*【上級スピリット】 [#w87ec6e6]
#contents
**[[デッキ]]の概要 [#f8568301]
 [[スピリット]][[モンスター]]の中でも際立って強力な[[上級]][[スピリット]][[モンスター]]を駆使し、[[フィールド]]や[[手札]]を制圧していく[[デッキ]]。~
 [[下級]]主体の[[【スピリット】]]との最大の違いは、あちらが[[手札]]に戻る[[効果]]を最大限活かしていくのに対し、こちらは場に維持するための手段を確保していく点である。~
 同じ[[【スピリット】]]でありながら、その性質は全く異なったものと言っても過言ではないだろう。

 《伊弉凪/Izanagi》
 効果モンスター
 星6/風属性/天使族/攻2200/守1000
 このカードは手札のスピリットモンスター1体をゲームから除外し、
 手札から特殊召喚する事ができる。
 このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
 自分フィールド上に存在するスピリットモンスターは
 エンドフェイズ時に手札に戻る効果を発動しなくてもよい。

 《八汰鏡/Mirror of Yata》
 装備魔法
 スピリットモンスターにのみ装備可能。
 装備モンスターはエンドフェイズ時に手札に戻る効果を発動しなくてもよい。
 装備モンスターが戦闘によって破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する。

 [[【スピリット】]]では少々使い勝手が悪かった[[上級]][[モンスター]]達が主役となる。~
 遊戯王OCGにおいて最も重要視される[[手札]][[アドバンテージ]]を[[《火之迦具土》]]の一撃で吹き飛ばし、自らは[[《八俣大蛇》]]で一気に補充する。~
 そんな強力な[[効果]]を持った[[上級]][[スピリット]]が、手札に戻ることなく[[フィールド]]上に残って相手を圧倒する。この豪快さこそがこの[[デッキ]]の魅力である。

**[[デッキ]]構築に際して [#t3ff6ab9]
***[[モンスターカード]]について [#l0204967]
-[[最上級]][[スピリット]]~
[[キーカード]]となる[[上級]][[スピリット]]の二体は共に[[炎属性]]の[[最上級]][[モンスター]]なので、[[アドバンス召喚]]のフォローに[[《炎を支配する者》]]を入れるのも良いだろう。~
真っ当な[[リリース]]を避けるなら[[召喚]]手段は[[《死皇帝の陵墓》]]だけとなり、構築も必然的に[[【死皇帝の陵墓】]]に近い形になる。~
このように[[召喚]]までの苦労は相変わらずだが、出した後の維持は[[THE DUELIST GENESIS]]で登場した[[《伊弉凪》]]と[[《八汰鏡》]]のお陰でかなり楽になっている。

--[[《火之迦具土》]]~
[[デッキ]]の切り札であり、最高の[[フィニッシャー]]として働く。~
[[攻撃力]]が非常に高いので、[[フィールド]]に維持できれば相手を圧倒できるだろう。~
ただし、その際は[[コントロール奪取]]に細心の注意を払わなければならない。~
この[[デッキ]]にとって[[手札]]を全て失うことは「死」を意味するからだ。

--[[《八俣大蛇》]]~
非常に強力な[[ドロー]]加速効果を持ち、[[《伊弉凪》]]の重い[[コスト]]をフォローできる。~
地味ながら非常に高い[[守備力]]を誇り、[[守備表示]]で維持すれば[[戦闘]]での[[破壊]]は困難を極める。~
このデッキは[[上級]][[スピリット]]を[[破壊]]されると途端に戦線が崩れやすくなるため、3000打点でも破壊できない高守備力は非常に嬉しい。

-[[上級]][[スピリット]]~
[[スピリット]]の[[上級]][[モンスター]]は強力な[[効果]]を持っているものが多いが、その反面[[攻撃力]]は[[上級モンスター]]の基準となる2400ラインに達していない。~
とは言えこのデッキにおいては[[《死皇帝の陵墓》]]が主軸となることが多いため、むしろ相手が[[最上級モンスター]]を[[召喚]]してくる可能性の方が大きいか。

