《魔法族の里》を用いて、相手の魔法カードを発動させないように動くコントロールデッキ。
《魔法族の里》の効果を最大限利用するために、モンスター構成は【魔法使い族】をベースとして考える。
《魔法族の里》 フィールド魔法 自分フィールド上にのみ魔法使い族モンスターが存在する場合、 相手は魔法カードを発動する事ができない。 自分フィールド上に魔法使い族モンスターが存在しない場合、 自分は魔法カードを発動することができない。
まず、基本的には下級モンスターを中心とした【ハイビート】や【メタビート】のような構成が望ましい。
上級モンスターの採用は見送るべきである。《魔法族の里》が起用されている状態でアドバンス召喚に成功しても、罠カードで全てが無に帰ってしまうことが多い。
《奈落の落とし穴》や《神の宣告》を受け、場が空いてしまうことは避けたい。
仮に採用する場合は《王宮のお触れ》をも採用し、完全なロックを狙うつもりで構築するほうが良い。
また、《見習い魔術師》や《水晶の占い師》といったリバース効果を持つモンスターも避けるべきである。
《魔法族の里》は魔法使い族が表側表示で存在しなければ意味が無いため、裏側守備表示を基本とするリバースモンスターは基本的に戦術に貢献しない。
ただし全く貢献できないというほどではなく、効果使用後のリバース効果モンスターを《ディメンション・マジック》や《死のデッキ破壊ウイルス》の媒体に使用するなど、下級モンスターを生かせるカードを投入するなどの工夫ができれば良い。
その際は、墓守なども採用候補である。
下級モンスターの魔法使い族であるモンスターは豊富に存在する。
いくつか例を挙げて説明する。
投入しているモンスターが下級ばかりなので、相手の上級モンスター等を破壊するのには少々厳しい。
また、現環境では魔法カードに頼らずとも下級の限界点である攻撃力2000を超えてくるケースは珍しくない。
そのためどうしても上級モンスターの対処は魔法・罠カードに頼るしかない。
そのため、基本的にこのスペースは除去系もしくはロック系のカードで固めた方がいいだろう。
まずはデッキの主軸となる《魔法族の里》とそれをサーチする《テラ・フォーミング》はそれぞれ3枚積みが良いと思われるが、手札に3枚来て腐る可能性や、《王家の眠る谷−ネクロバレー》等の他のフィールド魔法も採用する場合、罠中心のデッキに分が悪いことからそれぞれ2枚で止める場合もある。
自分がどちらを重点的に抑えたいかに任せることとなるのだが、自分が魔法をロックされた最悪の場合の突破方の一つであるフィールド魔法セットという道を開けておくために、やはりキーカードである《魔法族の里》は3積みにしよう。
言うまでもなくフィールド魔法とサーチカードの多用はスピードアップと事故率が比例していくため、如何にして手札事故を抑えるかもこのデッキの課題となる。
基本的には魔法カードは速攻魔法にした方がいい。
《地砕き》などの通常魔法では自分フィールド上の魔法使い族が破壊された後には間に合わない。
《ディメンション・マジック》、《収縮》、《月の書》、《我が身を盾に》と小回りが利く速攻魔法は多いため、これらを中心に考えよう。
《収縮》は元々場に魔法使い族が存在しているのでアンチシナジーとなる場面は少ない。
《月の書》はミラーマッチのときの保険としてなかなか役立つ。
完璧な対策とはいえないが、入れるに越した事はない。
《ディメンション・マジック》は2:1交換となってしまうが、フリーチェーンであり相手のモンスター破壊に合わせて使える上に《奈落の落とし穴》に引っかからない事を考えると優先順位は高い。
しかしデッキ構成上魔法使い族が少なめだったり、《ディメンション・マジック》による特殊召喚で能力を発揮できないモンスターで構築するという場合は控えた方がいいだろう。
また、《大嵐》に関しては賛否両論といったところだ。
確かに、アドバンテージを取れるカードではあるが、既に《魔法族の里》に加え、数種類のカウンター罠が伏せられていることからアドバンテージを取りにくいという評価もあり、入れない人もいる。
しかし、それでもアドバンテージを取れることには変わりは無く、手札にもう一枚《魔法族の里》があるケースを考えると、やはり入れるべきという声もある。
この辺りは、個人で十分研究しておくべき点だろう。
罠の一例を上げると《奈落の落とし穴》、《次元幽閉》、《聖なるバリア−ミラーフォース−》等が上げられる。
特に《奈落の落とし穴》は《魔導戦士 ブレイカー》や《ライトロード・マジシャン ライラ》から破壊を守れるのでなるべく採用したい。
またいくら強力だからといって、自分フィールドの魔法使い族まで掃除してしまう《激流葬》は基本的に採用するべきではない。
《サイクロン》《大嵐》を打たれる危険性は無いとはいえ、効果モンスターからの除去を防げない以上カウンター罠も必要である。
《スキルドレイン》を採用するならともかく、《天罰》は自分の魔法使い族、《魔法族の里》を守るためなかば必須カードである。
逆に最近メインデッキからでも採用率が高い《魔宮の賄賂》はそこまで重要ではない。
魔法カードは既に封じている上に1ドローを相手に許してしまう事を考えると、《盗賊の七つ道具》や《強制脱出装置》でも十分対応が可能。
《神の宣告》は主にシンクロ召喚や《剣闘獣ガイザレス》の阻止に使うべきだろう。
永続罠に関しては、魔法使い族ばかりの構成なので《群雄割拠》がかなり入れやすい。シンクロ召喚などの大量展開及び帝モンスターの召喚も防げるため、有効な選択と言える。
