GLADIATOR'S ASSAULTで登場した剣闘獣によるデッキ。
戦闘を行った時に発揮される効果によってアドバンテージを稼ぎ、相手の動きを制限する。
剣闘獣のリクルート効果により状況に応じた行動を選択できるシルバーバレット的戦術が最大の特徴。
エースカードである《剣闘獣ガイザレス》等で相手を消耗させつつ、《剣闘獣ヘラクレイノス》や《剣闘獣の戦車》等で相手を押さえ込む動きを得意とし、ビートダウンが条件ではあるものの、その性質は【メタビート】や【パーミッション】といったコントロールデッキに近いものがある。
状況対応能力は非常に高いが、1枚のカードから展開できるようなパワーカードに欠けるため、選択を誤るとそのまま押し切られるという欠点を持ち、高いプレイングセンスを要求されるデッキでもある。
《剣闘獣ベストロウリィ/Gladiator Beast Bestiari》 効果モンスター 星4/風属性/鳥獣族/攻1500/守 800 (1):このカードが「剣闘獣」モンスターの効果で特殊召喚に成功した場合、 フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動する。 そのカードを破壊する。 (2):このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードを持ち主のデッキに戻して発動できる。 デッキから「剣闘獣ベストロウリィ」以外の「剣闘獣」モンスター1体を特殊召喚する。
《剣闘獣ガイザレス/Gladiator Beast Gyzarus》 融合・効果モンスター 星6/闇属性/鳥獣族/攻2400/守1500 「剣闘獣ベストロウリィ」+「剣闘獣」モンスター 自分フィールドの上記カードをデッキに戻した場合のみ、 EXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。 (1):このカードが特殊召喚に成功した時、フィールドのカードを2枚まで対象として発動できる。 そのカードを破壊する。 (2):このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に このカードを持ち主のエクストラデッキに戻して発動できる。 デッキから「剣闘獣ベストロウリィ」以外の「剣闘獣」モンスター2体を特殊召喚する。
《剣闘獣の戦車/Gladiator Beast War Chariot》 カウンター罠 (1):自分フィールドに「剣闘獣」モンスターが存在し、 モンスターの効果が発動した時に発動できる。 その発動を無効にし破壊する。
デッキと手札どちらにあるべきかはカードにより異なり、剣闘獣の総数はデッキの枚数や各専用サポートカードの有無によって左右される。
ここでは【剣闘獣】において標準となるものや、派生デッキでも比較的共通して採用されやすいカードに絞って紹介していく。
前述の通り、剣闘獣はそれぞれピン挿しでも機能しやすいため、ここで述べていないものに関しても活用の手段はあるが、それらに関しては、各カードページを参照していただきたい。
―主力となる剣闘獣、および剣闘獣に関連するモンスター
基本的にリクルート効果を持つ剣闘獣のみを採用し、状況に応じてリクルート先を変えつつ戦線を維持するのが【剣闘獣】の基本の動きとなる。
役割が重複する点と、手札では直接効果を利用できないという性質上、同じ種類の剣闘獣を複数採用すると手札事故を起こしやすい。
リクルート対象はデッキ内に存在する必要があるため、基本的には1枚、多くて2枚を投入すればよい。
―剣闘獣以外のモンスター
モンスターに関しては上記のものを揃えるだけで基本的なデッキの動きを遂行できる。
そのため他のモンスターを並行して利用しやすいのだが、召喚権やサポートカードの兼ね合いから単に詰め込んでしまっても互いの長所を殺しかねない。
この項目では主に単体で剣闘獣や、それと併用しうるカードとの連携が図りやすいものを中心に紹介する。
