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自己再生効果を持ち、蘇生により戦線を維持することを得意とする《不死武士》。
あまり知られていないが、《不死武士》の最大の特徴は、除外以外で自己再生を妨害する手段が殆ど無い事。
自分のメタカードが《不死武士》の蘇生を妨げてしまった、なんてことは殆どないのだ。
言いかえれば、さまざまなメタカードを入れることができるのがこのデッキの最大の利点なのである。
《生還の宝札》の準制限カード化によってドロースピードが落ちた【不死武士ターボ】?を改変したデッキである。
もはやドローは当てにせず、《不死武士》の「自分のメタカードが自己再生を阻害しない」という利点を生かすための構成をする。
【戦士族】は《神の宣告》《我が身を盾に》と言ったパーミッションで戦線を作っていくが、このデッキはマストカウンターをおさえるのではなく、最初から相手の戦術そのものを潰してしまおうというもの。
その中でも《不死武士》と相性抜群の永続罠に妨害を任せる、というのが狙いである。
特に【シンクロ召喚】など、特殊召喚を多用する現環境で大活躍できる《王宮の弾圧》は、《不死武士》の自己再生を止めることが出来ないため、抜群のシナジーを誇る。
このように、採用できる永続罠の種類の豊富さは他の【メタビート】とは一線を画しているのである。
また、このデッキは一応分類上ビートダウンになるがコントロールや微弱ながらパーミッション要素も含み、採用する永続罠や構築バランスによっては、ロックや【フィフティ・フィフティ】にもなり、果ては《生還の宝札》を採用するのでターボ要素まで兼ね備えた、柔軟かつ多彩な戦術を持ち合わせたデッキとなる。
ここまで多彩なギミックを持ったデッキも珍しく、それを可能にする特徴をもつモンスターはそうはいないだろう。
《不死武士/The Immortal Bushi》 効果モンスター 星3/闇属性/戦士族/攻1200/守 600 このカードは戦士族モンスターの生け贄召喚以外の生け贄にはできない。 自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、 自分フィールド上にモンスターカードが存在しない場合、 このカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。 この効果は自分の墓地に戦士族以外のモンスターが存在する場合には発動できない。
《王宮の弾圧/Royal Oppression》 永続罠 800ライフポイントを払う。 モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む効果を無効にし、 そのカードを破壊する。 この効果は相手プレイヤーも使用する事ができる。
《光帝クライス》 効果モンスター 星6/光属性/戦士族/攻2400/守1000 このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、 フィールド上に存在するカードを2枚まで破壊する事ができる。 破壊されたカードのコントローラーはデッキから破壊された枚数分の カードをドローする事ができる。 このカードは召喚・特殊召喚したターンには攻撃する事ができない。
永続罠におけるフィールドのコントロールを重視する以上、当然永続罠選びは重要。
以下にキーカードとなる永続罠(&その他フィールドに残り続けるカード)を挙げていく。
基本的に《不死武士》を阻害せず、こちらに被害が少ないカードを選んでいこう。
なお、解説の便宜上《生還の宝札》はここでは挙げないものとする。
このように相手をさまざまな形で強力に妨害する永続罠だが、その強力な効果ゆえに副作用も注意しなければならない。
何と言ってもフィールド全体に影響を及ぼす事により、採用されるモンスターが相当制限されること。
この永続罠戦術は《不死武士》が永続罠による副作用が効かない特性を生かしただけで、他のモンスターにはしっかり影響を及ぼされる。
特に《スキルドレイン》は自軍モンスターへの影響が大きい。
ただ、《スキルドレイン》に頼るデッキではないため、迂闊に《ゴブリン突撃部隊》《ダーク・ヒーロー ゾンバイア》などを採用するわけにもいかない。
問題なく組み込めるのはせいぜい《ならず者傭兵部隊》くらいであろう。
となると、カード選び以上に、永続罠、とりわけ《スキルドレイン》を発動するタイミングを選ばなくてはならない。
裏を返せば、たとえ《スキルドレイン》の影響を受ける《異次元の女戦士》等も上手くフィールドを操作すれば活躍できる、ということである。
それを後押しするのが、このデッキの強み、永続罠の種類の多さである。
《異次元の女戦士》が居るせいで《スキルドレイン》が発動できなくても、《王宮の弾圧》を発動させれば相手を食い止めることができるのである。