--[[《伊弉凪》]]~
このカード自身は[[スピリット]]ではないが、実質的に【上級スピリット】専用のモンスターと言っていい。~
場に出ていれば[[スピリット]]の[[手札]]に戻る効果を発動せずに済み、[[上級]][[スピリット]]を場に維持するには必須となる最重要カード。~
また、[[手札]]の[[スピリット]]を除外して[[特殊召喚]]することが可能なため、[[上級]][[スピリット]]が集まることによる[[手札事故]]のリスクをある程度回避でき、また打点も2200と[[《サイバー・ドラゴン》]]を超える。~
[[特殊召喚]]「できる」効果であるため、[[手札コスト]]が気にかかるなら[[《死皇帝の陵墓》]]を使って普通に[[召喚]]してもよい。

--[[《砂塵の悪霊》]]~
生きる[[《ライトニング・ボルテックス》]]であり、[[除去]]の乏しいこの[[デッキ]]においては貴重な[[除去]][[カード]]となる。~
[[《死皇帝の陵墓》]]軸であれば1000[[ライフ]][[コスト]]を払うだけで毎ターン[[《ライトニング・ボルテックス》]]が飛んで来る。~
効果の起動は召喚時であり、[[攻撃力]]も[[《伊弉凪》]]や[[《大和神》]]同等の2200打点なので、無理に[[《伊弉凪》]]の効果で場に残す必要はない。

--[[《大和神》]]~
相手[[モンスター]]を[[戦闘破壊]]した時、相手の[[伏せカード]]一枚を[[破壊]]することができる。~
[[スピリット]]では貴重な[[伏せ除去]]効果であるが、[[戦闘破壊]]を介さなければならないため、こちらの効果が重要になる機会は余りない。~
このカードで重要なのは、墓地の[[スピリット]]を[[除外]]することで[[特殊召喚]]できることである。~
[[特殊召喚]]ができないために[[墓地]]利用の手段が乏しい[[スピリット]]では、[[墓地]]の[[カード]]を[[除外]]することはさしたる[[ディスアドバンテージ]]にはならない。~
壁として[[セット]]され破壊された[[《磨破羅魏》]]などを[[除外]]するだけで、[[攻撃力]]2200のモンスターが[[特殊召喚]]できる。~
[[通常召喚]]できないために手札に複数来ると腐りやすいが、その場合には[[《伊弉凪》]]のコストにしてしまえば良い。

--[[《偉大天狗》]]~
相手モンスターを[[戦闘破壊]]した時、次の相手のターンの[[バトルフェイズ]]をスキップする効果を持つ。~
[[バトルフェイズ]]を行わないと[[メインフェイズ2>メインフェイズ]]に入れないというルール上、相手モンスターを破壊し続けることができれば相手の行動の大部分を抑制できる。~
しかし、この効果を最大限利用するためには、相手の場に[[戦闘破壊]]できる[[モンスター]]を毎ターン置いておくなどの専用ギミックが必要になってくる。~
元々事故率が高いこのデッキに、更に専用のコンボパーツを組み込んで回転させるのは至難の技であるため、このカードを主軸にする場合には専用のデッキを組んだ方が良いだろう。→[[【偉大天狗コントロール】>#k110da68]]

-[[下級モンスター]]~
[[下級モンスター]]はできるだけ[[フィールド]]に維持できるものを採用したほうがよい。~
[[下級]][[スピリット]]は[[《伊弉凪》]]の[[コスト]]として多少必要になってはくるものの、このデッキは[[《死皇帝の陵墓》]]の関係上[[ライフ]]が減りやすいので、[[スピリット]]であることに拘らないのであればもっと場持ちの良い[[モンスター]]を採用した方が無難。~
[[上級]]スピリットを多めに投入する場合は手札で余ったそれらを[[コスト]]にすれば良いので、[[下級]][[スピリット]]の数は抑えても構わない。

