EXTRA PACK 2015で登場した彼岸を中心としたビートダウンデッキ。
彼岸モンスターはほとんどが墓地へ送られた場合に発動する効果を有しており、戦闘破壊や除去、コストによる損失を即座に回復できるのが特徴。
そのため非常に息切れしにくく、高い持久力に物を言わせて物量差で相手を圧殺する戦法を得意とする。
元は海外先行カテゴリであり、圧倒的なアドバンテージ獲得能力から初登場以降海外環境でトップメタを張り続けた実績を持つ。
《彼岸の悪鬼 グラバースニッチ/Graff, Malebranche of the Burning Abyss》 効果モンスター 星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守1500 「彼岸の悪鬼 グラバースニッチ」の(1)(3)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。 (1):自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない場合に発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。 (2):自分フィールドに「彼岸」モンスター以外の モンスターが存在する場合にこのカードは破壊される。 (3):このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。 デッキから「彼岸の悪魔 グラバースニッチ」以外の 「彼岸」モンスター1体を特殊召喚する。
《彼岸の悪鬼 ガトルホッグ/Cir, Malebranche of the Burning Abyss》 効果モンスター 星3/闇属性/悪魔族/攻1600/守1200 「彼岸の悪鬼 ガトルホッグ」の(1)(3)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。 (1):自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない場合に発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。 (2):自分フィールドに「彼岸」モンスター以外の モンスターが存在する場合にこのカードは破壊される。 (3):このカードが墓地へ送られた場合、 「彼岸の悪鬼 ガトルホッグ」以外の自分の墓地の 「彼岸」モンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを特殊召喚する。
《彼岸の悪鬼 スカラマリオン/Scarm, Malebranche of the Burning Abyss》 効果モンスター(準制限カード) 星3/闇属性/悪魔族/攻 800/守2000 「彼岸の悪鬼 スカラマリオン」の(1)(3)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。 (1):自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない場合に発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。 (2):自分フィールドに「彼岸」モンスター以外の モンスターが存在する場合にこのカードは破壊される。 (3):このカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズに発動できる。 デッキから「彼岸の悪鬼 スカラマリオン」以外の 悪魔族・闇属性・レベル3モンスター1体を手札に加える。
《彼岸の旅人 ダンテ/Dante, Traveler of the Burning Abyss》 エクシーズ・効果モンスター(制限カード) ランク3/光属性/戦士族/攻1000/守2500 レベル3モンスター×2 (1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、 自分のデッキの上からカードを3枚まで墓地へ送って発動できる。 このカードの攻撃力はターン終了時まで、 この効果を発動するために墓地へ送ったカードの数×500アップする。 (2):このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。 (3):このカードが墓地へ送られた場合、 このカード以外の自分の墓地の「彼岸」カード1枚を対象として発動できる。 そのカードを手札に加える。
