【ロックバーン】

デッキの概要

 ロックバーンを複合させたデッキの総称。
 相手の行動をロックし、カードの効果相手ダメージを与えるのが基本的な戦術。
 コントロールデッキの要素があり、速攻で勝負を決めにかかる【フルバーン】とは対照的。

 構造が単純で分かりやすいだけに、実際のデュエルではデッキ間の相性が大きく影響する。
 メインから魔法・罠カード破壊する効果モンスター複数枚採用しているデッキには非常に分が悪い。
 また、マッチ戦では《王宮のお触れ》《トラップ・スタン》等をサイドデッキから採用することも多く、マッチ2戦目以降は非常に苦しい戦いを強いられる。

 勝利だけを追及するなら1戦目に勝利した後《光の護封壁》から《自爆スイッチ》を連打し、2戦目と3戦目を引き分ける手がある。
 また、サイドからの《王宮のお触れ》投入を見越して《デビル・フランケン》1ターンキルを狙う戦術もある。
 このタイプは【バンキル(バーン1キル)】などと呼ばれていたが、《デビル・フランケン》禁止カードになったことで消滅した。

 ロックによる攻撃の抑制、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》の存在により、多くのバーンデッキが苦手とする《冥府の使者ゴーズ》に高い耐性を持つ。

デッキ構築に際して

全体ロック永続カード

 【ロックバーン】の存在意義はビートダウンに対する勝利である。
 そのため、相手モンスター攻撃を封じるために全体ロック永続カードを投入する。

累積火力

 ロックカードにスロットを割くと【フルバーン】に比べてダメージソースが減少するが、その分「1枚で与えるダメージ」を増加させたい。
 そこで、毎ターンの特定フェイズダメージを累積する誘発効果モンスター永続カードが生きてくることになる。

相手(もしくは自分)のカードの数に比例して強化される火力

 ロックを仕掛けることで、自分相手コントロールするカードの数は増える。
 そのため、自分相手カードの数に比例して強化される火力が生きてくる。

防御カード

 戦闘破壊耐性を持つモンスターを採用すれば、ロックカードが突破されても時間を稼ぐことができる。
 特に《マシュマロン》バーン効果も期待できるため、相性が良い。
 《くず鉄のかかし》は各種ロックカードのような拘束力はないものの、それらをすり抜けられた場合に役に立つ。

 デッキの性質上、罠カードが多く全体除去に弱いため、《スターライト・ロード》で対応すると良いだろう。
 他にも《神の宣告》を筆頭とするカウンター罠の採用も考えられるが、マストカウンターは見極める必要がある。

このデッキの弱点

環境の高速化

 このデッキにおいて最大の問題である。
 ロックカードがそろっていない序盤に除去を連発されると、ひっくり返すことはほぼ不可能になってしまう。
 マストカウンターを見極め、手札誘発カウンター罠で妨害していく必要がある。

ロックカードと累積火力の繋がりの崩壊

 肝であるコンボができなくなるため、ロックカード除去されると脆い。

封じ

 このデッキに限らず、罠カードに依存したバーンデッキ《人造人間−サイコ・ショッカー》《王宮のお触れ》を弱点とする。

コントロール奪取

 コントロール奪取に弱く、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》《ステルスバード》を奪い取られてとそれだけでそのまま勝負が付く事もある。
 《トロイボム》の採用も一つの選択肢であろう。

ロックカードの隙間

 ロックをすり抜けてを薙ぎ倒す《ミスティック・ソードマン LV2》《E・HERO ワイルドマン》《ホルスの黒炎竜 LV6》にも苦戦をが必至となる。
 またシンクロモンスターを多用してくるデッキでは、チューナーである《クレボンス》《BF−疾風のゲイル》などの低攻撃力モンスターをメインから採用している。
 そのためロックカードだけでは守りきれないことが多いので、はしっかりと用意しておきたい。

