《名推理》や《モンスターゲート》を使い、デッキからモンスターを特殊召喚し攻めていくデッキ。
デッキの安定性は高くはないが、爆発力は申し分ない。
強力な効果を持つ、上級モンスター・最上級モンスターを特殊召喚し、パワーで押し切ろう。
このデッキの一番の醍醐味はなんと言っても、上級モンスター・最上級モンスターが、次々とフィールドに召喚されることだろう。
多くのデッキに投入されている《氷帝メビウス》《死霊騎士デスカリバー・ナイト》、生け贄なしで召喚できるレベル4以下のモンスター等を抑え、敬遠されがちな大型モンスターがふんだんにデッキに投入される。
このデッキは運の要素が非常に大きく、相手はもちろん、自分でもどんなモンスターが召喚されるかわからない。
アニメGXで十代と戦ったティラノ剣山が感じたような、ワクワクするデュエルが楽しめるだろう。
《モンスターゲート/Monster Gate》 通常魔法 自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる。 通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキをめくり、 そのモンスターを特殊召喚する。 他のめくったカードは全て墓地に送る。
《名推理/Reasoning》 通常魔法 相手プレイヤーはモンスターのレベルを宣言する。 通常召喚が可能なモンスターが出るまで自分のデッキからカードをめくる。 出たモンスターが宣言されたレベルと同じ場合、めくったカードを全て墓地に送る。 違う場合、出たモンスターカードを特殊召喚し、残りのカードを墓地へ送る。
《モンスターゲート》については、発動コストとして、モンスター1体を生け贄に捧げる必要があるが、《名推理》と違い、安定して特殊召喚を行うことができる為、確実性が高い。
生け贄には、《黄泉ガエル》や《スケープ・ゴート》等をコストにすれば、ディスアドバンテージが少ない。
《洗脳−ブレインコントロール》で相手モンスターを生け贄にするのも良い。
《名推理》については、相手が宣言したレベルと同じにならないように、採用するモンスターのレベルの比重を偏らせないデッキ構築が必要となる。
一番狙われるのは《混沌の黒魔術師》や《創世神》等、このデッキにマッチし、強力な効果を持つモンスターを擁するレベル8。
他にも特殊召喚をサポートし、3枚投入できる《D−HERO ダッシュガイ》が存在するレベル6もそれなりに宣言される可能性が高い。
《D−HERO ダッシュガイ》が墓地に送られる分には問題ないのだが、モンスターががら空きになる点には注意したい。
逆にレベル5と7及び4以下は宣言されにくいので、そこを上手く狙ってモンスターを投入しよう。
総じて、これらのモンスターをデッキから特殊召喚するカードについて、レベル5以上のモンスターが出れば良いが、通常召喚で事が足りる下級モンスターが特殊召喚された時は、ディスアドバンテージとなることが多い。
特に《モンスターゲート》は、発動にモンスター1体を生け贄にする為、大きく損をすることとなる。
また、これらのキーカードの効果で、《ライトロード・ビースト ウォルフ》をめくった場合、効果処理が継続され、別のモンスターを特殊召喚後、《ライトロード・ビースト ウォルフ》も蘇生する為、一度に複数のモンスターを特殊召喚できる。
しかし、《ライトロード・ビースト ウォルフ》は通常召喚できず、手札にきてしまった場合、死に札になる可能性が非常に高い。
《創世神》のような優良な効果もなく、このデッキにつきまとう手札事故の確率がさらに高まるので、採用枚数には十分気をつけたい。
モンスターの選定は、特殊召喚が可能で、単独でも活用でき、かつ影響力が大きい効果を備えるモンスターであることが選定基準となる。
ゆえに、生け贄召喚時に効果を発動する「帝」モンスターや《超伝導恐獣》等の攻撃力が高いだけのモンスターは装備カード等で攻撃力はいくらでも代替できる為、優先度は低くなる。
表側表示で特殊召喚される為、リバース効果モンスターの採用も難しい。
