高等儀式術(こうとうぎしきじゅつ)

デッキの概要

 《高等儀式術》によって儀式モンスターフィールドに出すデッキ
 【儀式召喚】とは似て非なる構築となる。

《高等儀式術/Advanced Ritual Art》
儀式魔法
手札の儀式モンスター1体を選び、そのカードとレベルの合計が
同じになるようにデッキから通常モンスターを墓地へ送る。
その後、選んだ儀式モンスター1体を特殊召喚する。

 従来の儀式召喚は最低でも3枚の手札を必要とし、大きなディスアドバンテージとなっていた。
 しかし、《高等儀式術》手札《高等儀式術》儀式モンスターデッキ内に同じレベル通常モンスターが揃っていれば、手札2枚で儀式召喚できる。

デッキ構築に関して

 儀式モンスターレベルは全部で12、10、9、8、7、6、5、4、3、1の10種類が存在する。
 どの儀式モンスターを主軸に据えるかで大きくデッキ内容が変わるが、その基本になる編成を考えてみる。

 儀式モンスター及び《高等儀式術》以外の儀式召喚サポートは基本的に【儀式召喚】のページを参照してもらいたい。
 儀式モンスターは1種類ないし2種類程度に留め、デッキの傾向を固めておくことで事故率を減らしておくのもあちらと同様である。
 なお儀式魔法《高等儀式術》のみで問題ないが、手札通常モンスターを処理するために、その儀式モンスターの専用儀式魔法ピン挿しすることも考えられる。

通常モンスターの比率について

 例えば墓地コストを要する特殊召喚モンスターと併用する場合は下級モンスターを採用し、1度で墓地を肥やせるようにする。
 逆に蘇生からの展開やエクシーズ召喚を狙うなどの意図がある場合は、儀式モンスターと同じレベル通常モンスターを採用したい。

 また、偶数レベル儀式モンスターであれば同レベルモンスターで統一しやすく柔軟に対応できる。
 レベル8であればレベル4かレベル8の通常モンスターレベル6でレベル3かレベル6が主な軸となる。
 もちろん墓地肥やしに重点を置く場合、事故率は上がるがより細分化されたレベル通常モンスターで構築することもできる。

 しかし奇数、例えばレベル儀式モンスターの場合、コストとなる下級通常モンスターレベル3とレベル4で分散されるのがネックとなる。
 片方のレベルデッキから尽きただけでも動きが止まるため、偶数列の儀式モンスターと比べると柔軟性に乏しい。
 一方でレベル7は《ブラック・マジシャン》《E・HERO ネオス》といったサポートカードが豊富な通常モンスターが多い強みがある。

 レベル4以下ともなると《高等儀式術》墓地へ送れ通常モンスターの範囲も非常に狭くなる。
 この場合は素直に儀式魔人等を単体で活用したほうが良いだろう。
 なお、レベル9〜12には通常モンスターが存在せず、必然的にこのレベル帯は1度の儀式召喚で2枚以上のコストが要求されるようになる。
 レベル8以上に墓地を肥やしやすい一方で、より通常モンスターの選択に慎重になる必要がある。

特殊召喚モンスターについて

 【デミスドーザー】に代表されるように、《高等儀式術》墓地へ送った通常モンスター除外コストに充てる等して展開できる。
 もっとも【デミスドーザー】《終焉の王デミス》全体除去からの1ターンキルに特化したものであり、他の儀式モンスターでも同様の成果が得られるわけではない。
 それでも通常召喚権を消費せずモンスターを展開できるのは優秀であり、採用することで自ずと通常モンスターの傾向も決めやすい。
 以下に候補を挙げる。

デッキの種類

レベル8軸

 この中では《終焉の王デミス》《天界王 シナト》を筆頭に強力なモンスターが多く、もっともレベルを合わせやすい。
 主にレベル4かレベル8の通常モンスターが軸となり、レベル4は全体的にステータスが安定しており、レベル8は《トレード・イン》を共有できる。

 レベル4は攻撃力2000の《ジェネティック・ワーウルフ》《アレキサンドライドラゴン》《幻のグリフォン》《幻殻竜》が最高値となる。
 《アレキサンドライドラゴン》《幻殻竜》カオスモンスター《幻のグリフォン》《幻殻竜》《ダーク・シムルグ》特殊召喚コストに充てられる。
 次点で攻撃力1950の《ヴェルズ・ヘリオロープ》が高く、その後に攻撃力1900のモンスターが続くことになる。

 デッキの傾向に合わせて好みのモンスターを採用することになるが、一部の専用構築では種族属性が固定されやすい。
 例えば【デミスドーザー】では《甲虫装甲騎士》【儀式天魔神】では《デーモン・ソルジャー》《デュナミス・ヴァルキリア》と言った具合になる。

 レベル8では最高攻撃力を誇り、サポートカードも豊富な《青眼の白龍》が筆頭だろう。
 その他《ラビードラゴン》等、ドラゴン族通常モンスター《銀龍の轟咆》完全蘇生が狙えるのも強みである。

レベル7軸

 上述の通り下級モンスターをメインに採用するとレベルが分散され、サポートカードを共有しにくくなる。
 そのため、手札事故の危険はあるがレベルモンスターを採用し、《七星の宝刀》等で同レベル同士での連携を取りやすくしたい。

 とりわけランク7のエクシーズ召喚に繋げられる点で8軸とは違った動きが可能となる。
 中でも《幻獣機ドラゴサック》幻獣機トークンを2体生成でき、《ブンボーグ001》自己再生条件を満たすことが可能。
 そのまま幻獣機トークン《虹光の宣告者》シンクロ召喚に繋げられるため、次の儀式召喚のパーツを集めるための布石となる。
 《ブンボーグ001》《ブンボーグ003》とでも《虹光の宣告者》シンクロ召喚に繋げられるため、併せて出張要員として採用しやすい。

