【不死武士ターボ】

説明

 自己再生効果を持つ《不死武士》を使ったターボデッキ
 《不死武士》《生還の宝札》のコンボによってドロー加速を行い、大量の除去を絡めて《不死武士》を軸にビートダウンを行っていく。
 《生還の宝札》影響下でいかに効率良く《不死武士》蘇生していくかが鍵。
 低攻撃力モンスターによるビートダウンが基本であり、戦術自体は【除去ガジェット】に通じる物がある。
 しかし、09/03/01の制限改訂で《増援》《生還の宝札》制限カードとなり、大きな痛手を受けた。

 そのため現在はターボデッキとしてではなく純正【戦士族】ビートダウンデッキとして扱われている。
 またANCIENT PROPHECY《一族の結束》が登場したことで、このデッキの戦力が大幅に上昇した。
 その反面《奈落の落とし穴》発動され除外されてしまう可能性があることも忘れてはならない。

《不死武士/The Immortal Bushi》
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻1200/守 600
このカードは戦士族モンスターの生け贄召喚以外の生け贄にはできない。
自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、
自分フィールド上にモンスターカードが存在しない場合、
このカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
この効果は自分の墓地に戦士族以外のモンスターが存在する場合には発動できない。
《生還の宝札/Card of Safe Return》
永続魔法(制限カード)
自分の墓地からモンスターがフィールド上に特殊召喚された時、
デッキからカードを1枚ドローする事ができる。
《一族の結束》
永続魔法
自分の墓地に存在するモンスターの元々の種族が
1種類のみの場合、自分フィールド上に表側表示で存在する
その種族のモンスターの攻撃力は800ポイントアップする。

デッキ構築に際して

 《不死武士》戦士族以外のモンスター墓地に存在すると自己再生しないので、基本的には戦士族で完全に統一する。
 これは厳しいように思われるが、戦士族には優秀なモンスターが多く存在しているうえ《一族の結束》が無理なく使用できると考えればそこまで悪い条件ではない。

モンスターについて

かつては《D−HERO ディスクガイ》を組み込むことで、安定的で爆発的なドロー加速が可能だった。本体が《終末の騎士》《E・HERO エアーマン》で簡単にサーチできる上、《生還の宝札》があるときに《不死武士》を蘇生し、《D−HERO ディスクガイ》《早すぎた埋葬》等で蘇生、《不死武士》をリリースして《光帝クライス》を召喚、効果で《D−HERO ディスクガイ》と蘇生に使ったカードを破壊すれば、蘇生カードのみの損失でなんと6枚ものカードがドローできた。
これも特別にコンボを考えずともデッキを回しているうちに自然と実現する状況だったため、このデッキの名前が【不死武士ターボ】?であることはここに由縁している。
現在は《D−HERO ディスクガイ》が禁止カードに設定されているためこのようなターボは不可能であり、《生還の宝札》の制限化もあって【不死武士ターボ】はその中身を実質的にビートダウンデッキに変貌させられてしまった。

魔法・罠カードについて

 《生還の宝札》《不死武士》と相性が良く、このデッキキーカードの1つである。
 制限カードな上、永続魔法故にサーチしにくいのが欠点だが、複数回のドローも期待可能なため、投入しておきたい。
 場合によっては《封印の黄金櫃》によるサーチも視野に入れたい。

 《一族の結束》《生還の宝札》が制限化された今、第二のキーカードとして採用できる。
 デッキの性質上戦士族に完全統一する必要があり、《終末の騎士》のお陰で墓地にモンスターが存在しないときは珍しいので腐る状況はほぼ皆無と言えるだろう。
《不死武士》でさえ攻撃力2000のアタッカーとして活躍させられるこのカードは是非採用したい。
 しかしその場合《奈落の落とし穴》を意識した慎重なプレイングが必要とされる。

 戦士族デッキである以上、《増援》《戦士の生還》も当然採用。
 特に前者は制限カードに指定されるほど強力なサポートカードである。

 基本的に戦士族で統一する事になるため《群雄割拠》もごく自然に投入する事が可能。
 効力の度合いが相手デッキに依存するのが難点だが、相手デッキ次第ではモンスターの展開を大きく制限できる。
 こちらは影響を一切受けずにモンスターを展開していけるので、ボード・アドバンテージをとりやすくなる。

