RETURN OF THE DUELISTで登場した「魔導書」と、それらとシナジーを持つ「魔導」と名のついた魔導書関連のモンスターを中心としたビートダウンデッキ。
魔導書はサーチ・蘇生・防御等小回りの効く効果に秀で、モンスターも魔法使い族らしくトリッキーな動きを得意とする。
《魔導書士 バテル/Spellbook Magician of Prophecy》 効果モンスター 星2/水属性/魔法使い族/攻 500/守 400 このカードが召喚・リバースした時、 デッキから「魔導書」と名のついた魔法カード1枚を手札に加える。
《魔導法士 ジュノン/High Priestess of Prophecy》 効果モンスター 星7/光属性/魔法使い族/攻2500/守2100 手札の「魔導書」と名のついた魔法カード3枚を相手に見せて発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。 また、1ターンに1度、自分の手札・墓地の「魔導書」と名のついた 魔法カード1枚をゲームから除外して発動できる。 フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。
《グリモの魔導書/Spellbook of Secrets》 通常魔法 デッキから「グリモの魔導書」以外の 「魔導書」と名のついたカード1枚を手札に加える。 「グリモの魔導書」は1ターンに1枚しか発動できない。
《魔導書の神判》 速攻魔法 このカードを発動したターンのエンドフェイズ時、 このカードの発動後に自分または相手が発動した魔法カードの枚数分まで、 自分のデッキから「魔導書の神判」以外の 「魔導書」と名のついた魔法カードを手札に加える。 その後、この効果で手札に加えたカードの数以下のレベルを持つ 魔法使い族モンスター1体をデッキから特殊召喚できる。 「魔導書の神判」は1ターンに1枚しか発動できない。
魔導書と名のついた魔法カードを必要とする効果が多いため、魔法カードを中心とした編成となる。
また、魔導書関連のモンスターには大きく分けて「魔導書の発動を条件とするもの」「墓地の魔導書をコストとするもの」があり、どちらを中心とするかでやや構築が変わってくる。
関連モンスター以外にも上級魔法使い族を活躍させやすいデッキでもあり、モンスターについては明確に主軸を定め選ぶ必要がある。
ここでは2013年3月1日以降の環境において主流デッキの一つとなっている《魔導法士 ジュノン》を中心とした【ジュノンビート】のデッキ解説を行う。
―その他のモンスター
―エクストラデッキのモンスター
エクシーズモンスターは《魔導書士 バテル》2体でのランク2、《魔導法士 ジュノン》2体でのランク7が特に狙いやすい。
シンクロモンスターについても《エフェクト・ヴェーラー》と《ネクロの魔導書》からレベル5・7を中心にの幅広い選択肢を得ることができる。
フィールドに《魔導法士 ジュノン》と《エフェクト・ヴェーラー》を並べればレベル8も狙える。
デッキの関係上魔法カードの重要性は非常に高く、デッキの半分以上が魔法カードに占められることになる。
そのため、罠カードはエンドフェイズ時の手札調整を回避するためのセットカードとして認識し、枚数は最低限に留めよう。
―魔導書
―その他の魔法・罠カード
できる限り早い段階で《魔導書の神判》を発動し、一気にアドバンテージを稼いで勝負を決める。
そのためには《グリモの魔導書》や《魔導書士 バテル》によって《魔導書の神判》と後続の魔法カードを連続発動する環境を整えることが重要となる。
《魔導書の神判》、《グリモの魔導書》、《魔導書士 バテル》のうちいずれか2枚と他の魔導書が1枚あれば、3枚の魔導書のサーチと《魔導教士 システィ》等のレベル3以下の魔法使い族モンスターのリクルートが可能となるため、基本的にはこの手札を揃えることを意識するとよい。
