【ヴェノム】

デッキの概要

 TACTICAL EVOLUTIONで登場したヴェノムモンスターとそのサポートカードで構築したデッキ
 ヴェノムカウンターを蓄積させ《ヴェノム・スワンプ》適用下で弱体化除去を狙う。

《ヴェノム・スワンプ/Venom Swamp》
フィールド魔法
お互いのターンのエンドフェイズ毎に、フィールド上に
表側表示で存在する「ヴェノム」と名のついたモンスター以外の
表側表示で存在する全てのモンスターにヴェノムカウンターを1つ置く。
ヴェノムカウンター1つにつき、攻撃力は500ポイントダウンする。
この効果で攻撃力が0になったモンスターは破壊される。

デッキ構築に際して

 現在シンクロ召喚エクシーズ召喚の隆盛もあり、相手モンスターヴェノムカウンターは容易にリセットされやすい。
 また、ペンデュラムモンスター効果破壊できても、ペンデュラム召喚ヴェノムカウンターがリセットされた状態で再度展開されてしまう。
 そのため、コントロールロックデッキとしての待ちの戦術を成立させるのが難しい。
 そこでこちらからもエクシーズ召喚等を行い、弱体化効果の方をメインとしたビートダウンの側面を持たせた構築も目指す。

モンスターカードについて

ヴェノムモンスター
 種類は少ないが爬虫類族なのでサーチ墓地肥やしからの蘇生を狙いやすい。
 《ヴェノム・スワンプ》のみではヴェノムカウンターを乗せる速度に問題があるため、これらを採用してカウンターの数を稼ぎたい。

爬虫類族モンスター

―その他のモンスター
 主にヴェノムカウンターの影響を受けにくいモンスターをメインに採用していく。

エクストラデッキモンスター
 《ヴェノム・コブラ》《ヴェノム・サーペント》を素材にできるランク4を中心に採用する。

魔法・罠カードについて

ヴェノムまたはヴェノムカウンターサポートカード

爬虫類族サポートカード

―その他の相性の良いカード

戦術

 序盤は《ヴェノム・スワンプ》サーチしてヴェノムカウンターを乗せる態勢を整える。
 ヴェノムモンスター《キングレムリン》からサーチしたり、墓地へ送った後に蘇生する等でフィールドに出し、効果を使っていく。
 適宜ヴェノムカウンターを乗せていき、弱体化を進めた後はランク4のエクシーズ召喚等で攻撃に転じる。
 《ヴェノム・サーペント》等はエクシーズ素材にする過程で忘れずに相手モンスターヴェノムカウンターを乗せておくように。

 《ヴェノム・スワンプ》と相性の良いモンスターをメインに採用するため、相手のみを弱体化する流れに持って行くことは容易。
 しかし上述の通り、相手ヴェノムカウンターシンクロ召喚エクシーズ召喚でリセットされやすい。
 逆に言えば相手弱体化除去を嫌がり、それらのモンスターを早めに消耗させるために召喚を誘導できたとも考えられる。

 大量展開は得意では無いので1回の召喚権は大事に扱い、《毒蛇の供物》等による除去で的確に相手の妨害札を取り除いて行きたい。
 場合によっては自分から《ヴェノム・スワンプ》フィールドから離し、弱体化を解除する必要も出てくるだろう。

デッキの種類

コントロールロック

 《ヴェノム・スワンプ》を主軸にしつつ、ロックカードを多めに採用したデッキタイプ。
 ヴェノムカウンター《ヴェノム・スワンプ》にのみ頼り、ヴェノムモンスターの採用は抑えるかもしくは採用しない。

 上述のモンスター以外では裏側守備表示にできるサイクル・リバースモンスターが採用しやすい。
 《ステルスバード》《デス・ラクーダ》《イナゴの軍勢》などはいずれも継続的にアドバンテージを稼げる。
 単純にアタッカーが欲しければ《ハンプティ・ダンディ》《王族親衛隊》を採用するのも良い。
 これらには《スカラベの大群》《番兵ゴーレム》も存在しており、《ヴェノム・スワンプ》以外でのモンスター除去が可能。
 ロックカードと併せ、相手の消耗を早めることができる。
 それ以外では《ホルスの黒炎竜 LV6》等の魔法カード耐性を持つモンスターも良いが、数は少なくフィールドに出すのも困難である。

 相性がいいロックカードは確実に1ターンを稼げる《怨霊の湿地帯》《つまずき》だろう。
 基本的なロック強度では《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》《レベル制限B地区》に及ばず、《ヴェノム・スワンプ》がなければ役に立たないことも多い。
 もっとも両者はエクシーズモンスターの存在から強度に問題があり、攻撃力が下がり続けるため《平和の使者》も万全ではないことを考えると一長一短である。