 《不死武士》自己再生以外に特殊召喚方法を《死者蘇生》くらいしか採用しないなら《王宮の弾圧》も採用候補になる。
 一見、《不死武士》との相性は最悪に見えるが、《不死武士》スタンバイフェイズ中であれば何度でも自己再生できる。
 よって、いくら800のライフコストを払おうが《不死武士》自己再生は半永久的に続くため、相手からすれば止めるだけ無駄なのである。
 《自爆スイッチ》《巨大化》等を除けばライフロスメリットになる事はほとんど無いので、問題なく共存が可能。
 【剣闘獣】を筆頭に特殊召喚が多用される現在の環境に加え、裁定変更によるパワーアップ化で強力なカードとなっているので、試してみる価値は十分にある。

 《スキルドレイン》も採用を検討できる。
 《不死武士》自己再生効果墓地発動するため、《スキルドレイン》の影響下でも問題なく運用可能。
 だがこちらもモンスター効果が制限されてしまう点には注意が必要である。
 相性の良い下級戦士族《不死武士》に加え、《ならず者傭兵部隊》《ゴブリン突撃部隊》《ダーク・ヒーロー ゾンバイア》など。

 《不死武士》レベル3なので、《レベル制限B地区》《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》といったロックカードを採用するのもありだろう。
 《不意打ち又佐》《ミスティック・ソードマン LV2》を併用すれば、一方的に攻撃していく事も可能。

 《光帝クライス》を採用する場合、相性が良い《強欲な瓶》《砂塵の大竜巻》等のフリーチェーンカードを投入しても良い。
 特に《砂塵の大竜巻》は天敵の《次元の裂け目》《マクロコスモス》破壊できるため、少なくともサイドデッキに用意しておきたい。
 手札を稼ぎやすいので《ライトニング・ボルテックス》《サンダー・ブレイク》《鳳翼の爆風》等も優秀な除去カードとして投入を検討できる。

 ドロー加速を重視するなら《エンペラー・オーダー》を入れてみるのも手である。
 持て余した《終末の騎士》蘇生対象が墓地にいない時の《ジャンク・シンクロン》効果ドローに変換できる。
 相手ドローを許すが、ガジェット《ヴォルカニック・ロケット》サーチ《魔導戦士 ブレイカー》除去効果も封じられる点も評価できる。

デッキの派生

【不死武士パーミッション】

 戦士族に種族統一した上で多くのカウンター罠を積み、常にフィールドに存在しうる《不死武士》の特性を利用してフィールドを制圧してゆく。
 ドロー加速によって手札を潤わせることで、カウンター罠及び手札コストを常に用意できる。
 《不死武士》自己再生のおかげで相手モンスター除去は半ば無視してしまえるため、マストカウンターも絞りやすい。
 ただし、《不死武士》は自身の制約により《昇天の角笛》発動コストに利用できない点は注意。
 《スキルドレイン》を併用する場合は、《異次元の女戦士》等のモンスター効果による除去を無視する事ができる上、《天罰》《D.D.クロウ》用に温存する事ができる。

【不死武士ワンフー】

 《不死武士》《王虎ワンフー》による無限ループにより《生還の宝札》を絡めた無限ドローを決めるギミックを搭載した【不死武士ターボ】?
 《王虎ワンフー》が自分フィールド上に存在すると《不死武士》蘇生できないので、《死のマジック・ボックス》等で相手フィールド上にコントロール転移する。
 相手にこちらの狙いバレバレとなってしまうので、少なくとも1ターン《王虎ワンフー》を守る工夫が必要。
 《生贄封じの仮面》に頼るのが一般的か。
 《王虎ワンフー》墓地に落ちると《不死武士》蘇生出来なくなる点にも要注意。
 しかし《ギブ&テイク》の登場で、墓地に落ちた《王虎ワンフー》をパーツとして使えるようになった。
 自分のフィールドに戦士族モンスター《生還の宝札》《破壊指輪》等のカード、墓地に《王虎ワンフー》《不死武士》が存在すれば、上記の方法より安定して無限ドローが見込める。
 コンボを決めるのは難しいが、決まった場合エクゾディアとの併用で一気に勝利をもぎ取れるので、まさにハイリスク・ハイリターンといったところか。

【不死武士ビート】

 【不死武士ターボ】?をより【除去ガジェット】の戦い方に傾けたもの。
 《不死武士》自己再生効果の制約があるため、デッキ構築の幅は【除去ガジェット】よりも狭い。
 だが、《不死武士》戦闘破壊されようが除去を食らおうが、除外されない限りは自分ターンには確実にフィールドに蘇る。
 この特性故、デッキの中の後続が尽きるとモンスターの供給が止まるガジェットよりも長期戦に強いという利点がある。

