地属性・獣戦士族統一カテゴリ「十二獣」を用いたデッキ。
「重ねてエクシーズ召喚」に特化した性能により、エクシーズモンスターをどんどん重ねていく独特の動きが特徴。
下級モンスター1体からエクシーズ召喚ができるという特異な性質から安定性が非常に高く、登場直後から環境で活躍している。
《十二獣モルモラット》 効果モンスター 星4/地属性/獣戦士族/攻 0/守 0 (1):このカードが召喚に成功した場合に発動できる。 デッキから「十二獣」カード1枚を墓地へ送る。 (2):このカードを素材として持っている、 元々の種族が獣戦士族のXモンスターは以下の効果を得る。 ●1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。 手札・デッキから「十二獣モルモラット」1体を特殊召喚する。
《十二獣ブルホーン》 エクシーズ・効果モンスター ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ? レベル4モンスター×2 「十二獣ブルホーン」は1ターンに1度、 同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。 (1):このカードの攻撃力・守備力は、 このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。 (2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。 デッキから通常召喚可能な獣戦士族モンスター1体を手札に加える。
《十二獣ドランシア》 エクシーズ・効果モンスター ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ? レベル4モンスター×4 「十二獣ドランシア」は1ターンに1度、 同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。 (1):このカードの攻撃力・守備力は、 このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。 (2):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、 フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。 そのカードを破壊する。 この効果は相手ターンでも発動できる。
《十二獣の会局》 永続魔法 「十二獣の会局」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。 (1):自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象としてこの効果を発動できる。 そのカードを破壊し、デッキから「十二獣」モンスター1体を特殊召喚する。 (2):このカードが効果で破壊され墓地へ送られた場合、 自分フィールドの「十二獣」Xモンスター1体を対象として発動できる。 墓地のこのカードをそのXモンスターの下に重ねてX素材とする。
まずはこのデッキの基本的な性質を抑えておきたい。
メインデッキの十二獣は、以下の共通能力を持つ。
効果モンスター 星4/地属性/獣戦士族 (2):このカードを素材として持っている、 元々の種族が獣戦士族のXモンスターは以下の効果を得る。 ●(固有の効果)
また、十二獣のエクシーズモンスターは以下の共通能力を持つ。
エクシーズ・効果モンスター ランク4/地属性/獣戦士族/攻 ?/守 ? 「十二獣○○」は1ターンに1度、 同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。 (1):このカードの攻撃力・守備力は、 このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。
エクシーズモンスター共通の効果外テキストにより、十二獣の下級モンスター1体をフィールドに出すだけで、いきなり十二獣エクシーズモンスターをエクシーズ召喚できる。
そしてエクシーズモンスターの固有効果や、エクシーズ素材となった十二獣がエクシーズモンスターに付与した効果を使用し、更に別のエクシーズモンスターを重ねて効果を使う事で、大幅なアドバンテージを得る事ができる。
エクシーズモンスターを重ねるたびにエクシーズ素材が1つ増えるため、効果の発動コストも確保しやすい。