 しかしロービートの宿命ゆえ、モンスター単体の貧弱さから長期戦になるのは避けられない。
 繰り返すがヴェノムカウンターのリセットも容易な現環境では、これらを主とした戦術は困難を極めるだろう。

《ヴェノム・スプラッシュ》

 【ヴェノムバーン】とも呼ばれる《ヴェノム・スプラッシュ》をメインとしたロックバーンデッキタイプ。
 コントロールロック軸の流れ汲みつつ、元々の攻撃力が0のモンスタートークンヴェノムカウンターを蓄積させる。
 ヴェノムカウンター1個につき700ダメージと数値が高く、1体に12個が乗った時点で1ターンキルが成立する。

 コントロールロック軸と違い、自分モンスターヴェノムカウンターを乗せるため、相手シンクロ召喚エクシーズ召喚に関係なく貯めることができる。
 主に戦闘耐性を持つ攻撃力0のモンスタートークンを生成できるカードを採用することになる。
 前者は《アルカナフォース0−THE FOOL》《超重武者ワカ−O2》、後者は《スケープ・ゴート》が該当する。
 それらをデッキから呼べるリクルーターサイクル・リバースモンスターキーカードである《ヴェノム・スプラッシュ》サーチするカード等も採用できる。
 《ヴェノム・スプラッシュ》や各種ロックカードを守るためのカウンター罠も必要になってくるだろう。

 また、《ヴェノム・スプラッシュ》3枚をフル活用するとなると、1枚に付き最低でも4つのヴェノムカウンターが乗った状態での発動が望ましい。
 3回発動しても12個未満のカウンターしか取り除けなかった場合は、《闇の仮面》《貪欲な瓶》で再利用するか、他のカードダメージを与える手段を用意しなければならない。
 ロックバーンと相性がいい《波動キャノン》《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》等が採用候補となる。

 とはいえ、《ヴェノム・スプラッシュ》サーチは容易ではなく、相手ロックを崩すためにあらゆる除去を使ってくるだろう。
 構築次第ではある程度の対処が可能とはいえ、勝利するには不確定要素も多いデッキである。

デッキの派生

【毒蛇神ヴェノミナーガ】

 TACTICAL EVOLUTIONで登場した《毒蛇神ヴェノミナーガ》特殊召喚に特化したデッキ
 手早く墓地を肥やしつつフィールド特殊召喚し、その打点と耐性による高い制圧力でビートダウンを行う。
 厳密には【ヴェノム】ではなく【爬虫類族】の派生と言える。

《毒蛇神ヴェノミナーガ/Vennominaga the Deity of Poisonous Snakes》
効果モンスター
星10/闇属性/爬虫類族/攻   0/守   0
このカードは通常召喚できない。
「蛇神降臨」の効果及びこのカードの効果でのみ特殊召喚できる。
このカードの攻撃力は、自分の墓地の爬虫類族モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードはフィールド上で表側表示で存在する限り、このカード以外のカードの効果の対象にならず、効果も受けない。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
このカード以外の自分の墓地の爬虫類族モンスター1体をゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。
このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、このカードにハイパーヴェノムカウンターを1つ置く。
このカードにハイパーヴェノムカウンターが3つ乗った時、このカードのコントローラーはデュエルに勝利する。
《毒蛇王ヴェノミノン/Vennominon the King of Poisonous Snakes》
効果モンスター
星8/闇属性/爬虫類族/攻   0/守   0
このカードはこのカード以外の効果モンスターの
効果では特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、自分の墓地の
爬虫類族モンスターの数×500ポイントアップする。
このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り
「ヴェノム・スワンプ」の効果を受けない。
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
このカード以外の自分の墓地の爬虫類族モンスター1体を
ゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。
《蛇神降臨/Rise of the Snake Deity》
通常罠
自分フィールド上に表側表示で存在する「毒蛇王ヴェノミノン」が
戦闘以外で破壊された時に発動できる。
手札・デッキから「毒蛇神ヴェノミナーガ」1体を特殊召喚する。

 墓地を肥やしつつ特殊召喚した《毒蛇王ヴェノミノン》効果破壊させ、《蛇神降臨》発動に繋げる。
 この一連の流れは容易に見えて必要なカードも多く、初手から揃うのも稀である。
 序盤の内に特殊召喚に繋げることも大事だが、キーカードの多さも考えるとカード・アドバンテージを確保しつつ準備を行える構築が必要となる。

―主力となるモンスター

―その他の爬虫類族モンスター
 キーカード攻撃力墓地爬虫類族の数に依存しているため、ある程度の爬虫類族モンスターが必要となる。
 下記以外では【爬虫類族】や各カテゴリデッキページも併せて参照したい。

