【不死武士ターボ】

説明

 自己再生効果を持つ《不死武士》を使ったターボデッキ
 《不死武士》《生還の宝札》のコンボによってドロー加速を行い、大量の除去を絡めて《不死武士》を軸にビートダウンを行っていく。
 《生還の宝札》影響下でいかに効率良く《不死武士》蘇生していくかが鍵。
 低攻撃力モンスターによるビートダウンが基本であり、戦術自体は【除去ガジェット】に通じる物がある。

かつては《生還の宝札》に加え《D−HERO ディスクガイ》を組み込むことで、安定的で爆発的なドロー加速が可能だった。
特別にコンボを考えずとも数枚のドローが可能であり、デッキを回しているうちに自然と実現する状況だったため、このデッキの名前が【不死武士ターボ】?であることはここに由縁している。
 しかし、08/09/01の制限改訂で《D−HERO ディスクガイ》禁止カードに。
 そして度重なる制限改訂でついに09/09/01の制限改訂で《生還の宝札》が禁止カードとなり、完全にターボのギミックが消滅。
 そのため現在はターボデッキとしてではなく純正【戦士族】ビートダウンデッキとして扱われている。
 またANCIENT PROPHECY《一族の結束》が登場したことで、このデッキの戦闘能力が大幅に上昇した。
 さらにデュエリストパック−遊星編2−では《不死武士》とのシナジーで強力な防御壁となる《強制終了》が登場する。

《不死武士/The Immortal Bushi》
効果モンスター
星3/闇属性/戦士族/攻1200/守 600
このカードは戦士族モンスターの生け贄召喚以外の生け贄にはできない。
自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、
自分フィールド上にモンスターカードが存在しない場合、
このカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
この効果は自分の墓地に戦士族以外のモンスターが存在する場合には発動できない。
《生還の宝札/Card of Safe Return》
永続魔法(制限カード)
自分の墓地からモンスターがフィールド上に特殊召喚された時、
デッキからカードを1枚ドローする事ができる。
《一族の結束》
永続魔法
自分の墓地に存在するモンスターの元々の種族が
1種類のみの場合、自分フィールド上に表側表示で存在する
その種族のモンスターの攻撃力は800ポイントアップする。

デッキ構築に際して

 《不死武士》戦士族以外のモンスター墓地に存在すると自己再生しないので、基本的には戦士族で完全に統一する。
 これは厳しいように思われるが、戦士族には優秀なモンスターが多く存在しているうえ《一族の結束》が無理なく使用できると考えればそこまで悪い条件ではない。

モンスターについて

魔法・罠カードについて


 09/03/01にて必須カードの《増援》制限カードとなり、大きな打撃を受けた。

 《一族の結束》《生還の宝札》が制限化された今、第二のキーカードとして採用できる。
  《不死武士》でさえ攻撃力2000のアタッカーとして活躍させられるこのカードは是非採用したい。
 その反面《奈落の落とし穴》発動され除外されてしまう可能性が多くなってしまうことも忘れてはならない。

 《光帝クライス》を採用する場合、相性が良い《強欲な瓶》《砂塵の大竜巻》等のフリーチェーンカードを投入しても良い。
 【クライスターボ】のギミックを採用することになるので、詳しくは当該ページ参照。

永続罠について

 不死武士はその特殊な効果発動条件と効果から、永続カード、とりわけ永続罠と抜群の相性を誇る。
 デッキタイプによって相性のいい永続罠は様々なので、自分のデッキにあった永続罠を差し込んでいこう。

デッキタイプ


【不死武士ターボ】は大きく分けて2つのデッキタイプに分けられる。
当然どちらも中心は《不死武士》だが、2つのデッキの戦術は完全に真逆である。
言いかえれば両方のギミックを持たせることは相当厳しいことに注意。

