RETURN OF THE DUELISTで登場した「魔導書」と、それらとシナジーを持つ「魔導」と名のついた魔導書関連のモンスターを中心としたビートダウンデッキ。
魔導書にはサーチ・蘇生・除去などなど小回りの効く効果が揃っており、モンスターも魔法使い族らしくトリッキーな動きを得意としている。
《魔導書士 バテル/Spellbook Magician of Prophecy》 効果モンスター 星2/水属性/魔法使い族/攻 500/守 400 このカードが召喚・リバースした時、 デッキから「魔導書」と名のついた魔法カード1枚を手札に加える。
《魔導法士 ジュノン/High Priestess of Prophecy》 効果モンスター 星7/光属性/魔法使い族/攻2500/守2100 手札の「魔導書」と名のついた魔法カード3枚を相手に見せて発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。 また、1ターンに1度、自分の手札・墓地の「魔導書」と名のついた 魔法カード1枚をゲームから除外して発動できる。 フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。
《グリモの魔導書/Spellbook of Secrets》 通常魔法 デッキから「グリモの魔導書」以外の 「魔導書」と名のついたカード1枚を手札に加える。 「グリモの魔導書」は1ターンに1枚しか発動できない。
魔導書と名のついた魔法カードを必要とする効果が多いため、魔法カードを中心とした編成となる。
また、魔導書関連のモンスターには大きく分けて「魔導書の発動を条件とするもの」「墓地の魔導書をコストとするもの」があり、どちらを中心とするかでやや構築が変わってくる。
関連モンスター以外にも上級魔法使い族を活躍させやすいデッキでもあり、モンスターについては明確に主軸を定め選ぶ必要がある。
―その他のモンスター
―エクストラデッキのモンスター
魔導書とのシナジーを考え、魔法使い族のエクシーズモンスター・シンクロモンスターは優先的に採用したい。
デッキの関係上魔法カードの重要性は非常に高く、デッキの半分以上が魔法カードに占められることになる。
そのため、罠カードはエンドフェイズ時の手札調整を回避するためのセットカードとして認識し、枚数は最低限に留めよう。
―魔導書
―その他の魔法・罠カード
《魔導法士 ジュノン》をメインに据えた軸。
主に《魔導教士 システィ》によって《魔導法士 ジュノン》と魔導書をサーチし、自身の特殊召喚効果によって展開するのが基本。
《魔導法士 ジュノン》の特殊召喚を安定して行うために、デッキ構築では大量の魔導書を採用する場合が多い。
《トーラの魔導書》や《ゲーテの魔導書》で《魔導法士 ジュノン》を守り、その除去効果と《魔導書院ラメイソン》のドロー効果によってじわじわとアドバンテージ差を広げる長期戦が得意。
あるいは、初手での《魔導法士 ジュノン》の引き込み次第では、《魔導教士 システィ》からのサーチ分も合わせて複数展開し、大量除去からの一斉攻撃によって一気に勝負を決めることも可能。
《魔導天士 トールモンド》をメインに据えた軸。
まずは《魔導召喚士 テンペル》によってデッキから特殊召喚し、その後は《ネクロの魔導書》で墓地から特殊召喚を行っていく。
自身のサルベージ効果、《グリモの魔導書》、《アルマの魔導書》の組み合わせによってあらゆる領域から自在に魔導書を手札に加えることができるため、《グリモの魔導書》以外の魔導書の枚数を控えめに抑える構築も可能。
リセット効果は《魔導書院ラメイソン》との相性こそ悪いが、《魔導書廊エトワール》を巻き込むことでサーチ効果を能動的に発動することができ相性が良い。
