デッキのモンスターを、レベル3以下のモンスターに絞ったデッキ。
この項では主に《魔の試着部屋》を基点とした通常モンスター軸のデッキタイプを紹介する。
このデッキはいうなれば「《魔の試着部屋》を三枚積みしよう」という発想のデッキである。よって、これの三枚積みは必須条件となる。
《魔の試着部屋/Enchanting Fitting Room》 通常魔法 800ライフポイントを払う。自分のデッキの上からカードを4枚めくり、 その中のレベル3以下の通常モンスターを全てフィールド上に特殊召喚する。 それ以外のカードはデッキに戻しシャッフルする。
キーカードの性質から、このデッキはほぼすべてのモンスターをレベル3以下通常モンスターで構成する。
そのため、攻撃力だけを見ると【凡骨ビート】に劣る。
だが、《魔の試着部屋》がハマった時の爆発力は【凡骨ビート】を数段上回るため、単なる下位互換ではない。
これ一枚で大量展開、リリース確保、シンクロ素材の展開と幅広くこなせるので、運任せではあるがその爆発力は侮れない。
主となるレベル1〜3のモンスターのうち、どのレベルのモンスターを多く採用するかによって、多少デッキカラーが変わってくるのも特徴のひとつ。
通常モンスター軸であり、かつレベル3以下のモンスターを多数採用するので、サポートカードもそれなりに豊富。
また、レベル3以下で構成するので《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》と《レベル制限B地区》を完全に無視できる。
よって、一般的なロックデッキには滅法強い。
《魔の試着部屋》で展開したいモンスターの筆頭は、レベル3最大攻撃力を誇る《ジェリービーンズマン》。
それに次ぐのが《マッド・ロブスター》《音速ダック》《ハウンド・ドラゴン》たちである。
レベル2以下に絞るならば《海皇の長槍兵》、《マーダーサーカス・ゾンビ》などが採用できる。
壁役は単体で《サイバー・ドラゴン》を止められる《大木炭18》、《死のデッキ破壊ウイルス》の媒体となる《異次元トレーナー》、バランスの良い攻守を持つ《岩石の巨兵》など。
これらに加え、通常モンスターかつチューナーである《チューン・ウォリアー》、《ジェネクス・コントローラー》も加える余地がある。
チューナーを組み込む場合、主力モンスターのレベルの関係上、採用するシンクロモンスターはレベル5〜6が中心となるだろう。
このレベル帯はシンクロモンスターの中でもひときわ光る能力を持つモンスターが多く存在するため、打点の低さや力不足を存分に補ってくれる。
(詳しくは後述の【シンクロ召喚】軸)
一部の効果モンスターももちろん採用可能。
モンスターの大半がレベル3以下通常モンスターになるので、《冥界の使者》や《魂を呼ぶ者》、《オアシスの使者》が美味しく利用できる。
他には手札補充係の《メタモルポット》、射出系モンスター《人投げトロール》、《魔の試着部屋》のコストを無視できる《D−HERO ダイヤモンドガイ》、《闇の量産工場》で弾を補充できる《スナイプストーカー》、《魔の試着部屋》の補助役かつチューナーの《ゾンビキャリア》など。
だが、これらのカードを加えると、《魔の試着部屋》の爆発力が低下することも忘れてはいけない。
《魔の試着部屋》以外の魔法・罠カードは、概ね【凡骨ビート】と共通である。
《鹵獲装置》、《玉砕指令》、《下克上の首飾り》など【凡骨ビート】では採用しがたいカードもこのデッキならば有効活用可能。
《魔の試着部屋》の性質上、《闇の量産工場》よりは《貪欲な壺》の方が効果的な点には注意が必要。
単体の攻撃力の低さを補うため、《収縮》や《地砕き》等の採用も検討すべき。
モンスターの攻撃力が【凡骨ビート】より低いため、《ジャスティブレイク》を容易に発動できる。
低攻撃力のモンスターを並べて油断した相手に強烈な一撃を叩き込んでやれば、精神的なダメージも相当だろう。
尚、【凡骨ビート】では必須カードだった《凡骨の意地》は、採用しない方が無難。
《魔の試着部屋》はデッキからしか特殊召喚できないため、貧弱なモンスターを手札に抱え込む利点が無いからだ。
《魔の試着部屋》は運任せの部分が色濃いため、それを補助するカードも選択肢の一つ。
デッキトップを公開する《天変地異》、デッキトップのピーピング、操作ができる《魔導書整理》、《磨破羅魏》、《鳳凰神の羽根》、《サイバー・ヴァリー》など。
他にも、《カードトレーダー》なら手札事故を軽減しつつ、手札の通常モンスターを戻すことで《魔の試着部屋》の発動を補助できる。
《打ち出の小槌》でも良いが、連続使用できない点や【凡骨ビート】と違い大量の手札を抱え込むことが無い点を考慮すると、若干ながらこちらのほうが有利。
《魔の試着部屋》を使いまわすために《魔法石の採掘》も採用可能。
《闇の量産工場》や《貪欲な壺》、さらにおジャマを採用し《おジャマジック》を絡めればハンド・アドバンテージの面ではいくらか軽減できるだろう。