周りの環境に合わせて入れる枚数を考えていこう。
《ディメンション・マジック》を採用しないのであれば《王宮の弾圧》もメタカードとして強力である。
《王宮のお触れ》で、魔法カードと罠カードを完全封殺・・・といいたい所だが、現環境下では効果モンスターの存在が非常に怖いため、サイドデッキよりなカードである。
また《スキルドレイン》については後述する。
投入するカードによってがらりと構築が変わる場合もある。
それを以下で説明する。
魔法・罠カードだけでなく《オネスト》も用いて魔法使い族を守る型。
ダメージ計算時に発動するため阻止されにくい点も評価に値する。
光属性に絞っても下級アタッカーで魔法使い族モンスターは十分存在する。
《創世の預言者》、《熟練の白魔導師》、《魔導騎士 ディフェンダー》、《ライトロード・マジシャン ライラ》などがそうだ。
攻撃力を度外視するなら《マジカルフィシアリスト》や《ものマネ幻想師》あたりも採用の余地があるだろう。
少々癖はあるが、《平穏の賢者》や《白い泥棒》なども《オネスト》を使って効果発動を狙える。サイドデッキ向きではあるが、《結界術師 メイコウ》と《昇霊術師 ジョウゲン》も光属性であるため相性は悪くない。
その場合は《収縮》も同じく役に立つだろう。
また上級ではあるが《カオス・マジシャン》も光属性魔法使い族なので採用を考えられなくはない。
現環境下でこれら二つを封じてしまえば殆どのデッキが対抗手段を失う。
罠カードの採用率が低下の一途をたどっているからだ。
元々効果のことを考えなければ1900ラインの魔法使い族は3枚存在する。
《ヂェミナイ・エルフ》、《トゥーン・ヂェミナイ・エルフ》、《熟練の黒魔術師》が該当する。
しかし無理にそれらを全て3積みにする必要は無く、《霊滅術師 カイクウ》等の優秀な魔法使い族も《スキルドレイン》が来ない時の保険と考えれば採用すべきであろう。
また魔法使い族の唯一のデメリットアタッカーである《ダーク・エルフ》も採用できなくはない。
仮に《スキルドレイン》が発動していなくても、比較的許容できるデメリットであるのもありがたい。
【メタビート】に《魔法族の里》を組み込んだ形。
《霊滅術師 カイクウ》はそもそも【メタビート】で主に使われているので無理なく採用できる。
他のカードは基本的に1900ラインを確保できる《魔導戦士 ブレイカー》や《トゥーン・ヂェミナイ・エルフ》に厳選した方がいいかもしれない。
また、必然的に魔法使い族が減るので、《魔法族の里》及び《テラ・フォーミング》の採用枚数を減らすか場の魔法使い族の守りをより強固にしなくてはならない。
当たり前だが罠カードを中心とし、魔法カードをあまり使わないデッキには影響を与えられない。
そういったデッキに対しては《盗賊の七つ道具》や《王宮のお触れ》などで対抗しよう。
特に厳しいのがパーミッション寄りの【剣闘獣】である。
主だった魔法カードこそ相手は使えないが、《剣闘獣ベストロウリィ》や《剣闘獣ガイザレス》で簡単に《魔法族の里》を破壊できる上、罠カードだけでも十分動けるので、こちらが断然有利とは言いがたい。
特に2戦目以降で魔法カードを減らされると、相当手厳しいマッチとなる。《スキルドレイン》や《天罰》をサイドデッキからでも必ず入れよう。
上述されている事だが、簡単に1900ラインを超えてくる《ライトロード・パラディン ジェイン》・《ライトロード・ビースト ウォルフ》に魔法使い族であり《魔法族の里》を難なく破壊してくる《ライトロード・マジシャン ライラ》、更に強力な除去能力を持つ《ライトロード・ハンター ライコウ》などでこちらのロックを易々と破ってくる【ライトロード】も苦手な相手である。
【ライトロード】にも《スキルドレイン》は有効であるが、サイドデッキに《次元の裂け目》辺りを用意できるとより安心かも知れない。
罠カードの採用率が高い【メタビート】と【E・HEROビート】に苦戦する事も考えられる。
更に《E・HERO アブソルートZero》を擁する【E・HERO】にも注意が必要だが、こちらはまだ魔法カードへの依存率が高いのでそれほどでもないだろう。
また、《魔法族の里》は「自分フィールド上に"のみ"魔法使い族がいるとき〜」と書かれているため、同じ【魔法使い族】のミラーマッチや【墓守】相手では相手の召喚だけでロックが崩されてしまう。
それだけでなく《魔導戦士 ブレイカー》や《霊滅術師 カイクウ》、《墓守の番兵》といった汎用性の高い魔法使い族モンスターすら天敵となる。
魔法使い族が積まれているデッキと対する場合は、絶対に除去を惜しんではならない。
《魔法族の里》が存在すれば基本的にフィールド魔法を発動される心配は無いのだが、唯一《歯車街》の上書きセットによる効果の発動だけは防ぐ事ができない。
こちらの《魔法族の里》が破壊される事はないが、《古代の機械巨竜》の様な強力モンスターの特殊召喚を許してしまう点には注意が必要である。
このデッキは下級モンスターが主力ではあるのだが、《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》1枚で止まるモンスターが多くなる為、それらのカードへの対応も必要となる。
強力なデッキではあるが、この様に弱点自体は多いので思い切って2戦目以降《魔法族の里》を捨て、ビートダウンへと移るのも一つの手。