特定モンスターの全体強化系のフィールド魔法の中で最高の1200ポイントという莫大な攻撃力ボーナスを得られるフィールド魔法、《湿地草原》を中心としたデッキ。
主に「《湿地草原》下で攻撃力が2500にもなる下級モンスター《氷結界の術者》を中心にしたビートダウン重視のデッキ」と「ダイレクトアタッカーである《貫ガエル》や《ラージマウス》中心の直接攻撃重視のデッキ」の2つに分かれる。
しかしDUEL TERMINAL −混沌の覇者!!−にて、両デッキにおいて主力となりうる《氷結界の水影》が登場。これにより《氷結界の術者》をロックカードとして直接攻撃重視のデッキへ投入する意義も高まり、両者の親和性は増加したといえる。
また、ANCIENT PROPHECYでは水属性や種族統一デッキのサポートカードも複数登場。デッキ構築時の選択肢は大きく広がった。
《湿地草原》 フィールド魔法 全ての水族・水属性・レベル2以下モンスターの攻撃力は1200ポイントアップする。
《湿地草原》で自分のモンスターの攻撃力を強化したうえで攻めていく。条件はあるものの攻撃力2400でダイレクトアタックが可能な《氷結界の水影》は特に強力である。これに、直接攻撃を重視するのなら《ラージマウス》《貫ガエル》を加えて高速で相手のライフを削り、ビートダウンを重視するなら攻撃力が2000を超えることになり効果も優秀な《氷結界の術者》《スター・ボーイ》とあわせて攻めるのが基本戦術となる。
どちらの場合も、主にレベル2以下の水族、水属性モンスターが中心となるため、《レベル制限B地区》《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》《海竜神の加護》で主力モンスターを守ることができる。《一族の結束》は《湿地草原》とあわせると攻撃力2000アップとなり戦闘では大きく優位に立てるが、水族以外が墓地に落ちると効果が発揮されないので、採用の際は構築を考える必要がある。
《湿地草原》で強化できるモンスターの中で最も汎用性が高いのは《黄泉ガエル》だろうが、《黄泉ガエル》は《湿地草原》が場にあると再生できないため、採用してもガエルとしての要素か《湿地草原》を引くまでの壁の役割にとどまるだろう。
前述のとおり《氷結界の水影》は主力モンスターとしてぜひ採用したい。
また、その強力なバウンス効果により《湿地草原》が引けなかったときに時間稼ぎが出来、《湿地草原》が場にあるときには攻撃力が1950と主力級にもなる《ペンギン・ソルジャー》や、場の全ての水属性の攻撃力を500上げ、自身も《湿地草原》下では攻撃力2250にもなる《スター・ボーイ》はデッキのタイプを問わず採用できる。
このデッキに入るほぼ全てのモンスターをリクルートできる《グリズリーマザー》は手札で腐る心配はないが、《一族の結束》を採用する場合には獣戦士族であることを忘れないようにしたい。
直接攻撃を重視するなら、ダイレクトアタッカーの《貫ガエル》《ラージマウス》を多く投入することになる。《貫ガエル》の効果を重視するならリクルート能力を持ち、壁にもなる《イレカエル》《魔知ガエル》や他のガエルモンスターを採用しても良いだろう。
ビートダウン重視なら、《湿地草原》下で上級モンスターの標準を超える攻撃力を得られる《氷結界の術者》が中心になる。
他には、《砲弾ヤリ貝》《カエルスライム》等が採用候補だろうか。
《氷結界の術者》のロック効果を利用しやすくするために《氷結界の番人ブリズド》を採用しても良いだろう。
《鬼ガエル》はアタッカーとなる攻撃力を持っており、墓地に送る効果は蘇生・サルベージ手段が豊富なこのデッキにおいては間接的なサーチ手段として使える。最後のガエルを召喚できる効果を重視する場合は、【ガエル】に近いデッキ構成になるだろう。
《未知ガエル》は《湿地草原》の影響下では上級モンスターの標準に並ぶ攻撃力を持ち、更に貫通効果まで備えているので《レベル制限B地区》を使うならば、ぜひ採用したい。
また、特殊召喚時にレベル2以下のモンスターの数だけ攻撃力を上げる《ジャンク・ウォリアー》の採用も考えられる。
その場合は、シンクロ召喚の条件となる《ジャンク・シンクロン》も当然採用することとなる。
属性・種族などの面は《湿地草原》と合致しないが、レベル2以下のモンスターの蘇生効果はこのデッキでは役に立つだろう。
HEROと《融合》や《ミラクル・フュージョン》を投入すれば《E・HERO アブソルートZero》の融合召喚も狙える。
その場合は《グリズリーマザー》、《サルベージ》、《海竜神の加護》などに対応する《E・HERO アイスエッジ》が使いやすい。
言うまでもなく、《湿地草原》は3枚積み確定である。
《湿地草原》をサーチできる《テラ・フォーミング》、《湿地草原》を守る《神の宣告》《魔宮の賄賂》《フィールドバリア》等も採用すべきだろう。
デッキ内のほぼ全モンスターをサルベージ可能な《サルベージ》も是非採用したい。
