Mythological Age −蘇りし魂−で登場した、《海》として扱う《伝説の都 アトランティス》を軸にした【水属性】。
フィールド魔法を軸としたデッキでは最も長い歴史を持つ。
《伝説の都 アトランティス/A Legendary Ocean》 フィールド魔法 このカードのカード名は「海」として扱う。 このカードがフィールド上に存在する限り、 フィールド上の水属性モンスターの攻撃力・守備力は200ポイントアップする。 また、お互いの手札・フィールド上の水属性モンスターのレベルは1つ下がる。
《伝説の都 アトランティス》の利点を考慮してデッキ構築を行いたい。
全体強化以外は珍しい効果であるため、その独自性を生かした構成になる。
ただ、レベルが下がる効果は、シンクロ召喚をする際にはデメリットになりやすいため、代わりに《海》や《忘却の都 レミューリア》を投入することも考えられる。
《海》に関連するモンスターのほとんどは第4期以前に登場したものであるため、現在の環境では合わないカードが多い。
これらの多くは終盤のフィニッシャーとしては有効なものの、序盤や中盤でアドバンテージを稼ぎ辛い。
よってこれらを採用する場合、第6期に登場した《コダロス》をはじめとするカードのサポートが必要となる。
シンクロ召喚のギミックをうまく使うことで、これまでとは一線を画す戦術展開が可能になる。
以前は展開力が非常に乏しいがために難しかったシンクロ召喚のギミックも、サポートの追加により取り入れられるようになった。
ただし、《伝説の都 アトランティス》の影響下では全てのモンスターのレベルが下がってしまうのでレベル調整が難しくなることに注意。
そのためチューナーとして運用するならば、なるべく《コダロス》と組み合わせたい。
《コダロス》の除去効果でシンクロ召喚を安全に行え、チューナーの効果を活用することで高レベルのシンクロモンスターをシンクロ召喚できる。
《コダロス》の戦闘破壊されやすい欠点も補えるため両者は相性が良い。
また、《サルベージ》の発動条件も容易に満たせるためこちらも投入したい。
上記のカードを全て採用するわけにはいかないため、デッキタイプ別に採用されやすいカードを挙げると共にコンセプトもまとめる。
ただし、《コダロス》によるコントロール型以外は単一のコンセプトで統一するには候補が不足気味であるため他のデッキタイプのギミックをタッチする事も考慮したい。
《コダロス》による複数除去を行うタイプ。
【水属性】で採用されるレベル4以下のモンスターを主力にできることから構築の自由度が高い。
通常より《海》として扱えるカードがフィールドから離れやすいが、数を多く投入するため、他の《海》関連のカードの効果も十分に生かせる。
が、《伝説の都 アトランティス》の維持にはこだわらないためレベルを下げる効果は生かしづらい。
これはシンクロ召喚を狙う上では好都合で、《深海のディーヴァ》との相性は抜群。
その他、《コダロス》であらかじめ伏せカードを除去する、《ウォーターハザード》で展開をサポートするなど、シンクロ召喚への布石が豊富。
構築に成功すれば、現在の環境でもある程度戦える実力を持つ。
《ギガ・ガガギゴ》・《ジェノサイドキングサーモン》・《巨大戦艦 クリスタル・コア》等でビートダウンするタイプ。
《伝説の都 アトランティス》が来ない場合の保険として《黄泉ガエル》等の投入もある。
全体強化の効果も相まって下級モンスターには簡単に殴り負けない数値となる一方除去手段に乏しく、攻撃力が高いだけで戦術が物足りないと感じることが多いだろう。
より強力な上級モンスターを召喚できる【死皇帝の陵墓】の登場もあって、このタイプは衰退してしまった。
《かつて神と呼ばれた亀》と《後に亀と呼ばれる神》の二体による特殊召喚封殺型。
相手の特殊召喚を封じつつこちらは《血の代償》や《二重召喚》などでモンスターを並べてフィールドを制圧していく。
特殊召喚が当たり前のように行われるデッキにはかなりの拘束力を見せる一方、キーカードとなる二体をいかに素早くフィールドに並べて守りぬくかが課題となる。
《水陸両用バグロス Mk−3》や《マーメイド・ナイト》を採用したタイプのビートダウン。
