【ヴァンダルギオン】

デッキの概要

 カウンター罠発動から特殊召喚できる《冥王竜ヴァンダルギオン》フィニッシャーに据えた、ビートダウンを勝ち筋とするパーミッションデッキ

《冥王竜ヴァンダルギオン/Van'Dalgyon the Dark Dragon Lord》
効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2500
相手がコントロールするカードの発動をカウンター罠で無効にした場合、
このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
この方法で特殊召喚に成功した時、
無効にしたカードの種類により以下の効果を発動する。
●魔法:相手ライフに1500ポイントダメージを与える。 
●罠:相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。
●効果モンスター:自分の墓地からモンスター1体を選択して
自分フィールド上に特殊召喚する。

 ドローエンジンである《豊穣のアルテミス》《デス・ラクーダ》《ワーム・リンクス》手札を補給しつつ、カウンター罠相手の戦術を徹底的に阻害。
 フィニッシャーである《冥王竜ヴァンダルギオン》特殊召喚したあとは、その高い攻撃力で速やかにビートダウンしていく。

 09/09/01制限改訂により、高い汎用性を持ちデッキの中核を担っていた《神の宣告》制限カードに指定され、運用が著しく厳しくなった。

デッキ構築に際して

カウンター罠について

 このデッキの主役となるカード群。
 発動コストが多少重くても、汎用性が高く強力なものを選びたい。
 発動コストによって負ったディスアドバンテージは、ドローエンジンによるドロー加速である程度取り返すことができるからだ。
 また、《冥王竜ヴァンダルギオン》特殊召喚するために、相手カードの発動モンスター効果の発動無効にできるものを中心に採用したい。

カウンター罠以外の罠カードについて

 【パーミッション】だからといって、無理をしてまでカウンター罠にこだわる必要はない。
 このデッキのコンセプトに合ったものであれば、積極的に採用していきたい。

モンスターカードについて

 重要度が高いのは、フィニッシャーである《冥王竜ヴァンダルギオン》と潤沢な手札を確保するためのドローエンジンとなるモンスター
 それ以外は比較的自由に選択できるが、大量のカウンター罠デッキが圧迫されるため、多数のカード間のシナジーで成立するようなギミックは組み込みにくい。

どのカードにも長所と短所があり、デッキのコンセプトや他の採用カードとのバランスを考えて投入を決めたい。
もちろん、複数のドローエンジンの併用も考えられる。
ドロー加速手段が多ければ、それだけ手札コストを要求するカードも使いやすくなるからだ。
ただし、ステータス面に不安を抱えるドローエンジンが増えれば、それらを守る罠カードへの負担も大きなものとなる。
デッキ全体のビートダウン能力の低下を招きやすい点も、十分考慮する必要がある。

魔法カードについて

 デッキに占めるカウンター罠の割合が多いため、魔法カードを投入するスロットはほとんど無い。
 しかし、何枚か採用しておくとデッキが対応できるカードの範囲が広がるだろう。
 特に、《人造人間−サイコ・ショッカー》《王宮のお触れ》など、罠カード無効化するカードを出されてしまった際の保険になるのは大きい。
 優先させたい役割は、不足しがちな除去能力の補強である。

デッキの戦術

 豊富な伏せカードを用いて相手デッキの出方を待つ、受け身の動きを取るのが基本となる。
 以前は《大嵐》の存在のため、魔法カードへのカウンター手段が無い状態で魔法・罠カードを複数セットする場合、ある程度のリスクを覚悟する必要があった。
 10/09/01制限改訂《大嵐》禁止カードに指定されたため、多少は伏せカードを扱いやすくなったと言える。
 とはいえ、《ハリケーン》《ブラック・ローズ・ドラゴン》といった《大嵐》以外の大量除去手段は健在であり、油断はできない。

 相手カードを消費し、安全が確認できれば《冥王竜ヴァンダルギオン》特殊召喚を待たずに攻撃を仕掛けてもいいが、ドローエンジンを失うような事態は避けたい。
 特に、奇襲性が高く特殊召喚無効にすることができるカウンター罠が限られる《冥府の使者ゴーズ》《トラゴエディア》には注意を払うべきである。

 あらゆる相手カード無効にするのが理想だが、重い発動コストを持つカウンター罠を無闇に使用すると、逆に自分の首を締めることになる。
 そのため、相手の使用するカードからデッキタイプを読み取り、状況に応じてカウンターするカードを絞らなければならない。
 特に相手の大型モンスターなどのフィニッシャーや、こちらの伏せカードへの大量除去、ゲームの流れに大きな影響を及ぼすルール介入型のカードは、必ず無効にする必要がある。
 目の前のカードだけでなく、相手デッキ手札に存在するであろうマストカウンターを意識し、カウンター罠を温存しつつ最小限の消費でドローエンジンを守ることが重要となる。

 この判断の難しさが、パーミッションデッキが玄人向けといわれる理由である。

このデッキの弱点

デッキの変遷

デッキの亜種

【フィフティ・フィフティ】

 ドローエンジンとなるモンスター戦闘破壊から守るために、攻撃ロックする永続カードを採用するタイプ。
 《冥王竜ヴァンダルギオン》を採用するため必然的に、こちらの体勢が整った時点でロックカードフィールドから取り除き一気に攻めこむ、スイッチ型の構築となる。
 パーミッションデッキ永続カード除去から守りやすく、【フィフティ・フィフティ】との親和性自体は比較的高めである。
 しかし、ビートダウンロックという相反する2つの要素に、大量のカウンター罠を投入する【パーミッション】が加わるため、構築のバランスを取るのは難しい。