《混沌の黒魔術師》や《創世神》、《D−HERO ダッシュガイ》は、特に優秀な効果を持つ為、優先して投入されやすい。
《D−HERO ダッシュガイ》の特殊召喚効果はこのデッキのコンセプトに非常に合致している為、3枚フルに投入してもいいだろう。
《D−HERO ダッシュガイ》を複数枚投入する場合、《E・HERO エアーマン》を採用すれば、《D−HERO ダッシュガイ》をサーチでき、さらに下級モンスターである為、手札事故も回避でき、デッキの安定性を上げるという面でも、とても優秀なサポートカードとなる。
《E−HERO マリシャス・エッジ》は、《E・HERO エアーマン》でサーチでき、生け贄軽減効果は手札事故の軽減につながり、さらに高攻撃力による貫通効果を持つ為、併せて投入すると良いだろう。
《黄泉ガエル》もほぼ必須カードと言える。
なぜなら、特殊召喚を主眼とするデッキでありながら、発動に生け贄を要する《モンスターゲート》が3枚フルに投入されているからである。
もちろん、上級モンスターの生け贄に役立ち、手札事故の軽減になることも大きい。
また、手札事故が発生した際、ブロッカーとして働き、ダイレクトアタックを防いでくれる点も見逃せない。
《冥府の使者ゴーズ》の特殊召喚条件も阻害しにくい点も評価できる。
《冥府の使者ゴーズ》もこのデッキに有能に機能する。
自身の効果は手札事故の軽減につながり、冥府の使者カイエントークンの攻撃力が低くても、《モンスターゲート》のコストとなり、さらなる強力なモンスターを特殊召喚する為の呼び水となるからである。
《創世神》の、墓地のモンスターを完全蘇生させる効果は、上級モンスター・最上級モンスターがふんだんに投入されているこのデッキでこそ真価を発揮する。
強力な効果を持つ最上級モンスターを特殊召喚することで、フィールドを制圧することができるからである。
手札を墓地に送る効果も、墓地で効果を発動する《D−HERO ダッシュガイ》や《ダンディライオン》を送ればメリットにもなりうる。
手札の最上級モンスターを墓地に送り、次のターンに蘇生させても良い。
しかし、これら良い事だけではなく、この強力なモンスター効果を使用するには、このモンスターをフィールドに召喚しなければならず、さらにこのカードは蘇生制限がある為、《モンスターゲート》の効果でデッキから特殊召喚できればよいが、手札に存在する状態では、生け贄が2体必要となり、手札事故を要因となる。
強力なモンスター効果に目を奪われ、デッキに複数枚投入すると、手札事故で何もできないまま負けてしまう可能性がある。
《ヒーロー見参》や《洗脳−ブレインコントロール》等でサポートし、フィールドに召喚できる手段を増やそう。
《混沌の黒魔術師》は、召喚制限がない上、召喚するだけで、大きなアドバンテージを得ることができる。
特に、強力な制限カードを回収できれば、リターンは大きい。
さらにデッキ構築時に様々な種類の魔法カードを投入することで、その時々で戦況に応じたカードを回収し、色々な局面を柔軟に対応することができる。
また、破壊したモンスターを除外する効果も強く、使用率の高い《クリッター》や《巨大ネズミ》等の各種リクルーターの効果も封殺でき、ひいては相手の墓地のカードを削ることにもつながり、有意性は極めて高い。
《サイバー・ドラゴン》は、攻撃力も高く、自身の効果で簡単に特殊召喚することができるので、手札事故を防ぐとともに、通常召喚の機会も潰さず、さらなるモンスターの展開が可能である為、有意性が非常に高い。
また、相手が機械族モンスターを召喚している場合や、自分の[[《人造人間−サイコ・ショッカー》 ]]や《リボルバー・ドラゴン》がコントロール奪取や《死者蘇生》等で蘇生された場合、《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》で除去することができ、機械族対策としても有効に機能する。
このように、様々な局面で活用できる為、1枚以上は投入しておきたいところである。
《青氷の白夜龍》は、自身の高い攻撃力と、汎用性が高く、かつ強力なパワーカードである《収縮》や《次元幽閉》に強いという大きなメリットがある。