複数のカードを利用したものに関しては、後述の派生デッキを参照。
―エクシーズモンスター
《剣闘獣ダリウス》の効果でレベル4の剣闘獣を蘇生することでランク4のエクシーズモンスターをエクシーズ召喚できる。
また、《剣闘獣ガイザレス》や《剣闘獣セクトル》から同レベルの剣闘獣2体をリクルートすることで、ランク3、4、7、8のエクシーズモンスターのエクシーズ召喚が可能。
打点向上には有効だが、剣闘獣の流れを止めてしまう可能性があることや、《剣闘獣の戦車》を腐らせてしまう危険性があることには注意。
剣闘獣の効果を最大限に発揮させるため、戦闘補助関連カードは必須となる。
―その他の魔法・罠カード
剣闘獣はリクルート効果に加えサーチやサルベージ等、一通りを少数のモンスターで賄える。
そのため、デッキのスペースを取る割合が比較的少なく、様々なギミックを盛り込みやすいのも特徴の1つである。
併合するギミックやデッキタイプを冠した【○○剣闘】、あるいは【○○剣】と呼ばれる事が多く、これらは口語的には「グラディアルビースト」にあたるルビを無視し、剣闘獣という字面をそのまま音読みしたものが用いられやすい。
なお構築難度は高いが、複数の要素を併合したものも存在する。
単体では機能しない代わり、効果を発動させれば大量のアドバンテージを生み出す《剣闘獣セクトル》を軸としたタイプ。
エクシーズ召喚等の登場で、通常の【剣闘獣】で採用する事も難しくはなくなったが、基本的には特化した運用が必要になる。
まず、1ターンでリクルートを成立させる《スレイブタイガー》の存在が必要不可欠。
また、除去だけでなく戦闘面でのフォローも必要になる。
攻撃力が非常に低いため、一般的な剣闘獣と違い《禁じられた聖槍》ではモンスターに対しリクルートを成立させられない。
もちろん、除去に対する回避としては有効だが、枚数はよく吟味する必要がある。
《安全地帯》・《和睦の使者》による補助が有効だが、1ターン待つ必要があるため《剣闘獣ヘラクレイノス》等の早い段階での展開が必要になる場合もある。
よって《ハーフ・シャット》や《剣闘獣の闘器デーモンズシールド》の採用も考慮する。
これらは《トラップ・スタン》等と合わせられる点もポイントの1つである。
1度リクルートを成立させれば、剣闘獣分の効果と、その後の融合モンスター・エクシーズモンスターの展開でフィールドを制圧できる。
《剣闘獣セクトル》を残し、《No.39 希望皇ホープ》で返しの攻撃から守る事も考えられる。
なお、エクシーズ素材等で墓地へ送られた《剣闘獣セクトル》は、《剣闘獣ダリウス》からの蘇生でもその条件を満たす事ができる。
《剣闘獣ダリウス》が効果を無効にしているため、通常は意味を成さないものの、この《剣闘獣ダリウス》をエクシーズ素材としたり、《月の書》等を用いて関係性を断つ事でリクルートが有効になる。
この点からもエクシーズ召喚との相性は良いため、《フォトン・スラッシャー》や《ヒーローアライブ》等、これに繋がるカードを組み込む事も考えられる。
《剣闘獣総監エーディトル》とリンクモンスターを並べ、《剣闘獣ガイザレス》等を繰り返し特殊召喚してアドバンテージを稼ぐ。
《剣闘獣ドラガシス》をリンク召喚し、手札に《剣闘獣ダリウス》がある状況からなら、《剣闘獣アンダバタエ》を経由して《剣闘獣総監エーディトル》を出せる。
詳細な手順については《剣闘獣アンダバタエ》を参照。
直接《剣闘獣総監エーディトル》を出す動きもあるが、デッキ内のコンボパーツの比率がやや高めとなる。
詳細な手順については《剣闘獣総監エーディトル》を参照のこと。
《剣闘獣総監エーディトル》の効果は蘇生させた場合でも問題なく使用できるため、《戦線復帰》等の汎用蘇生カードは多めに入れておきたい。
レベル8の剣闘獣と共にランク8のエクシーズモンスターにし、墓地においても良い。
また、《星遺物を巡る戦い》等を利用してエクストラモンスターゾーンから無理矢理どかす手もある。
【剣闘獣】黎明期より存在する、専用サポートカードである闘器を利用した型。