 基本的には1:1交換を重視し、《不死武士》を軸にアドバンテージを奪っていく。
 除去カードにスロットを割く都合上、単体で機能しにくい《終末の騎士》の採用は難しい。
 このため、戦闘の要となる《不死武士》の3枚積みはほぼ確定となる。

 除去要員では汎用性の高い《ならず者傭兵部隊》《異次元の女戦士》は優先的に投入していきたい。
 戦闘力と除去能力を兼ね備えている《D.D.アサイラント》もぜひ採用したいところ。
 それ以外の除去要員としては裏側守備表示を潰せる《ミスティック・ソードマン LV2》や、戦闘を行った相手を問答無用で除外する《異次元の戦士》も採用圏内。

 戦闘要員は基本的に《不死武士》のみでも問題ないが、《E・HERO ワイルドマン》《不意打ち又佐》《ツイン・ブレイカー》等を採用しても良い。
 《E・HERO ワイルドマン》相手罠カードを無視できるので純粋な殴り合いに持ち込みやすい。
 《不意打ち又佐》《ツイン・ブレイカー》は共に羊トークン等の弱小なの掃除に役立つ。
 前者は常に2回攻撃できるので直接攻撃で大ダメージを狙え、後者は貫通によって戦闘破壊耐性を持つモンスターに強いので、好みで選択したい。

 上述のように、《不死武士》除外されない限り常に戦線に戻ってきてくれるため、特別に守ってやる必要性があまりない。
 この特性上、除去カードには発動が受動的になりがちなよりも、即効性があって能動的に使いやすい魔法効果モンスターを重視したい。
 《地砕き》を筆頭とした単体除去から《ライトニング・ボルテックス》などの全体除去まで採用候補には困らないだろう。
 通常召喚権を行使するものの、万能除去と言える《ならず者傭兵部隊》を使い回すために《戦士の生還》を積むのも有効。

 より多くの除去を引くために《生還の宝札》を入れたいところだが、ドロー加速を重視しないこのタイプの構築では無理に採用する必要は無い。
 場合によっては事故要因ともなりかねないため、素直に除去カードを積み増す事をお勧めする。
 上級モンスター手札事故を気にするなら採用を見送るべきだが、サーチ効果によって柔軟な対応ができる《無敗将軍 フリード》は一考の余地がある。

【不死武士シンクロ】

 ビートダウンの主力にシンクロモンスターを採用したタイプ。
 既存の戦士族デッキにおける打撃力の低さを克服しており、攻撃力戦士族デッキの中でも高い部類。

 採用するチューナー召喚成功時に墓地モンスター蘇生でき、戦士族である《ジャンク・シンクロン》が筆頭。
 単体でもそこそこの攻撃力を持っており、蘇生効果の使い様で幅広いレベルに対応できるので、3枚積んでも問題ない優秀なチューナーモンスターである。
 蘇生対象は効果で考えれば《ミスティック・ソードマン LV2》《言語道断侍》《マッシブ・ウォリアー》
 《終末の騎士》による墓地への落としやすさで考えれば《クロス・ポーター》《悪シノビ》

 《ジャンク・シンクロン》3枚で足りないと感じるなら、他のチューナーも1〜2枚採用すると良い。
 この場合は《ジャンク・シンクロン》蘇生できる《ジュッテ・ナイト》《トラパート》がオススメ。
 効果の方も使い勝手がよく、シンクロ召喚前に使用すれば、呼び出したシンクロモンスター戦闘をサポートできる。
 ただし、《ジャンク・シンクロン》蘇生した場合は、この効果は使えないので注意。
 チューナーとしてはやや見劣りするが、《共闘するランドスターの剣士》戦士族を全体強化する効果を持つ。
 《連合軍》《コマンド・ナイト》を併用する事で大幅な強化も見込めるので、これらを採用しているならばこちらを優先するのもありだろう。
 戦士族では無いが、《ゾンビキャリア》《終末の騎士》デッキからサーチでき、《生還の宝札》との相性が抜群なので採用の余地がある。
 効果使用後は除外されて墓地に残らないので、《不死武士》自己再生を阻害することも無い。