ただし十二獣エクシーズモンスターの攻撃力・守備力はいずれも?であり、何枚重ねてもステータス自体は強化できない。
下級モンスター級のステータスをどう補うかが課題の1つとなる。
またエクストラデッキを猛烈な勢いで消費し、エクストラデッキの十二獣が枯渇すると全く動けなくなるため、墓地の十二獣をデッキ・エクストラデッキに戻す手段も用意しておきたい。
―基本となる十二獣モンスター
ほとんどの【十二獣】に搭載されているのは以下の3種である。
ただし十二獣を出張ギミックとして初手でのみ使用するタイプでは基本的に《十二獣サラブレード》は省かれ、《十二獣ヴァイパー》も採用されない場合がある。
―その他の十二獣
上記の3枚があれば基本的な動きが一通りできるため、環境レベルではその他の十二獣はあまり採用されない。
ざっくりと言えばこのデッキは「《十二獣モルモラット》に十二獣を重ねていき、重ねるたびに効果を使ってアドバンテージを稼ぐデッキ」である。
最も基本的な展開パターンは以下の通りで、《十二獣モルモラット》1枚から任意のランク4エクシーズモンスター1体と十二獣エクシーズモンスター1体を並べることができる。
条件:フィールドに《十二獣モルモラット》1体、デッキ内に《十二獣モルモラット》が2体
結果:フィールドにエクシーズ素材2体指定のランク4エクシーズモンスター1体と攻撃力0の十二獣エクシーズモンスター1体、獣戦士族モンスターカード1枚サーチ、カード1枚破壊
- 《十二獣モルモラット》Aの上に《十二獣ワイルドボウ》を重ね、その上に《十二獣タイグリス》を重ねる。
- 《十二獣タイグリス》から《十二獣ワイルドボウ》を取り除き、《十二獣モルモラット》をリクルート。
- 《十二獣タイグリス》の上に《十二獣ブルホーン》を重ね、《十二獣ブルホーン》から素材を取り除き《十二獣モルモラット》Cをリクルート。
- 《十二獣モルモラット》B・Cを素材にランク4エクシーズモンスターをエクシーズ召喚。
- 《十二獣ブルホーン》の効果を発動し、手札に獣戦士族を加える。
- 《十二獣ブルホーン》の上に《十二獣ドランシア》を重ね、相手のカードを破壊。
手順4で《魁炎星王−ソウコ》を出せば、《炎舞−「天キ」》経由でのサーチや《炎舞−「天枢」》でさらに展開することも可能。
防御力を重視するならば《フレシアの蟲惑魔》が有効で、《十二獣ドランシア》のフリーチェーン除去と合わせ相手ターンの行動を大きく制限できる。
同じランクのエクシーズモンスター2体が並ぶので《FNo.0 未来皇ホープ》をエクシーズ召喚することもできる。
《十二獣の会局》、または《SRベイゴマックス》から《M.X−セイバー インヴォーカー》を経由することで召喚権を残したまま始動することもできる。
こちらは更に強力な展開が可能。
- 上記手順4でランク4エクシーズモンスターをエクシーズ召喚しない。
- 上記手順5で《十二獣ブルホーン》で《熱血獣王ベアーマン》をサーチ。
- 《熱血獣王ベアーマン》を妥協召喚、その効果で獣戦士族・レベル4モンスターのレベルを8にする。
- ランク8のエクシーズ召喚を行う。
- 《熱血獣王ベアーマン》、《十二獣モルモラット》B・Cの3体で《熱血指導王ジャイアントレーナー》。
- 《十二獣モルモラット》B・Cで任意のランク8エクシーズモンスター。
《熱血指導王ジャイアントレーナー》をエクシーズ召喚する場合、先攻1ターン目ならばバトルフェイズを行えないデメリットも問題ないだろう。
素材2体のランク8エクシーズモンスターの場合は《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》を優先したい。
この手順で《十二獣ブルホーン》に重ねて出した《十二獣ドランシア》はステータスの低さから、下級モンスターの攻撃で突破されやすく、それらに効果を使わざるを得ない場面が多い。
そこで《No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー》を出せば魔法カードを無効にしつつ、自身に攻撃を誘導する誘発効果で低ステータスの十二獣エクシーズモンスターや妥協召喚し攻撃力が1300に低下した《熱血獣王ベアーマン》を守りつつ《十二獣ドランシア》の単体除去でけん制することができる。
このデッキの最大の特長は、上記の流れをいずれも1枚のカードから起動できる点である。
初手からフリーチェーン除去要員を安定して立てられるという点では【ABC】と類似した性質を持つが、【ABC】の始動は最低でも2枚のカードが必要となる。
