花札衛(カーディアン)

デッキの概要

 闇属性戦士族モンスター群・花札衛を軸としたターボギャンブル【ビートバーン】デッキ
 メインデッキ花札衛モンスターが全てドロー効果を持つという、極端にドローに特化した性能が特徴である。
 あらゆるデッキの中でもトップクラスのドロー能力を持つが、ドローしたのが花札衛以外の場合捨ててしまう効果が多く、ギャンブルデッキとしての側面も併せ持つ。
 モチーフとなった花札の動きを再現した、極めて異色のデッキである。

 アニメARC-Vに登場した徳松長次郎が使用するため、「徳松デッキ」などと呼ばれる事もある。

《花札衛−松−》
効果モンスター
星1/闇属性/戦士族/攻 100/守 100
「花札衛−松−」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚に成功した場合に発動する。
自分はデッキから1枚ドローし、お互いに確認する。
それが「花札衛」モンスター以外だった場合、そのカードを墓地へ送る。
(2):このカードが戦闘または相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
自分はデッキから1枚ドローする。
《花合わせ》
通常魔法
「花合わせ」は1ターンに1枚しか発動できず、
このカードを発動するターン、自分は「花札衛」モンスターしか召喚・特殊召喚できない。
(1):デッキから攻撃力100の「花札衛」モンスター4体を
攻撃表示で特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、
アドバンス召喚のためにはリリースできない。
《花積み》
通常魔法
「花積み」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):デッキから「花札衛」モンスター3種類を選び、好きな順番でデッキの上に戻す。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「花札衛」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。
《超こいこい》
通常魔法
「超こいこい」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分のデッキの上からカードを3枚めくり、
その中の「花札衛」モンスターを可能な限り、召喚条件を無視して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは2になり、効果は無効化される。
残りのカードは裏側表示で除外し、自分は除外したカードの数×1000LPを失う。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。
手札から「花札衛」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

デッキ構築に際して

 花札衛通常召喚モンスター《花合わせ》は、花札衛以外の召喚特殊召喚を制限する効果を持つ。
 また花札衛の持つ「召喚特殊召喚時にドローする効果」は、花札衛以外をドローした場合墓地に送ってしまう。
 したがって、モンスターについてはほぼ花札衛一色とする事を強いられる。
 しかし花札衛やそのサポートカードの採用枚数と種類については「最適解」と言えるものがなく、プレイヤーごとに大きく個性が出る。
 花札衛以外のカードを引くリスクと、それを採用することでできるようになるメリットを天秤にかけ、入念に採用枚数を調整したい。
 コイントスサイコロと異なり、このデッキギャンブル成功率はデッキ構築次第で上下できる。

メインデッキモンスターについて

 上記の理由により可能な限り花札衛で固める。
 メインデッキに投入できる花札衛11種33枚をフル投入したデッキも不可能ではない。

花札衛以外のモンスター
 デメリットの都合上、花札衛以外のモンスター召喚特殊召喚する機会はあまり得られない。
 守備表示セットするか、花札衛デメリット墓地に送られる事を前提とした採用となる。
 多すぎると手札腐ったりドロー加速に支障をきたしたりするので、どれか一種類程度に絞るのが望ましい。

エクストラデッキモンスターについて

 こちらも花札衛以外のモンスターについては出す機会が限られる。

花札衛

―その他のモンスター
 花札衛以外のシンクロモンスターエクシーズモンスターが使用できるのは「花札衛以外特殊召喚できない制限」が掛かっていない状態に限られる。
 しかしこのデッキでは「花札衛以外特殊召喚できない制限」を掛けずにモンスターを展開する手段が極めて少ない。
 実質的な出番は、前のターンに展開したモンスターが、運良く相手破壊される事なく生き残った場合など、かなり限られてしまうのが実情である。
 もっとも花札衛シンクロモンスターだけではエクストラデッキは埋まらないので、出す機会が多少なりともありそうなカードは詰め込んでおいて損はない。

魔法・罠カードについて

 魔法・罠カードは、花札衛召喚特殊召喚時のドロー効果ドローされると例外なく墓地に送られてしまう。
 特に「タネ札」のみならず「光札」を多用する構築の場合、墓地発動するものを重視したい。

