ダーク・アームド・ドラゴン》3枚を投入した【シンクロダムド】が上位を独占していた。

 なお、当初は素材制限を持つシンクロモンスターがほとんど存在しなかったため、上記の「普通のデッキでは採用されにくいシンクロモンスターを投入できるのがこのデッキの強みである」事はほとんど関係が無かった。

08/09/01

 大流行の結果《早すぎた埋葬》禁止カードに、《召喚僧サモンプリースト》《レスキューキャット》《ダーク・アームド・ドラゴン》準制限カードに。
 コンセプトが完全崩壊した訳では無いが、大流行した【シンクロアンデット】に押され、目立った実績は無かった。

09/03/01

 《ダーク・アームド・ドラゴン》制限カードとなったが、その代わりに前制限中に登場した《ダーク・ダイブ・ボンバー》《アーカナイト・マジシャン》によって、再び流行する。

09/09/01

 《ダーク・ダイブ・ボンバー》禁止カードに、《召喚僧サモンプリースト》《レスキューキャット》《大寒波》制限カードになり、従来の強さが大幅に失われる結果となった。
 その結果、完全にこのデッキタイプに頼った構築は不可能になるものの、強力なギミックそのものは残った。

 その後はX−セイバー魔轟神らと手を組み、細々と結果を残す。

10/09/01

 《レスキューキャット》禁止カードに指定され、構築不能となった。

備考

サンプルレシピ

代表的なカード

関連リンク