獣戦士族モンスターを主体にした種族統一デッキ。
この種族で統一するメリットは以下のようなものがある。
他の種族にも効果があるサポートカードが多く、獣戦士族だけをサポートするものは少ない。
コアキメイル2種も《コアキメイルの鋼核》やコアキメイルモンスターと関連した効果しか持たず、攻撃力以外の利点はない。
専用のサポートと呼べるのは《ミノケンサテュロス》くらいのものである。
そもそも、獣戦士族は、単一の種族サポートが《魔性の月》のみという状況が続き、長い間獣戦士族に縛る必要が存在しなかった。
第3期の混沌を制す者で登場した《野性解放》や暗黒の侵略者で登場した《暗黒のマンティコア》・《激昂のミノタウルス》は獣戦士族以外にも恩恵があった。
特に獣族は上記のカード以外でも《森》や《神聖なる森》の恩恵を受け、サポートが被る傾向にある。
裏を返せば、他の種族をタッチしやすいというメリットになるのだが、統一の利点が薄いことはデッキの組みにくさにも直結した。
単体で有用な獣戦士族の数の乏しさから、獣族や鳥獣族を複合した【ビースト】が【獣戦士族】の前身である。
第6期のRAGING BATTLEにて登場した獣戦士族のみをサポートする《ミノケンサテュロス》を軸にするのが一つの形となっている。
通常モンスター専用カードによって生まれたアドバンテージを、《暗黒のマンティコア》のコストに回す戦術が【獣戦士族】の基盤となった。
しかしその直後の09/09/01、上戦術の主要パーツである《生還の宝札》が禁止カードとなったため、《暗黒のマンティコア》が扱い難くなってしまった。
一方で、【ビースト】に倣った高打点の下級モンスターでゴリ押しする方が依然扱いやすくはある。
RAGING BATTLEの後にANCIENT PROPHECYで登場した《一族の結束》は他の種族を締め出すメリットを生み出した。
《激昂のミノタウルス》等が【獣戦士族】専用サポートとなるため、【ビースト】との差別化ができる。
《ミノケンサテュロス/Minoan Centaur》 効果モンスター 星6/地属性/獣戦士族/攻1800/守1000 このカードは特殊召喚できない。 このカードをリリースする事で、自分のデッキから 獣戦士族・レベル4の通常モンスター2体を特殊召喚する。
《暗黒のマンティコア/Manticore of Darkness》 効果モンスター 星6/炎属性/獣戦士族/攻2300/守1000 このカードが墓地に送られたターンのエンドフェイズ時に発動する事ができる。 獣族・獣戦士族・鳥獣族のいずれかのモンスターカード1枚を 手札または自分フィールド上から墓地に送る事で、 墓地に存在するこのカードを特殊召喚する。
《激昂(げきこう)のミノタウルス/Enraged Battle Ox》 効果モンスター 星4/地属性/獣戦士族/攻1700/守1000 このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、 自分フィールド上の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターは、 守備表示モンスターを攻撃した時にその守備力を攻撃力が 越えていれば、その数値だけ相手に戦闘ダメージを与える。
《ミノケンサテュロス》は、リリースを要する代わり、デッキ内の通常モンスターに割くスペースを圧縮できる。
特殊召喚後墓地に落ちた通常モンスターを蘇生し、《ミノケンサテュロス》のリリースに用いることで、キーカードを戦線を崩さずに引きやすくする事ができる。
これらのモンスターの動きを阻害せず、一方的に相手の戦力を奪うカードとして、《スキルドレイン》は最も効果的。
獣戦士族の得意な下級モンスターの殴り合いに持ち込みやすくなる。
《ミノケンサテュロス》の効果はデッキのみであるため、《ジェネティック・ワーウルフ》に加え、《ブラッド・ヴォルス》・《剣闘獣アンダル》をいくらか投入することが考えられる。
基本的には守備力が高く、《御前試合》の影響を受けにくい《剣闘獣アンダル》が優先されるが、コントロール奪取から剣闘獣融合モンスターを特殊召喚されるというパターンが無いわけではない。
しかしこれは自分からも狙えるので、結局は周囲の環境次第といったところか。
《スキルドレイン》との併用から《神獣王バルバロス》もアタッカーとして有効。
この場合通常モンスターサポートを共有できる《千年原人》を投入することで、《トレード・イン》を投入できる。
コンセプト自体は安定性より回転力を求めたものなので、思い切って入れるのも手だが、《神獣王バルバロス》自体は墓地より手札にあるほうが都合が良い点は留意しておこう。
リリースを確保しやすい構成ならば、小回りの利く《風帝ライザー》も有効。
手札で腐っても一応《暗黒のマンティコア》のコストにできるが、《スキルドレイン》との相性は良くない。
ただし、このデッキは《スキルドレイン》が無い場合で、それほど動きが変わるわけでもないので、《クロス・ソウル》や《大寒波》といった他のカードとのシナジーを期待したい。
デッキの通常モンスターの比率を低くすることから、《凡骨の意地》による手札増強、《決戦の火蓋》による展開はあまり期待できない。