ウイルスカード

 低い攻撃力モンスターが多いので《魔のデッキ破壊ウイルス》に弱い。
 魔法・罠カードの比率が高いので《闇のデッキ破壊ウイルス》でも壊滅的な打撃を受ける。

デッキのカスタマイズ

モンスターによるロック

 永続カードのみに頼ると魔法・罠カード除去に対して弱くなる。
 そこで《マシュマロン》《魂を削る死霊》などのブロッカーを採用することもある。
 《サブマリンロイド》ならばそこそこの守備力があり、直接攻撃が成功すれば800ポイントのダメージを与えられる。

永続カードを守る

 また、フィールド上のカードを固定させるためにカウンター罠を複数枚採用することもある。
 パーミッション要素を含めることで、よりロックの強度を高めるのである。
 この点に関しては《スターライト・ロード》の登場は嬉しい。《ブラック・ローズ・ドラゴン》等の天敵を無効化しつつ、更にロックを強くする《スターダスト・ドラゴン》を呼び出せるからである。
 《スターライト・ロード》では防げない魔法・罠カード除去がある事を考慮しても、ぜひ複数枚投入したい。

使い捨て防御カードの採用

 また、除去カードの対策として、時間稼ぎ程度に《威嚇する咆哮》《和睦の使者》を入れても面白い。
 《サイクロン》《大嵐》等のカードを空振りさせるどころか、相手の反撃のチャンスを奪う事も可能である。
 次の自分ターンに別のロックカードを改めて出せば、強力な除去カードを失った相手は、攻撃のチャンスを完全に失うだろう。

相手コントロールするカードを増やすカードの採用

 《おジャマトリオ》を使えば《自業自得》《仕込みマシンガン》《悪魔の偵察者》を使えば《デス・コアラ》《革命》が強化される。

デッキの派生

【ジャマキャン】

 《マジック・キャンセラー》を採用した【ロックバーン】。
 罠カードの割合を高くして、《マジック・ジャマー》の代わりに《マジック・キャンセラー》を採用する。
 永続的に効果を封じられるがモンスターカードである。モンスター除去には警戒すべき。
 特に《激流葬》等の召喚反応型罠に加え、《強制脱出装置》等のタイミングを選ばない罠には要注意。

【除去反転】

 【ロックバーン】で活躍する《ステルスバード》以外にも、【ロックバーン】に適したサイクル・リバースモンスターは存在する。
 《デス・ラクーダ》によるドロー効果は、ロックカードを用いることで真価を発揮する。
 また《番兵ゴーレム》《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》手札に戻し、相手モンスターを潰す機会を増やすのもいい。
 この場合相手へのダメージは少なくなるものの、相手には「《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》が厄介で、うかつに2体以上フィールド召喚できない」とプレッシャーをかけられる。

 ただサイクル・リバースを多用した場合、効果モンスターによるダメージよりも、彼らによる直接攻撃によるダメージを期待できることが多い。
 これはロックカードで敵の攻撃を防ぎつつ、《スカラベの大群》《イナゴの軍勢》などで、相手フィールドを壊滅させて殴り倒せるからである。
 こうなるとバーンとしての意味合いは薄くなるが、シナジー的にも【ロックバーン】と【除去反転】を組み合わせる意義はある。

サンプルレシピ

登場環境において

 【ロックバーン】というギミックは古くから存在していたが、カードの選択肢が増えるまでは中々頭角をあらわさなかった。
 始祖と言われる《ビッグバンガール》《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》を軸にした【キュアバーン】が登場したのは第2期のことである。
 また、【ロックバーン】の基礎を作ったのは【ジャマキャン】であり、当時の流行を踏まえたメタデッキとしても生まれた。
 しかし、どちらも火力ロックパーツが不充分であり、回復カードダイレクトアタッカーで補っていた。
 このデッキジャンルが確立されたのはメタ先であった魔法カードの減少、恒久的な火力の増加によるものである。
 相次ぐ魔法カードの制限強化によって《マジック・キャンセラー》が不要となり、火力ロックパーツが整ったのは第4期前半のことであった。
 《サイクロン》の制限化やファラオの遺産で登場した《レベル制限B地区》の影響は大きかったと思われる。

参考

代表的なカード

関連リンク