《万能地雷グレイモヤ》等、対象を取らない効果やモンスター効果には耐性がない為、過信はできないものの、最上級モンスターに恥じぬ高い機能性を有している。
また、モンスター効果で破壊されることを見越して、《竜の騎士》につなげるのも選択肢の一つである。
《竜の騎士》の効果は、ダメージステップ中には発動できないものの、指名されにくいレベル7であり、汎用性が高い《ならず者傭兵部隊》や《氷帝メビウス》が無制限であること等、効果を生かす機会は多く訪れるだろう。
《神獣王バルバロス》は、特殊召喚できれば攻撃力3000のモンスターに、手札に来てしまった場合でも、生け贄なしでもアタッカーとして使用できる為、手札事故の防止に役に立つ。
《モンスターゲート》や生け贄召喚等で生け贄を多く要するデッキである為、発動できる機会は少ないものの、《黄泉ガエル》や《ダンディライオン》等でうまく生け贄を3体を揃えることができれば、誘発効果で相手フィールド上を一掃することができる。
《レベル制限B地区》等でロックされ、膠着状態に陥った場合、この誘発効果で戦況を打開できるかもしれない。
キーカードである、《名推理》と《モンスターゲート》は3枚フルに投入することが前提となる。
魔法カードのみならず、罠カードにも言えることだが、フィールド上に残り続けないカードを採用すると良い。
そうすることにより、《黄泉ガエル》が機能し、頭を悩ませ続けている、《モンスターゲート》のコストや上級モンスターの生け贄に何度も使用することができ、スピーディーにモンスターを展開できる。
また、相手に《冥府の使者ゴーズ》の脅威を与えることもできる。
《洗脳−ブレインコントロール》は、手札事故防止の有効な手段であり、《モンスターゲート》の発動コストや手札に来た上級モンスターの召喚に役立つ。
生け贄を多用するこのデッキにとって、相手モンスターの除去を行いつつ、生け贄を用意できるこのカードの存在は大きい。
同様の理由で《クロス・ソウル》の採用も考えられるが、裏側表示モンスターも生け贄に使用でき、ライフコストもないという利点はあるものの、デメリットであるバトルフェイズを行えないことは、攻撃性重視のこのデッキにとって非常に痛手となる。
最悪、相手がコントロール奪取系のカードを使用してきた場合、せっかく苦労して召喚した最上級モンスターを未使用のまま相手に渡すことになる。
《封印の黄金櫃》は、その場に応じたカードをデッキからピンポイントにサーチすることができる為、手札事故の回避から攻めの一手にも使用できる。
やや遅効性ではあるものの、《クリッター》とは違い、《モンスターゲート》で召喚されてしまうというデメリットはなく、サーチできるカードの種類を問わないところも非常に有能である。
《スケープ・ゴート》は、生け贄召喚のための生け贄には使用できないものの、《モンスターゲート》の生け贄には使用でき、さらに手札事故の際には、相手のダイレクトアタックから身を守るのにも有効である。
また、羊トークンは《D−HERO ダッシュガイ》の攻撃力アップ効果の生け贄にも使用する等、その他色々な局面で役に立つ。
足りない場合は、《終焉の焔》で代替するのも良い。
《デビルズ・サンクチュアリ》は、生け贄召喚のための生け贄に使用できる為、上級モンスター召喚のサポートになる。
《スケープ・ゴート》のような「召喚・反転召喚・特殊召喚」を封じられるデメリットはない為、色々な状況にスピーディーに対応することができる。
【スタンダード】に投入される《地砕き》や《エネミーコントローラー》等の単体で使用できる強力な魔法カードを投入することで、《混沌の黒魔術師》が回収できる魔法カードの種類が増え、その時々で戦況に応じたカードを回収し、使用することができる。
《死皇帝の陵墓》は、《黄泉ガエル》や《冥府の使者ゴーズ》を阻害する上にライフコストも厳しい為、このデッキには合わないが、同じ最上級モンスターを多用する【死皇帝の陵墓】で使用したい。
レベル8モンスターが多い場合、《トレード・イン》を採用することで、手札で腐ってしまったレベル8モンスターを捨て、手札事故を回避すると共に、蘇生につなげることができる。