花札衛サポートカード

《花札衛−松−》を引き込むカード

ドローカード
花札衛は元々ドロー力のあるカード群ではあるが、花札衛任せでは手札花札衛ばかりが溜まって《花合わせ》などの重要な魔法・罠カードが引き込めない。
不安定な初手を安定させるためにも、ドローカードによる更なるドロー加速は不可欠となる。

墓地発動するカード
デメリットにより墓地に送られても、墓地発動する効果を有していれば損害になりにくい。

戦闘補助

蘇生

戦術

 大まかな流れは以下のとおり。

  1. 《花札衛−松−》召喚し、ドロー
    または《花合わせ》《超こいこい》花札衛を並べる。
  2. 場に花札衛が存在することで、他の種類の「カス札」花札衛特殊召喚で並べつつ、ドロー
  3. (必要であれば)「カス札」リリースして「タネ札」「光札」花札衛特殊召喚ドローを加速しつつアドバンテージを重ねる。
  4. 花札衛チューナー特殊召喚し、《花札衛−雨四光−》シンクロ召喚、更に残った手札で可能な限りの展開を行う。
  5. 《花札衛−雨四光−》耐性で場に居座り、バーン相手ライフを焼き切る。

 昨今のデッキに多いサーチリクルートを絡めた複雑な動きがあるわけではなく、とにかくドローしてきたカードを場に並べつつ上位の札へと入れ替えていく。
 うまく動けるかどうかは特殊召喚できるカードを引き込めるかどうかに強く依存しており、プレイヤーの運が試されるデッキである。
 《花札衛−雨四光−》を立てた後は基本的に通常のドローができなくなるため、できれば手札に更なるドロー手段を残した状態で《花札衛−雨四光−》に繋げたい。
 手札伏せカードもない状態で《花札衛−雨四光−》を棒立ちにしても、勝利は望み薄である。

 なおアドバンテージの面では、《花札衛−雨四光−》を立てるよりドロー能力を持つ「光札」ビートダウンを行う方がはるかに優秀である。
 「シンクロ召喚ができる状況だからとりあえず出す」のではなく、シンクロ召喚すべきか「光札」のままターンを回すべきかをよく検討して判断したい。

デッキの派生

レベルを活用したネタデッキについて

 デッキ内の平均レベルが非常に高いデッキであり、レベルを活かした様々なネタデッキが組める。
 もとより安定性の低いギャンブルデッキに更にギミックを組み込むため安定性は望み難いが、相手が驚くことは請け合いである。

 ただしいずれも「花札衛モンスター以外を召喚特殊召喚できない」制限に引っかかってしまう。
 まずは展開・ドローで準備をした後、《和睦の使者》などで1ターン持ちこたえてから目的を達する必要があるだろう。

このデッキの弱点

 特殊召喚メタ闇属性メタに弱く、ほとんど何もできなくなる。
 通常召喚モンスターの最高攻撃力はわずか100であり、更に除去能力が皆無なため、メタカード除去することも難しい。
 また《花札衛−雨四光−》を打点で上回られた場合の対処が難しく、攻撃力3000超を容易に出せるようなデッキに対しては勝率が著しく下がる。

 だが、最大の弱点はとにかく不安定な事である。
 フィールドが空の状態から召喚できる花札衛《花札衛−松−》1体しかおらず、《増援》《花合わせ》《超こいこい》を含めてもデッキに10枚しか初動を任せられるカードがない。
 初動を安定させるために《魔装戦士 ドラゴディウス》等を投入すると今度はドロー効果の成功率が下がるというジレンマに苛まれる。
 仮に展開に成功しても、肝心のドロー効果の安定性が低く、上手く花札衛ドローしないとあっという間に手札が尽きてしまう。
 モチーフが花札というギャンブルである以上安定性の低さは避けがたく、ある時は大儲け、ある時は丸坊主というギャンブル性も含めて楽しめる人でなければこのデッキを愛用する事はできないだろう。
 勝つ日もあれば負ける日もある。負けを恥じず、勝って驕らず、デュエルをエンジョイする精神が求められるデッキである。

関連リンク