自身の制約により短期戦は不向きであるため、《トーラの魔導書》や《ゲーテの魔導書》、《魔導書廊エトワール》から供給される《エフェクト・ヴェーラー》による守りも重要となる。
相手の攻撃さえ凌げればサルベージ効果とリセット効果で形勢を逆転するのは容易であるため、《バトルフェーダー》や《速攻のかかし》を採用するのも良いだろう。
《魔導冥士 ラモール》をメインに据えた軸。
魔導書を墓地に貯めていき、主に《魔導冥士 ラモール》の効果や《魔導鬼士 ディアール》の特殊召喚効果によって展開するのが基本。
魔導書の墓地肥やしと特殊召喚を行うために《名推理》等が検討できる。
また、通常の魔導書では採用され辛い《魔導化士 マット》も《魔導冥士 ラモール》の展開と効果をサポートしてくれるので相性がいい。
《闇紅の魔導師》は魔法カードを多用するため相性が良く、ハンデスを行える。
他と比べ除去力や爆発力は劣るが、ランク6をエクシーズ召喚でき、魔法使い族縛りの《マジマジ☆マジシャンギャル》や《風紀宮司ノリト》といったモンスターに繋げられる。
これらは《魔導書の奇跡》で蘇生もできる。
【ヒュグロビート】とも呼ばれる、《魔導戦士 ブレイカー》や《霊滅術師 カイクウ》を使ったハイビート。
豊富な罠カードと《ゲーテの魔導書》を盾に《ヒュグロの魔導書》・《魔導書院ラメイソン》でアドバンテージを稼ぎ、じわじわと相手を追い詰めるのが基本戦術。
上級モンスターや魔導書への極端な依存を避け、手札事故や【魔導書】特有の弱点を減らせるのが強み。
《霊滅術師 カイクウ》の維持により相手の墓地を拘束することも可能で、【魔導書】派生の中では特に【メタビート】色が強い。
《ネクロの魔導書》とシナジーのあるフォーチュンレディを使用するデッキ。
《フォーチュンレディ・ダルキー》と《フォーチュンレディ・ウォーテリー》を積み、《ネクロの魔導書》で蘇生することで、ステータスの底上げとドローを狙う。
《ネクロの魔導書》で除外されたフォーチュンレディは、《フォーチュンフューチャー》でドローに変換できる。
その他、《ワンダー・ワンド》、《フォーチュンレディ・ダルキー》・《ディメンション・マジック》による《フォーチュンレディ・ウォーテリー》の特殊召喚など、ドロー手段には事欠かない。
手札一枚で攻撃力4000近いモンスターの特殊召喚とドローが狙える構築こそが、このデッキの魅力である。
同じ魔法使い族の《ブラック・マジシャン》を切り札とするタイプ。
《魔導召喚士 テンペル》からの展開はもちろん、魔導書は《熟練の黒魔術師》とも相性が良い。
《ブラック・マジシャン》は《魔導法士 ジュノン》と同じくレベル7なので、ランク7のエクシーズ召喚も狙いやすい。
《黒・魔・導》や《王者の看破》、ウイルスなどの魔法・罠カードを利用できるのも利点となる。
《エフェクト・ヴェーラー》等の光属性モンスターを織り交ぜ、カオスを投入することももちろん可能。
魔法カードをサーチして大量に消費する魔導書の性質を利用した【魔力カウンター】。
【アーカナイトビート】では《魔法都市エンディミオン》や《マジカル・コンダクター》に高速で魔力カウンターを貯め、《アーカナイト・マジシャン》の効果を連発したり《マジックテンペスター》で大ダメージを狙うことができる。
デッキが回転すれば他の追随を許さない反面、極端な魔法カード依存・サーチ依存ゆえに弱点も多い。
メタモンスターを立たせてコンバットトリックで《ヒュグロの魔導書》を防がれる【メタビート】に思わぬ苦戦を強いられることも。