不死武士の自己再生条件の特性上、デッキのモンスターを少なめにするのがコツ。

【不死武士メタビート】

 上記の永続罠を大量に投入し、《不死武士》で戦線維持しながら相手の戦術を徹底的に妨害するデッキタイプ。
 採用できる永続罠が非常に多く、その場しのぎ的な性質を持つカウンター罠にどうしても頼りがちな普通の【メタビート】とは一線を画す。
 上級モンスターをあまり採用しない構築上、下級モンスターで少しずつ攻めていく流れになる。

 戦術自体は【除去ガジェット】の戦い方に似ている。
 《不死武士》自己再生効果の制約があるため、デッキ構築の幅は【除去ガジェット】よりも狭い。
 だが、《不死武士》戦闘破壊されようが除去を食らおうが、除外されない限りは自分ターンには確実にフィールドに蘇る。
 この特性故、デッキの中の後続が尽きるとモンスターの供給が止まるガジェットよりも長期戦に強いという利点がある。
 ガジェットと違い召喚権を行使しないので、通常の【メタビート】以上に戦線の維持に長けているのも特徴。
 さらに《一族の結束》のおかげで通常の【メタビート】よりも安定して高い打点を稼げる。

 主に採用するカードは、1:1交換を重視し、【次元斬】などの除去効果や戦闘に関する効果を持った戦士族が採用候補。
 魔法、罠もやはり《地割れ》《次元幽閉》などの除去効果を持ったカードや、カウンター罠を採用することになる。
 総じてモンスター除去を多めに入れることになる。

【不死武士シンクロ】

 ビートダウンの主力にシンクロモンスターを採用したタイプ。
 上級モンスターに乏しい戦士族デッキにおける打撃力の低さを克服しているのが特徴。 特に《ギガンテック・ファイター》を最大限に生かせるデッキ構成なので、攻撃力だけなら現環境の中でもトップクラス。
 《不死武士》の特性や《ジャンク・シンクロン》の使い回しが楽なので簡単にシンクロ召喚可能。
 普通のシンクロ召喚軸のデッキと違いシンクロモンスターが除去されても大した痛手にもならない。
 よって高い攻撃力でガンガン殴っていくのが主戦法となる。

 採用するチューナー召喚成功時に墓地モンスター蘇生でき、戦士族である《ジャンク・シンクロン》が筆頭。
 蘇生効果の使い様で幅広いレベルに対応できるので、3枚積んでも問題ない優秀なチューナーモンスターである。
 蘇生対象は《ミスティック・ソードマン LV2》《言語道断侍》《マッシブ・ウォリアー》《悪シノビ》などが挙がる。

 《ジャンク・シンクロン》3枚で足りないと感じるなら、《戦士の生還》《スピリット・フォース》で使いまわそう。
 もしくは、他のチューナーも1〜2枚採用しても良い。
 この場合は《ジャンク・シンクロン》蘇生できる《ジュッテ・ナイト》《トラパート》がオススメ。

 呼び出すシンクロモンスターは基本的には戦士族だけにし、戦士族以外のモンスターは、確実にトドメを刺せる状況でのみ呼び出すようにしたい。
基本的に《氷結界の龍 ブリューナク》1枚でいいだろう。

 戦闘破壊を重視するのでモンスター除去はほとんど投入せず、他に採用するモンスターは《ターレット・ウォリアー》程度でよい。
 魔法、罠も除去カードは採用せず、シンクロ召喚の補助や、攻撃を通すための伏せ対策カードを入れるとよい。
 戦士族には伏せ除去ができるモンスターが少ないので、構築の際には意識して伏せ除去用の魔法・罠カードを投入していきたい。


いずれのデッキも《生還の宝札》がキーカードであった。
【不死武士メタビート】ならアドバンテージを普通のデッキ以上に重視する【メタビート】においての貴重なドローソースとなる。
【不死武士シンクロ】では墓地からの特殊召喚方法が豊富なので、発動機会は豊富。
手札を稼ぐ事で、何度でもシンクロ召喚を可能にする。

実際に《生還の宝札》《D−HERO ディスクガイ》が投入できた頃は、大量に手札を稼ぎつつ、【不死武士シンクロ】の攻撃力で相手を叩く戦術が用いられていた。
制限改訂でドローパワーが落ちたことにより、【メタビート】のギミックを取り入れ活路を見出していくことになる。


