炎属性モンスターを主体にしたデッキ。
炎属性は単体で強力なモンスターが複数いるものの、それぞれのつながりは薄い。
ダメージを与える効果を持つモンスターが多く、バーンデッキとの相性がいい。
デッキの構造上、場合によっては炎族統一になることも多い。
この場合炎族統一による《群雄割拠》の活用はスタンダードにおいて有効である。
炎属性で統一したデッキを作ることで得られるメリットは…
ダメージとモンスターを強化する効果がほとんどであり、相手フィールドに干渉するような効果は持ち合わせていない。
メリットを生かすとなれば、ビートダウンとバーンを併せ持ったデッキを組むことができることだろう。
単体で優秀なモンスターは炎族やヴォルカニックであることが多く、炎属性単体としての長所はわかりにくい。
除去効果を持つ炎属性モンスターは少なく、純粋なビートダウンとして組んだ場合は他の属性統一に劣ってしまう。
一方で戦闘ダメージと効果ダメージを使った戦い方は他の属性統一デッキとは違う持ち味を有していることに注目してほしい。
ここで主に説明するデッキは炎属性でも強力な3体《プロミネンス・ドラゴン》、《超熱血球児》、《逆巻く炎の精霊》をメインにすえたデッキである。
主力モンスターが《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》や《レベル制限B地区》の影響を受けないため、「守りながら攻める」ことが可能。
ビートダウンとロックが共存するため【フィフティ・フィフティ】に似ているが、【炎属性】の場合は自身のロックを解除せずに攻撃できてしまうのが強み。
【ロックバーン】や【岩石族】などの守りが主体となるデッキには、火力で追い詰めやすいため有利に戦える。
反面、【帝コントロール】や【ガジェット】などの除去が豊富なデッキには、主力モンスターを除去されてしまい不利になる。
ロックをすり抜けてくる【水属性】もいやな相手である。
現実の相関関係に準じているようで面白い。
主力となる炎属性モンスターは、《プロミネンス・ドラゴン》、《超熱血球児》、《逆巻く炎の精霊》の3種。
《プロミネンス・ドラゴン/Solar Flare Dragon》 効果モンスター 星4/炎属性/炎族/攻1500/守1000 自分フィールド上にこのカード以外の炎族モンスターが存 在する場合、このカードを攻撃する事はできない。自分の ターンのエンドフェイズ時、このカードは相手ライフに500 ポイントダメージを与える。
《超熱血球児/Ultimate Baseball Kid》 効果モンスター 星3/炎属性/戦士族/攻 500/守1000 フィールド上にこのカード以外の炎属性モンスターが存在する場合、 このカードの攻撃力は1体につき1000ポイントアップする。 このカード以外の炎属性モンスターを墓地に送る度に、 相手プレイヤーに500ポイントダメージを与える。
《逆巻く炎の精霊/Raging Flame Sprite》 効果モンスター 星3/炎属性/炎族/攻 100/守 200 このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。 直接攻撃に成功する度にこのカードの攻撃力は1000ポイントアップする。
この3種の比率によって、脇を固める他の炎属性モンスターが変わってくる。
《プロミネンス・ドラゴン》を一刻も早く展開したいなら《UFOタートル》を。
《超熱血球児》の攻撃力を素早く上げたいなら《炎の精霊 イフリート》や《インフェルノ》を。
《逆巻く炎の精霊》を罠から守りたいなら《トラップ処理班 Aチーム》を。
こんな具合である。
欲張って全部突っ込むのも勿論ありなのだが、デッキの安定性が著しく低下することは覚悟しなければならない。
上級モンスターを採用する場合は、《ホルスの黒炎竜 LV6》、《炎帝テスタロス》、《ヘルフレイムエンペラー》が有力な候補になる。
