【魔法族の里】

デッキの概要

 《魔法族の里》を用いて、相手魔法カード発動を阻止するコントロールデッキ
 《魔法族の里》効果を最大限利用するために、モンスター構成は【魔法使い族】をベースとして考える。

《魔法族の里/Secret Village of the Spellcasters》
フィールド魔法
自分フィールド上にのみ魔法使い族モンスターが存在する場合、
相手は魔法カードを発動する事ができない。
自分フィールド上に魔法使い族モンスターが存在しない場合、
自分は魔法カードを発動することができない。

デッキ構築に際して

 まず、基本的には下級モンスターを中心とした【メタビート】のような構成が望ましい。
 《魔法族の里》が起用されている状態でアドバンス召喚に成功しても、罠カードで全てが無に帰ってしまうことが多い。
 そのため、基本的に上級モンスターの採用は見送るべきである。
 また上級モンスターでなくとも《奈落の落とし穴》《神の警告》を受け、場が空いてしまうことは避けたい。
 《王宮のお触れ》等の採用も視野にいれ、完全なロックを狙うつもりで構築するのも手だが、相手のモンスター効果には注意したい。

 また、《見習い魔術師》《水晶の占い師》といったリバース効果を持つモンスターも避けるべきである。
 《魔法族の里》魔法使い族表側表示で存在しなければ意味が無いため、裏側守備表示を基本とするリバース効果モンスターは基本的に戦術に貢献しない。
 ただし全く貢献できないというほどではなく、効果使用後のリバース効果モンスター《ディメンション・マジック》リリースに使用するなど、下級モンスターを生かせるカードを投入するなどの工夫ができれば良い。

モンスターカードについて

 魔法使い族である下級モンスターは豊富に存在する。
 いくつか例を挙げて説明する。

魔法・罠カードについて

 投入しているモンスター下級ばかりなので、相手上級モンスター等を破壊するのには少々厳しい。
 また、現環境では魔法カードに頼らずとも下級の限界点である攻撃力2000を超えてくるケースは珍しくない。
 そのためどうしても上級モンスターの対処は魔法・罠カードに頼るしかない。
 そのため、基本的にこのスペースは除去系もしくはロック系のカードで固めた方がいいだろう。

 基本的には魔法カードはすでに存在する魔法使い族の維持手段を中心にした方がいい。
 こちらの魔法使い族がいなくなったら自分が魔法カードを封じられるからだ。
 特にフリーチェーン速攻魔法は攻守両面で役立つ。

デッキの種類

 投入するカードによってがらりと構築が変わる場合もある。
 それを以下で説明する。

【里メタビ】

 【メタビート】《魔法族の里》を組み込んだ形。
 《霊滅術師 カイクウ》はそもそも【メタビート】で主に使われているので無理なく採用できる。
 他のカードは基本的に1900ラインを確保できる《魔導戦士 ブレイカー》《トゥーン・ヂェミナイ・エルフ》に厳選した方がいいかもしれない。
 また、必然的に魔法使い族が減るので、《魔法族の里》及び《テラ・フォーミング》の採用枚数を減らすか場の魔法使い族の守りをより強固にしなくてはならない。

【安地里ジョウゲン】

 《安全地帯》《昇霊術師 ジョウゲン》を守り、魔法カード特殊召喚に対策する。
 《魔法族の里》《安全地帯》《サイクロン》から守れる一方、《魔導戦士 ブレイカー》《ライトロード・マジシャン ライラ》を出されると窮地に陥るが、《魔導騎士 ディフェンダー》《オネスト》も使って《昇霊術師 ジョウゲン》を守っていく。
 しかし、「相手が特殊召喚に依存する」という前提のデッキなため、【メタビート】にはまったく効き目がないので注意。

【スキルドレイン】

 魔法カード効果モンスターを封じる型。
 現環境下でこれら二つを封じてしまえば殆どのデッキが対抗手段を失う。
 罠カードの採用率が低下の一途をたどっているからだ。
 更に《スキルドレイン》下で《月の書》《エネミーコントローラー》をチェーンして効果を通す、といった行動も封殺できるため戦闘破壊以外においては強固なロック性能を誇る。