《休息する剣闘獣》の効果を最大限に利用でき、《剣闘獣エクイテ》でのサルベージも含めると手札交換をかなりの頻度で行える。
この性質から《剣闘獣の戦車》のフル投入や、《剣闘獣セクトル》の採用にも無理が生じにくい。
《剣闘獣の底力》と併用することで手札コストとしても利用できるため、《サンダー・ブレイク》等も採用できる。
この型では《剣闘獣スパルティクス》も活躍させやすい。
また、剣闘獣と名の付く魔法・罠カードを墓地へ送る事のできる《カオスポッド》は、完全除去あるいは裏側守備表示での特殊召喚となるため、後続の剣闘獣での戦闘破壊や、同じく裏側守備表示で特殊召喚された剣闘獣からの《剣闘獣ガイザレス》で処理できるため相性が良い。
リバース効果に、闘器を装備したモンスターが巻き込まれた場合サルベージ効果が発動する点も僅かながらにメリットである。
同様に、墓地肥やしと大型モンスターの除去が狙える《ライトロード・ハンター ライコウ》を併用しても面白いが、これらのモンスターが増えすぎると、剣闘獣の展開、ひいてはそれによるサーチ・サルベージに影響する点に注意。
剣闘獣の防御を闘器に任せる分、これの弱点がそのままデッキの弱点となる。
召喚時を狙った《神の警告》や《激流葬》等の罠カードだけでなく、《月の書》や《サイクロン》にも弱く、同時に対処することが難しい。
一度回転し始めると、連動して次々とサーチ・サルベージを行っていけるが、始動段階での手札事故やこれら妨害手段の多さにも注意を払う必要がある。
【鳥獣剣闘獣】、【
《剣闘獣ベストロウリィ》・《剣闘獣エクイテ》・《剣闘獣ラニスタ》・《剣闘獣ガイザレス》の4種を軸にしたタイプ。
単体では今ひとつパワーにかけていた《剣闘獣ラニスタ》も、《ゴッドバードアタック》に対応するサルベージ可能なアタッカーとして、このタイプでは存分に活躍できる。
手札に無くてもあえてリクルートする事で《ゴッドバードアタック》を警戒させるというプレイングも存在する。
サクリファイス・エスケープが可能であり、同時に除去が行える点が特色。
モンスターを失うという点に限れば剣闘獣との相性は悪いが、これによってフィールドをこじ開け、後続の剣闘獣の攻撃を安全に通す事ができ、サルベージ・蘇生によってディスアドバンテージを回復できる。
その分、後続となるモンスターの供給を安定して行えるよう意識する必要がある。
サクリファイス・エスケープの存在からも、除去への対策は《禁じられた聖槍》や《トラップ・スタン》よりも、苦手とするカウンター罠に対応可能な《ギャクタン》を優先させたほうが良いだろう。
通常の【剣闘獣】以上に罠カードありきの動きを前提としているので、これを妨げる《トラップ・スタン》や《ナイト・ショット》、エンドサイクには細心の注意を払う必要がある。
リリースしたモンスターを即座に復帰させられる《リビングデッドの呼び声》との相性に優れ、《剣闘獣ガイザレス》がサクリファイス・エスケープを余儀なくされた場合、特殊召喚時の効果を再度使用できる。
また、相手ターンに除去が行える点に加え、罠カードを多用することになるため《烏合の行進》を使いやすい。
フィールドのカードを指定するため役割が重複しがちであるものの、風属性・鳥獣族が多いので《電光千鳥》や《零鳥獣シルフィーネ》のエクシーズ召喚も狙える。
この場合、《魔封じの芳香》等を組み合わせるのも1つの手であろう。
剣闘獣の弱点である特殊召喚封じや《スキルドレイン》、《群雄割拠》等にある程度対処しやすいのも特徴。
《スキルドレイン》に関しては、《ゴッドバードアタック》のコストとする事で効果を有効化できる。
これの応用として、《剣闘獣ダリウス》による蘇生を利用しての有効化も可能である。
やはり召喚権がネックとなるが、剣闘獣以外の鳥獣族も採用しやすい。
1度きりだがコストを工面できる《BF−精鋭のゼピュロス》や、これと同様に【セルフ・バウンス】戦術が組み込め、《ライオウ》等を処理できる《霞の谷のファルコン》、【BF】のメタカードとなる《BF−暁のシロッコ》等。