《ホルスの黒炎竜 LV6/Horus the Black Flame Dragon LV6》 効果モンスター 星6/炎属性/ドラゴン族/攻2300/守1600 このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する限り、 魔法の効果を受けない。 このカードがモンスターを戦闘によって破壊したターンのエンドフェイズ時、 このカードを墓地に送る事で「ホルスの黒炎竜 LV8」1体を 手札またはデッキから特殊召喚する。
《炎帝テスタロス/Thestalos the Firestorm Monarch》 効果モンスター 星6/炎属性/炎族/攻2400/守1000 このカードの生け贄召喚に成功した時、相手の手札をランダムに1枚墓地に捨てる。 捨てたカードがモンスターカードだった場合、 相手ライフにそのモンスターのレベル×100ポイントダメージを与える。
《ヘルフレイムエンペラー/Infernal Flame Emperor》 効果モンスター 星9/炎属性/炎族/攻2700/守1600 このカードは特殊召喚できない。 このカードの生け贄召喚に成功した時、自分の墓地の 炎属性モンスターを5枚までゲームから除外する事ができる。 この効果によって除外した枚数分だけ、フィールド上の魔法・罠カードを破壊する。
《ホルスの黒炎竜 LV6》は《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》以外のロックパーツをすり抜ける上、《ライトニング・ボルテックス》さえ無視してしまう。
《炎帝テスタロス》は非常に安定しており、《火口に潜む者》で手札から特殊召喚が可能。
《ヘルフレイムエンペラー》は最上級モンスターなので不安定だが、《レベル制限B地区》以外のロックを解除して総攻撃をかけるための布石にできる。
採用する場合は《炎を支配する者》も欲しいところか。
これ以外にも強力な上級モンスターが存在するが、標準的な【炎属性】の構築と少し相性が悪い物が多く、事実上選択肢はこの3種に絞られる。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム/Lava Golem》 効果モンスター 星8/炎属性/悪魔族/攻3000/守2500 このカードを手札から出す場合、相手フィールド上のモンスター 2体を生け贄に捧げて相手フィールド上に特殊召喚しなければならない。 このカードはコントローラーのスタンバイフェイズ毎に、 コントローラーに1000ポイントのダメージを与える。 このモンスターを特殊召喚する場合、このターン通常召喚はできない。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》は標準的な【炎属性】にも違和感無く採用できるが、こちらは攻撃するための上級モンスターというよりも、相手のモンスターを除去しつつダメージを与える魔法カード的な役回りになる。
このカードを入れるならば、《火霊使いヒータ》を入れてみるのも面白いかもしれない。
次に魔法・罠カードだが、先述の通り主力モンスターはロックパーツと非常に相性が良いため、できるだけデッキに採用するべき。
ただし、《UFOタートル》や《火口に潜む者》といった戦闘破壊を条件とするモンスターが使い辛くなるため、それを踏まえた上で枚数調整をする必要がある。
《バックファイア》や《火霊術−「紅」》も炎属性モンスターと相性が良い。
しかし、この2種は安定性が非常に悪いため、余裕がある時以外は採用しない方が良い。
上記以外の【炎属性】の組み方には…
攻撃力1500以上の炎属性モンスターをメインにしたタイプのデッキ。
《ヴォルカニック・エッジ》、《暴鬼》、《プロミネンス・ドラゴン》、《爆炎集合体 ガイヤ・ソウル》、《ヴォルカニック・ロケット》《E・HERO ザ・ヒート》が採用候補。
攻撃力が高いために《火霊術−「紅」》でのダメージ量が安定して高くなる点が魅力。
ビートダウンの要素を強めるなら《炎の精霊 イフリート》や《バーニングブラッド》の採用もありだろう。
攻撃力1500以下の炎属性モンスターをメインにしたタイプのデッキ。
《逆巻く炎の精霊》《プロミネンス・ドラゴン》が主力で、《インフェルノ》《UFOタートル》《超熱血球児》等でサポートする。
このデッキで最も重要なのは炎属性の選択。
ここではその一例を挙げてみる。