《混沌幻魔アーミタイル》の特殊召喚及びそれによる1ターンキルを狙うファンデッキ。
生半可な知識と経験では、構築すら難しいデッキである。
《混沌幻魔アーミタイル/Armityle the Chaos Phantom》 融合・効果モンスター 星12/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0 「神炎皇ウリア」+「降雷皇ハモン」+「幻魔皇ラビエル」 自分フィールド上に存在する上記のカードをゲームから除外した場合のみ、 融合デッキから特殊召喚が可能(「融合」魔法カードは必要としない)。 このカードは戦闘によっては破壊されない。 このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、 このカードの攻撃力は自分ターンのみ10000ポイントアップする。
《混沌幻魔アーミタイル》を出すにはフィールドに三幻魔を揃えなければならない。
三幻魔はそれぞれ異なる種類のカードを3枚ずつコストとする事が召喚条件なので、その扱いにくさは尋常ではない。
《幻魔皇ラビエル》の生け贄は《幻銃士》や《トーチ・ゴーレム》で賄える。
《名推理》・《モンスターゲート》を採用し、《終焉の焔》で賄っても良い。
《降雷皇ハモン》はロックカードやドローソースの永続魔法ならばコストにしやすい。
《神炎皇ウリア》については、【神炎皇ウリア】を参考の事。
以上の点から永続魔法・永続罠をともに多用するロックデッキか、【天変地異コントロール】を軸にする手もあるが、現実的とは言い難い。
そこでさらに、《軽量化》や《カードトレーダー》等の手札交換カードを採用したい。
デッキと手札を入れ替えながら戦術・戦略を整える事が可能な上、《名推理》・《モンスターゲート》の阻害にならない点に注目したい。
もしくは永続魔法または永続罠のどちらかの投入を断念し、それに対応する三幻魔も投入枚数を減らし、《おろかな埋葬》や《E・HERO プリズマー》等で直接墓地へ送るのも悪くない。
また、どのような構築であろうとも《混沌幻魔アーミタイル》を特殊召喚する段階、および攻撃する段階で《混沌幻魔アーミタイル》を守るカードないし伏せカードの除去カードは必須である。
《混沌幻魔アーミタイル》が除去されればその時点で負けといっても過言ではないくらいのディスアドバンテージを負うからである。
同様の理由から、《混沌幻魔アーミタイル》を特殊召喚したならば出来る限りそのターン内で決着を付けてしまいたい。
上述したとおり、正規の方法で《混沌幻魔アーミタイル》を特殊召喚するのは難しく、コストだけでデッキを圧迫しかねない。
そこで、《E・HERO プリズマー》や《ファントム・オブ・カオス》のような融合素材に代用できるモンスターも柔軟に使用したい。
どちらのカードを軸とするかでデッキ内容や戦術が大幅に変わるので自分の好みで選択したい。
《E・HERO プリズマー》は攻撃力1700だが、《見習い魔女》等の永続効果によって攻撃力を1500以下にできれば、《地獄の暴走召喚》で展開できる。
3体並べれば三幻魔をまとめてコピーできるため、即召喚が可能になる。
また、E・HERO・光属性・戦士族であるため《増援》・《E−エマージェンシーコール》・《フォトン・ベール》等で3体サーチし、《HERO’S ボンド》を使い3体並べる方法もある。
これらの方法を使う場合、三幻魔はドローしてしまうと《E・HERO プリズマー》で墓地へ送ることができなくなる。
言い換えればドローすればそれだけで即ディスアドバンテージとなってしまうのである。
よって枚数は1枚ずつに抑え、かつ三幻魔をデッキに戻すことができる《ゴブリンのやりくり上手》や《カードトレーダー》も入れるといい。
ハンデス・デッキデス対策に《貪欲な壺》・《転生の予言》もあるといいだろう。
《ゾンビキャリア》を採用して、シンクロモンスターで戦線維持を図りつつ、三幻魔をデッキに戻すのも有効。
戦士族のサポートカードを共有できる《終末の騎士》と合わせて使えばデッキ圧縮もしやすくなる。
《見習い魔女》を使うタイプの場合はこちらも戦士族のサポートカードが使える《ジャンク・シンクロン》が非常に相性がよい。
もしもの場合は《ジャンク・シンクロン》で特殊召喚した《見習い魔女》を《地獄の暴走召喚》で大量召喚してからパワーアップした《ジャンク・ウォリアー》で殴る、もしくは《ブラック・ローズ・ドラゴン》・《ミスト・ウォーム》でフィールドを一掃するなどを行うのもよい。
もっとも、単純にこの戦術をやるならば最初から【シンクロ召喚】を組んだほうが強いため、あくまで時間稼ぎ、あるいはコンボ完成が見込めない場合の保険程度に考えておくこと。
《名推理》・《モンスターゲート》が制限カードに指定されたため、展開力は大幅に落ちた。
しかし《ファントム・オブ・カオス》を軸とすること自体が無理となったわけではなく、十分に採用を検討できる。
三幻魔が墓地にある状態で《ファントム・オブ・カオス》を特殊召喚し、《地獄の暴走召喚》に繋げれば、即《混沌幻魔アーミタイル》を特殊召喚できる。
これを行う最も楽なスタイルは墓地肥やしと特殊召喚を一度に行える【カオスゲート】のギミックを使うことである。
こちらの構築方法は以下の通り。
《名推理》・《モンスターゲート》で特殊召喚するモンスターは《ファントム・オブ・カオス》以外には墓地に落ちた魔法カードをサルベージする《混沌の黒魔術師》を必ず入れる。