鳥獣族の比率を高めるならば、同じくサクリファイス・エスケープ可能な《スワローズ・ネスト》を併用しても面白い。
ただしあちらはこのデッキが苦手とする《神の警告》や《激流葬》の影響を受けやすい。
《剣闘獣ホプロムス》の存在で容易に岩石族を供給できる点に着目した、同種族のサポートカードを用いる型。
古くはコアキメイルの維持に利用できる点から【岩石剣闘獣】・【岩剣】等と呼称される事もあったが、実戦的な運用が可能となったのは《岩投げエリア》登場後であるため、【岩投げ剣闘獣】とこれの名を指して呼ばれる事が多い。
《岩投げエリア》によって剣闘獣に恒久的に戦闘破壊耐性を付与でき、リクルートを補助すると同時に、《剣闘獣ダリウス》や《剣闘獣エクイテ》によって《剣闘獣ホプロムス》を再利用する。
通常の【剣闘獣】と比べランク4のエクシーズ召喚に繋ぎやすく、エクシーズモンスターまでも一貫して耐性を得られるため、柔軟性は高い。
一方でフィールド魔法への依存性もある程度あり、モンスター除去に対する注意はより必要になってくる。
また、自爆特攻時を狙った《サイクロン》に非常に弱いため、かさばったフィールド魔法の活用が困難な点や、《剣闘獣の底力》の存在を加味し、《封魔の呪印》を採用する事も考えられる。
融合素材や《剣闘獣の底力》の存在から、《剣闘獣ホプロムス》2、3枚で《岩投げエリア》を利用し続ける事は可能だが、相手の妨害でサイクルを断たれたり、手札に引きすぎてしまうといった状況を想定し、他の岩石族を併用する事も考えられる。
実質的に完全な戦闘破壊耐性を得られ、加えて《剣闘獣ホプロムス》との二択で裏側守備表示への攻撃を抑制できる《カオスポッド》が特に相性が良い。
【闘器剣闘獣】の項にある通り、剣闘獣の名を持つ魔法・罠カードを墓地へ送る機会や、融合素材の展開にも繋がる。
他には《E・HERO プリズマー》からの蘇生が狙える《N・グラン・モール》や、ランク4のエクシーズ召喚に対する一貫性があり、《岩投げエリア》と相性の良い《ゴゴゴジャイアント》・《リバイバルゴーレム》等が扱いやすい。
剣闘獣の中でも属するものの多い、獣族・獣戦士族のサポートカードを採用する型。
古くはカードプールの限られていた時期に、《野性解放》等を用いたものが存在していたが、後に登場した《幻獣の角》の存在から、これを中心とした構築にシフトしていった。
そのため、【角剣闘獣】といった名称で呼ばれることもある。
装備カード化した場合、使い捨てになるものの、ドローと自身の効果で二重にアドバンテージを稼ぐことが可能。
こちらは戦闘破壊が条件となる《剣闘獣サムニテ》とのシナジーが見込め、実質的にこれを活かすための構築といえる。
従来の【ビースト】とはサポート範囲が異なるが、《剣闘獣ラクエル》と《炎王の急襲》を共有できる《炎王神獣 ガルドニクス》等を併用する構築も存在する。
この場合、剣闘獣でデメリットを回避できる《古の森》も併用可能。
ただし上記《幻獣の角》を中心とする構築とは相反する性質であるため、種族的共通点こそあるが実際には別物と見たほうがよい。
《E・HERO プリズマー》を軸にしたタイプ。
剣闘獣の融合素材となるとともに、墓地に《剣闘獣ベストロウリィ》、あるいは《剣闘獣ラクエル》を置くことで、《剣闘獣ダリウス》から再度の剣闘獣融合モンスターの特殊召喚を狙う。
《E・HERO プリズマー》と組み合わせることで、《剣闘獣ダリウス》を経由し素早く《剣闘獣ガイザレス》に繋がる《スレイブタイガー》、《剣闘獣ガイザレス》の除去が失敗した際の返しとして有効な《リビングデッドの呼び声》等の特殊召喚カードを用いる。
また、《炎王の急襲》による《剣闘獣ラクエル》のリクルートも有効。
《浅すぎた墓穴》でセットした剣闘獣を《剣闘獣ガイザレス》に入れ替え、蘇生した相手モンスターはそのまま除去あるいは戦闘破壊することで、それぞれのデメリットを相殺するという戦術もある。
《剣闘獣ガイザレス》の除去を確実かつ効率的に行うためのカウンター罠や《魔封じの芳香》等も採用が考えられる。
