【伝説の都 アトランティス】

デッキの概要

 Mythological Age −蘇りし魂−で登場した《伝説の都 アトランティス》を軸にした【水属性】《海》デッキ

《伝説の都 アトランティス/A Legendary Ocean》
フィールド魔法
このカードのカード名は「海」として扱う。
手札とフィールド上の水属性モンスターはレベルが1つ少なくなる。
フィールド上の水属性モンスターは攻撃力と守備力が200ポイントアップする。

デッキ構築に際して

 《伝説の都 アトランティス》を採用した場合は以下のような利点があり、これらの事を考慮したデッキ構築が望まれる。

  1. 《海》に関連したカードを採用できるようになる。
  2. 水属性モンスターレベルが下がる。
  3. 攻撃力守備力のアップにより、戦闘面で強くなる。

 全体強化以外は珍しい効果であるため、その独自性を生かした構成になる。

《海》関連の代表的なモンスター

 《海》関連モンスターのほとんどが第4期以前に登場しているので、現在の環境では合わないカードが多い。
 第4期後半からは関連モンスターが増えなかったが、第6期には《コダロス》が登場している。

水属性レベル4以下のモンスターについて

 《レベル制限B地区》《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》等を採用する場合に重要となるレベル域。
 《伝説の都 アトランティス》サーチする《アトランティスの戦士》の他に必須カードはないが、《海》関連の下級モンスターリクルートリリース要員となる《グリズリーマザー》はどの構築でも非常に有用で、実質必須カードとなっている。
 その他は【水属性】で採用される下級モンスターを投入して構わない。
 《深海のディーヴァ》《コダロス》との相性がよく、《コダロス》効果シンクロ召喚を安全に行え、《深海のディーヴァ》効果を活用することで高レベルのシンクロモンスターシンクロ召喚できる。
 その場合レベル3の海竜族も必要だが、打点強化につながる《ニードル・ギルマン》がいるため事故率を上げない構築が可能。
 その他にもメリット付きアタッカーとなる《アビス・ソルジャー》《アームズ・シーハンター》リクルーター潰しの《ハイドロゲドン》バウンス全体強化を併せ持つ《ペンギン・ナイトメア》など、選択肢は実に豊富。
 《フィッシュボーグ−ガンナー》を投入してシンクロ召喚に繋げることもできるが、《伝説の都 アトランティス》があると高レベルシンクロ召喚に繋げにくいため、《コダロス》などによる除去が必要だろう。

水属性レベル5のモンスターについて

 レベル5の水属性で強力な攻撃力を持つモンスター、例えば《ギガ・ガガギゴ》などをリリースなしで通常召喚できるようになる。
 また、《ウォーターハザード》による特殊召喚も可能になり、通常モンスター《ギガ・ガガギゴ》《ジェノサイドキングサーモン》なら《悪魔への貢物》にも対応できる。
 魚族海竜族水族《忘却の海底神殿》への対応が可能になる点も見逃せない。

水属性レベル7のモンスターについて

 こちらはリリースを1体減らすことができる。

 その他の水属性モンスターも、《伝説の都 アトランティス》攻撃力が上がる事や、豊富な水属性サポートカードを共有できる事から、採用する意味は十分にある。

その他のモンスター

魔法・罠カードについて

デッキタイプの分類

 上記のカードを全て採用するわけにはいかないため、デッキタイプ別に採用されやすいカードを挙げると共にコンセプトもまとめる。
 ただし、《コダロス》によるコントロール型以外は単一のコンセプトで統一するには候補が不足気味であるため他のデッキタイプのギミックをタッチする事も考慮したい。

《コダロス》によるコントロール

 《コダロス》による複数除去を行うタイプ。
 《伝説の都 アトランティス》フィールド上になくなりやすい事が下記のタイプと異なる。
 レベル5以上のモンスターは最小限にとどめて、レベル4以下のモンスターを軸にした戦い方をする。
 他の《海》関連のカードの効果を生かし難いため、【水属性】で採用されるレベル4以下のモンスターが主力となり、構築の自由度が高い。
 さらに《コダロス》効果レベルの調整や伏せカード除去など、他のタイプよりシンクロ召喚を狙いやすいため、現在の環境でもある程度戦える実力を持つ。