状況に応じて発動タイミングを計り、フィールドを操作していこう。
場合にもよるが、永続罠の場に残る性質からダブってしまうと困るため、永続罠は1種類につき2枚でいいだろう。
欲しい永続罠が来なくても、代わりに引いた他の永続罠で十分相手を崩すことができるからである。
特定の永続罠の影響を受けないデッキを使ってくることもあるため、2戦目以降のサイドデッキ交換も重要となる。
他のモンスター、魔法、罠にもよるが、マッチ1戦目では相手のデッキは分からない。
なのでどの永続罠を選ぶかは周りの環境次第である。
ひとまず、マッチ1戦目は《王宮の弾圧》は採用していい。
強力かつ、《王宮の弾圧》を念頭に置いたカード選びは意外と簡単であり、なおかつ、最大の弱点である除外におけるキーカード、《マクロコスモス》を無効にできるからだ。
このカードに限り3積みも検討できる。
もちろん相手が【ガジェット】ならば役に立たないが、その場合は《光帝クライス》で破壊するなりマッチ2戦目以降にサイドチェンジなりすればいい。
《群雄割拠》はこちらは確実に影響を受けないが、相手も影響を受けるとは限らないので、《王宮の弾圧》に匹敵するほどの必須カードとまでは言えない。
とはいえ安定性は抜群なので《群雄割拠》も1戦目に投入してもとりあえず問題はない。
後はお好みで選択していこう。目安としては6枚〜8枚前後だろうか。
これらのカードは【不死武士ターボ】?でも使える場合があるので参考にするのもいいだろう。
基本となる《不死武士》は2枚から3枚投入したい。
《終末の騎士》も《不死武士》を墓地に送る?上で重要なカードである。
だが、単体では弱い上このカードで落とすモンスターは殆どいないため、2枚が妥当だろう。
他に《終末の騎士》で落とすカードとしては《スキルドレイン》が効かない《ネクロ・ガードナー》が有効。
以上が直接の《不死武士》関連。
永続罠、とりわけ《スキルドレイン》の影響を考え他のモンスターは慎重に選ばなければならない。
モンスターで是非とも採用したいのは《光帝クライス》。
特に相手のデッキによっては不要な永続罠が出てしまった場合、または永続罠がダブってしまった場合は手札で腐ってしまう。
だが《光帝クライス》で破壊してドローすれば、手札交換が成立する。
下記の《次元の裂け目》などと言った弱点カードを破壊するのにももちろん役に立つ。
召喚したターンは攻撃できないが、この効果は永続効果。
破壊効果使用後《スキルドレイン》を使えば、あたかも他の帝の如く攻撃ができるコンボも可能。
一応このデッキは【戦士族】にも分類されるが、【戦士族】の常識は通用しない。
例えば《不死武士》の能力を生かせないので《切り込み隊長》《コマンド・ナイト》の様な展開重視モンスターは採用できない。
特殊召喚効果を持つモンスターを入れるなど言語道断である。
採用できるのは除去効果を持った効果モンスターのみ。
その中でも《ならず者傭兵部隊》は《スキルドレイン》の影響下でも効果を使え、このデッキでは他のモンスターとは一線を画す。
後は《異次元の女戦士》《D.D.アサイラント》あたりも投入できる。
《ミスティック・ソードマン LV2》はサイクル・リバースには有効だが、相手のデッキに左右されるので微妙なところか。
《スキルドレイン》の影響は受けてしまうが、《スキルドレイン》の発動タイミングを見極めてうまくこれらのモンスターを使っていこう。
除去以外で考えられるのは下級の攻撃力不足を補い、アドバンテージもとれる《E・HERO エアーマン》。
《スキルドレイン》の影響は怖いが、《増援》が無制限になり早めに手札に加えられるので《スキルドレイン》を発動させるまでに手札に加えられるだろう。
サーチ先はやはり《スキルドレイン》の影響を受けない、通常モンスターである《E・HERO アナザー・ネオス》。
次点で先に召喚すれば《スキルドレイン》の影響を受けない《E・HERO ワイルドマン》。
とはいえ、《不死武士》の自己再生がカギとなるので、このデッキ自体はあまり攻撃力による場持ちは重視しない。
モンスターが自分フィールド上にいると自己再生しないからである。
ゆえにこれらのHERO系統には入れるにしてもあまりスロットを割かない方がいい。《E・HERO エアーマン》を入れて2、3枚が限度だろう。
これらのモンスターは合計10枚強が目安となるだろう。
前述の通り、採用できるモンスター自体が少ないので、無理してモンスターを増やすより魔法、罠にスロットを割こう。
デッキの半分はこれらのカードが占めることになる。
戦士族デッキである以上《増援》は3積み決定。
ターボではないが投入するだけでハンド・アドバンテージを得られ、事故要因にもなりにくいので《生還の宝札》も2枚投入しよう。
《スキルドレイン》下で《光帝クライス》の効果を使いたい場合に《月の書》もぎりぎり採用圏内か。
その他のカード、すなわち除去魔法、除去罠は好みで採用していい。
ただ、1つ注意するのは、除去にあまりこだわると《群雄割拠》の意味があまりないこと。