後に登場した《トラップ・スタン》・《禁じられた聖槍》や、【剣闘獣】の罠カードを主体とした戦術イメージを利用した《王宮のお触れ》による地雷的メタも有効。
変わったところでは、《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》による除去が《E・HERO プリズマー》経由でも行える《サイバー・ドラゴン》や、カウンターを主体とするデッキの動きとマッチングする《ライオウ》を交えた、【光メタビート】風のものも存在した。
ボード・アドバンテージの獲得を得意とする一方、《剣闘獣ベストロウリィ》を墓地に置き、さらにカードを消費してそれを利用するため、《D.D.クロウ》に非常に弱いという欠点がある。
これにより、《剣闘獣ベストロウリィ》が制限カードとなった09/03/01以降、トーナメントシーンからは長く姿を消すこととなる。
下記【アライブ剣闘獣】とは構成が類似しながらも動きの異なるデッキという立ち位置であったが、《ヒーローアライブ》が準制限カードに指定されて以降、こちらを主体とし、《ヒーローアライブ》を返しの切り札とする、あるいは序盤でドローできた場合に限り移行するといったスタイルのものも見られるようになった。
上記デッキの派生、あるいは環境に適応すべく再構成されたとも言える型。
メインデッキの構成は主に《ヒーローアライブ》が追加された程度であり、依然として必要な剣闘獣や《スレイブタイガー》等の採用カードは変化していない。
しかし《ヒーローアライブ》の性質上、その動きは上記デッキのそれより、《剣闘獣ガイザレス》の特殊召喚およびその後のリクルートに特化する。
理想的な形としては、《ヒーローアライブ》で《E・HERO プリズマー》をリクルート、手札の剣闘獣を通常召喚し《剣闘獣ガイザレス》による除去の後、メインフェイズ2にて《E・HERO プリズマー》で墓地へ送った剣闘獣を蘇生、《剣闘獣ヘラクレイノス》等を特殊召喚し、消耗した相手から反撃の芽を摘み取るといったものが挙げられる。
他の【剣闘獣】と比較し、下準備なし、かつ成功すれば低コストで拘束力の高いモンスターを展開できる点が特色であり、即効性のないデッキや、あったとしても防御が手薄なデッキ等に非常に強い。
この点から、剣闘獣は維持させるより、展開時に手札保持していたほうが都合が良く、無闇に剣闘獣をフィールドには出せない等、一般的な【剣闘獣】の性質とは相反する面がある。
必然的に防御が手薄になり、《ヒーローアライブ》あわせライフが非常に減りやすいが、うまくやりくりできれば《CNo.39 希望皇ホープレイ》を活用できる。
展開のタイミングから《剣闘獣の戦車》は扱いにくく、《デモンズ・チェーン》や《エフェクト・ヴェーラー》等が優先される。
召喚権を消費しないため、《E・HERO プリズマー》軸ではこれが懸念材料であった《E・HERO エアーマン》も、エクシーズ召喚が狙える点・初ターンからフィールドに展開可能な点から採用されやすい。
《リビングデッドの呼び声》により効果を発動できる点もシナジーがある。
変わったところで《八汰烏の骸》等のドローカードも採用が検討できる。
これは単にブラフと《ヒーローアライブ》等キーカードの呼び込みを早めるに留まらず、大量の伏せカードを用いる事で《大嵐》への警戒を削ぐ事で、撃ち合いを懸念しての相手の魔法・罠カードセットを誘う効果もある。
これによって《トラップ・スタン》でまとめて無力化し、《剣闘獣ガイザレス》による被害を拡大させるといった効果が望めるのである。
12/09/01にて《ヒーローアライブ》が準制限カードとなったため、【アライブ剣闘獣】としての動きは大きく安定性を失うこととなった。
特に、即効性のないデッキに対する影響力の低下は、これ自体がデッキの根幹として派生・普及したという面もあり、無視できない要素である。
