【ヴァンダルギオン】

 徹底カウンターで《冥王竜ヴァンダルギオン》を維持し続ける、パーミッションの代表格筆頭。
 【カウンター天使】がファンデッキ色の強いパーミッションなら、こちらは実戦的に進化したパーミッションと言ったところか。

《冥王竜ヴァンダルギオン》 
効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2500
相手がコントロールするカードの発動をカウンター罠で無効にした場合、
このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
この方法で特殊召喚に成功した時、無効にしたカードの種類により以下の効果を発動する。
●魔法:相手ライフに1500ポイントダメージを与える。
●罠:相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。
●効果モンスター:自分の墓地からモンスター1体を選択して自分フィールド上に特殊召喚する。

デッキ構築

 「二大罠封じ」こと《王宮のお触れ》《人造人間−サイコ・ショッカー》全盛のこのご時世において罠カード20枚程度が標準、更に魔法カードは5枚以下という狂った構成が最大の特徴。
 モンスターもアタッカーと呼べるカードが《冥王竜ヴァンダルギオン》、《豊穣のアルテミス》、《魔導戦士 ブレイカー》程度しか居ないという、恐るべき攻撃基盤の薄さを誇る。
 この非常に薄く細い勝ち筋を全身全霊で守りきるのがこのデッキの至上命題であり、最大の醍醐味でもある。

 パーミッションと言うことでカウンター罠が中心のデッキ構成になるが、カウンター罠は何かしらのコスト(主にライフか手札)を要求するカードが非常に多く、純粋な1:1交換が可能なカードが少ない。
 更に伏せカードが増えるため、どうしても手札はあっという間に尽きる。単独で、もしくは簡単にドロー可能な《デス・ラクーダ》や《豊穣のアルテミス》が無い限り戦線の維持は非常に困難だろう。
 他にも、セットされたカードへの対抗策として《スカラベの大群》や《イナゴの軍勢》、防御用の通常罠が無いときや《人造人間−サイコ・ショッカー》を通してしまった場合の除去装置として《ならず者傭兵部隊》や《異次元の女戦士》《光神機−桜火》など、打撃力ではなく除去力に比重を置いたモンスターを採用したい。相手の場ががら空きならば、これらのモンスターのステータスでも安全に殴っていける、と言うわけだ。
 これらのカード以外では、ドローが不可能な場合のカード・アドバンテージ奪取用、兼壁として《魂を削る死霊》もありだろうか。
 《闇の仮面》を大量投入したいところではあったのだが、制限カード入りは残念の一言だ。

 魔法カードは不要、と言うより投入スペースがない。
 必要なカウンター罠をサーチするための《天使の施し》は流石に必須だが、他には《光の護封剣》《早すぎた埋葬》《強奪》《スケープ・ゴート》《サイクロン》…せいぜいこのくらいか。
 《天使の施し》のみという特化型を選択するのも十分選択肢のうち、と書くと本当に正道から外れるデッキというのが実感できるだろう。

 このデッキの中軸を成すカウンター罠だが、何は無くとも《神の宣告》は必須。
 他には《天罰》《マジック・ジャマー》《マジック・ドレイン》《八式対魔法多重結界》《盗賊の七つ道具》《キックバック》あたりが採用圏だろう。ドロー目当てで《攻撃の無力化》も採用してみる?
 通常罠ではやはり《炸裂装甲》《万能地雷グレイモヤ》《激流葬》《聖なるバリア−ミラーフォース−》と、「よく見る」カードを使っていくのが良いだろう。
 よく見るということは即ち実力が保障されていると言うことだ。

 《マジック・ジャマー》、《マジック・ドレイン》、《八式対魔法多重結界》は悩める選択肢だが、基本的には《マジック・ジャマー》を中心に。併用も有りだが。
 《マジック・ジャマー》の手札コストは確かに痛いが、他の魔法ではこのデッキのマストカウンター、《大嵐》と《ハリケーン》が非常に止め辛いからだ。

デッキ運用

 何はなくとも「絶対に発動させてはいけないカード」―すなわちマストカウンターの見極めが重要。
 当然ながら《大嵐》、《王宮のお触れ》、《氷帝メビウス》がその最たるものであり、それぞれに対応できるカウンター罠が無かった場合致命傷を負いかねない。
 手札使いが荒いからこそ、カードの確保が重要なのだ。ドローブーストカードは可能な限り守り続けよう。

 ちなみにうまく回ると面白いぐらい相手が何も出来ないが、うまく回らないと面白いぐらい自分が何も出来ない。
 このギャップ、【帝コントロール】以上。と書くと博打好きのデュエリスト諸兄に好まれるだろうか。

デッキ派生

代表的なカード

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