彼岸モンスターは墓地へ送られた場合に何らかのアドバンテージを生み出す効果を持つ。
そのためこちらもモンスターを墓地へ送るカードを多く採用し、能動的に動ける様に構築したい。
―メインデッキの彼岸モンスター
《彼岸の鬼神 ヘルレイカー》以外は全て闇属性・レベル3・悪魔族で統一されており、自分フィールドに彼岸以外のモンスターがいると自壊するデメリットを持つ。
《彼岸の旅人 ダンテ》の効果との兼ね合いも考えると、モンスターカードは極力彼岸で固め、且つ比率を高めにしておきたい。
どのような構築でも必須となるのは以下の3枚。
―その他のモンスター
上記の通り彼岸下級モンスターは彼岸以外のモンスターがフィールドにいると自壊するデメリットを持つ。
そのため彼岸モンスターの展開を阻害せず、かつその中でも特に相性が良いものに絞りたい。
彼岸下級モンスターは全てレベル3で統一されているため、ランク3のエクシーズモンスターが主力となる。
彼岸関連以外に必須となるカードは少ないため、選択肢にはある程度余裕が生まれやすい。
―相性の良いエクシーズモンスター
彼岸下級モンスターは自分の魔法&罠ゾーンにカードが無い場合に自身を手札から特殊召喚できる共通効果を持つ。
そのため魔法&罠ゾーンをいつでも空けられるよう、通常魔法やフリーチェーンのカードを中心に採用する。
コストを要するカードを無理なく採用できる一方で、彼岸の(1)の効果との兼ね合いから《奈落の落とし穴》の様な発動条件付きの罠カードはやや採用しづらい。
―その他相性の良い魔法・罠カード
まずは《彼岸の旅人 ダンテ》をエクシーズ召喚し、墓地を肥やすところから始まる。
《魔界発現世行きデスガイド》や彼岸下級モンスターの(1)の効果を駆使すれば、1ターン目からのエクシーズ召喚は容易。
また墓地肥やしの過程で上手く特殊召喚効果を持った彼岸を墓地に送れるかどうかも、デュエルを有利に進めるための重要な要素となる。
例として《彼岸の悪鬼 グラバースニッチ》の効果で《彼岸の悪鬼 ガトルホッグ》をリクルートできれば、相手ターンに除去を受けても次々と後続を展開できる。
エクシーズ素材から墓地に送られても発動するため、場合によってはこれらを敢えて《彼岸の旅人 ダンテ》の素材として残すプレイングも考えられる。
立ち回り次第では相手に除去手段を浪費させた挙句、こちらはほぼ無傷で自分ターンを迎えることすら可能。
この無尽蔵ともいえる戦線維持力こそがこのデッキの最大の持ち味である。
その後も随時状況に応じた彼岸を墓地に送りながらアドバンテージを稼いでいく。
一度布陣が整った後はサーチや特殊召喚した彼岸をコストに除去を連発し、相手が態勢を立て直す前にモンスターを大量展開してゲームエンドに持ち込む。
レベル6の儀式モンスター《彼岸の鬼神 ヘルレイカー》を中心とした構築。
《善悪の彼岸》共々《儀式の下準備》でサーチできるのが利点であり、レベル3の儀式魔人を採用すればリリース要員も用意しやすい。
特に《儀式魔人リリーサー》は相手の特殊召喚のみを一方的に封じられるので、展開力の高い【ペンデュラム召喚】系列のデッキに刺さる。
エクストラデッキに戦力を依存させやすいこのデッキは《浮幽さくら》等に弱いので、メインデッキで戦えるカードを持っておくことは重要である。
《善悪の彼岸》自体が(2)の効果の汎用性が高いので、儀式召喚出来ない場合でも墓地へ送っておけば役立つのもポイント。
デッキの大半を罠カードと速攻魔法で固め、【メタビート】寄りに構築したタイプ。
殆どのモンスター効果が墓地で発動する関係上《スキルドレイン》との相性は特に抜群であり、こちらは展開力を維持したまま相手だけを一方的に縛ることが出来るのが利点。
《魔界発現世行きデスガイド》等の効果も使えなくなるが、これらは1ターン目に《彼岸の旅人 ダンテ》をエクシーズ召喚できれば十分役目を果たせるので問題ない。
これ以外にも《昇天の角笛》・《死のデッキ破壊ウイルス》・《マスク・チェンジ・セカンド》等を併用して相手を徹底的に妨害し、リソースが尽きた所で勝負を決めに掛かる。
《彼岸の旅人 ダンテ》はコストによる墓地肥しに専念し、アタッカーは《永遠の淑女 ベアトリーチェ》や《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》に任せることになるだろう。
16/04/01以前の環境ではこれに《魔封じの芳香》をフル投入し、【EM】と【帝王】に対抗する構築も見られた。
同じくランク3のエクシーズ召喚と墓地肥やしを得意とする【幻影騎士団】との混合デッキ。
レベル3の幻影騎士団モンスターとファントム罠カードを数枚程度採用するのが基本となる。