大量の魔法カードを扱うこのデッキでは、《ナチュル・ビースト》、《真六武衆−シエン》、《大将軍 紫炎》、《闇のデッキ破壊ウイルス》、《封魔の呪印》といった魔法カードそのものへのメタが一番の弱点となる。
モンスターによる制圧はまだ《魔導法士 ジュノン》や《昇霊術師 ジョウゲン》で対抗できるチャンスがあるものの、《闇のデッキ破壊ウイルス》は罠カードゆえに発動を止められないとどうしようもない。
手札のほとんど全てが破壊されるため、取り返すことはほぼ不可能。
また、魔法カードの発動をデュエルが終わるまで封じる《封魔の呪印》も要注意。
もちろん初動を絶たれれば致命傷だが、中盤以降に発動されても《グリモの魔導書》や《アルマの魔導書》による魔導書の循環を止められてかなりの痛手になる。
ミラーマッチなら《しっぺ返し》にも警戒すること。
《魔導法士 ジュノン》、《ゲーテの魔導書》、《ネクロの魔導書》は墓地からの除外をコストに要求するため、墓地肥やしを阻害する《マクロコスモス》や、墓地からの除外ができなくなる《霊滅術師 カイクウ》、《カオスハンター》、《王家の眠る谷−ネクロバレー》、《王宮の鉄壁》も厄介である。
永続カードでのメタには《サイクロン》や《魔導戦士 ブレイカー》で対抗しよう。
一方で、《ネクロの魔導書》とは相性が悪いものの、魔法カードには影響を与えない《次元の裂け目》にはあまり被害を受けない。
《魔導書士 バテル》、《グリモの魔導書》のサーチを多用するので、《ライオウ》・《手違い》・《マインドクラッシュ》が弱点となる。
《ライオウ》に対しては《ヒュグロの魔導書》や《魔導戦士 ブレイカー》での戦闘破壊もあるので無抵抗というわけではないが、それらを揃えられない場合は一方的に攻撃されて負ける恐れがある。
《禁止令》等で、このデッキのキーカードである《魔導法士 ジュノン》をピンポイントに潰されることも想定できる。
《魔導法士 ジュノン》の特殊召喚を封じ、しかも《ゲーテの魔導書》を《侵略の汎発感染》で回避される《ヴェルズ・オピオン》は天敵である。
また、《魔導法士 ジュノン》は手札から発動するモンスター効果なので《透破抜き》で除外されたり、《メンタルドレイン》で発動できなくなることにも注意しよう。
《スキルドレイン》や《ブレイクスルー・スキル》といった無効化カードは一応《トーラの魔導書》で回避可能ではある。
しかし、ピンポイントにこれらの罠カードや《エフェクト・ヴェーラー》を《魔導書士 バテル》に合わされて魔導書のサイクルが止まってしまうこともあるので気をつけよう。
《魔導書士 バテル》を一網打尽にされる《連鎖除外》にも注意。
魔法使い族メタの《魔女狩り》、《パペット・プラント》も非常に怖いカードである。
登場当初はファンデッキであったが、後発のパックによりじわじわ強化され、トーナメントでもある程度見かけるデッキへと成長。
そこに《魔導書の神判》の登場により、環境において主流デッキの1つに数えられるようになった。
当初は《ナチュル・ビースト》や《闇のデッキ破壊ウイルス》、《ドロール&ロックバード》などの致命的な弱点を持つことから勝ちきれないと思われたが、メタ側を圧殺するだけのカードパワーや、《霊滅術師 カイクウ》・《昇霊術師 ジョウゲン》のメタ要素を組み合わせることで【炎星】や【水精鱗】、【ヴェルズ】を圧倒。
さらにストラクチャーデッキ−青眼龍轟臨−で《青き眼の乙女》が登場した事で、安定した1ターンキルをも手に入れ、強さを盤石にする。
世界大会はカードプールの違いから【征竜】に譲ったものの、国内環境は【征竜】と並ぶ二強時代となった。
《魔導書の神判》が禁止カードとなり、構築の見直しを余儀なくされる。
しかし、以前の地道なアドバンテージを獲得する戦い方は環境の高速化についていけず、再び中堅程度の立ち位置に落ち着く。