これを補うため、前述の【プリズマー剣闘獣】との併合やE・HEROを加え融合召喚やエクシーズ召喚で攻撃手段を増やす、即効性は諦め《カードカー・D》・《強欲で謙虚な壺》等での除去からの制圧のみに特化するといったスタイルの変形も考えられるが、いずれも噛み合わせ自体が良好ではないので構築・プレイングともに高いレベルを要求される。
その後、15/01/01にて《ヒーローアライブ》が制限解除され、安定性を取り戻した。
《剣闘獣ラクエル》・《剣闘獣ダリウス》が恩恵を受ける炎舞を利用し、同時にこれと強いシナジーを持つ炎星を併用する型。
【炎舞剣闘獣】とも。
《剣闘獣ガイザレス》の除去能力に関しては、元々炎星内で賄える範囲であるため、併用のメリットは小さいが、3体を素材とするエクシーズモンスターの展開や、墓地への干渉等が行える点で【炎星】とはまた異なる動きが可能になる。
エクシーズ素材として利用しやすく、除去により剣闘獣の動きを補助できる《暗炎星−ユウシ》および《勇炎星−エンショウ》が主軸となる。
主軸となる炎星のサーチ先と、剣闘獣の他種族やエクシーズモンスターの利用による兼ね合いで、炎舞は魔法カードのものを中心に運用する事になる。
強力なサーチ効果を持つ《炎舞−「天キ」》はもちろんだが、剣闘獣のリクルートを補助しつつ攻撃力向上に役立つ《炎舞−「玉衝」》も欠かせない。
カード・アドバンテージの回復を見込み辛いものの、《炎舞−「天枢」》も《剣闘獣ガイザレス》の展開補助や、一方で除去を誘い、もう一方の攻撃を通すといった動きが可能になるため、採用の余地がある。
なお炎星は《剣闘獣ラクエル》ともども《炎王の急襲》に対応するが、このデッキタイプではどちらも維持によってアドバンテージを得られるため、枚数はよく吟味する必要がある。
デッキスペースや召喚権上の問題はあるが、メリットの1つである3体を素材とするエクシーズモンスターの展開に際し、《E・HERO プリズマー》や《レスキューラビット》等を採用し、他の【剣闘獣】の要素を取り入れる事も考慮したい。
《レスキューキャット》を搭載した【剣闘獣】。
《剣闘獣サムニテ》と《スレイブタイガー》による連続または高速リクルートが強みであり、巻き返しを含める爆発力に優れる。
【レスキューシンクロ】と比較して再利用が難しい反面、手札事故の可能性も低い。
《X−セイバー エアベルン》を採用すれば、《ナチュル・ビースト》・《ナチュル・パルキオン》を無理なくシンクロ召喚できるのも利点。
《レスキューラビット》と《剣闘獣アンダル》を採用した【剣闘獣】。
《魁炎星王−ソウコ》でアドバンテージを稼げるほか、リクルートした《剣闘獣アンダル》のうち一方を《スレイブタイガー》で《剣闘獣ベストロウリィ》に入れ替える事で、魔法・罠除去を行いつつ《剣闘獣ガイザレス》につなげられる。
特筆すべきは【レスキューラビット】等の基本形である「通常モンスター同名カード3体×2種」という形を取らずに、安定して上記の動きが行える点。
手札にきた《剣闘獣アンダル》は融合素材や《スレイブタイガー》での入れ替え、《休息する剣闘獣》でデッキに戻す事が可能。
墓地にあっても《剣闘獣の底力》や《剣闘獣エクイテ》・《剣闘獣ダリウス》からの上記手順を用いる事で回収できるため、2枚ないし3枚分のスロットで《レスキューラビット》の効果を最大限に活用できる。
《剣闘獣レティアリィ》・《スレイブタイガー》等レベル3モンスターが無理なく入るため、《虚空海竜リヴァイエール》からの《レスキューラビット》の帰還が狙えるという点も覚えておいて損はない。
ただし戻す事が容易とはいえ手札に複数の《剣闘獣アンダル》や《レスキューラビット》が来てしまうと、上記の手順を踏まねばならず、展開が遅れる。
元々【剣闘獣】は召喚権でシビアな面があり、モンスター比率が高くなる事でリクルートを活用できるサイクルが乱れる場合もあるため、他の剣闘獣や魔法・罠カードの選定には慎重を期す必要がある。
カウンター罠を扱いながらのビートダウン。
このデッキの性質上《神の宣告》や《神の警告》はもちろん、召喚・攻撃を通すための《ギャクタン》や《魔宮の賄賂》も投入しやすいためカスタマイズは難しくないだろう。