デッキの構成上ほとんどのモンスターがレベル2以下となるため、《レベル制限B地区》《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》も採用候補。
シンクロ召喚を考える場合、これらのカードは《氷結界の虎王ドゥローレン》と相性が良い。
直接攻撃重視なら、《湿地草原》下でも攻撃力1500、1600の《ラージマウス》《貫ガエル》を守る、もしくは強化する必要がある。
守る場合は前述のロックカードに加え、《光の護封剣》等も採用したほうがいい。
攻めるなら《団結の力》《魔導師の力》《進化する人類》で《氷結界の水影》《ラージマウス》《貫ガエル》を強化し、出来るだけ早く勝負を決めたい。
《海竜神の加護》は攻守両方に利用でき、デッキ内のほとんどのモンスターが効果の対象となるので非常に使いやすい。
1〜2枚は投入したほうがよいだろう。
《一族の結束》は全体に800の攻撃力上昇をもたらすが、他種族の有効なモンスターやシンクロ召喚を使用しにくくなる。デッキ構築やプレイングでカバーしよう。
水属性・水族のみで統一する構成なら他にも《群雄割拠》や《御前試合》を採用してもいいだろう。
モンスターを召喚できなくなるが、《湿地草原》下で毎ターン攻撃力1700のアタッカーを生み出す《スライム増殖炉》も面白い。
《下克上の首飾り》で強化すれば、ロックパーツをすり抜けつつ高攻撃力を叩き込むことができる。
レベル2以下の低攻撃力モンスターを多用するため、《エンジェル・リフト》 《リミット・リバース》も採用の余地がある。
装備魔法とは違い、フィールド魔法は強化したモンスターが除去されても場に残るので、これらをバトルフェイズに発動し、さらなる戦闘ダメージを狙うこともできる。
シンクロモンスターを使うのならば、サポートをするカードを数枚投入してもよい。《氷結界の水影》《氷結界の術者》は攻撃力もそれなりにあるチューナーなので、《イージーチューニング》で後続を強化することもできる。
ビートダウン重視なら、《湿地草原》を使うこと以外は普通のビートダウンと攻め方はあまり変わらないので、普通に攻めていけば問題はないだろう。
直接攻撃重視なら、《湿地草原》なしの状態で攻撃力1200の《氷結界の水影》から、《湿地草原》下の《ラージマウス》《貫ガエル》の1500・1600、そして《氷結界の水影》の2400まで、相手の壁モンスターを問わず4〜7回の攻撃を決めればいいことを覚えておきたい。リクルートやサルベージ・蘇生も容易なので、最初から積極的に攻めていったほうが良いだろう。さらなる強化カードがあればもっと早く決着をつけることも可能である。
《スライム増殖炉》で特殊召喚されるスライムモンスタートークンを主力にする型。
《湿地草原》と合わせることで1700のアタッカーが毎ターン生み出されることになる。
反面このカードがフィールド上に存在すると、自分に厳しい召喚制限がかかる。
そのためモンスターが少なめの専用デッキよりの構築となるが、安定してトークン生成ができるのが大きな特徴である。
《スライム増殖炉》と《湿地草原》の両方がなければ話にならないため、《強欲で謙虚な壺》などでドローを加速するのも手だろう。
他には、《強制転移》などのコントロール交換、《痛み分け》《水霊術−「葵」》《昇天の角笛》などのリリースへの利用が主な活用法になる。
補正があるとはいえ1700はそこまで高くない数値のため、除去とカウンター罠で相手の場を空けて殴るか、《団結の力》《ヘル・アライアンス》《下克上の首飾り》などで強化して殴るかの二択となる。
トークン生成のタイミングの関係上《死神の巡遊》とも相性が良い。
採用されるモンスターが極めて限定されるだけに、《湿地草原》が無ければ勝負にならない。
効果を受けられるなかで最高の攻撃力の《氷結界の術者》でさえリクルーターにすら一方的に戦闘破壊されてしまうのだ。
だが、この点も《氷結界の水影》で多少は改善された。《氷結界の術者》をはじめとしたロックの影から殴ったり、《一族の結束》などの強化カードがあればそれなりに戦うことはできる。
しかし《湿地草原》がこのデッキの核であることは間違いないので、確実に発動できるように《テラ・フォーミング》《封印の黄金櫃》などを用意して、発動できたあとは《神の宣告》《魔宮の賄賂》《フィールドバリア》を使うなどして守りたい。
また、採用率は低いものの《メサイアの蟻地獄》《憑依するブラッド・ソウル》は天敵である。
ビートダウン重視の場合、普通のビートダウンと違いこのデッキはほぼ全てのモンスターのレベルが低いため攻撃をロックして勝つデッキには強いものの、やはりモンスター除去に弱い。
よって《我が身を盾に》やカウンター罠を投入する、罠カードを極端に少なくし《王宮のお触れ》を投入するなどの対策も行うと良いだろう。
直接攻撃重視の場合、《氷結界の水影》《ラージマウス》《貫ガエル》が無いとほぼ勝ち目はない。
これらは墓地に送られても《サルベージ》で回収は出来るが除外されると回収できないため、除外系のデッキには弱い。
サイドデッキには《D・D・R》《異次元からの埋葬》を入れておいたほうが良いだろう。