--[[下級]][[スピリット]]~
採用するなら、単体で役立つ[[《阿修羅》]]か、[[《伊弉凪》]]の下で[[リリース]]要員となれる[[《金華猫》]]だろうか。~
[[手札事故]]が怖い[[デッキ]]なので、それを避けるために[[《磨破羅魏》]]も悪くない選択肢である。~
[[《金華猫》]]を採用する場合には、この[[モンスター]]の[[効果]][[対象]]になるレベル1[[モンスター]]を入れるのを忘れないように。~
候補としては[[《ものマネ幻想師》]][[《グレイブ・スクワーマー》]]などが挙げられ、後者を採用する場合は、[[《死のデッキ破壊ウイルス》]]も一応候補になり得る(但し現在は禁止カード)。~
上記のカードを採用するなら[[《終焉の焔》]]も入れておくことで[[戦闘ダメージ]]や[[コントロール奪取]]にも耐性が出来、[[《死のデッキ破壊ウイルス》]]のコストにもなる。~

--[[《ジャイアントウィルス》]][[《素早いモモンガ》]]~
フィールドに複数展開が可能な[[モンスター]]も、[[上級]][[スピリット]]の[[アドバンス召喚]]を狙う場合は重要になる。~
特に後者は[[ライフ]][[回復]]を兼ねるので、[[《死皇帝の陵墓》]]のライフコストを賄うこともできる。

--[[《炎を支配する者》]]~
[[フィニッシャー]]である[[《火之迦具土》]]および[[《八俣大蛇》]]は共に[[炎属性]]の[[最上級]][[モンスター]]であるため、[[アドバンス召喚]]の補助になる。~
このカードを投入する場合には[[《UFOタートル》]]も是非欲しい。デッキにスペースがあるなら、互いに[[リクルート]]し合える[[《仮面竜》]]を投入すれば[[デッキ圧縮]]兼壁役にもなる。

--[[《魂を削る死霊》]][[《マシュマロン》]][[《アルカナフォース0−THE FOOL》]]~
場持ちの非常に良いこれらの[[モンスター]]も相性が良い。壁役兼[[アドバンス召喚]]の[[リリース]]として用いられる。~
[[《黄泉ガエル》]]も考えられるが、[[《死皇帝の陵墓》]]との相性は悪いので注意。

***[[魔法・罠カード]]について [#x4d81bb5]
-[[《死皇帝の陵墓》]]~
非常に重い[[上級]][[モンスター]]が主軸となるので、ほぼ必須カードとなる。~
これに頼る場合には当然[[《テラ・フォーミング》]]も3枚積み確定。早期の一撃で戦意を喪失させることを最優先にするなら[[《スター・ブラスト》]]も投入の余地がある。~
他のカードも[[《ハリケーン》]][[《非常食》]]など、このカードに[[シナジー]]するものを中心に採用する。特に後者はこのカードのライフコストも賄うことができる。

-[[《八汰鏡》]]~
[[上級]][[スピリット]]の維持手段であり、こちらも是非複数枚投入したい。~
[[戦闘破壊]]を一度だけ防ぐことができ、またこのカードが[[墓地]]に送られても、[[召喚]]した[[ターン]]の[[エンドフェイズ]]でなければ[[スピリット]][[モンスター]]の手札に戻る効果は発動しない。~
ただし、[[戦闘破壊]]以外の[[モンスター効果]]や[[魔法・罠カード]]の効果を防いでくれる訳ではないので、おまけ位に考えておいた方が良いだろう。