《剣闘獣の戦車》の登場により、帝や《ダーク・アームド・ドラゴン》等の厄介な効果モンスターを封殺できるようになったのは大きい。
簡単にはいかないが相手が疲弊したところで《剣闘獣ヘラクレイノス》を特殊召喚できればロック強度はかなりのものとなる。
このタイプに限った事ではないが、《剣闘獣エクイテ》によるサルベージと、実質的にモンスターであり魔法カードでもある《剣闘訓練所》の存在から《封魔の呪印》・《八式対魔法多重結界》を利用しやすいデッキの一つでもある。
初期には《剣闘獣スパルティクス》によってサーチした闘器を剣闘獣専用カウンター罠のコストに充てる型も存在したが、《剣闘獣エクイテ》の登場やカウンター罠・防御カードの充実により衰退した。
モンスターを無差別に除外する《次元の裂け目》を併用し、相手の墓地利用を封じ込める。
剣闘獣は墓地アドバンテージをあまり重視しないので、相手に与える影響の方が大きい。
特に《オネスト》・《BF−月影のカルート》を封じれば、戦闘の安全性が高まる。
最近は墓地アドバンテージを重視するデッキが多いので、メタとしての能力は高い。
《次元の裂け目》ならば、《剣闘獣エクイテ》と《剣闘獣の戦車》のコンボと除外とを両立できる。
墓地へ落ちたモンスターも《剣闘獣エクイテ》でサルベージ出来るので、《ガーディアン・エアトス》とも相性がいい。
《D・D・R》や《ユニコーンの導き》を採用する事で除外された《剣闘獣ベストロウリィ》などの再利用ができる。
とはいえこれらが狙える状況は剣闘獣の維持に失敗しているという事でもあるので、安定性が低くなり、全体除外下でも柔軟に動ける【除外ビートダウン】系デッキと比較した長所を失いやすくなる。
また《E・HERO プリズマー》との共存は不可能になる点に注意。
獣戦士族の十二獣を併用し、《十二獣ブルホーン》による剣闘獣のサーチや《炎舞−「天キ」》などのサポートを併用する。
現在は主要な出張パーツが軒並み規制されたため、事実上消滅している。
獣戦士族の剣闘獣には蘇生の要である《剣闘獣ダリウス》・《剣闘獣ヘラクレイノス》の指定素材である《剣闘獣ラクエル》らがおり、これをサーチして《スレイブタイガー》とのコンボにつなぐ。
《ミセス・レディエント》にもつながりやすく、融合モンスターを複数並べたりといった動きも容易である。
―モンスター効果メタ
大半の剣闘獣が弱小モンスターとなる《スキルドレイン》を一度発動されると厳しい。
魔法・罠除去を《剣闘獣ベストロウリィ》・《剣闘獣ガイザレス》に頼りがちなので、除去手段がなくなってしまう。
《サイクロン》なら伏せ除去も兼ね汎用性が高いので、少なくともサイドデッキには用意したい。
同様に《D−HERO Bloo−D》や《威光魔人》も天敵。
魔法・罠カードによる除去などで確実に処理したい。
―特殊召喚メタ
特殊召喚を封じるメタカードに弱い。
《フォッシル・ダイナ パキケファロ》や《昇霊術師 ジョウゲン》に関しては戦闘破壊後に展開できるため致命的ではないが、基本攻撃力で上回る《ライオウ》・《大天使クリスティア》などには苦戦を強いられる。
これらを用いるデッキでは《オネスト》の採用率も高いため、攻撃力不足・特殊召喚依存・戦闘必須という三大弱点の全てを突かれてしまう。
またリクルートに関してはチェーンブロックを作るため、《虚無空間》をチェーンされると剣闘獣がデッキに戻ったままとなってしまい、厳しい展開となる。
召喚・特殊召喚を繰り返すので、《奈落の落とし穴》や《激流葬》、《神の警告》の発動機会も頻繁に与えてしまう。
特に《神の警告》は同じカウンター罠でしか無効にできず、モンスター効果の発動すら許さず除去してしまう為サイクルが途切れやすい。
《剣闘獣ガイザレス》や《剣闘獣ヘラクレイノス》の特殊召喚をカウンターされるとかなりのディスアドバンテージを負ってしまう。
また《奈落の落とし穴》も《剣闘獣エクイテ》・《剣闘獣ダリウス》の効果の発動機会を奪う事があるので注意が必要である。