 レベル通常モンスターサポートカードが豊富なのも特徴である。
 《ブラック・マジシャン》《E・HERO ネオス》《真紅眼の黒竜》はいずれも蘇生からの展開も容易。
 また、《E・HERO ネオス》《真紅眼の黒竜》《ミラクル・フュージョン》《龍の鏡》からの墓地融合も狙える。
 前者は《伝説の爆炎使い》《E・HERO ノヴァマスター》《要塞クジラ》とで《E・HERO アブソルートZero》が選択可能。
 《真紅眼の黒竜》《スーパー・ウォー・ライオン》とで《ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》融合召喚できる。

 サポートカード自体はジェムナイトに偏っているが、《ジェムナイト・クリスタ》も扱いやすい。
 このカード《破滅の魔王ガーランドルフ》《チャクラ》とで、《ダーク・コーリング》から高攻撃力《E−HERO ダーク・ガイア》融合召喚できる。

レベル6軸

 このレベル帯の儀式モンスターとなると聖刻儀式魔人と通常の儀式魔法の組み合わせの方が展開力や制圧力の高さを発揮しやすい。
 特に《魔界発現世行きデスガイド》ならば《儀式魔人リリーサー》を手軽にリクルートできる。

 一方で《ライカン・スロープ》【神光の宣告者】の様に通常モンスター墓地を肥やすことに意義がある場合はその限りではない。
 もっとも、その場合はより多くのモンスターを送る必要があるため、デッキ内の通常モンスター比率が高くなりやすい。
 レベル2以下であれば《トライワイトゾーン》で展開できるため、事故率に目をつぶってでも特化させることも考えられる。

 また、チューナー《ラブラドライドラゴン》蘇生させることで、エクシーズ召喚《アルティマヤ・ツィオルキン》を使い分けられる。
 この点はレベル7軸にはない利点である一方で、やはり聖刻との混合軸でも同様の動きが可能となる点で意義が見出しにくい。

レベル5軸

 現状《カタストルの影霊衣》のみが存在するレベル帯である。
 このレベル帯にもチューナー《A・マインド》が存在し、上述の使い分けに加え更にレベル10のシンクロモンスターも選択できる。
 また、水属性モンスターならば《No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ》《No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ》エクシーズ召喚できる。

E・HERO

 下級モンスター通常モンスターが存在し、レベル7軸の《E・HERO ネオス》と同様《ミラクル・フュージョン》での展開が可能。
 レベル3の《E・HERO フェザーマン》《E・HERO バーストレディ》レベル4の《E・HERO スパークマン》《E・HERO クレイマン》が存在する。

 主に《E・HERO ガイア》等の属性を参照する融合モンスターであれば儀式モンスターも併せて融合素材にしやすい。
 もちろん、エクストラデッキに余裕があるならば融合素材を指定した融合召喚を狙うのも良い。
 レベル儀式モンスター指定で《E・HERO フレイム・ウィングマン》レベル8指定で《E・HERO サンダー・ジャイアント》素材墓地へ送ることが可能。
 同時に展開はできないが《平行世界融合》融合召喚しつつ、除外したE・HEROデッキに戻すことで次の儀式召喚の布石となる。
 《闇の量産工場》《融合》を採用し、サルベージからの手札融合に繋げるのも良いだろう。

 また《ダーク・コーリング》の採用でE−HERO融合モンスター融合召喚可能となる。
 レベル儀式モンスター指定で《E−HERO インフェルノ・ウィング》レベル8指定で《E−HERO ライトニング・ゴーレム》融合素材をそのまま転用できる。

《封印されしエクゾディア》

 エクゾディアパーツの内4枚が通常モンスターであり、墓地へ送った後にサルベージすることで特殊勝利を狙う。
 サルベージには《闇の量産工場》《補充要員》を採用し、《封印されしエクゾディア》自体は別の手段でサーチする。
 主に《混沌球体》サーチでき、召喚権を残しているならば儀式モンスターをそのままアドバンス召喚リリースに充てられる。

デッキの派生

【デミスドーザー】

 《終焉の王デミス》《デビルドーザー》を組み合わせた1ターンキル重視の儀式召喚デッキ
 当該ページ参照。

【デミスガイア】

 【デミスドーザー】の派生であり《デビルドーザー》《E−HERO ダーク・ガイア》に置き換えたデッキ
 当該ページ参照。

【儀式天魔神】

 低レベル闇属性悪魔族通常モンスター光属性天使族通常モンスター墓地に落とし、それらを除外して天魔神特殊召喚するデッキ
 当該ページ参照。

【儀式ダムルグ】

 《ダーク・シムルグ》を採用したタイプで、《魔封じの芳香》との併用でビートダウンだけでなくコントロールデッキの側面を持たせられる。
 《幻殻竜》《幻のグリフォン》以外にも《サファイアドラゴン》風属性なのでコストに使える。
 当該ページ参照。

【神光の宣告者】

 パーミッションデッキの1種であり、《高等儀式術》で送った通常モンスターサルベージして効果コストに充てる。
 当該ページ参照。

デッキの弱点

 デッキの構築上、儀式モンスター通常モンスターが主軸となるため、汎用性の高いカードを使い難いのが難点。
 《封魔の呪印》などで《高等儀式術》が封じられると戦線が崩壊するのも弱点の一つである。

 また手札フィールド上にモンスターが必要無いが、スタンダードなカードパワーは期待できない。
 《凡骨の意地》も使えるが、それなら通常モンスターの割合を多くしたデッキ構築となる。

代表的なカード

関連リンク