また、戦術を読まれて《名推理》でレベル4を宣言されるとコンボが成立しなくなってしまうので、そのための保険と《ファントム・オブ・カオス》の特殊召喚を補助する《魔族召喚師》も必須となる。
通常召喚を行う機会は少ないので、再度召喚の条件はさほど問題にならない。
通常召喚可能なモンスターを入れすぎると墓地送りがストップしやすくなるためバランスに気を配りたい。
魔法カードはデッキの根幹を成す《名推理》・《モンスターゲート》・《地獄の暴走召喚》の他に、三幻魔を墓地に送ってキーカードを引ける《手札断殺》・《暗黒界の取引》などをスロットの許す限り投入すること。
《モンスターゲート》の生け贄を確保でき、壁にもなる《スケープ・ゴート》や《終焉の焔》も用意したい。
特に《終焉の焔》はいざというときに《混沌の黒魔術師》や《幻魔皇ラビエル》の生け贄にできるため、フル投入する。
他に、一撃で勝負を決めるための補助カードも用意する必要がある。
具体的には伏せ除去を行う《ハリケーン》、超過ダメージが足りない場合や守備表示モンスターを相手にする場合のために《ビッグバン・シュート》・《閃光の双剣−トライス》など。
罠カードは余裕さえあれば好きに採用してもいいが、優先順位はモンスターや魔法カードよりも低くなる。
投入する場合はやはりコンボが妨害されるのを防ぐためにカウンター罠や《王宮のお触れ》等を採用したい。
もしくは罠モンスターを採用してもいいだろう。
壁と生け贄を兼ねることができ、チャンスがあれば《神炎皇ウリア》を特殊召喚できる。
上記の方法でなくても、《ファントム・オブ・カオス》は《魔族召喚師》・《リミット・リバース》など、特殊召喚のサポートは比較的多いため、《地獄の暴走召喚》に繋ぐのはそう難しくない。
《名推理》・《モンスターゲート》が制限カードになったのでこれらの方法を用いる必要も出てくるだろう。
また、以下のようなデッキとの混合型も考えられる。
宝玉獣をサポートする魔法カード、《DNA改造手術》を含む永続罠を投入すれば召喚はしやすくなる。
宝玉獣では《宝玉獣 サファイア・ペガサス》は3積みとなる。
《宝玉獣 サファイア・ペガサス》の誘発効果で採用する宝玉獣は、打点の大きい《宝玉獣 トパーズ・タイガー》が妥当だろう。
また、《宝玉獣 サファイア・ペガサス》をリクルートできる《召喚僧サモンプリースト》の投入も考えられる。
余分な宝玉獣がフィールドに残る為、《レア・ヴァリュー》が必須となるだろう。
下級は宝玉獣で占められるため、《暗黒のマンティコア》《バッド・エンド・クイーン・ドラゴン》と《森の番人グリーン・バブーン》を入れることで打点を上げることも可能ではある。
その分、構築難易度はさらに跳ね上がる事に注意。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》と《トーチ・ゴーレム》を展開しつつ、永続魔法・永続罠でコントロールとロック・ビートダウンを兼ね備え三幻魔を展開できるのが強み。
この方法だと《洗脳解除》・《所有者の刻印》などで《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》か《トーチ・ゴーレム》を自分フィールドに確保し、《幻魔皇ラビエル》を展開しつつ、その後不必要となった永続魔法・永続罠を《降雷皇ハモン》・《神炎皇ウリア》への特殊召喚に繋げると良い。
仮に特殊召喚に繋げられなかった三幻魔は《E・HERO プリズマー》と《ファントム・オブ・カオス》で代用として《混沌幻魔アーミタイル》へと繋ぐこともできる。
上記の主要カード以外を採用する場合、以下のカードが候補に挙がる。
《降雷皇ハモン》を特殊召喚するための永続魔法では《異次元の境界線》・《レベル制限B地区》・《墓守の使い魔》などでロックをかけるのが有力だが、安定と速攻性を狙うなら《ヴォルカニック・ロケット》・《宝玉獣 サファイア・ペガサス》を採用してみるのもよい。
デッキ圧縮をしつつアタッカーとしても活躍が期待できる。
前者の場合、ブレイズ・キャノンをサーチ・サルベージが可能で《トラゴエディア》の攻撃力の底上げに貢献できる。
後者の場合、破壊される前提ならば2枚の永続魔法として確保できるため、即効性が高い。
永続罠の場合、【ゴーレム】のコントロールに必要な《洗脳解除》か《拷問車輪》、壁として《メタル・リフレクト・スライム》辺りを採用。
《宮廷のしきたり》を投入する場合、《洗脳解除》・罠モンスターを守れるため採用したいところ。
余裕があれば《スキルドレイン》などの自分フィールドを守れる何れかの永続罠を採用したいところだが、多くて1・2枚でよい。
手札補充の際には《トレード・イン》・《闇の誘惑》・《マジック・プランター》を採用できる。
細かい部分は、デッキと相談しながら調整していこう。
召喚条件及びコンボ成立までの過程上墓地肥やしを妨害する《次元の裂け目》・《マクロコスモス》、効果モンスターを封じる《スキルドレイン》・《D−HERO Bloo−D》、魔法カードを封じる《ホルスの黒炎竜 LV8》や《ナチュル・ビースト》、特殊召喚を封じる《王宮の弾圧》(現在は禁止カード)と弱点は多い。
また《ライオウ》一体が場に出るだけでデッキ全体が止まってしまうという笑えない事態も珍しくない。
元より構築のバランス取りが難しいデッキであり、上記弱点カードへのメタカードを組み入れるのは非常に困難である。
可能な限り対策カードを破壊出来るような構築を心がけたいが、時には「自分のデッキは元々そういう性質のデッキなのだ」と割り切ることも必要かもしれない。