伏せ除去を担当する《剣闘獣ベストロウリィ》がその発動条件にかかる点も痛いが、戦闘の補助にも使用可能な《収縮》やカウンター罠辺りで回避する事は可能。
―高攻撃力モンスター
戦闘が前提となるため、基本的な攻撃力で上回られると、リクルートを成立させるだけで1枚以上の補助が必要になる。
単体でのパワーが低い事から、これが継続し消耗戦になると、かなりの苦戦を強いられる。
先の《大天使クリスティア》のほか、《マシンナーズ・フォートレス》や《エヴォルカイザー・ラギア》、《ヴェルズ・オピオン》等の処理にも頭を悩ませられる。
ダメージステップでの破壊や、損失の小さい単体除去等、想定すべきデッキによって対策法をうまく使い分けなければならない。
―複数の除去カード
一度のそれならば《剣闘獣エクイテ》や《剣闘獣ダリウス》で容易にカバーできるが、連発される事で剣闘獣のサイクルが断たれ状況対応力を大きく失ってしまう。
上記の2種を失ってしまうとモンスターの供給もままならなくなり、復帰が困難になる。
これらのカードを大量に搭載する【除去ガジェット】は苦手なデッキの1つであり、【E・HEROビート】のようにサクリファイス・エスケープで除去を行うデッキもこちらの攻めに対応されやすく苦戦を強いられる。
―対象をとる(指定する)効果に対する耐性
多くの除去が対象をとる効果であるため、それらの効果に耐性を持つものに弱い。
《神樹の守護獣−牙王》などは攻撃力も高いため、《聖なるバリア −ミラーフォース−》などの対抗策も用意したい。
また《スキル・プリズナー》で無効化されやすい点も注意。
―属性・種族制限
《御前試合》や《群雄割拠》のような「属性の制限」や「種族の制限」にも非常に弱い。
剣闘獣の特殊召喚は状況に応じて対象を変化させて行かなければならないので、これを封じられると応用力が激減するうえ、並んだところを狙ってアドバンテージをとられやすい。
《剣闘獣エクイテ》から《剣闘獣ベストロウリィ》に繋げて確実に破壊していく事が望ましい。
鳥獣族ということもあり、《ゴッドバードアタック》も利用できる。
サイドデッキの採用率が低くないカードであり、《禁じられた聖槍》ではカバーできないタイプなので、《サイクロン》や《トラップ・スタン》を活用したい。
―伏せカード封じ
ほとんどの【剣闘獣】が伏せカードを多用するので、カードを伏せる事ができなくなる《ダーク・シムルグ》は最悪の天敵である。
また《王宮のお触れ》も先出しされると、《和睦の使者》だけでなくカウンター罠も封殺されてしまう。
打開策としては、《剣闘獣ベストロウリィ》か《剣闘獣ムルミロ》の効果を能動的に発動させるのが最も確実な突破法だろう。
カテゴリ自体は第5期に登場していたが、当初はあくまでマイナーなテーマデッキの1つと認識されていた。
しかし、第6期になると《剣闘獣の戦車》が登場、第5期終盤に登場した《剣闘獣ガイザレス》が強力だったこともあり、使用するプレイヤーが急増した。
また墓地に依存せず強力なモンスターを特殊召喚できる点、デッキを手札の様に扱える点、対戦相手のデッキタイプを選ばない汎用性が着目される。
そのまま環境におけるメタの1つとして頭角を現し、ついには2008年度の世界大会で優勝を果たした。
国内大会でも【ダムドビート】と双璧に位置し、初登場時には考えられないほどの実績を残している。→サンプルレシピ参照。
2008年度選考会において優勝という結果を残したアメリカでは、《スレイブタイガー》が存在しており、圧倒的に使いやすくなっていた。
10/09/01にて《レスキューキャット》が禁止カード化。
これにより【猫剣闘獣】の構築が不可能になったため、デッキの再構築が求められることとなった。
17/01/01には弱体化エラッタを施された《レスキューキャット》が環境に復帰する。
だがエラッタにより従来の【猫剣闘獣】は使えず、その間の剣闘獣自体の補強は非常に散発的で、環境上位の壁は高すぎた。
新マスタールールが施行され、エクストラデッキからモンスターを特殊召喚する場合、原則としてエクストラモンスターゾーンにしか出せなくなった。