基本的に《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》・《レベル制限B地区》等を採用し、自分のみが攻撃できるようにする。
しかし、11/09/01の環境において《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》が無制限カードに緩和されたとはいえ、全体的にアタッカーに対抗できるカードが少ないためこのタイプは主流ではなくなっている。
またエクシーズモンスターの登場により、ロックの突破が容易になったことも悩ましい。
《暗黒大要塞鯱》や《砲弾ヤリ貝》・《魚雷魚》を軸としたタイプ。
《砲弾ヤリ貝》・《魚雷魚》は通常のビートダウンには不向きなカードであり、コントロールデッキの要素が強い。
単体では役に立たないことから、《砲弾ヤリ貝》と《魚雷魚》は複数積む必要は余りない。
複数積むよりもこれらをリクルートできる《グリズリーマザー》を採用した方が事故を回避しやすい。
理論上《伝説の都 アトランティス》がなくとも機能するが、その場合別途リリース要員の確保が必要になり現実的ではない。
現環境ではかなり強引に狙わないとまともに機能しないことも多く、構築が難しくなっている。
しかしそれ以上に《コダロス》でより簡単に除去が実現できるようになったことが存在意義を大き脅かしている。
《海》として扱う《伝説の都 アトランティス》に依存したデッキ構成となるために、《伝説の都 アトランティス》を破壊されると戦術が崩壊してしまうことになる。
上級モンスターを中心にすると手札に溜まって手札事故を起こしたり、《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》・《レベル制限B地区》で自分のモンスターが攻撃できない状態に陥る。
シンクロ召喚を中心とした構成であれば、上記のような手札事故にはなりにくいものの、そもそも《海》の存在を前提とした効果のモンスターが中心となるため、これがないとカードパワーの問題で押し切られやすい。
また、モンスター効果が重要なため《スキルドレイン》や、除外に弱いカードが多いため《マクロコスモス》等も弱点となるだろう。
フィールド魔法に比重を置くため、どうしても除去罠カードの採用枚数が少なくなる。
これによって、速攻型のデッキも苦手とする。
《伝説の都 アトランティス》は登場当時は、カードプールが乏しかった。
レベル5は《伝説のフィッシャーマン》、レベル7は《水魔神−スーガ》が最強モンスターであった。
《海》関連も《伝説のフィッシャーマン》と《深海の戦士》の2枚のみであり、魔法カードの効果を受けないモンスターである。
当時としては「モンスター除去魔法カードに耐性があるデッキ」は珍しかったが、打撃に欠けていた。
《ウォーターワールド》と下級モンスターを主体にした方が手札事故も少なく、打点も高かった。
このデッキが大きく強化されたのは《海》関連が多数登場した、第3期の暗黒の侵略者である。
エースアタッカーの《ギガ・ガガギゴ》やフィニッシャーの《海竜−ダイダロス》等が登場し、大きな変革が起きた。
その後、ファラオの遺産で《レベル制限B地区》が登場したことで【フィフティ・フィフティ】の戦術も確立されていく。
さらに第4期にこのデッキをテーマとしたストラクチャーデッキ−海竜神の怒り−が登場。
選考会での結果こそないが、この時期はある程度の地位を確立していた。
しかし、その後は長らく強化は無く頭打ちを迎え、《レベル制限B地区》や《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》の制限強化などによってデッキは衰退の一途をたどることになる。
さらに第6期にシンクロ召喚の登場で、《伝説の都 アトランティス》のレベルを下げてしまう効果はデメリットが目立つようになった。
しかし、ANCIENT PROPHECY・ABSOLUTE POWERFORCEにてシナジーのあるカードが大量に追加され大幅に強化された。
特に優秀な除去要員の《コダロス》の登場と、シンクロ召喚することを前提にした構築ができる程に展開力が強化されたことが大きい。
とはいえシンクロ召喚が台頭する現環境ではまだ展開力が十分とはいえず、大会などの主流デッキには及ばない感が否めず、復権を果たしたとは言いづらい。