 元々効果のことを考えなければ1900ラインの魔法使い族は4枚存在する。
 《ヂェミナイ・エルフ》《トゥーン・ヂェミナイ・エルフ》《熟練の黒魔術師》《クルセイダー・オブ・エンディミオン》が該当する。
 しかし無理にそれらを全て3積みにする必要は無く、《魔導戦士 ブレイカー》《霊滅術師 カイクウ》等の優秀な魔法使い族《スキルドレイン》が来ない時の保険と考えれば採用すべきであろう。
 また魔法使い族の唯一のデメリットアタッカーである《ダーク・エルフ》も採用できなくはない。仮に《スキルドレイン》発動していなくても、比較的許容できるデメリットであるのもありがたい。
 11/03/01《スキルドレイン》制限解除されたためやや復権した。

【光属性】

 魔法・罠カードだけでなく《オネスト》も用いて魔法使い族を守る型。
 ダメージ計算時に発動するため阻止されにくい点も評価に値する。

 光属性に絞っても下級で優秀な魔法使い族モンスターは十分存在する。
 アタッカー《クルセイダー・オブ・エンディミオン》《久遠の魔術師ミラ》《創世の預言者》や、《魔導騎士 ディフェンダー》《熟練の白魔導師》除去役の《ライトロード・マジシャン ライラ》がそうだ。
 攻撃力を度外視するなら《マジカルフィシアリスト》《ものマネ幻想師》あたりも採用の余地があるだろう。
 少々癖はあるが、《平穏の賢者》《白い泥棒》なども《オネスト》を使って効果発動を狙える。
 メタモンスター《昇霊術師 ジョウゲン》《ライオウ》光属性であるため相性は悪くない。
 《オネスト》同様に戦闘補助ができる《収縮》も同じく役に立つだろう。
 また上級ではあるが《カオス・マジシャン》光属性魔法使い族なので採用を考えられなくはない。また、大穴だが強力な効果を持つ《時の魔術師》を1枚くらい忍び込ませてみるのも面白い。
 光属性かつ魔法使い族シンクロモンスターである《アーカナイト・マジシャン》召喚も、余裕があれば狙って行くと良い。
 しかし、11/03/01にて《オネスト》制限カードになったため、光属性に特化した構築は難しくなっている。

このデッキの弱点

魔法カードに依存しないデッキ

 当たり前だが、罠カードモンスター効果中心のデッキ《魔法族の里》の効き目は薄く、ひとたび魔法使い族《魔法族の里》除去されると窮地に陥る。
 しかし、デッキ単位でみるとこのような例は少なくない。
 例えば、《剣闘獣ベストロウリィ》《剣闘獣ガイザレス》を使い回し、罠カードだけでも十分機能する【剣闘獣】《ゴッドバードアタック》《デルタ・クロウ−アンチ・リバース》で根こそぎ除去してくる【BF】《裁きの龍》《ライトロード・エンジェル ケルビム》を持つ【ライトロード】
 また、【メタビート】魔法カードより罠カードが多く、高打点の下級を多く積んでいるため苦戦を強いられる可能性がある。

相手の魔法使い族

 相手魔法使い族がいれば、それだけで《魔法族の里》は無意味になる。
 【墓守】【ライトロード】に限らずとも、《召喚僧サモンプリースト》《カオス・ソーサラー》《TG ハイパー・ライブラリアン》などの魔法使い族の採用率は非常に高い。
 滅多に見ないものの、【種族操作】が相手ならばより絶望的だ。

その他の弱点

 《魔法族の里》が存在すれば基本的にフィールド魔法発動される心配は無いのだが、《歯車街》などの上書きセットによる効果の発動だけは防ぐ事ができない。
 こちらの《魔法族の里》破壊される事はないが、《古代の機械巨竜》の様な強力モンスター特殊召喚を許してしまう点には注意が必要である。
 このデッキ下級モンスターが主力ではあるのだが、《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》《D・バインド》などの攻撃ロック永続罠に弱いモンスターが多いため、それらへの対応も必要となる。

 強力なデッキではあるが、この様に弱点自体は多いので思い切って2戦目以降《魔法族の里》を捨て、ビートダウンへと移るのも一つの手。
 維持のお手軽さでは《ナチュル・ビースト》に分があるため、こちらならではの構築が求められる。

サンプルレシピ

代表的なカード

関連リンク