 呼び出すシンクロモンスターは基本的には戦士族だけにし、戦士族以外のモンスターは、確実にトドメを刺せる状況でのみ呼び出すようにしたい。

 基本的な動きは、通常の【不死武士ターボ】?に加えて《生還の宝札》を活用しやすい《ジャンク・シンクロン》が入ることで更にドローを加速。
 これにより得たハンド・アドバンテージをもとに「除去を多用してシンクロモンスターを援護し、速やかに殴り勝つ」という非常にシンプルなもの。
 従来の【戦士族】に比べて切り札の攻撃力が高いため、相手に大型モンスターを展開されても戦闘破壊を狙っていけるのが強み。
 しかし、呼び出せるシンクロモンスターが絞られる制約は大きく、特に伏せ除去ができる《ミスト・ウォーム》《氷結界の龍 ブリューナク》を気軽に展開できないのは痛いところ。
 そうでなくとも戦士族には伏せ除去ができるモンスターが少ないので、構築の際には意識して伏せ除去用の魔法・罠カードを投入していきたい。

【不死武士メタビート】

 《不死武士》自己再生効果を生かすため、永続罠永続カードを大量に積み込んだデッキ
 《スキルドレイン》《王宮の弾圧》相手モンスター効果特殊召喚による展開を封じ、除去を絡めて《不死武士》ビートダウンする。

 《不死武士》自己再生効果を止められる永続罠は少ないため、デッキ構成としての相性は悪く無い。
 《一族の結束》のおかげで通常の【メタビート】より攻撃力が高く、《群雄割拠》《スキルドレイン》等、より多くのメタカードを投入出来る点で勝る。
 《生還の宝札》によるターボも可能な点も含めれば、デッキの柔軟性は【メタビート】よりも高い。
 RAGING BATTLEで登場した《超古代生物の墓場》《マジック・プランター》の登場も追い風となっている。

 しかし、メタカードの選別や高いプレイングも要求されるので、上級者向けのデッキといえるだろう。

このデッキの弱点

 墓地への依存度が高いデッキの宿命として、除外は天敵中の天敵。
 《不死武士》の自己再生を軸とするため、特殊召喚を封じられるのも厳しい。
 《次元の裂け目》《マクロコスモス》発動されたり、《閃光の追放者》《フォッシル・ダイナ パキケファロ》《虚無魔人》を出された場合は何が何でも破壊しなければならない。
 《アンデットワールド》《不死武士》蘇生できなくなる上にアドバンス召喚まで封じられて非常に苦しい展開になるので、これも出されたら真っ先に破壊したい。
 なお、《王宮の弾圧》《不死武士》自身への影響はほとんど無いものの、シンクロ召喚を取り入れている場合は早めに破壊しておきたい。
 だが戦士族にはモンスター除去はともかく伏せ除去ができるモンスターが乏しく、単体で機能するのは《光帝クライス》《ドッペルゲンガー》程度。
 この2体もクセが強く、気軽に投入できるモンスターとはいいがたい。
 《砂塵の大竜巻》等の伏せ除去カードは、少なくともサイドデッキには入れておきたい。

 現在は《D.D.クロウ》メインデッキから複数採用しているデッキも少なくないため、蘇生を妨害されることが多い。
 そうでなくともマッチ戦であれば、2戦目以降は《D.D.クロウ》をほぼ確実に3枚積まれるだろう。
 カウンター罠で防ぐのが理想ではあるが、あちらも無制限カードである以上そう毎回都合よく止められるものでもない。
 諦めて《闇次元の解放》《異次元からの埋葬》等で呼び戻したり、2〜3体目の《不死武士》を展開していく事も視野に入れておきたい。
 サイドデッキ《王宮の鉄壁》を積んだり、《アームズ・ホール》を採用している場合は《D・D・R》を使うのも有効。

 【不死武士シンクロ】の場合は《魔のデッキ破壊ウイルス》にも要注意。
 メインデッキに入るモンスター攻撃力が1500以下に偏りがちなため、発動を許すと大半がやられてしまう。
 《不死武士》自身は墓地へ落とされても自己再生できるが、他の除去要員やチューナーが落ちると攻め手を失い、一気に押し込まれる事も十分考えられる。
 《終末の騎士》《ならず者傭兵部隊》等の他の有力な戦士族も餌食となるので、【不死武士シンクロ】でなくとも頭には留めておきたい。

 《不死武士》特殊召喚除外以外ではほぼ妨害される恐れはないが、唯一《エンド・オブ・アヌビス》だけは要注意。
 《不死武士》が影響を受けない《王家の眠る谷−ネクロバレー》と違い、墓地発動する効果すら無効にしてしまうのだ。
 攻撃力も2500と高く、戦闘破壊するのも簡単ではない。《光帝クライス》除去カードで処理したい。

代表的なカード

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