アドバンテージ上では《闇の量産工場》が強力だが、二体の上級モンスターの存在を考慮すると、《正統なる血統》・《思い出のブランコ》による蘇生が中心となる。
通常モンスターを扱う他のデッキと比較して、《生還の宝札》の効果を使いやすいが、除外に弱くなる点には注意。
性質上上級モンスターとの戦闘に弱いため、《強制脱出装置》や《強者の苦痛》などで対処することになる。
前者は、フリーチェーンながらアドバンス召喚やシンクロ召喚したモンスターに大きな痛手を与える事ができ、後者は《スキルドレイン》を利用される恐れのある《神獣王バルバロス》や、【ドラゴン族】や【天使族】などの《群雄割拠》の影響下でも上級モンスターを並べてくるようなデッキに有効である。
どちらも直接アドバンテージを得ることは出来ないが、その分は本分の戦闘で取り戻したい。
さらに《神の宣告》が全体除去を止める役割も兼ねる点は、ハイビート系の共通項目と言える。
《スキルドレイン》・《強者の苦痛》など、守るべき対象が増える場合は《魔宮の賄賂》も検討する。
必然的に墓地にモンスターを置く必要があるため、獣戦士族のみの構成であれば《一族の結束》もなかなか強力。
【六武衆】【恐竜族】ほどの爆発力はないにせよデッキの殆どのモンスターが最上級モンスター級の攻撃力となり、《暗黒のマンティコア》も有効に働く。
同様に種族を統一する際は《群雄割拠》によって大量展開を抑え、単体での戦闘に持ち込みやすくすることができる。
ただしこれら二枚は他の種族デッキにも当てはまり、《スキルドレイン》と比較して【獣戦士族】と特別相性が良いわけでもないのでメタを読んだ上で投入を検討したい。
《洗脳−ブレインコントロール》に加え《クロス・ソウル》の投入も考えられるか。
攻撃不可のデメリットは大きいが、罠などに妨害され難いため、《ミノケンサテュロス》が特殊召喚不可な上級モンスターである点を利用した確実性の高い除去として活用できる。
投入時は《暗黒のマンティコア》は勿論、前述の通り《風帝ライザー》も考えられる。
《禁じられた聖杯》は、打点の高さから相手に使っても戦闘で負けにくく攻防共に使えるが、上級モンスターとの差までは埋められない点に注意。
基本的に《神獣王バルバロス》専用、もしくは相手モンスター効果へのカウンターと考えてよい。
【アンデット族】ほど有効活用はできないが、蘇生が可能な状況での通常モンスターや《暗黒のマンティコア》を活かせる《サンダー・ブレイク》も充分採用範囲だろう。
他の種族をタッチしやすいため、種族複合型の派生デッキが生まれやすい。
獣族や鳥獣族を複合したタイプ。
詳しくは【ビースト】を参照。
【ビースト】の亜種であり、獣族のみを採用するタイプ。【ビースト】の《野性解放》軸とほぼ同じ。
《森》や《神聖なる森》を採用しやすい。
機械族モンスターを採用することで、《獣神機王バルバロスUr》の特殊召喚を狙っていく。
《スキルドレイン》への依存が高いため、これを守るカウンター罠や、簡易《スキルドレイン》となる《禁じられた聖杯》がより重要となる。
相性の良い機械族が《可変機獣 ガンナードラゴン》以外に殆どいないという欠点を抱えるため、獣戦士族を中心とした構成になるもののシナジーに欠けており、また《獣神機王バルバロスUr》自体が単体でフィニッシャーと成り得ないことも構築難度を高くしている。
戦闘での強さを存分に発揮する前に除去を受けることも多いが、除去の手段をモンスターに依存するデッキ相手ならば、《無力の証明》によって対処できる可能性が高い。
《死皇帝の陵墓》を採用した上級モンスター軸の【獣戦士族】。
《ミノケンサテュロス》が特殊召喚できない上級モンスターであるため、相性は良いが、逆に下級モンスターの有用性も落ちてしまうため、上記の【獣戦士族】とは若干異なり大量展開の手段として用いることになる。
《暗黒のマンティコア》以外の上級モンスターには、爆発力こそ高くないが《ジャッカルの霊騎士》、《ジャッカルの聖戦士》など戦闘からアドバンテージを得られるものも存在する。
ただしこれらの上級モンスターはいずれも打点に難を抱えているため前述の戦闘補助や《超古代生物の墓場》といったカードも考慮したい。
獣戦士族は地属性が多いため、《死皇帝の陵墓》を使わせない意味でも《ガイアパワー》を投入し、《テラ・フォーミング》で使い分けるのも手。
《賢者ケイローン》の存在からある程度の手札事故は軽減できるためである。
《激昂のミノタウルス》とも相性が良いが、その範囲も含め、【ビースト】との境界が曖昧になりがちである。
幻獣と名のついたモンスターを中心に据えたデッキ。
詳しくは【幻獣】を参照。
デッキからの特殊召喚や、蘇生を封じられると根底から崩れてしまう。
下級アタッカーの存在から壊滅とまではいかないのが幸いだが、多くのカードが機能を奪われるのは大きな痛手。
最大の弱点は《王宮のお触れ》が使いにくく、モンスター効果による除去が行えないことによる罠などへの掛かり易さである。
前述の通り単体では上級モンスターを複数展開するデッキとも分が悪く、戦闘によって破壊されないカードをも有する【帝コントロール】などはその最たる例である。