この点を考えると、除去魔法より受動的な妨害罠、とりわけ《群雄割拠》と相性抜群な《くず鉄のかかし》が候補となる。
もちろん、《次元幽閉》《奈落の落とし穴》《炸裂装甲》《聖なるバリア−ミラーフォース−》等もいい。
だが、そうなると今度は、魔法&罠カードゾーンの圧迫に苦しむことになる。
このことを考えると、逆に《くず鉄のかかし》は特に相性が悪い、ということになる。
これを嫌うならば、今度は除去魔法を積んでいくことになる。
1:1交換ができるカードならば、ほぼ例外なく採用できる。
《地割れ》《地砕き》《抹殺の使徒》《ソウルテイカー》《ハンマーシュート》などが挙げられる。
《不死武士》や《ネクロ・ガードナー》をコストに出来る《ライトニング・ボルテックス》、
《光帝クライス》と相性抜群の《クロス・ソウル》もそれぞれ1枚くらいは採用できる。
魔法にせよ罠にせよ、永続罠というダブったり状況によったりで腐りやすいカードを大量に採用している以上、可能な限り腐るカードが出ないようにしたい。
もっとも、現環境の流行りのデッキに対抗できるように作られたため、それらのデッキには《抹殺の使徒》以外腐る事はまずないだろうし、ロック系に強くないのは覚悟の上なのでそれらのデッキにこれらの除去カードが腐るのはある程度仕方ない。
永続罠は、当然破壊されると効果も消えてしまい、しかも複数場に存在することも多い。
よって《王宮のお触れ》や、特に《大嵐》への対策は必須であり、カウンター罠である《魔宮の賄賂》《神の宣告》はほぼ必須カードとなる。
《神の宣告》は《王宮の弾圧》との兼ね合いは悪いが、現環境ならその汎用性から候補にあげられる。
ライフは守りたいが複数伏せた時に《大嵐》を打たれた場合は背に腹は代えられない。
このデッキは特殊召喚により大量展開されることを考えて作られたデッキだが、それも核となる永続罠があってこそである。
特に《王宮の弾圧》は最重要で、【ガジェット】などが相手でない限りこのカードだけはサーチを駆使するなどして早く引きたい。
だが、その《王宮の弾圧》を引いた時にライフコストが払えない、では話にならない。
よって、何が何でも自分へのダメージを最小限に食い止める必要がある。
だが、壁モンスターが《不死武士》しかいない、という状況は多々あるので、やはり魔法、罠に頼る事になる。
カギとなるのは《群雄割拠》。
仮に大量展開されていても、種族が違えば大分展開が抑えられる。
だが、アンデット族が相手フィールドを埋め尽くしました、なんてことになったら手に負えなくなる可能性があるので気をつけよう。
基本的に受け身に回るデッキなので、明快な勝ち筋がないのが弱いところである。
一応分類はビートダウンだが、コントロールやロックの色も強いので、なかなか相手を崩せないことも。
だが、必ず攻め時は来るので、特にビートダウン相手ならむやみに仕掛けない事が大事である。
《生還の宝札》などでアドバンテージ稼ぎじっくり力を蓄えよう。
もちろんバーンなどが相手なら攻撃をどんどん仕掛けたほうがいいが。
相手に展開を許したくないので、場合によっては相手にドローさせる覚悟で《光帝クライス》で相手モンスター2体を破壊し攻撃力2400の壁を作るのもいいだろう。
《神の宣告》の採用率が高いのも追い風になる。
いずれのデッキも、相手が《神の宣告》を使ってくれば、ライフが半減するので低い攻撃力でも相手のライフを削り切りやすくなるのだ。
《不死武士》の自己再生や何重にも永続罠を仕掛けるこのデッキのスタイルなら、《神の宣告》をされて困るような状況が起こりにくいのもポイント。
【不死武士ターボ】?を元に作ったデッキである以上、やはりこちらにもその弱点はあてはまる。
天敵は言うまでもなく《次元の裂け目》などの除外カードである。
特にマッチでは《D.D.クロウ》がほぼ100%出てくるが、《王家の眠る谷−ネクロバレー》を発動させておくか、《不死武士》を複数積み、《異次元からの埋葬》で戻そう。
《異次元からの埋葬》は《ネクロ・ガードナー》とシナジーするので腐る事はまずない。
フィールドを圧迫するが、《王宮の鉄壁》も有効か。
また、《王宮の弾圧》こそ《不死武士》は効かないが、その他の特殊召喚メタは通してしまう。
《フォッシル・ダイナ パキケファロ》《虚無魔人》《エンド・オブ・アヌビス》が該当する。
ただ、除去手段も豊富なので除去すれば問題はない。
セットカードが多くなるので《氷帝メビウス》も要注意。
よく使われる上、《王宮の弾圧》が効かない《黄泉ガエル》も水族なので、アドバンス召喚を《群雄割拠》で阻害できないのだ。
《不死武士》を中心とするにもかかわらず、【次元帝】より【黄泉帝】に滅法弱いと言うおかしな現象が起こっている。
ビートダウン以外にもあまり強くはないが、それはそういうものだと割り切るしかない。
攻撃力の低いデッキなので【フルバーン】などでダメージレースを仕掛けられたらもうお手上げである。