強力な自己再生効果を持つ《黄泉ガエル》をリリースして「帝」モンスターを召喚し、相手の場を破壊し尽くす【帝コントロール】の派生デッキ。
単純な構造故の扱いやすさと強さから人気の高い「帝」デッキであるが、種々の派生型の中でも、この系列は「帝」の連続召喚が最も容易であり、凶悪なまでのフィールド破壊力を誇る。
制限カードであった《黄泉ガエル》に依存した構成を作る事は出来ず、ほとんどは派生の形を取っているため、単純に【黄泉帝】と呼ばれる事はほとんど無かった。
その後、【帝コントロール】自体がシンクロ召喚主体のデッキに押されて主流デッキではなくなったため、《黄泉ガエル》は10/09/01で制限解除となった。
デッキ自体は全盛期よりもむしろ強化されているものの、環境の変化によって相対的に弱体化したと言える。
《黄泉ガエル/Treeborn Frog》 効果モンスター 星1/水属性/水族/攻 100/守 100 自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、 自分フィールド上に魔法・罠カードが存在しない場合、 このカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。 この効果は自分フィールド上に「黄泉ガエル」が 表側表示で存在する場合は発動できない。
キーカードの《黄泉ガエル》が制限カードに指定される前は、当時の環境もあって、今現在の【帝コントロール】よりも驚異的な動きが可能だった。
《風帝ライザー》と《邪帝ガイウス》こそ当時はなかったものの、それでも危険視されるほどの動きを見せた。
帝を6〜9枚投入し、《黄泉ガエル》が蘇生される中で1ターン毎に帝がアドバンス召喚され、相手フィールド上のカードを破壊し続けるコンセプトは決闘者達に帝と《黄泉ガエル》の危険性を認識させた。
さらに、当時は攻撃力2400を超える扱いやすいモンスターが少なかったため、帝が戦闘破壊されることはめったになく、例え攻撃力が上回るモンスターが出てきたとしても次のターンで《雷帝ザボルグ》で破壊されるため、さしたる障壁とはならなかった。
《地砕き》などの汎用除去カードは無制限カードではあったが、帝の展開力のほうが勝っていたため、相手にとっては圧倒的な攻撃力を持ったモンスターが常時そびえ立っているようにも見えた。
まさに、ビートダウンとコントロールのコンセプトを同時に持ち合わせていたのである。
魔法・罠が存在している状態では《黄泉ガエル》の蘇生は不可能のため、《光の護封剣》の採用度はかなり低かった。
同じ理由で《王宮のお触れ》の採用度も低くなる事になり、代わりに《人造人間−サイコ・ショッカー》が採用される事となった。
このデッキを期に、『制限カード=どのデッキでも入るパワーカード』という認識が徐々に崩れ始めた。
《遺言状》とは恐ろしいまでのシナジーを誇っていた。
《黄泉ガエル》をアドバンス召喚するときに墓地へ送るため、《遺言状》の発動条件はほとんど無きに等しかったのである。
《突然変異》は《黄泉ガエル》を《サウザンド・アイズ・サクリファイス》に変異させることができるため、《サウザンド・アイズ・サクリファイス》が現役であった時代にはよく採用されていた。
STRIKE OF NEOSでの《D.D.クロウ》と《畳返し》の登場まで、確実な対策方法はなかった。
その代わりのメタとして注目されたのが、《生贄封じの仮面》・《死のデッキ破壊ウイルス》・《魂の解放》・《月読命》だった。
特に《生贄封じの仮面》は当時、封じる意義のあるカードがほとんど無かった事、アドバンス召喚自体がアドバンテージを失うきっかけという認識が強かったためあまりメジャーではなかったのだが、このデッキを期に注目度が増し、現在もなおサイドデッキ候補の一角となっている。
最初期にはまだ制限カードであった《月読命》に毎ターン帝を戦闘破壊されることもあった。
当時はこのカードが原因で守備力の低いモンスターの評価が低く、帝も例外ではなかった。
もっとも、その弱点を意識させない程の展開力と攻撃力と除去能力を秘めていたのだが。
ちなみに《奈落の落とし穴》も一部の対策として用意された。
当時は必ずしも攻撃力1500以上のモンスターが飛んでくるわけではなかったため、《炸裂装甲》の方が多くの支持を集めていたのである。
だが、《氷帝メビウス》の効果で破壊されてしまう欠点を気にする事が多くなり、《奈落の落とし穴》を優先する傾向に傾いた。
また、後のENEMY OF JUSTICEにて、《次元の裂け目》《マクロコスモス》《閃光の追放者》が対抗馬として用意された。
発売から2週間後の06/03/01にて《黄泉ガエル》が制限カードに指定されたが、十分なメタカードとして存在していた。
今現在は言うまでも無く、多種多彩な対策手段がある。
2005/09/01〜2006/03/01の間に活躍した、【帝コントロール】系統の主流デッキ。
【帝コントロール】の中でもリリース確保能力に優れた【黄泉帝】に《ダンディライオン》を複数枚加えたもの。
領域を問わず墓地へ送られた時に綿毛トークンを生み出す誘発効果を利用して、「帝」をアドバンス召喚するのが基本。
このデッキで《ダンディライオン》は戦闘で破壊されてもよし、手札から捨てるのもよし、リリースするのもよしと抜群の活躍をした。
特にフリーチェーンの《サンダー・ブレイク》が採用されていたことが、このデッキの大きな特徴だった。
また、《ダンディライオン》をリクルートする《巨大ネズミ》を採用していたものも存在した。