爬虫類族以外のモンスター
 相性の良いモンスターは存在するものの、1体でも採用すると《ヴァイパー・リボーン》が腐りやすくなる点に注意。
 そもそも多く採用しすぎると《毒蛇神ヴェノミナーガ》攻撃力が上昇しづらくなるため、《ヴァイパー・リボーン》を優先する方が安定するだろう。
 除外を介する《レスキューラビット》《ゾンビキャリア》ならば併用も難しくは無いか。

《毒蛇神ヴェノミナーガ》サポートカード

爬虫類族サポートカード

―その他相性の良いカード

―戦術について
 まず《ダメージ=レプトル》などで戦線を維持しつつ墓地を肥やし《毒蛇神ヴェノミナーガ》召喚条件を整える。
 そして特殊召喚後は圧倒的な攻撃力耐性効果で勝利を目指す流れになる。

 素早く墓地を肥やせれば序盤でも《毒蛇王ヴェノミノン》攻撃力が生かせるので、迅速に墓地を肥やしたい。
 《スネーク・レイン》はもちろんだが、《ダメージ=レプトル》《毒蛇の供物》爬虫類族を間接的に墓地へ送ることでも墓地肥やしに繋がるのでうまく活用しよう。

 《毒蛇王ヴェノミノン》で戦線を維持する場合、除去相手に躊躇させるため、《蛇神降臨》手札になくとも常に魔法&罠カードゾーンには何かしらカードセットしておきたい。
 しかし《蛇神降臨》ダメージステップには発動できない点と チェーン2以降で《毒蛇王ヴェノミノン》破壊された場合は発動できない点に注意。
 《蛇神降臨》を能動的に発動させるには《激流葬》などにより相手モンスターもろとも破壊できれば効果的。
 しかし繰り返すがチェーン2以降に相手《サンダー・ブレイク》等で《毒蛇王ヴェノミノン》が狙われないようにする必要がある。

 《毒蛇神ヴェノミナーガ》ハイパーヴェノムカウンターによる特殊勝利効果は無理して狙わずとも、その高い攻撃力で勝利を収めることができる。

このデッキの弱点

《ヴェノム・スワンプ》

 《ヴェノム・スワンプ》の存在から、大抵のデッキが苦手とする《大天使クリスティア》等の特殊召喚メタはそれ程気にならない。
 《マクロコスモス》《スキルドレイン》等を含む伏せカード《毒蛇の供物》で解除はしやすい部類に入る。

 逆に言えば《ヴェノム・スワンプ》に依存している面があり、それらを優先して除去を狙われるのが厳しい。
 《サイクロン》が無制限であり、モンスター効果による除去も容易なため、妨害札による的確な対処が要求される。
 また、ヴェノムモンスター単体の貧弱さから、《ヴェノム・スワンプ》を物ともせずに攻めてくるハイビートデッキも苦手である。

《毒蛇神ヴェノミナーガ》

 墓地依存+特殊召喚多用と、最もメタを張られやすい2つの戦術を併せ持つため、【メタビート】【次元ビートダウン】系統のデッキが最も苦手。
 具体的には墓地爬虫類族除外されることによる《毒蛇王ヴェノミノン》《毒蛇神ヴェノミナーガ》弱体化などが挙げられる。
 特に序盤から《次元の裂け目》《マクロコスモス》を張られると戦術が一気に鈍ってしまう。

 さらに特殊召喚を多用するデッキであるため、《フォッシル・ダイナ パキケファロ》等の特殊召喚メタも苦手。
 《毒蛇神ヴェノミナーガ》特殊召喚前に《スキルドレイン》発動された場合もかなり厄介。
 また、《リミット・リバース》《蛇神降臨》などの罠カードに頼る比率も高いので、《王宮のお触れ》なども苦手とする。

 無敵に近い効果耐性を持つ《毒蛇神ヴェノミナーガ》にも、いくつかの弱点がある。
 まず、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》《ヴォルカニック・クイーン》等でリリースされる可能性が挙げられる。
 多くのデッキで採用されている《SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング》は脅威であり、墓地爬虫類族が9体以下の状況では自己再生すら許されない。
 《キメラテック・オーバー・ドラゴン》はもちろんのこと、《阿修羅》《オネスト》を使われた場合は最悪としか言いようがない。
 墓地モンスターを全てアンデット族に変えてしまう《アンデットワールド》も天敵といえる。

 また、《毒蛇神ヴェノミナーガ》自己再生の瞬間を狙った《天罰》などにも注意が必要。
 《虚無空間》以外では《王宮の鉄壁》でも自己再生が封じられてしまう。
 これらのカード発動されたら、《毒蛇の供物》などで確実に破壊しておきたい。

代表的なカード

関連リンク