-[[《ビッグバン・シュート》]][[《H−ヒートハート》]][[《草薙剣》]]~
[[《火之迦具土》]]と[[《八俣大蛇》]]の攻撃をいかに通すかが重要になるため、[[貫通]]できるカードはほぼ必須となる。~
基本的には[[装備魔法]]カードであり、[[《死皇帝の陵墓》]]の都合上[[デッキ]]に入れやすい[[《ハリケーン》]]との[[シナジー]]がある[[《ビッグバン・シュート》]]になるだろう。~
[[《H−ヒートハート》]]は使い捨てではあるが、攻撃力の上昇値が[[《ビッグバン・シュート》]]に比べて100高く、[[《八俣大蛇》]]で3000打点のモンスターを[[戦闘破壊]]することが可能になる。~
[[《草薙剣》]]は[[スピリット]]専用の[[貫通]][[装備魔法]]だが、【上級スピリット】では[[スピリット]][[モンスター]]を[[フィールド]]に維持することが重要になるためシナジーは薄く、攻撃力の上昇もないので[[《ビッグバン・シュート》]]を入れる方が無難。

-[[《八尺勾玉》]]~
[[スピリット]]専用の[[ライフゲイン]][[装備魔法]]。ライフコストの厳しいこのデッキでは貴重な[[回復]]源になり得る。~
しかし、このデッキでは相手に戦闘ダメージを与えることが優先されるため、上記の[[貫通]]効果カードに比べると優先度は落ちる。~
これらに加えてこのカードまで投入するとなると手札事故の確率が跳ね上がるので、投入する場合はデッキと相談したい。

-[[《強制転移》]]~
[[スピリット]]にとって定番である[[《強制転移》]]だが、この[[デッキ]]ではあまり必要はない。~
[[下級]][[スピリット]]を多めに投入する場合には採用の余地があるが、基本的には[[《金華猫》]]を採用する際に数枚挿しておくだけで十分だろう。

-[[《神秘の中華なべ》]]~
このデッキにおいて最も注意すべき[[《火之迦具土》]]の[[コントロール奪取]]対策になる。~
[[《死皇帝の陵墓》]]のライフコストも賄えるので、デッキに一枚挿しておくと意外と機能する。

 罠カードは、[[リリース]]要員確保のために罠[[モンスター]]を採用するか、ライフゲインに[[《ドレインシールド》]]を用いる手もある。~
 しかし、このデッキは[[リバース]]や攻撃反応型[[罠カード]]などが非常に厄介なデッキなので、思い切って[[《王宮のお触れ》]]一本にしてしまうのもありだろう。

**[[デッキ]]の派生 [#sbf25339]
***【偉大天狗コントロール】 [#k110da68]
 [[《八汰鏡》]]と抜群の[[シナジー]]を発揮する、[[《偉大天狗》]]を主軸に据えた[[デッキ]]。~
 [[バトルフェイズ]]をスキップし続ければ、[[戦闘]]を介して[[発動]]する[[効果]]をかなり抑制できることになる。~
 [[《タイム・イーター》]]との更なる[[コンボ]]も魅力の一つ。~
 ただし、全体的な[[攻撃力]]は控えめなので、他の[[上級]][[モンスター]]の力も借りたいところ。

 →類似[[デッキ]][[【チャルアイーター】]]

**この[[デッキ]]の弱点 [#fadd6fba]
 圧倒的なパワーと引き換えに、安定性は著しく低下してしまっている。~
 手札が[[上級]][[スピリット]]で埋め尽くされると非常に苦しいため、構築段階から慎重に[[カード]]の比率を見極めなければならない。~
 また、[[スピリット]]共通の弱点として[[ハンデス]]に弱い。~
 [[上級]][[スピリット]]を維持している間は問題無さそうに見えるが、[[《火之迦具土》]]を奪われると一転、阿鼻叫喚の地獄絵図となってしまう。~
 [[墓地]]利用の手段として[[《大和神》]]を入れたいところだが、根本的な解決にはならないだろう。

 反面、[[《縮退回路》]]がちっとも怖くないのは嬉しいポイントである。

**代表的な[[カード]] [#rda3149f]
-[[《火之迦具土》]]
-[[《八俣大蛇》]]
-[[《伊弉凪》]]
-[[《死皇帝の陵墓》]]

**関連リンク [#wbe87b38]
-[[スピリット]]

-[[【スピリット】]]

-[[デッキ集]]