アニメGXで登場した三幻魔を中心としたデッキ。
三幻魔の召喚条件が全て異なることもあり、以前は3種を同じデッキに採用して回すのは非常に困難で、それぞれの召喚条件を満たしやすいデッキへの単独採用が基本であった。
3種全ての特殊召喚を狙わずカード名のコピーを主目的とした【混沌幻魔アーミタイル】が唯一の例外と言えただろう。
第9期末の20th ANNIVERSARY PACK 1st WAVEで三幻魔共通のサポートカードが登場し、第10期末のストラクチャーデッキ−混沌の三幻魔−で本格的に混合構築が可能となった。
《幻魔皇ラビエル/Raviel, Lord of Phantasms》 特殊召喚・効果モンスター 星10/闇属性/悪魔族/攻4000/守4000 このカードは通常召喚できない。 自分フィールドの悪魔族モンスター3体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。 (1):1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。 このカードの攻撃力はターン終了時まで、リリースしたモンスターの元々の攻撃力分アップする。 (2):相手がモンスターの召喚に成功した場合に発動する。 自分フィールドに「幻魔トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守1000)1体を特殊召喚する。 このトークンは攻撃宣言できない。
《降雷皇ハモン/Hamon, Lord of Striking Thunder》 特殊召喚・効果モンスター 星10/光属性/雷族/攻4000/守4000 このカードは通常召喚できない。 自分フィールドの表側表示の永続魔法カード3枚を墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる。 (1):このカードがモンスターゾーンに守備表示で存在する限り、 相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。 (2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。 相手に1000ダメージを与える。
《神炎皇ウリア/Uria, Lord of Searing Flames》 特殊召喚・効果モンスター 星10/炎属性/炎族/攻 0/守 0 このカードは通常召喚できない。 自分フィールドの表側表示の罠カード3枚を墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる。 (1):このカードの攻撃力は、自分の墓地の永続罠カードの数×1000アップする。 (2):1ターンに1度、相手フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。 セットされたそのカードを破壊する。 この効果の発動に対して魔法・罠カードは発動できない。
本ページ上部ではまず三幻魔全てをバランスよく採用した構築について述べる。
いずれか1種に特化した構築についてはページ下部のデッキの種類で個別に解説していく。
―三幻魔
全てレベル10の特殊召喚モンスターであり、それぞれ3枚のモンスター・永続魔法・罠を召喚条件に必要とする。
いずれも正規召喚の消費の重さに対し耐性は全くないのが大きな欠点であり、維持を狙う場合は《失楽園》による耐性付与や各種防御カードは必須。
また、3体いずれもが《混沌幻魔アーミタイル》の融合素材に名指しで指定されているためそれらのサポートにも対応している。
三幻魔の採用枚数は構築に依るところが大きい。
手札事故のリスクを考慮するならば必要最低限で良いが、枚数が少な過ぎると中盤以降のサポートカードが腐る危険性もある。
《混沌の召喚神》・《暗黒の召喚神》による展開を重視する構築ならばある程度余裕を持って採用しても良いだろう。
―三幻魔のサポートモンスター
《幻魔皇ラビエル−天界蹂躙拳》以外は攻守0の悪魔族なので、《暗黒の招来神》の追加召喚権による召喚、《七精の解門》による蘇生に対応する。
なお、全て悪魔族なので《幻魔皇ラビエル》の召喚条件にも利用できるが、効果の関係から実際に利用するケースは少ないだろう。
―相性の良いモンスター
ここでは構築に関わらず単体で採用できるモンスターのみを述べる。
それぞれの特化構築で活きるモンスターについては下記のデッキの種類を参照。
―幻魔融合モンスター
いずれも正規手段で出すことが難しいので、《次元融合殺》による召喚条件無視での特殊召喚が基本となる。
《七精の解門》か《暗黒の招来神》と任意の手札1枚で展開可能なので、構築を意識すれば特殊召喚は容易い(方法はこちら参照)。
なお、先攻1ターン目ではいずれもその特性により出すメリットは殆どないので出せる状況でも控えた方が良い。
