TACTICAL EVOLUTIONで登場したフィールド魔法《ヴェノム・スワンプ》で相手モンスターを弱体化させるコントロールデッキ。
しかしヴェノムの名を冠するモンスターは非常に少なく、更に単体では貧弱で、極端に《ヴェノム・スワンプ》に依存している問題がある。
更にシンクロ召喚やエクシーズ召喚の登場でヴェノムカウンターのリセットも容易になってしまっており、ロック・コントロールを前提としたコンセプトでのデッキ構築・運用は共に困難。
このため現在では、《ヴェノム・スワンプ》やその他のヴェノムに依存しない、《毒蛇神ヴェノミナーガ》の運用に特化した【爬虫類族】の亜種デッキというコンセプトが主流となっている。
こちらは頃合を見計らって切り札の《毒蛇王ヴェノミノン》、隙あらば《毒蛇神ヴェノミナーガ》を召喚し、圧倒的な攻撃力と完全効果耐性で相手を抑え込む。
《ヴェノム・スワンプ/Venom Swamp》 フィールド魔法 お互いのターンのエンドフェイズ毎に、フィールド上に 表側表示で存在する「ヴェノム」と名のついたモンスター以外の 表側表示で存在する全てのモンスターにヴェノムカウンターを1つ置く。 ヴェノムカウンター1つにつき、攻撃力は500ポイントダウンする。 この効果で攻撃力が0になったモンスターは破壊される。
《毒蛇神ヴェノミナーガ/Vennominaga the Deity of Poisonous Snakes》 効果モンスター 星10/闇属性/爬虫類族/攻 0/守 0 このカードは通常召喚できない。 このカードは「蛇神降臨」の効果及びこのカードの効果でのみ特殊召喚する事ができる。 このカードの攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族モンスター1枚につき、 500ポイントアップする。 このカードはフィールド上で表側表示で存在する限り、このカード以外の モンスター・魔法・罠の効果の対象にする事はできず効果を受けない。 このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地のこのカード以外の 爬虫類族モンスター1体をゲームから除外する事でこのカードを特殊召喚する。 このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与える度に、このカードに ハイパーヴェノムカウンターを1つ置く。 このカードにハイパーヴェノムカウンターが3つ乗った時、 このカードのコントローラーはデュエルに勝利する。
《毒蛇王ヴェノミノン/Vennominon the King of Poisonous Snakes》 効果モンスター 星8/闇属性/爬虫類族/攻 0/守 0 このカード以外の効果モンスターの効果によって、 このカードは特殊召喚できない。 このカードは「ヴェノム・スワンプ」の効果を受けない。 このカードの攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族モンスター1枚につき 500ポイントアップする。 このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、 自分の墓地のこのカード以外の爬虫類族モンスター1体を ゲームから除外する事でこのカードを特殊召喚する。
ヴェノムのサポートには決して弱くないもの(《蛇神の勅命》等)もあるのだが、いかんせん対応するモンスターの量・質の不足が致命的。
更にほとんどのカードが《ヴェノム・スワンプ》の存在を前提にしているという致命的な弱点を抱えている。
キーカードの攻撃力が墓地の爬虫類族の数に依存しているため、ある程度の爬虫類族モンスターが必要となる。
ここはワーム・レプティレスなど、特定のカテゴリを中心とし、そこに特殊召喚ギミックを組み込むとよい。
爬虫類族以外にも相性の良いモンスターは存在するものの、1体でも採用すると《ヴァイパー・リボーン》が腐りやすくなる点に注意。
そもそも多く採用しすぎると《毒蛇神ヴェノミナーガ》の攻撃力が上昇しづらくなるため、《ヴァイパー・リボーン》を優先する方が安定するだろう。
基本は、《ダメージ=レプトル》などで戦線を維持しつつ墓地を肥やし、《毒蛇神ヴェノミナーガ》の召喚条件を整え、召喚に成功したら圧倒的な攻撃力と耐性効果で勝利を目指す流れになる。
素早く墓地が肥やせれば序盤からでも《毒蛇王ヴェノミノン》の攻撃力が生かせるので、迅速に墓地を肥やしたい。
