強力な自己再生効果を持つ《黄泉ガエル》をリリースして「帝」モンスターを召喚し、相手の場を破壊し尽くすデッキ。
「帝」デッキは人気が高く派生系は種々存在するが、その中でもこの系列のデッキは「帝」の連続召喚が最も容易であり、凶悪なまでのフィールド破壊力を誇っていた。
現在も《黄泉ガエル》は現役のカードだが、《黄泉ガエル》に依存した構成を作る事は出来ず、ほぼ消滅しほとんどは派生の形を取っているため、【黄泉帝】と呼ばれる事はほとんど無い。
《黄泉ガエル/Treeborn Frog》 効果モンスター 星1/水属性/水族/攻 100/守 100 自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、 自分フィールド上に魔法・罠カードが存在しない場合、 このカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。 この効果は自分フィールド上に「黄泉ガエル」が 表側表示で存在する場合は発動できない。
キーカードの《黄泉ガエル》が無制限カードだった頃は、今現在の【帝コントロール】よりも驚異的な動きが可能だった。
《風帝ライザー》と《邪帝ガイウス》こそ当時はなかったものの、それでも危険視されるほどの動きを見せた。
帝を6〜9枚投入し、《黄泉ガエル》が蘇生される中で1ターン毎に帝がマシンガンのごとくアドバンス召喚され続け、相手フィールド上のカードを破壊し続けるコンセプトは決闘者に帝と《黄泉ガエル》の危険性を認識させた。
さらに、当時は攻撃力2400を超えるモンスターがさほど無かったため、戦闘で破壊されることはめったになく、攻撃力が上回っていたとしても次のターンで《雷帝ザボルグ》で破壊されるため、障壁にならなかった。
《地砕き》などの除去カードは無制限カードではあったが、帝の展開力のほうが勝っていたため、相手にとっては圧倒的な攻撃力を持ったモンスターがそびえ立っているようにも見えた。
まさに、ビートダウンとコントロールのコンセプトを同時に持ち合わせていたのである。
また、当時禁止カードではなかった《遺言状》とは恐ろしいまでのシナジーを誇っていた。
《黄泉ガエル》をアドバンス召喚するときに墓地に送る?ため、《遺言状》の発動条件はほとんど無条件で発動するカードに等しかったのである。
また、魔法・罠が存在している状態では《黄泉ガエル》の蘇生は不可能のため、《光の護封剣》の採用度はかなり低かった。
同じ理由で《王宮のお触れ》の採用度も低くなる事になり、代わりに《人造人間−サイコ・ショッカー》が採用される事となった。
このデッキを期に、『制限カード=どのデッキでも入るパワーカード』という認識が徐々に崩れ始めた。
《突然変異》は《黄泉ガエル》を《サウザンド・アイズ・サクリファイス》に変異させることができるため、《サウザンド・アイズ・サクリファイス》が現役であった時代にはよく採用されていた。
当時は現在ほど対策が豊富ではなかった。
STRIKE OF NEOSが未発売だったため、《D.D.クロウ》も当時は存在せず、《畳返し》も無かった。
その代わりのメタとして注目視されたのが《生贄封じの仮面》・《死のデッキ破壊ウイルス》・《魂の解放》・《月読命》だった。
特に《生贄封じの仮面》は、封じるカードがほとんど無かった事、また、アドバンス召喚自体がアドバンテージを失うきっかけという認識が強かったため当時あまりメジャーなカードでは無かった。
だが、このデッキを期に注目度が増して現在もなおサイドデッキで採用率の高いカードとなった。
最初期にはまだ制限カードであった《月読命》に毎ターン帝を戦闘破壊されることもあった。
当時はこのカードが原因で守備力の低いモンスターの評価が低く、帝も例外ではなかった。
もっとも、その弱点を意識させない程の展開力と攻撃力と除去能力を秘めていたのだが。
ちなみに《奈落の落とし穴》も一部の対策として用意された。
当時は必ずしも攻撃力1500以上のモンスターが飛んでくるわけではなかったため、《炸裂装甲》の方が多くの支持を集めていたのである。
だが、《氷帝メビウス》の効果で破壊されてしまう欠点を気にする事が多くなり、《奈落の落とし穴》を優先する傾向に傾いた。
また、後の発売となるENEMY OF JUSTICEにて、《次元の裂け目》《マクロコスモス》《閃光の追放者》が対抗馬として用意された。
発売から2週間後の06/03/01にて《黄泉ガエル》が制限カードに指定されたが、十分なメタカードとして存在していた。
今現在は言うまでも無く、多種多彩な対策手段がある。
2005/09/01〜2006/03/01の間に活躍した、【帝コントロール】系統の主流デッキ。
【帝コントロール】の中でもリリース確保能力に優れた【黄泉帝】に《ダンディライオン》を複数枚加えたもの。
領域を問わず墓地へ送られた時に綿毛トークンを生み出す誘発効果を利用して、「帝」をアドバンス召喚するのが基本。
このデッキで《ダンディライオン》は戦闘で破壊されてもよし、手札から捨てるのもよし、リリースするのもよしと抜群の活躍をした。
特にフリーチェーンの《サンダー・ブレイク》が採用されていたことが、このデッキの大きな特徴だった。
また、《ダンディライオン》をリクルートする《巨大ネズミ》を採用していたものも存在した。