 ロックカード《光の護封壁》などの自分には影響を及ぼさないものか、任意で自壊させることができる《平和の使者》などを中心に採用する。
 《レベル制限B地区》《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》など自分にも影響が及ぶ永続カードを採用する場合は、《サイクロン》《魔導戦士 ブレイカー》などを用意してフィールドから離れさせる必要がある。
 デッキに投入する魔法カードの数が少ないことを生かし、《異次元の境界線》を採用するのも面白い。
 多少【エンジェル・パーミッション】に寄った構築になるが、光属性天使族モンスターリリースして《天魔神 インヴィシル》アドバンス召喚することで、魔法カードを封じつつロックを解除することもできる。

 攻撃ロックするため、《デス・ラクーダ》《ワーム・リンクス》などのステータスに不安があるモンスターも投入しやすい。
 《スカラベの大群》《イナゴの軍勢》といったサイクル・リバースモンスター相手カードを毎ターン除去でき、多くのロックカードをすり抜けて攻撃することができる。

【ヴァンダルダムド】

 強力な除去効果を持つ《ダーク・アームド・ドラゴン》を採用した【ヴァンダルギオン】と【ダムドビート】の折衷型。
 上手く回れば2体の強力な最上級モンスターをガンガン特殊召喚でき、制圧力に間しては純正の【ヴァンダルギオン】をはるかに上回る。
 《ダーク・アームド・ドラゴン》効果【パーミッション】の天敵である《人造人間−サイコ・ショッカー》《王宮のお触れ》破壊できるのも魅力である。
 しかし、元来事故率が高いこのデッキ《ダーク・アームド・ドラゴン》召喚のギミックを仕込むのは並大抵のことではなく、かなりのデッキ構築力が求められる。
 デッキにはロックカードモンスターが必要となる。
 重量級のモンスターを多く採用する都合上、それらのカードが一時的とはいえ手札で腐ることが懸念される。
 その為、《攻撃の無力化》《和睦の使者》などの使いきりの防御カードだけでは場を保ちづらいからだ。
 ロックカード自分攻撃の邪魔にならない《光の護封壁》《平和の使者》など、自分が影響を受けない又は自分で解除できるカードを使用したい。
 採用する闇属性モンスター【Vドラコントロール】にも採用された《スカラベの大群》《イナゴの軍勢》といったサイクル・リバースモンスターが主体となる。
 《終末の騎士》等の【ダムドビート】御用達のカードも投入したいところだが、スロットに限りがある以上は単体でアドバンテージを稼げるモンスターを優先すべき。
 上記カードを駆使してコントロールしていき、準備が整い次第《ダーク・アームド・ドラゴン》《冥王竜ヴァンダルギオン》を展開、一気に勝負を決めるのが理想的。
 《ダーク・アームド・ドラゴン》召喚のための墓地調整は《天罰》手札コストを必要とするカードを用いることである程度は可能。
 他には《D.D.クロウ》や、いっそのこと《黄泉ガエル》《ネフティスの鳳凰神》等への対策を兼ねて《魂の解放》を採用するのも選択肢の一つである。
 この辺りのチョイスは各人のセンスや好みが試されるだろう。

【ヴァンダルエンジェル】

 その名の通り【ヴァンダルギオン】と【エンジェル・パーミッション】の夢の競演といえるパーミッションデッキ

 基本的には【エンジェル・パーミッション】に近いが、フィニッシャーの高速召喚攻撃を通すためにより多くのサポートカードを用いることになる。
 そのための天使族以外も多く取り入れるため、【エンジェル・パーミッション】《冥王竜ヴァンダルギオン》軸とも違う構築になっている。
 カードの効果カウンター罠で、モンスター除去魔法カードモンスター効果除去する【カウンタービート】に近いデッキである。
 基本的には《アルカナフォース0−THE FOOL》等の戦闘破壊されない効果を持つモンスターロックカードを投入する事で戦線を維持する。
 天使族の中では《マシュマロン》《アルカナフォース0−THE FOOL》《ジェルエンデュオ》、一部の雲魔物戦闘破壊耐性を持っている。
 戦線を維持する事により、例え《人造人間−サイコ・ショッカー》召喚《王宮のお触れ》発動を許したとしても、戦闘ダメージを受けにくい。
 加えてロック要素を取り入れる事で、必要なカードが揃うまで待つ事ができる。
 そのためカードの種類が多く、必要最低限なこのデッキでもそれなりに回す事ができる。
 このデッキの弱点を挙げるとすれば貫通であろう。
 その他、表示形式の変更などでモンスターサンドバッグにされるのも辛い。
 《攻撃の無力化》ロックカードで防ぎたいところ。

 また、天使族以外のカードフィールド上に存在する時に《裁きを下す者−ボルテニス》効果特殊召喚を行うとディスアドバンテージを負う。
 その場合は通常召喚するか、手札コストとして使おう。
 必要なカードは増えてしまうが、《天空聖者メルティウス》軸を用いるのも手。
 《天空の聖域》によって貫通によるダメージもシャットアウトでき、《ジェルエンデュオ》がより安定してフィールドに留まることが可能となる。
 もちろん《天空聖者メルティウス》効果によって除去力も増すので、うまく回れば常に相手フィールドをがら空きにする事も不可能ではない。

代表的なカード

サンプルレシピ

関連リンク