一方こちらは《十二獣モルモラット》1枚あれば始動できる上、《十二獣モルモラット》へのアクセス方法が《炎舞−「天キ」》・《SRベイゴマックス》・《十二獣の会局》と3種もあるため、事実上12枚もの「1枚で始動できる手段」を抱えている形となる。
1日に何戦もしなければならない大会において「安定している」事は優れた武器であり、この極めて高い安定性が環境での活躍に大きく貢献していると言えよう。
少ない枚数で展開できるという事は展開と無関係なカードにデッキの枠を割けるという事でもあり、罠カードや魔法・罠除去手段を多めに投入する事ができる。
これも【十二獣】の制圧力、あるいは返しのターンでの突破力につながっていると言える。
エクシーズ素材の数が増えやすい点を利用し、《ストイック・チャレンジ》で爆発的なダメージを与え1ターンキルを狙うタイプ。
例えば、《十二獣サラブレード》の上に十二獣エクシーズモンスター4枚を重ね、《十二獣ブルホーン》で《十二獣ヴァイパー》をサーチして素材化、《ストイック・チャレンジ》を装備するだけで、攻撃力4600・モンスターとの戦闘時ダメージ2倍のモンスターができ上がる。
《ストイック・チャレンジ》はモンスターとの戦闘時にしかダメージが倍加しないが、《十二獣サラブレード》が貫通を付与するため守備表示モンスター越しでも1ターンキルを狙いやすい。
応用として、《RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース》を採用すれば超攻撃力の《CX 冀望皇バリアン》を出すことも可能。
《十二獣ブルホーン》を十二獣2体による通常のエクシーズ召喚で出し、その上に十二獣エクシーズモンスター4枚を重ねてからRUMを使用しCNo.と《CX 冀望皇バリアン》を重ねれば、攻撃力はちょうど8000となる。
エクシーズ素材のなくなった十二獣エクシーズモンスターを《CNo.101 S・H・Dark Knight》や《CNo.69 紋章死神カオス・オブ・アームズ》にできるので打点補助にもなる。
【十二獣】は非常に出張しやすいカテゴリである。
戦術の項で紹介した基本的な動きを行うためにメインデッキへ投入するのは《十二獣モルモラット》3枚(+《十二獣ヴァイパー》)だけで十分。
しかも展開の途中で《十二獣モルモラット》2枚をデッキからフィールドに出してくれるので、一度展開を行えば以降のドローに半端に十二獣が混ざる心配がなく、出張先のデッキ本来の動きを阻害しにくい。
初動に《十二獣の会局》を使用すれば召喚権すら使わないので、召喚権を出張先カテゴリに回す事でさらに強力な布陣を敷くことができる。
十二獣エクシーズモンスターのためにエクストラデッキの枠を4枚消費する必要はあるものの、その点さえクリアすればほぼあらゆるデッキと混成できると言っても過言ではない。
主に《十二獣モルモラット》+《十二獣の会局》+《十二獣ヴァイパー》(デッキスペースによっては抜ける)の3種を出張させたデッキが環境で結果を残している。
出張し結果を残したデッキの例を以下に挙げる。
【幻影騎士団】との混成型。
十二獣を出張させたデッキの中でも異色のもの。
以下のギミックを組み込み、初手から安定した墓地肥やしを行いつつ、幻影騎士団の帰還を可能としている。
また【幻影騎士団】は元より《SRベイゴマックス》+《SRタケトンボーグ》の出張コンビが搭載できるデッキなので、その点でもシナジーがある。
他の【獣戦士族】に出張させれば、《炎舞−「天キ」》を共有できる。
単体では弱小なモンスターを束ねて戦うタイプのデッキであり、特殊召喚とモンスター効果封じには弱い。
《虚無魔人》などの特殊召喚全般の封印のみならず、《次元障壁》を撃たれるだけでも1ターン何もできなくなる。
特に《スキルドレイン》を貼られるとエクシーズモンスターは効果が使えないのみならず攻撃力0となってしまう。
墓地で発動する効果の持ち主も皆無な事から《スキルドレイン》には極めて弱い。
手札誘発カードなら特殊召喚を連発することから《増殖するG》か、1体のモンスターをひたすら重ねて強化するデッキなので起点を潰せる《幽鬼うさぎ》。
相手ターンに動けるカードが《十二獣ドランシア》以外特になく、耐性持ちも居ないことから、《ブラック・ホール》のような単純な全体除去も決まりやすい。
ランク4を並べる事が多いため、《エクシーズ・ユニバース》も刺さる。
ミラーマッチで有効なのが《精神操作》で、相手の十二獣を奪って効果を使った上自分の十二獣を重ねてしまう事ができる。