各種ファントムやランク4エクシーズモンスター等の存在により、このデッキの弱点の一つである低い打点をカバーできるのが特長。
属性も同じ闇属性なので《マスク・チェンジ・セカンド》等を併用できる点でも相性がいい。
ランク3のエクシーズ召喚を得意とする【スピードロイド】との混合デッキ。
《SRベイゴマックス》・《SRタケトンボーグ》で簡単にランク3を作る事ができる。
《SRベイゴマックス》の特殊召喚条件を満たせばエクシーズ素材という面では実質的に召喚権を使わない《魔界発現世行きデスガイド》になる。
また、《SR三つ目のダイス》を採用すれば《彼岸の詩人 ウェルギリウス》もシンクロ召喚でき、《トーテムバード》により魔法・罠カードを防ぐ事もできる。
17/01/01に《SRベイゴマックス》が制限カードに指定されたため、現在は構築がほぼ不可能になっている。
上記の2つをさらに混ぜたデッキ。
《SRベイゴマックス》・《SRタケトンボーグ》で簡単にランク3を作る事ができる。
16/04/01で彼岸の主要パーツが規制された事により、その穴を埋める形で出来上がった。
そういった背景があるために、名前こそ【彼岸】の派生だがサポートカードを加味すると【幻影騎士団】のパーツの方が多く、省略時に【彼岸】なのか【幻影騎士団】なのかは意見が分かれる。
更に《超カバーカーニバル》と《EMディスカバー・ヒッポ》を採用した【SREM幻影彼岸】も登場後には見られるようになった。
上記以外の展開方法はデッキによって異なり、《簡易融合》を採用し、《魔装騎士ドラゴネス》・《サウザンド・アイズ・サクリファイス》を投入して展開や除去を行う、《ギャラクシー・ワーム》等でランク3を作ると言ったこれまでにない戦法も見られる。
その高い展開力やシナジー、相手への妨害能力が上手く噛み合っていることもあり、規制直後でありながら16/04/01以降の環境ではトップメタの一角に数えられた。
現在は【SR彼岸】同様の理由で構築がほぼ不可能になっている。
お互いの手札・フィールドをリセットしつつアドバンテージを稼ぐ【ファンカスノーレ】のギミックを投入したデッキ。
基本的には《天魔神 ノーレラス》をデッキから墓地へ送りつつ《ファントム・オブ・カオス》を《トランスターン》でリクルートする動きになる。
通常の【ファンカスノーレ】よりもアドバンテージを稼ぎやすく、種族・属性が同じなのでサポートも共有しやすいのが特長。
墓地利用に大きく依存したデッキの宿命として、墓地へ送るカードを除外するカードには滅法弱く、特に《M・HERO ダーク・ロウ》にはサーチの妨害もされる。
《閃光の追放者》も下級モンスターで戦闘破壊できるのが《彼岸の悪鬼 ガトルホッグ》しかいないので動きを制限されやすい。
モンスターの大半が闇属性なので、《暗闇を吸い込むマジック・ミラー》でも同様に完封されてしまう。
さらに一部の彼岸は《連鎖除外》も受け、同名カードを根こそぎ除去される恐れがある。
これらを確実に破壊するためにもメインデッキから《ハーピィの羽根帚》といった除去手段を用意しておきたい。
あまりメジャーではないが、相手フィールド上に特殊召喚できるモンスターも彼岸下級モンスターのデメリットを誘発するため非常に厄介。
特に《飛翔するG》はサイドデッキに採用されることも多く、《激流葬》で破壊する等の対策が必要になってくる。
彼岸は全体的にステータスが低く、それを高い展開力と豊富な除去手段で補っている。
そのため耐性を持った高攻撃力モンスターの攻略手段に乏しく、《アポクリフォート・キラー》あたりを出されると突破はほぼ絶望的となる。
幸いこれらのモンスターは召喚に何らかの下準備が必要な場合が多いため、素材の時点で潰すなどプレイングでカバーしていきたい。
また【ペンデュラム召喚】のようなこのデッキと同等以上の持久力を持つ相手と戦う場合も、戦況が膠着した果てにデッキ切れに陥る可能性がある。
状況次第では墓地肥やしの速度を落とすか、《彼岸の沈溺》等で確実に相手を消耗させ早期決着に持ち込む必要があるだろう。
《彼岸の旅人 ダンテ》への依存度が高いため、それを直接除去してくるカードも厄介。
エクストラデッキの主力モンスターをピンポイントかつ大量に墓地へ送る《轟雷帝ザボルグ》、除外してくる《浮幽さくら》や《魔海城アイガイオン》などは天敵となり得る。
ただ、《浮幽さくら》に関してはレベルの関係上こちらも採用しやすいカードであり、ミラーマッチの際には役に立つ存在にもなる。
その他、エクストラデッキの展開を封じてくる【アモルファージ】や【バスター・ブレイダー】なども苦手にしやすい。