レベルモンスター軸のビートダウン

 《ギガ・ガガギゴ》《ジェノサイドキングサーモン》《巨大戦艦 クリスタル・コア》等でビートダウンするタイプ。
 《伝説の都 アトランティス》が来ない場合の保険として《黄泉ガエル》等の投入もある。
 全体強化の効果も相まって下級モンスターには簡単に殴り負けない数値となる一方除去手段に乏しく、攻撃力が高いだけで戦術が物足りないと感じることが多いだろう。
 何より、メインとなる水属性レベル5のモンスターの選択肢が少なすぎることが最大の問題。
 さらに、より強力な上級モンスター召喚できる【死皇帝の陵墓】の登場もあって、このタイプは衰退してしまった。

レベル4以下モンスター軸のビートダウン

 《水陸両用バグロス Mk−3》《マーメイド・ナイト》を採用したタイプのビートダウン
 また、《フィッシュボーグ−ガンナー》自己再生が容易となるメリットもあり、シンクロ召喚に繋げる事もできる。
 もしくは《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》《レベル制限B地区》を採用したタイプ。
 なお、10/09/01の環境において《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》《レベル制限B地区》は共に制限カードであり、全体的にアタッカーに対抗できるカードが少ないためこのタイプは主流ではなくなっている。

《暗黒大要塞鯱》による除去

 《暗黒大要塞鯱》《砲弾ヤリ貝》《魚雷魚》を軸としたタイプ。
 《砲弾ヤリ貝》《魚雷魚》は通常のビートダウンには不向きなカードであり、コントロールデッキの要素が強い。
 単体では役に立たないことから、《砲弾ヤリ貝》《魚雷魚》は複数積む必要は余りない。
 複数積むよりもこれらをリクルートできる《グリズリーマザー》を採用した方が事故を回避しやすい。
 理論上《伝説の都 アトランティス》がなくとも機能するが、その場合別途リリース要員の確保が必要になり現実的ではない。
 現環境ではかなり強引に狙わないとまともに機能しないことも多く、構築が難しくなっている。
 しかしそれ以上に《コダロス》でより簡単に除去が実現できるようになったことが構築難度を大幅に跳ね上げている。

このデッキの弱点

 《伝説の都 アトランティス》に依存したデッキ構成となるために、《伝説の都 アトランティス》を破壊されると戦術が崩壊してしまうことになる。
 上級モンスター手札に溜まって手札事故を起こしたり、《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》《レベル制限B地区》自分モンスター攻撃できない状態に陥る。
 《伝説の都 アトランティス》等の存在を前提とした効果レベルモンスターがほとんどなため、これがないとカードパワーの問題で押し切られやすい。

デッキの変遷

 《伝説の都 アトランティス》は登場当時は、カードプールが乏しかった。
 レベル5は《伝説のフィッシャーマン》レベル7は《水魔神−スーガ》が最強モンスターであった。
 《海》関連も《伝説のフィッシャーマン》《深海の戦士》の2枚のみであり、魔法カード効果を受けないモンスターである。
 当時としては「モンスター除去魔法カード耐性があるデッキ」は珍しかったが、打撃に欠けていた。
 《ウォーターワールド》下級モンスターを主体にした方が手札事故も少なく、打点も高かった。

 このデッキが大きく強化されたのは《海》関連が多数登場した、第3期の暗黒の侵略者である。
 エースアタッカー《ギガ・ガガギゴ》フィニッシャー《海竜−ダイダロス》等が登場し、大きな変革が起きた。
 その後、ファラオの遺産《レベル制限B地区》が登場したことで【フィフティ・フィフティ】の戦術も確立されていく。
 さらに第4期にこのデッキをテーマとしたストラクチャーデッキ−海竜神の怒り−が登場。
 選考会での結果こそないが、この時期はある程度の地位を確立していた。

 しかし、その後は長らく強化は無く頭打ちを迎え、《レベル制限B地区》《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》の制限強化などによってデッキは衰退の一途をたどることになる。
 さらに第6期にシンクロ召喚の登場で、《伝説の都 アトランティス》レベルを下げてしまう効果デメリットが目立つようになった。
 ANCIENT PROPHECYABSOLUTE POWERFORCEにてシナジーのあるカードが大量に追加され大幅に強化されたものの、シンクロ召喚が台頭する現環境では展開力に乏しく、大会などの主流デッキには及ばない感が否めない。

代表的なカード

関連リンク