05/09/01の環境の終わりごろに作られたリクルーターを中心としたビートダウン。
リクルーターが当時猛威をふるった【除去ガジェット】に採用される速攻魔法に対して耐性を持っていたことから生まれた。
デッキに大量に積まれたリクルーターで場のモンスターを途切れさせないのが狙い。
デッキ構成は【除去ガジェット】のガジェットがリクルーターに変わったようなもの。
ガジェットがハンド・アドバンテージを稼ぐのに対し、こちらはボード・アドバンテージを稼げることが特徴。
《王宮のお触れ》を採用すれば、【除去ガジェット】の通常魔法以外の除去手段をほぼ封じる事ができた。
また、【除去ガジェット】と違い、《スキルドレイン》に無効化されず、逆に利用できることが強み。
【除去ガジェット】の中でもガジェット9枚体制のタイプに効果が抜群であり、【除去ガジェット】の主流がガジェット6枚体制へシフトする遠因でもあった。
ガジェット6枚体制では《ドリルロイド》《ハイドロゲドン》《閃光の追放者》などのリクルーターに強いモンスターが採用され、このデッキやリクルーターは衰退していった。
戦闘破壊されてもフィールドにモンスターを残すことの出来るリクルーターの特性を活かし、【除去ガジェット】を強く意識した戦術をとる。
攻勢時は、低攻撃力のリクルーターで倒せないモンスターを除去で退かして直接攻撃を通す。
守勢時は、相手モンスターの攻撃を敢えて受け、戦闘破壊されることでデッキ圧縮と墓地肥やしを行う。
また、十分に墓地が肥えれば《貪欲な壺》でリクルーターを墓地に戻しつつ、ハンド・アドバンテージを稼ぐ。
そうすることでガジェットに対して手札・フィールドの両面でアドバンテージを得ながら戦うのが基本戦術である。
また、モンスター除去は《炸裂装甲》などの攻撃宣言反応型罠よりも通常魔法を選び、能動的な除去を行う。
最終的には《氷帝メビウス》《雷帝ザボルグ》の生け贄召喚からラッシュ攻撃を仕掛けてフィニッシュをねらう。
除去には《地砕き》、《地割れ》等以外に《強制転移》、《死のマジック・ボックス》が採用された。
リクルーターとの相性の良さは周知の通りだが、このデッキの場合リクルーター同士の相殺から2体展開という最良の使用法が狙えた。
また、罠カードに依存しないことから、《王宮のお触れ》を採用し、【除去ガジェット】等への耐性を向上させたタイプもあった。
《王宮のお触れ》は罠カードへのメタカードであり、【除去ガジェット】の戦術を崩す事が出来た。
当時は無制限であった《遺言状》も併せ、モンスターの高速展開とデッキ圧縮、墓地肥やしを行うという尖ったデッキとして注目された。
リクルーターの効果によってフィールドを制圧するデッキであるため、リクルーターが苦手なカードを出されると非常に脆い。
登場時点で《阿修羅》の全体攻撃や《ハイドロゲドン》の展開、ホルスの黒炎竜の魔法耐性によって、逆に制圧されてしまうという欠陥を持っていた。
また、墓地に依存しており、全体除外カードに対しても弱い。
デッキ誕生後まもなく登場したENEMY OF JUSTICEで、《閃光の追放者》が登場したことは、このデッキの淘汰を早めてしまった。
06/03/01の環境では《貪欲な壺》、《遺言状》が制限カードになり、《魔のデッキ破壊ウイルス》の制限緩和とかなり不利な制限改訂を受けてトーナメントシーンからは退場となった。
その他の衰退の理由は「防御を捨ててガジェットを殴り倒すことに特化しており、他のモンスターに対して脆かったため」である。
「ガジェット」とノーガードの殴り合いをするのではなく、他のモンスターへの対策をすることでリクルーター系デッキはなんとか生き残ることになる。
その一つは《スキルドレイン》であり、当時「閃光会」とさえ呼ばれた2006年選考会において6位の戦績を残した【スキドレバブーン】はリクルーター型のデッキであった。
とはいえ、純粋にリクルーターを大量投入したデッキではなく、リクルーターに特化するならば、魔法・罠の採用に工夫が必要であった。
その一つが、《王宮のお触れ》を《王宮の弾圧》に変え、《盗賊の七つ道具》を3枚積みして、《奈落の落とし穴》を入れて弱点を解消した【弾圧リクル】である。
一種のモンスター除去として《王宮の弾圧》を採用したタイプ。
相手の特殊召喚を一方的に阻害。自分は リクルーターにより、難なく特殊召喚を成す。
特殊召喚を介さず能力を発揮する上級モンスターと相性が良く、帝の重要性が増す。
ただし、相手が特殊召喚をしなかったり、相手もリクルーターを採用する場合、《王宮の弾圧》が無用の長物と化す。
つまり、対【除去ガジェット】やミラーマッチでは余り役に立たない事である。
モンスター除去だけでなく、対効果モンスターとして《スキルドレイン》を採用したタイプ。
リクルーターの戦闘破壊や除去を狙ってくる効果モンスターに対して有効。
フィールドで効果を発動・適用する上級モンスターと相性が悪いため、帝 等を採用しにくい。
打点を稼ぐなら《神獣王バルバロス》、【メタビート】的にするなら《ライオウ》が選択肢に入る。
上記のデッキにカウンター罠を採用したタイプ。
罠カードを軸とするため、《王宮のお触れ》が投入できず、相手の罠カードに弱くなる。
その対策に加え、《王宮の弾圧》や《スキルドレイン》の拘束力を高めるのに使用できる。
除去デッキというよりロックデッキとなるが、強いメタを張る場合には有効。