ブースターSP−トライブ・フォース−で登場した霊獣を用いるビートダウンデッキ。
霊獣は、霊獣使い・精霊獣・融合モンスターの「聖霊獣騎」の3グループを内包するカテゴリである。
霊獣使いと精霊獣が融合して聖霊獣騎となり、聖霊獣騎はフリーチェーンで融合解除して霊獣使いと精霊獣に戻ることができる。
変幻自在の融合分離を繰り返して除去をかわしつつアドバンテージを蓄え、一気呵成のラッシュで相手のライフポイントを削り切る。
融合モンスターである聖霊獣騎は、いずれも霊獣と精霊獣をフィールドから除外することでエクストラデッキから特殊召喚できる。
また、聖霊獣騎をエクストラデッキに戻すことで、除外されている霊獣使いと精霊獣を特殊召喚できる。
ただし、霊獣使いと精霊獣はいずれも同名カードを1ターンに1度しか特殊召喚できないという制限がある。
つまり、除外されている霊獣使いと精霊獣の種類が多いほど聖霊獣騎の融合解除効果が使える回数が増え、より自由に動けるようになる。
したがって、霊獣使いと精霊獣はできるだけ多くの種類を搭載することが望ましい。
また、霊獣使いだけでも、精霊獣だけでも全く動けないという大きな弱点を負っている。
両者がバランス良く手札に引き込めるよう、投入枚数のバランスには注意する必要がある。
相手の除去などを融合解除効果でかわしながらアドバンテージを蓄え、相手が息切れしたところで攻めに転じる。
基本的な動きは以下の通り。
鍵となるのはサーチャーの《聖霊獣騎 カンナホーク》。
効果の発動は「1ターンに1度」だが、一旦フィールドを離れ再び特殊召喚すればまた効果を使用できる。
よって、霊獣使い+精霊獣のセットをできるだけ多く除外し、《聖霊獣騎 カンナホーク》を特殊召喚できる回数を増やす事がアドバンテージに直結する。
多くのデッキが墓地を肥やす事でアドバンテージを得るように、このデッキでは「除外を肥やす」事がアドバンテージとなる。
4〜5の動きも、通常なら(1)効果で墓地に2枚の霊獣が落ちてしまう所を1枚に留める事で、除外枚数を減らさないようにするためである。
場に霊獣使い+精霊獣、霊獣1枚が除外されていれば4〜5の動きが可能になるので、デュエル序盤はまずこの状態を目指すとよい。
霊獣使いと精霊獣は同名カードを1ターンに1度しか特殊召喚できないが、精霊獣の効果の発動は単なる1ターンに1度であり、一旦フィールドを離れ再び特殊召喚すればまた効果を使用できる。
よって、精霊獣を召喚→融合素材に→聖霊獣騎の効果で再度特殊召喚という流れで、2回の効果発動が可能となる。
特に《精霊獣 カンナホーク》の効果を序盤で2度使用できればかなり有利になるため、ぜひとも覚えておきたい。
当然ながら、特殊召喚または除外ギミックを封じられると完全に機能が停止する。
前者なら《虚無空間》、後者なら《王宮の鉄壁》が代表的なメタカードであるため、《サイクロン》等の魔法・罠カードの除去手段は用意しておきたい。
また、霊獣使いと精霊獣のいずれか片方だけが手札に固まってしまうとほとんど動けないのも宿命的な弱点である。
除去を《霊獣の連契》に強く依存しており、デッキの《霊獣の連契》3枚を使いきっても相手を倒せない場合かなり辛い。
最高打点は《聖霊獣騎 アペライオ》の攻撃力2600であり、霊獣自体の攻撃性能は控えめである。
最大の敵はこのデッキ自身のプレイングの難しさ。
1ターンに1度しか特殊召喚できない制限とフリーチェーンの融合解除効果が絡み合い、「どのカードを特殊召喚しており、どのカードをまだ特殊召喚していないのか」が非常に把握しにくい。
特殊召喚してから除外された霊獣は、カウンターを置く、置き方を変えるなど、何らかの方法で見分けが付くようにするとよいだろう。