コンボデッキの性ではあるが、《大寒波》などで魔法・罠カードを封殺されると最悪何も出来ずに蹂躙されてしまう。
打点の低い通常モンスター軸のこのデッキならば尚更である。
《大寒波》対策にフリーチェーンの防御用罠カードや《神の宣告》等の万能カウンター罠はぜひとも入れておきたいが、デッキを圧迫する可能性もあるため注意。
また、数あるカウンター系カードの中で《天罰》は特に優秀。
特に現環境は各種効果モンスターが鎬を削る環境にあるため、実質どんなデッキにも刺さるといっても過言ではない。
通常モンスターが主軸なので、メインから《スキルドレイン》を採用することもできる。
《魔の試着部屋》の無駄遣いは厳禁。
最低でも、伏せカードの除去は済ませておくこと。
キーカードの特性からライフコストを払う場面が通常のデッキより多いため、いっそ《洗脳−ブレインコントロール》等を絡めて《魔力倹約術》の採用も検討できる。
打点も低いため、ライフ・アドバンテージ面では不利になる場面が多い。
場合によってはライフ回復ギミックの採用も検討できるが、コンボデッキゆえ、スロットに空きがあれば入れる程度か。
また、構造上《憑依するブラッド・ソウル》と《ふるい落とし》には滅法弱いが、採用率から考えれば大した問題ではないだろう。
デッキのモンスターをレベル2以下の通常モンスターに絞った【ローレベル】。
モンスターはレベル2最大攻撃力の《海皇の長槍兵》を筆頭に、サポートが豊富なおジャマ系統や《もけもけ》、レベル1最高守備力の《大木炭18》など粒ぞろい。
レベル3以上のモンスターでは使用できないサポートカードも多数存在するため、レベル3主軸の【ローレベル】にも引けは取らない。
ちなみにこの型は《ジャンク・シンクロン》が非常に刺さる型でもある。
これら通常モンスターは効果を持たないため、実質《ジャンク・シンクロン》のデメリットは無いも同然。
《ジャンク・ウォリアー》の攻撃力底上げにも十分貢献してくれるだろう。
そして、最大の利点はなんと言っても《サウザンドエナジー》、《トライアングルパワー》、《弱肉一色》、《人海戦術》、《同姓同名同盟》などの強力な通常モンスターサポート。
《人海戦術》、《同姓同名同盟》で大量展開し、モンスターの攻撃力を《サウザンドエナジー》などで一気に強化、さらに余裕があれば《玉砕指令》で魔法・罠カードを一掃できればこちらのものである。
場合によっては《弱肉一色》の発動で相手のカードを一掃しつつ、総攻撃でトドメをさすこともできる。
また、レベル2以下の通常モンスターには攻撃力1500以上のモンスターが存在しないため、レベル3軸では使いがたい《平和の使者》が三枚積みできる。
上記の【ローレベル】より強固なロックが敷けるため、戦闘破壊には強いと言える。
サポートの豊富な《もけもけ》を主軸に据えた【ローレベル】。
弱小通常モンスターが主軸だが、《怒れるもけもけ》《キング・もけもけ》《人海戦術》などを駆使することで1ターンキルも不可能ではない。
脅威のリセットカード《大革命》の発動を狙う【ローレベル】の亜種。
発動後のアフターフォローが必要になるが、ひとたび発動を許せば対処方法は非常に限られるだろう。
《チューン・ウォリアー》、《ガード・オブ・フレムベル》、《ジェネクス・コントローラー》などの通常モンスターのチューナーを《魔の試着部屋》で特殊召喚し、レベル5〜6のシンクロモンスターをシンクロ召喚するデッキ。
こちらは従来の【ローレベル】と異なり、デッキコンセプトの根本的なパワー不足がかなり改善されている。
特に《チューン・ウォリアー》の登場は革命的と言っても良い。
強力なシンクロモンスター《ゴヨウ・ガーディアン》、《氷結界の龍 ブリューナク》を呼べれば、戦力面ではかなりの増強に繋がるだろう。
《正統なる血統》などの蘇生カードの豊富な通常モンスターならば、シンクロ素材の再利用も容易。
最上級モンスターや帝のリリースを《魔の試着部屋》およびレベル3以下の通常モンスターで補助するデッキ。
三邪神、《神獣王バルバロス》、上級スピリットなど、能力は強力だが重いモンスターも楽に召喚できる。
豊富な通常モンスター専用蘇生カードも併用すればリリース要員には困らない。
ただし、上記のとおり《魔の試着部屋》は運任せの面もあり、上級モンスターの併用はさらに事故を生む可能性もあるため注意が必要である。
《スライム増殖炉》から生成されるスライムモンスタートークンを《下克上の首飾り》や《湿地草原》で強化し、爆発的な攻撃力を得るデッキ。
トークンは通常モンスター扱いのため、もちろん一部の【ローレベル】用のサポートも有効。
《強制転移》や《鹵獲装置》で転移し《群雄割拠》でロックしたり、《水霊術−「葵」》のコスト確保も容易になる。
【カエル】?のギミックや《氷結界の術者》を採用する派生も存在する。
他の通常モンスターのチューナーに比べ採用率の低い《ウォーター・スピリット》を最大限に有効活用できるデッキでもある。