―エクシーズモンスター
三幻魔をエクシーズ素材に利用できるランク10は採用が検討できる。
特に《超弩級砲塔列車グスタフ・マックス》はメインフェイズ2での詰めに使えるため1枚は採用しておくと良い。
また、《暗黒の召喚神》で出した三幻魔は攻撃が行えないので、エクシーズ素材に消費しても惜しくはない。
もう片方の素材は上述の《Sin サイバー・エンド・ドラゴン》や《黄金卿エルドリッチ》を使うと良いだろう。
―相性の良いカード
特化構築で活きるカードについては下記のデッキの種類を参照。
三幻魔を出し、高攻撃力を利用して戦闘ダメージを稼ぐ。
除去に対しては《失楽園》による耐性で凌ぐことになるが、時間が掛かると逆転されやすい。
攻撃力の上昇や2回攻撃付与などで出したターンに勝負を決めるか、相手の行動を妨害する手段と併用して維持を狙うかのいずれかが求められる。
サポートカードの中では、前者は《幻魔皇ラビエル−天界蹂躙拳》・《ハイパーブレイズ》、後者は《覚醒の三幻魔》・《失楽の霹靂》が該当する。
手札:《暗黒の招来神》または《七精の解門》+《混沌の召喚神》・《暗黒の召喚神》・《覚醒の三幻魔》のいずれか2枚
(《混沌の召喚神》&《暗黒の召喚神》の組み合わせの場合は前者は《七精の解門》が必須)
結果、フィールドに三幻魔2種類・《転生炎獣アルミラージ》・《失楽園》・《覚醒の三幻魔》が揃う。
三幻魔も耐性を付与しつつライフ回復及び相手のモンスター効果妨害の布陣となる。
《失楽園》の2枚ドローにより手札消費は実質1枚となり、このドローで《失楽の霹靂》を引ければ魔法・罠カードも妨害可能となる。
手札:《ワン・フォー・ワン》+《暗黒の招来神》または《七精の解門》+《暗黒の召喚神》または《覚醒の三幻魔》+任意の手札1枚
(《暗黒の招来神》&《暗黒の召喚神》の組み合わせは不可)
以下、上記ルート4と同様の流れとなる。
必要な手札が1枚多いが、代わりに《暗黒の招来神》の追加召喚権を消費していないため、手札に攻守0の下級悪魔族が存在すれば《ユニオン・キャリアー》のリンク召喚が可能となる。
この場合、あちらの効果で《降雷皇ハモン》を自身に装備する事で、フィールドに三幻魔3種・《ユニオン・キャリアー》・《失楽園》・《覚醒の三幻魔》が揃い、更に強固な布陣となる。
《幻魔皇ラビエル》を主軸とした【悪魔族】寄りの構築。
上述した三幻魔のサポートモンスターや相性の良いモンスターは悪魔族が多いのでサポートの共有も狙いやすい。
また、《幻魔皇ラビエル−天界蹂躙拳》による1ターンキルが最も狙いやすいのも利点。
以下、相性の良い悪魔族やサポートカードの候補。
《降雷皇ハモン》を主軸とした汎用永続魔法を多く採用した構築。
また、永続魔法以外の魔法カードも《失楽の霹靂》と併用すれば特殊召喚に利用できる。
《失楽の霹靂》の(2)により魔法・罠カードの妨害力に優れるのが利点。
以下、相性の良い永続魔法や関連カードの候補。
《神炎皇ウリア》を主軸とした汎用永続罠を多く採用した構築。
他の2体を主軸とした構築に比べて尖った構築になりやすく、その分採用カードにも個性が出る。
《神炎皇ウリア》や《ハイパーブレイズ》による爆発的攻撃力での1ターンキルが狙いやすいのが利点。
詳細は該当ページを参照。
幻魔融合モンスターである《混沌幻魔アーミタイル》に特化した構築。
三幻魔を手札・墓地に、《次元融合殺》を手札に用意する事に全力を注ぎ、攻撃力10000で早々に決着をつけるのを狙う。
あるいは《地獄の暴走召喚》等を駆使してカード名をコピーできるモンスター3体をフィールドに並べ、正規召喚を狙うのも手ではある。
詳細は該当ページを参照。
1ターン限りだが三幻魔のカード名をコピーできる《E・HERO プリズマー》を主軸とした構築。
HERO(E・HERO)はサポートが豊富なので必要なカードを集めやすいのが利点。
《E・HERO プリズマー》単体は攻撃力1700に過ぎないが、《幻魔皇ラビエル−天界蹂躙拳》とコンボすれば一転して強力なアタッカーとなる。
サポートを共有できる《E・HERO オネスティ・ネオス》を絡めればほぼ確実に1ターンキルが狙えるだろう。
1ターンキルに特化するのならば戦闘ダメージが倍化する《アクションマジック−フルターン》や火力増大が狙える《サイコ・ブレイド》等を採用するのも手。
あるいは【神炎皇ウリア】の様に墓地肥やしで大量の罠カードを墓地に溜め込み、《ハイパーブレイズ》で爆発的攻撃力を得る手段もある。
ただし、肝心の《神炎皇ウリア》や《ハイパーブレイズ》が墓地へ送られた場合に困るという本家同様の弱点も共通する点は注意。
永続魔法化する宝玉獣の特性を利用した《降雷皇ハモン》軸の派生構築。
デッキから直接永続魔法の宝玉獣を用意できる《宝玉獣 サファイア・ペガサス》・《宝玉の絆》はフル投入必須である。
