《未来融合−フューチャー・フュージョン》と《オーバーロード・フュージョン》のコンボを使用した、《キメラテック・オーバー・ドラゴン》による1ターンキルデッキ。
07/03/01で切り札2枚が制限カードになり、さらに08/09/01で除外メタと爆発力増強を兼ねた《次元融合》が禁止カードになったため、大幅に弱体化している。
10/09/01の制限改訂で《サイバー・ドラゴン》は制限解除となったため、《サイバー・ドラゴン》が先に手札に来て《未来融合−フューチャー・フュージョン》が腐ってしまう可能性は少なくなったと言える。
しかし、《未来融合−フューチャー・フュージョン》・《オーバーロード・フュージョン》を早く手札に加えられるに越したことはないため、《打ち出の小槌》や《リロード》などを用意しておきたい。
《未来融合−フューチャー・フュージョン/Future Fusion》 永続魔法(制限カード) 自分のエクストラデッキに存在する融合モンスター1体をお互いに確認し、 決められた融合素材モンスターを自分のデッキから墓地へ送る。 発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時に、選択した融合モンスター1体を 融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。 このカードがフィールド上に存在しなくなった時、そのモンスターを破壊する。 そのモンスターが破壊された時このカードを破壊する。
《オーバーロード・フュージョン/Overload Fusion》 通常魔法(準制限カード) 自分のフィールド上または墓地から、 融合モンスターカードによって決められたモンスターをゲームから除外し、 闇属性・機械族の融合モンスター1体を融合デッキから特殊召喚する。 (この特殊召喚は融合召喚扱いとする)
《キメラテック・オーバー・ドラゴン/Chimeratech Overdragon》 融合・効果モンスター 星9/闇属性/機械族/攻 ?/守 ? 「サイバー・ドラゴン」+機械族モンスター1体以上 このモンスターは融合召喚でしか特殊召喚できない。 このカードの融合召喚に成功した時、 このカード以外の自分フィールド上のカードを全て墓地へ送る。 このカードの元々の攻撃力と守備力は、 融合素材にしたモンスターの数×800ポイントの数値になる。 このカードは融合素材にしたモンスターの数だけ 相手モンスターを攻撃する事ができる。
《キメラテック・オーバー・ドラゴン》を速攻で出して殴るだけである。
なお、攻撃力が8000に到達するための融合素材はわずかに10枚と、普通にデッキを構築する範疇で狙うことができる。
このコンボに《ハリケーン》などの伏せ除去を併せればほぼ完全な1ターンキルとなる。
しかし、現在では《大嵐》も禁止カードとなり、1ターンキルデッキは苦境に立たされている。
《メテオ・ストライク》等で貫通を付ければ守備表示モンスターがいてもまったく関係ない。
逆に、この手の1ターンキルの定番である《巨大化》・《リミッター解除》等は、《キメラテック・オーバー・ドラゴン》自体が8000を超えられるためなくても成立できる。
コンボ自体に使うカードが少ない分、同時に除去をうまくそろえる工夫をしたい。
代表的な「未来オーバー」は
などがある。
基本的に機械族による展開や高攻撃力を狙う性質から、これらのどれか一つとしてではなく、複数のパターンを組み合わせることも可能である。
特に1と2の組み合わせは《キメラテック・オーバー・ドラゴン》を召喚できなくても勝利できる要素が多くあり、汎用性が高い。
必然的に【サイバー・ドラゴン】はこのデッキのギミックを搭載でき、一切の無理もなく共存が可能である。
ただし現在《デビル・フランケン》、《次元融合》は禁止カードのため2と4は不可能となっている。
なお、扱いはやや変わるが、《次元融合》は《異次元からの帰還》でほぼ同じ戦術が取れる。
このデッキで最も重要なのは融合素材の機械族の選択。
基本的に《サイバー・ドラゴン》と各種魔法・罠カードさえあればどの機械族でもデッキは成立するため、この選択によりデッキは大きく変わる。
個々の性能もだが、それぞれのシナジーやモンスター同士でのコンボを考慮し選択したい。
ここではその一例を挙げる。
このようにそれ自体が機械族のモンスターだけでもさまざまなカードが揃っている。
また《オーバーロード・フュージョン》との相性は悪いが、機械族モンスターを光属性で統一し、《オーバーロード・フュージョン》の代わりに《サイバー・エルタニン》を採用することも出来る。
1ターンキルデッキの宿命として初期手札に影響されやすいという面がある。
これには、ある程度の低速化を覚悟して《魔導雑貨商人》や《魔装機関車 デコイチ》などのデッキ加速モンスターを入れたり、《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》などのロックパーツで対処可能。
ロックは《キメラテック・オーバー・ドラゴン》で自ら破壊できるが、表示形式変更は噛み合わないので注意。
また、機械族で固めないと《キメラテック・オーバー・ドラゴン》の攻撃力は期待できなくなる。
初歩的なところで、《キメラテック・オーバー・ドラゴン》や《次元融合》を使うにしても、特殊召喚されたモンスターが、《奈落の落とし穴》、《王宮の弾圧》などで対処されないように、このデッキのような1ターンキルデッキに魔法罠除去カードは必須である。
また、墓地に依存するデッキであるため【次元帝】等が相手の場合《次元の裂け目》《マクロコスモス》にも弱い。
前述したとおり《次元融合》で逆に利用するという選択が有効になるが、《次元融合》は現在禁止であるため罠カードの《異次元からの帰還》を使用することになる。
ただし、この種の相手ならば相手の除外も潤沢なため、相手に帰還をさせないメリットはある。
貫通を付与する場合、もし裏側守備表示モンスターが《アマゾネスの剣士》だった場合自分が即死する。
【アマゾネス】や一部の【戦士族】以外での採用はまずないが、そういう地雷カードが存在する事は覚えておこう。
また、《N・グラン・モール》や《フュージョニストキラー》、《スフィア・ボム 球体時限爆弾》にも無力となる。
対策としては、《メテオ・ストライク》の代わりに《流星の弓−シール》を投入する手がある。
《魔法の筒》などを使われたら目も当てられない。
【デッキ破壊】が相手であるなら《シールドクラッシュ》《抹殺の使徒》を決められるかどうかが勝負となる。
この二枚はデッキの爆発力を落としてしまうが、実際のところこの程度の対策しかない。
こちらも墓地を肥やすとはいえ、【ライトロード】等と異なり魔法カードが落ちると苦しくなるため、こうした相手は都合が悪い。
特にこのデッキは、《未来融合−フューチャー・フュージョン》を発動させることを前提として構成されている。
例によって《封印の黄金櫃》でこのカードを手札に加えた際に《マインドクラッシュ》で落とされたりすると、その後はかなり苦しい戦いを強いられることになる。
そのため、相手のフィールド上に伏せカードが存在する時はうかつに発動しないほうが無難だろう。
だからといって警戒して発動しないままでは、勝機を逃す事にも繋がる。ある程度の思い切りは必要。
根本的なところでは、《昇霊術師 ジョウゲン》《虚無魔人》《異星の最終戦士》《フォッシル・ダイナ パキケファロ》などの特殊召喚封じに極めて弱い。
また、《王家の眠る谷−ネクロバレー》を駆使する墓守や、《霊滅術師 カイクウ》で墓地を封じられると、《オーバーロード・フュージョン》が使えない。
《霊滅術師 カイクウ》の誘発効果は任意なので、この除外を利用して《次元融合》も利用できない。