自己再生効果を持つ《黄泉ガエル》を主要なリリース要員にすえた【帝コントロール】の派生デッキ。
ターン毎に《黄泉ガエル》を自己再生し、帝をアドバンス召喚するという単純な構造だが、その除去力と攻撃力から高い制圧力を誇る。
《黄泉ガエル/Treeborn Frog》 効果モンスター 星1/水属性/水族/攻 100/守 100 自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、 自分フィールド上に魔法・罠カードが存在しない場合、 このカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。 この効果は自分フィールド上に「黄泉ガエル」が 表側表示で存在する場合は発動できない。
【帝コントロール】であるため、多数の帝モンスターが採用される他、キーカードである《黄泉ガエル》をサーチできるカードが必要となる。
また、《黄泉ガエル》の効果を邪魔しないように、罠カードや永続カードの採用は極力抑えられる。
罠カードが採用されないことで防御が甘くなるため、その弱点をカバーするため手札誘発効果モンスターを採用することが多い。
《黄泉ガエル》の自己再生を阻害しないために、永続カードや発動条件のある罠カードは極力採用されない。
また、帝はアドバンス召喚に成功しないと効果を発動できないため、1ターンに1度の通常召喚の権利は大事にしなければならない。
《神の警告》や《奈落の落とし穴》、《激流葬》等の召喚無効や召喚成功時発動の罠カードは天敵と言える。
対策として《大嵐》や《サイクロン》、《ナイト・ショット》等の伏せ除去の採用は不可欠となるだろう。
トラップレスな構成の場合は《撲滅の使徒》も面白いカードとなり得る。
罠カードを採用する場合はフリーチェーンのものが望ましい。
手札でだぶついたガエルを捨てられる《サンダー・ブレイク》等が、広く用いられた。
また、水属性の準備ができる構成ならば、《水霊術−「葵」》を投入するのもよい。
【黄泉帝】に、さらに《ダンディライオン》を加えたデッキタイプ。
《ダンディライオン》が無制限カードとして様々なデッキで採用された05/09/01〜06/03/01の環境では、主流デッキとして活躍した。
現在では当時は存在しなかった《邪帝ガイウス》や《風帝ライザー》が使えるものの、キーカードである《ダンディライオン》《おろかな埋葬》等の制限強化が続いた事でリリース確保能力が低下しておりこれらを軸にした構築は難しい。
《黄泉ガエル》とこれを墓地へ送る《鬼ガエル》、これらをコストに自己再生可能な《粋カエル》等を中心に、その高い展開力でリリースを確保するデッキ。
《鬼ガエル》のバウンス効果で帝を再利用しやすく、フィールドに残った自身も《粋カエル》とのエクシーズ召喚が狙える。
《ガチガチガンテツ》で守りを固めつつ帝の攻撃力を補ったり、《ダイガスタ・フェニクス》で《風帝ライザー》等に2回攻撃を付与するといった動きが可能である。
《粋カエル》を使いすぎるとガエルを切らしてしまうが、《シー・ランサー》を採用する事でこれを補える。
耐性で相手の消耗を誘えるほか、《魔知ガエル》や《引きガエル》を装備していればアドバンテージを稼ぐことすら可能になる。
《粋カエル》からのアドバンス召喚でも無理は生じにくいが、他のガエルもリクルートできる《グリズリーマザー》を利用しても良い。
《氷帝メビウス》が水属性なので、一部のサポートカードを共有できるのも利点。
《鬼ガエル》の手札コストや、《水霊術−「葵」》・《強欲なウツボ》などが利用できる。
アドバンス召喚を前提とする《デスガエル》も共存させやすい。
《鬼ガエル》の効果であちらは追加の召喚権を得られるので、帝でフィールドをこじ開けてから安全に展開するといった動きも可能である。
《鬼ガエル》で《悪魂邪苦止》を墓地に送っておくだけでランク5のエクシーズ召喚が狙える。
【ガエル】同様《粋カエル》と《地獄の暴走召喚》によるコンボを利用しても良いだろう。
その他のギミックとしては《水霊術−「葵」》・《マインドクラッシュ》・《炎帝テスタロス》などでハンデスを徹底させる事も可能。
後述の【ジェネクス帝】と比較した場合、サーチ手段とリリース要員が豊富であり、バウンス効果やエクシーズ召喚など、優勢時の追撃能力が高い。
一方あちらは、シンクロ召喚のギミックが積みやすく、《ジェネクス・ウンディーネ》から他の水属性を絡めた動きも取れるなど拡張性に富む。
《黄泉ガエル》を墓地へ送ることが可能な《ジェネクス・ウンディーネ》を用いたタイプ。
《邪帝ガイウス》を用い、《レアル・ジェネクス・クロキシアン》のシンクロ召喚も可能。
《A・ジェネクス・バードマン》と帝との相性も良く、《トラゴエディア》がリリース要員かつシンクロ召喚サポートとして活躍できる。
《黄泉ガエル》を墓地に維持するのが、第一目的であり、ここが一番狙われる事になる。
ただでさえ始動が遅くなりやすいので、そこを狙われては成す術が無くなってしまう。
《D.D.クロウ》や《連鎖除外》等による除外には、注意を払いたい。
その高い制圧力もさる事ながら、メタカードの少なさから登場後主流デッキの一つとして活躍を続ける。
後に禁止カードとなる《死のデッキ破壊ウイルス》や《月読命》の他には、《魂の解放》や《生贄封じの仮面》程度しか対抗策が存在しなかったのである。
これらを用いても、《黄泉ガエル》の自己再生効果の強力さから太刀打ちできない事もあった。
《黄泉ガエル》が制限カードとなった06/03/01以降は、他の派生デッキのパーツとして扱われる事が増える。
そして無制限カードに戻った10/09/01には、シンクロ召喚の登場等によりアドバンス召喚主体のデッキは主流デッキから外れていた。
肝心の【帝コントロール】自体も様々なデッキタイプが模索されており、必ずしも《黄泉ガエル》に頼らない構築も増えている。