また、以下のように《不死武士》《生還の宝札》のギミックを「直接勝つ手段とする」デッキも存在した。
当然09/09/01を持って構築不可能となる。

【不死武士ワンフー】

 《不死武士》《王虎ワンフー》による無限ループにより《生還の宝札》を絡めた無限ドローを決めるギミックを搭載した【不死武士ターボ】?
 《王虎ワンフー》《死のマジック・ボックス》等で相手フィールド上にコントロール転移するか、《ギブ&テイク》で、墓地に落ちた《王虎ワンフー》特殊召喚するといい。
 後者の場合、自分のフィールドに戦士族モンスター《生還の宝札》《破壊指輪》等のカード、墓地に《王虎ワンフー》《不死武士》が存在すれば、前者より安定して無限ドローが見込める。
 ただ、《王虎ワンフー》墓地に落ちると《不死武士》蘇生出来なくなる点に要注意。
 さらにコンボを決めるのも難しいが、決まった場合エクゾディアとの併用で一気に勝利をもぎ取れるので、まさにハイリスク・ハイリターンといったところか。

このデッキの弱点

 墓地への依存度が高いデッキの宿命として、除外は天敵中の天敵。
 《不死武士》の自己再生を軸とするため、特殊召喚を封じられるのも厳しい。
 《次元の裂け目》《マクロコスモス》発動されたり、《閃光の追放者》《フォッシル・ダイナ パキケファロ》《虚無魔人》を出された場合は何が何でも破壊しなければならない。
 《アンデットワールド》《不死武士》蘇生できなくなる上にアドバンス召喚まで封じられて非常に苦しい展開になるので、これも出されたら真っ先に破壊したい。
 なお、《王宮の弾圧》《不死武士》自身への影響はほとんど無いものの、シンクロ召喚を取り入れている場合は早めに破壊しておきたい。
 だが戦士族にはモンスター除去はともかく伏せ除去ができるモンスターが乏しく、単体で機能するのは《光帝クライス》《ドッペルゲンガー》程度。
 この2体もクセが強く、気軽に投入できるモンスターとはいいがたい。
 《砂塵の大竜巻》等の伏せ除去カードは、少なくともサイドデッキには入れておきたい。

 現在は《D.D.クロウ》メインデッキから複数採用しているデッキも少なくないため、蘇生を妨害されることが多い。
 そうでなくともマッチ戦であれば、2戦目以降は《D.D.クロウ》をほぼ確実に3枚積まれるだろう。
 カウンター罠で防ぐのが理想ではあるが、あちらも無制限カードである以上そう毎回都合よく止められるものでもない。
 諦めて《闇次元の解放》《異次元からの埋葬》等で呼び戻したり、2〜3体目の《不死武士》を展開していく事も視野に入れておきたい。
 サイドデッキ《王宮の鉄壁》を積んだり、《アームズ・ホール》を採用している場合は《D・D・R》を使うのも有効。

 【不死武士シンクロ】の場合は《魔のデッキ破壊ウイルス》にも要注意。
 メインデッキに入るモンスター攻撃力が1500以下に偏りがちなため、発動を許すと大半がやられてしまう。
 《不死武士》自身は墓地へ落とされても自己再生できるが、他の除去要員やチューナーが落ちると攻め手を失い、一気に押し込まれる事も十分考えられる。
 《終末の騎士》《ならず者傭兵部隊》等の他の有力な戦士族も餌食となるので、【不死武士シンクロ】でなくとも頭には留めておきたい。

 《不死武士》特殊召喚除外以外ではほぼ妨害される恐れはないが、唯一《エンド・オブ・アヌビス》だけは要注意。
 《不死武士》が影響を受けない《王家の眠る谷−ネクロバレー》と違い、墓地発動する効果すら無効にしてしまうのだ。
 攻撃力も2500と高く、戦闘破壊するのも簡単ではない。《光帝クライス》除去カードで処理したい。

代表的なカード

関連リンク