その後は《魔導法士 ジュノン》を展開し、《魔導書の神判》によってもたらされた豊富な魔導書で徹底的にサポートする。
《トーラの魔導書》による耐性付与、《ゲーテの魔導書》による回避困難な除去、《ネクロの魔導書》による再利用等で相手の反撃を許さず圧倒していきたい。
《魔導教士 システィ》でなく、《魔導召喚士 テンペル》によるリクルートを中心とした【ジュノンビート】の一種。
《魔導法士 ジュノン》を素早く安定して出せるのが特徴。
ただし爆発力はなく、じわじわとアドバンテージをとって戦う【メタビート】のような構築となる。
そのためモンスターだけでなく魔導書さえも最低限に留め、汎用性の高い魔法・罠カードに割くスロットを多めにしたい。
ただし、手札に来てしまった《魔導法士 ジュノン》がほぼ腐ってしまうのが難点。
《魔導戦士 ブレイカー》等の下級アタッカーに、《ヒュグロの魔導書》を使用して攻めるハイビートデッキ。
《魔導戦士 フォルス》や《魔導書院ラメイソン》の効果で魔導書を循環させ、《ヒュグロの魔導書》を連発する。
特殊召喚を封じる《ライオウ》や、《インヴェルズ・ローチ》や《ヴェルズ・オピオン》の影響を受けずに戦闘で勝てる強みがある。
展開力・速度に欠けるが手札の消耗が少なく、そのために相手の展開にも対処しやすい。
《ネクロの魔導書》からシンクロ召喚も織り交ぜていける他、罠カードを多くし【メタビート】寄りの構築もできる。
《ネクロの魔導書》とシナジーのあるフォーチュンレディを使用するデッキ。
《フォーチュンレディ・ダルキー》と《フォーチュンレディ・ウォーテリー》を積み、《ネクロの魔導書》で蘇生することで、ステータスの底上げとドローを狙う。
《ネクロの魔導書》で除外されたフォーチュンレディは、《フォーチュンフューチャー》でドローに変換できる。
その他、《ワンダー・ワンド》、《フォーチュンレディ・ダルキー》・《ディメンション・マジック》による《フォーチュンレディ・ウォーテリー》の特殊召喚など、ドロー手段には事欠かない。
手札一枚で攻撃力4000近いモンスターの特殊召喚とドローが狙える構築こそが、このデッキの魅力である。
同じ魔法使い族の《ブラック・マジシャン》を切り札とするタイプ。
《魔導召喚士 テンペル》からの展開はもちろん、魔導書は《熟練の黒魔術師》とも相性が良い。
《ブラック・マジシャン》は《魔導法士 ジュノン》と同じくレベル7なので、ランク7のエクシーズ召喚も狙いやすい。
《黒・魔・導》や《王者の看破》、ウイルスなど強力な魔法・罠カードを利用できるのも利点となる。
《エフェクト・ヴェーラー》等の光属性モンスターを織り交ぜ、カオスを投入することももちろん可能。
魔法カードをサーチして大量に消費する魔導書の性質を利用した【魔力カウンター】。
【アーカナイトビート】では《魔法都市エンディミオン》や《マジカル・コンダクター》に高速で魔力カウンターを貯め、《アーカナイト・マジシャン》の効果を連発したり《マジックテンペスター》で大ダメージを狙うことができる。
《ネクロの魔導書》はシンクロ召喚を補助し、《魔導書の神判》は《マジックテンペスター》の手札コスト確保にも役立つ。
《神聖魔導王 エンディミオン》軸も《魔導書の神判》+《魔導教士 システィ》のコンボで《魔法都市エンディミオン》に魔力カウンターを貯めつつ《神聖魔導王 エンディミオン》をサーチし、手札制限で墓地に捨てれば攻める準備をすぐに整えることができる。
デッキが回転すれば他の追随を許さない反面、極端な魔法カード依存・サーチ依存ゆえに弱点も多い。
メタモンスターを立たせてコンバットトリックで《ヒュグロの魔導書》を防がれる【メタビート】に思わぬ苦戦を強いられることも。
大量の魔法カードを扱うこのデッキでは、《ナチュル・ビースト》、《真六武衆−シエン》、《大将軍 紫炎》、《闇のデッキ破壊ウイルス》、《封魔の呪印》といった魔法カードそのものへのメタが一番の弱点となる。