《スネーク・レイン》はもちろんだが、《ダメージ=レプトル》でデッキから爬虫類族を呼び出したり《毒蛇の供物》で爬虫類族を墓地へ送ることも間接的に墓地肥やしに繋がるのでうまく活用しよう。
《毒蛇王ヴェノミノン》で戦線を維持する場合、除去を相手に躊躇させるため、《蛇神降臨》が手札になくとも常に魔法&罠カードゾーンには何かしらカードをセットしておきたい。
しかし《蛇神降臨》はダメージステップには発動できない点と チェーン1の効果で《毒蛇王ヴェノミノン》が破壊されなければ発動できない点に注意。
このカードを能動的に発動させるには《激流葬》などにより相手モンスターもろとも破壊できれば効果的だが、先述の通りチェーン2以降に相手の《サンダー・ブレイク》等で《毒蛇王ヴェノミノン》が狙われないようにする必要がある。
《毒蛇神ヴェノミナーガ》のハイパーヴェノムカウンターによる特殊勝利効果は無理して狙わずとも、その高い攻撃力で勝利を収めることができる。
ヴェノムカウンターを取り除いて発動するバーンカード、《ヴェノム・スプラッシュ》を使ったバーンデッキ。
カウンター1つにつき700ポイントとダメージが非常に大きく1ターンキルも狙える。
《ヴェノム・スプラッシュ/Venom Burn》 通常罠 ヴェノムカウンターが乗ったモンスター1体を選択して発動する。 そのカードのヴェノムカウンターを取り除き、取り除いた ヴェノムカウンターの数×700ポイントダメージを相手ライフに与える。
ロックをし、元々の攻撃力0のモンスターやトークンへカウンターを乗せていった後《ヴェノム・スプラッシュ》による大ダメージでトドメというのが基本戦術となる。
そのため、ステータスや効果が優秀な攻撃力0のモンスターやトークンを生成できるカードを採用することになる。
これらの他にも、攻撃力0のモンスターを安全にデッキから呼べるリクルーターや、裏側守備表示にすることで乗っているカウンターを0にできるサイクル・リバースモンスター、キーカードである《ヴェノム・スプラッシュ》をサーチするカード等も採用できる。
ロックのギミックと相性がいい《波動キャノン》《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》等も無理なく採用可能。
《ヴェノム・スプラッシュ》や各種ロックカードを守るためのカウンター罠も必要になってくるだろう。
シンクロ召喚や《ブラック・ローズ・ドラゴン》の登場以降は難しい型であるが、構築しだいではある程度対策は可能である。
墓地依存+特殊召喚多様と、最もメタを張られやすい2つの戦術を併せ持つため、【メタビート】や【次元ビートダウン】系統のデッキが最も苦手。
具体的には墓地の爬虫類族除外による《毒蛇王ヴェノミノン》《毒蛇神ヴェノミナーガ》の弱体化などである。
《毒蛇王ヴェノミノン》は《D.D.アサイラント》などにより除外されてしまうのも厳しい。
同様に、序盤から《次元の裂け目》か《マクロコスモス》を張られると戦術が一気に鈍ってしまう。
さらに特殊召喚を多用するデッキであるため、《王宮の弾圧》などの特殊召喚メタも苦手。
《毒蛇神ヴェノミナーガ》の特殊召喚前に《スキルドレイン》を発動された場合もかなり厄介。
また、《リミット・リバース》や《蛇神降臨》などの罠カードに頼る比率も高いので、《王宮のお触れ》なども苦手とする。
無敵に近い効果耐性を持つ《毒蛇神ヴェノミナーガ》にも、いくつかの弱点がある。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》・《ヴォルカニック・クイーン》の生け贄にされる可能性があり、油断できない。
また、《毒蛇神ヴェノミナーガ》の自己再生の瞬間を狙った《天罰》などにも注意が必要。
墓地が肥えていれば戦闘破壊される機会は少ないが、《オネスト》もあるので油断はできない。
《王宮の鉄壁》でも自己再生が封じられてしまう。
《毒蛇神ヴェノミナーガ》を上回る攻撃力の連続攻撃モンスターにも注意が必要。
《キメラテック・オーバー・ドラゴン》はもちろんのこと、《阿修羅》に《オネスト》を使われた場合は最悪としか言いようがない。
また、墓地のモンスターを全てアンデット族に変えてしまう《アンデットワールド》が登場した。
これらのカードを発動されたら、《毒蛇の供物》などで確実に破壊しておきたい。
種族的なシナジーはないが、墓地肥やしもできる《ライトロード・ハンター ライコウ》も有効である。