それ以外の宝玉獣は取捨選択だが、手札に来てもいざとなればアタッカーにできる《究極宝玉獣 レインボー・ドラゴン》や《宝玉獣 トパーズ・タイガー》は優先しやすいか。
墓地効果を持つ魔法カードをコストにして《宝玉獣 サファイア・ペガサス》をリクルートできる《召喚僧サモンプリースト》も相性が良い。
《レア・ヴァリュー》は《失楽園》と併用する事で驚異のドロー加速が狙えるが、永続魔法の宝玉獣が減るので採用枚数はよく考えたい。
なお、純【宝玉獣】に《降雷皇ハモン》を単体採用する形でも成立するが、はっきり言ってリスクとリターンの釣り合いが取れるとは言い難い。
《降雷皇ハモン》を軸とした構築に【宝玉獣】のギミックを利用する形の方が《降雷皇ハモン》を採用する意味合いがあると言えよう。
悪魔族モンスターを利用しつつ、ロックカードの永続魔法・永続罠も採用できる構築。
故に三幻魔全ての正規召喚すらも理論的には可能だが、実現にはかなりの構築難易度とプレイングスキルを要求される。
1〜2種に絞った方がリスクは抑えられるが、リスク覚悟でロマンに挑むのも一興ではあるか。
《幻魔皇ラビエル》を狙う場合、《トーチ・ゴーレム》を立てた後に《洗脳解除》・《所有者の刻印》などでコントロール奪取するのが最も手軽な手段。
《ナイトメア・デーモンズ》・《リバイバル・ギフト》で相手フィールドに出した悪魔族トークンを奪うのも良い。
コントロール奪取は壊獣・《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》・《サタンクロース》・《原始生命態ニビル》等とも相性が良いので無理なく採用しやすい。
また、《トラゴエディア》もコントロール奪取効果を持つ悪魔族であり、加えて特殊召喚が容易でランク10のエクシーズ素材にも利用できる。
高レベルモンスターの比率が高い構築になりやすいので一撃必殺を狙える《モンタージュ・ドラゴン》も隠し味としては面白い。
《降雷皇ハモン》を狙う場合、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》とも相性が良い《レベル制限B地区》等のロックカードが基本。
しかし、それ以外の永続魔法で【ゴーレム】と相性が良いものは少ないので、最も正規召喚を狙うのが難しいと言える。
召喚時に永続魔法を用意できる下級モンスターの《ヴォルカニック・ロケット》・《宝玉獣 サファイア・ペガサス》を採用してみるのも手。
前者の場合、永続罠の《ブレイズ・キャノン・マガジン》も用意できるため《神炎皇ウリア》との併用も狙いやすい。
《神炎皇ウリア》を狙う場合、【ゴーレム】のコントロールに必要な《洗脳解除》か《拷問車輪》、壁となる罠モンスターが候補となる。
有用な妨害効果を持つ《スキルドレイン》やそれらの永続罠を守れる《宮廷のしきたり》も相性が良い。
《マジック・プランター》を採用しやすくなるため、《トレード・イン》・《闇の誘惑》と合わせて手札を回転させやすいのも利点。
永続魔法・永続罠をサーチできるため《降雷皇ハモン》と《神炎皇ウリア》の併用が狙いやすい構築。
【炎星】には3軸・4軸の2つのデッキタイプがあるが、前者は戦闘能力が低く、後者は入れ替えが激しいためデッキ内の炎舞が枯渇してしまう危険がある。
どちらの場合にも、魔法&罠ゾーンが埋まってしまった時のため三幻魔以外に《微炎星−リュウシシン》は入れておきたい。
なお、種族変更やエクストラデッキのモンスターを用いる事で悪魔族を無理やり用意して《幻魔皇ラビエル》を特殊召喚する事もできなくはない。
しかし、構築が難しくなりすぎる上にそこまでするメリットも薄いので、「出したいから」という理由以外では狙う必要性は薄い。
DDは悪魔族で構成されている上に永続魔法・永続罠の契約書と密接に関わるため、三幻魔のいずれも特殊召喚を狙える。
レベル10や、攻撃力・守備力0のものも多いのでサポートを併用可能。
《DD魔導賢者ケプラー》で《地獄門の契約書》をサーチして動くため、《神炎皇ウリア》の優先度がやや下がる。
基本的に戦力が三幻魔に依存しがちで、他のカードはその召喚・維持・1ターンキルのサポートいずれかを担う事が多い。
そのため、肝心の三幻魔が展開できなければそれ以外の殆どが紙と化す手札事故に陥り、そのまま敗北しかねない。
初動の展開を妨害するカードには特に注意を払いたい。
例えば、《エフェクト・ヴェーラー》や《無限泡影》であり、《混沌の召喚神》・《暗黒の召喚神》の(1)の発動前に無効化を受けると展開が封じられる。
(なお、《スキルドレイン》の様に永続カードによる妨害ならば、効果処理時にフィールドに存在しない《混沌の召喚神》・《暗黒の召喚神》による展開は可能となる。)
同様に《混沌の召喚神》も無効化を受けると唯の攻守0のモンスターでしかなくなり、返しのターンでは格好の的となってしまう。
サポートカードは全て闇属性なので闇属性メタの《暗闇を吸い込むマジック・ミラー》も苦手とする。