モンスターによる制圧はまだ《魔導法士 ジュノン》や《昇霊術師 ジョウゲン》で対抗できるチャンスがあるものの、《闇のデッキ破壊ウイルス》は罠カードゆえに発動を止められないとどうしようもない。
手札のほとんど全てが破壊されるため、取り返すことはほぼ不可能。
また、魔導書の発動をデュエル中完全に封じる《封魔の呪印》にも要注意。
初動の《グリモの魔導書》や《魔導書の神判》を封じられればこのデッキの強みであるハンド・アドバンテージの供給源がなくなり、《魔導法士 ジュノン》の特殊召喚が困難になる。
ミラーマッチなら《しっぺ返し》にも警戒すること。
《魔導法士 ジュノン》、《ゲーテの魔導書》、《ネクロの魔導書》は墓地からの除外をコストに要求するため、墓地肥やしを阻害する《マクロコスモス》、墓地からの除外ができなくなる《霊滅術師 カイクウ》、《カオスハンター》、《王家の眠る谷−ネクロバレー》、《王宮の鉄壁》も厄介である。
永続カードでのメタには《サイクロン》や《魔導戦士 ブレイカー》で対抗しよう。
特に《王家の眠る谷−ネクロバレー》の場合は、《魔導書院ラメイソン》を温存していつでも書き換えられるようにしておこう。
一方で、《ネクロの魔導書》とは相性が悪いものの魔法カードには影響を与えない《次元の裂け目》にはあまり被害を受けない。
《カオスハンター》は《魔導書の神判》の《魔導教士 システィ》特殊召喚に合わせて特殊召喚され、《魔導教士 システィ》の効果発動まで阻害される。
これについては《魔導書の神判》で《魔導教士 システィ》を特殊召喚したとき、優先権を行使してサーチした《ゲーテの魔導書》の第二効果を使うことで対処しよう。
《カオスハンター》をチェーンされても裏側表示にして《魔導教士 システィ》の効果を通すことができ、出てこなくとも《魔導書士 バテル》を裏側表示にしてアドバンテージを失うことなく対策することができる。
《魔導書士 バテル》、《グリモの魔導書》、《魔導書の神判》のサーチを多用するので、《ライオウ》・《マインドクラッシュ》が弱点となる。
《ライオウ》に対しては《ヒュグロの魔導書》や《魔導戦士 ブレイカー》での戦闘破壊もあるので無抵抗というわけではないが、それらを揃えられない場合は一方的に攻撃されて負ける恐れがある。
また、《魔導書の神判》はエンドフェイズにサーチを行う性質上、《魔導書の神判》の後にドローやサーチ系の魔法カードを使うと《ドロール&ロックバード》に引っかかってしまうので注意。
《次元の裂け目》や《サイクロン》、《皆既日蝕の書》といったこのカードの発動トリガーを満たさない魔法カードも十分に積みたい。
特に《次元の裂け目》なら《ドロール&ロックバード》の発動を完全に封じられるため、後続のサーチカードも安全に発動できる。
魔導書なら、ダメージステップ発動ゆえに《ドロール&ロックバード》を発動できない《ヒュグロの魔導書》や、アドバンテージの損失無く発動ができる《魔導書院ラメイソン》の増量がおすすめ。
《禁止令》等でこのデッキのキーカードである《魔導法士 ジュノン》をピンポイントに潰されることも想定できる。
《魔導法士 ジュノン》の特殊召喚を封じ、しかも《ゲーテの魔導書》を《侵略の汎発感染》で回避される《ヴェルズ・オピオン》は天敵である。
また、《魔導法士 ジュノン》は手札から発動するモンスター効果なので《透破抜き》で除外されたり、《メンタルドレイン》で発動できなくなることにも注意しよう。
《スキルドレイン》や《ブレイクスルー・スキル》といった無効化カードは一応《トーラの魔導書》で回避可能ではある。
しかし、ピンポイントにこれらの罠カードや《エフェクト・ヴェーラー》を《魔導書士 バテル》に合わされて魔導書のサイクルが止まってしまうこともあるので気をつけよう。
《魔導書士 バテル》を一網打尽にされる《連鎖除外》にも注意。
また、下級モンスターのステータスの低さや展開力のなさから、戦線の維持が難しくフィールドを空けてしまいがちなのも大きな弱点である。
環境によっては《トラゴエディア》に守りを任せてしまってもよいだろう。