しかし、このカードの存在は、「デッキにレベル8モンスターが多い」ことを相手に悟られてしまう問題がある。
それにより、《名推理》による特殊召喚が難しくなり、3枚投入されている《名推理》が全て死に札になってしまう可能性が高く、一長一短な部分がある。
デッキ名称でもコンセプトでもある《名推理》が機能しなくては、デッキとして崩壊しているのかもしれない。
罠カードでは《ヒーロー見参》が趣向としては合っている。
高攻撃力のモンスター陣を闇属性で固めて、《魔のデッキ破壊ウイルス》や《闇のデッキ破壊ウイルス》を狙うのもいい。
《死霊ゾーマ》や《メタル・リフレクト・スライム》などの罠モンスターも採用候補。
これらはデッキの中では罠カードであるため、《名推理》《モンスターゲート》に引っかかる心配がない。
楽しむ事を念頭に置いたデッキである以上、派手な効果を持つモンスターを優先的に選んでいきたい所。
面白い選択肢としてはレベル3の枠に《記憶破壊者》を入れたりレベル1の枠に《カオス・ネクロマンサー》を入れたり等。
勿論、2戦目からの選択肢としてレベル4の枠に《王虎ワンフー》や《霊滅術師 カイクウ》等を挟むのも悪くは無い。
ちなみに、レベル9のモンスターのうち《名推理》《モンスターゲート》で特殊召喚可能なのは《モイスチャー星人》《ハネクリボー LV9》のみ。
もし《名推理》を使った際これを当てられたら、むしろ相手を褒め称えるべきだろう。
ただし、《モイスチャー星人》は特殊召喚した場合効果を発動できないことに注意。
ちなみに安定性より派手さを求めるならモンスターの殆どをレベル5以上にする手もある。
引きが良ければ1ターンキル並みの速攻性を誇るが、引きが悪いと何も出来ないまま負けたりする。あくまでお好みで。
敬遠されがちな最上級モンスターの派手な効果をふんだんに使うことができる。
高い攻撃力と強力な効果を持つ最上級モンスターの次々と展開できる為、フィールドの制圧力は非常に高い。
また、手札が尽き、フィールドに展開できるカードが尽き、追い詰められた状態でも、ドロー次第で状況を逆転することができる。
攻撃力重視のデッキの為、弱点が非常に多い。
特殊召喚を主体に行うので、《昇霊術師 ジョウゲン》や《王宮の弾圧》をプレイされると、何もできなくなる。
また、《モンスターゲート》や生け贄召喚を封じられる、《霧の王》や《生贄封じの仮面》にも弱い。
上級モンスターを多用するデッキなので《N・グラン・モール》や《アビス・ソルジャー》を筆頭とするバウンス効果にも弱い。
手札事故もまた然りである。
最初に発動した《名推理》・《モンスターゲート》の効果で、デッキ内の全ての《名推理》・《モンスターゲート》が墓地に送られてしまった場合、勝利することは非常に難しくなる。
デッキの特性上、《魔導戦士 ブレイカー》や《氷帝メビウス》等の魔法・罠の除去を行う汎用的モンスターと特殊召喚は相性が悪い為、魔法・罠の除去手段が他のデッキと比べて乏しく、《レベル制限B地区》や《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》を使用する、【ロックバーン】を苦手とする。
中でも【デッキ破壊】とは非常に相性が悪い。
上記のように《レベル制限B地区》などのロックパーツで攻撃が止まることも挙げられるが、それ以上に、《カオスポッド》の効果が発動されるととてもつらい。
高レベルモンスターを多く採用するこのデッキでは、ボード・アドバンテージでいくら優位に立っていようと、これ1枚でフィールドが一掃されてしまう。
ただでさえ、《名推理》と《モンスターゲート》でデッキ圧縮が行われている中、さらに多くのカードがデッキから墓地に送られるので、相手のライフポイントが削り切る前にデッキ切れになってしまう。
怪しいと思った裏側守備表示モンスターは、運が絡むものの《ブローバック・ドラゴン》等で対処していきたい。
《名推理》か《モンスターゲート》のどちらか一方でも、《封魔の呪印》で使用不能になった場合、攻撃力は格段に下がる。